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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「グランクレスト戦記」 4

 このご時世に水野良の名前を原作者に見ようとは思わなんだ。つってもまぁ、今調べたらまだ50歳そこそこなのでなんぼでも新作が出てくることはありえたんだな。

 富士見ファンタジアから出版された純正ファンタジー小説。ここ最近の「なろう」系作品の流れからすると逆に珍しいくらいに王道設定の王道作品ということになる。思い返せば「ロードス島戦記」も今やはるか昔になってはいるが、日本におけるラノベ的ファンタジー小説の嚆矢として、今でも様々な方面に影響を与えている重要な作品と言っていいだろう。かくいう私も、幼い頃に「ロードス島戦記」を読み、そこから「ソードワールドRPG」のリプレイなどにもつながっていったので、ファンタジー小説の土台は水野良によって形成されいてるのは間違いない。実際に購入してたのは私じゃなくて兄だったので、シリーズがひと段落した後に出た作品をわざわざ追いかけることはしなかったが、それでもなんとなく楽しかった記憶はあるし、未だにファンタジーといえばパーンやディードの冒険を思い浮かべるのも致し方なしである。

 そんな思い出深い水野良の原作作品ということに加え、本作はなんと畠山守監督作品でもある。私の中では最高のアニメ監督の一人として敬意を示してきた畠山監督が、今回は純正ファンタジー小説を題材にアニメを作る。これはこれで心踊るお話である。さて、どんなものが出てくるのか……ウゥン。どうだろう。1話目の印象は正直言ってあんまりかんばしいものではなかった。

 まぁ、ぶっちゃけ「1話目程度ではさっぱりわからない」というのが正直なところなのでまだまだ見守る必要はあるし、今後いくらでも面白い要素は増えていくと思うのだが、残念ながら1話目での掴みは弱い。というか、わからないことが多すぎて放っておかれている感が強い。単純なファンタジー設定なんだから設定なんて簡単だろ、と思われるかもしれないが、まずもってメインヒロインと主人公騎士の人となりが全然わからず、彼らが何を目的に生き、どの程度のモチベーションで野望を成し遂げようとしているのかがわからない。そして、そんなキャラクターたちが生きる世界の基本設定もわからないので、いきなり領主だのデーモンロードだの言われても、それがどんなニュアンスなのかもわからない。無い無い尽くしで足がかりがないのである。漠然とした印象だけで見ていると、主人公はヒロインに振り回されてなし崩し的に今の道を歩かされているような印象しかないのであんまり格好良くないし、なんの前触れもなくどこぞの領主のところに押し込み強盗を働き、突然向こうの重臣が裏切ったおかげで領主の座を簒奪できてしまうなど、善も悪もわからないうちから展開が大雑把なのである。若き見習い騎士パーンは地道に近所のゴブリンを退治するところから物語がスタートしたわけだが、今作のテオはレベルがどれくらいの状態でスタートしているのだろうか。もうちょい、チュートリアル部分は親切にやって欲しかったものだ。

 まぁ、それもこれも全部「様子見」だと言ってしまえばそれまでのことか。今後の展開で「純正ファンタジー」という(今となっては独自の)強みを活かして、なんとか「大作」となり得るような足がかりを作って欲しいものである。

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