Welcome ニュー戦隊! わぁい、賑やか、へんてこ、新しい戦隊だよ!
個人的には事前予告の時点で楽しそうな要素しかなかったので、大変盛り上がった1話目でした。いや、1話目なんだからお約束展開をなぞって紹介していくだけなんだけどね。それでもやっぱり、このハレのデビューの日は何かと豪華に、賑々しくなるものですよ。冒頭のきらびやかなカジノシーンで札束が乱舞する演出とか、お子様に見せて悪影響を与えないかな、って気がするじゃないですか。カイジとか闇金ウシジマくんみたいな匂いもするし。
そんなちょっと悪い匂いもさせているけど、やっぱりド直球で正義を貫く快盗戦隊。善悪が一概に判断できない危ない匂いのする存在が子供心を惹きつけるってのはいつの時代も変わらないモチーフであり、小学生の頃に学校の図書室で夢中になって「ルパン」シリーズを読んでいた幼い記憶がフラッシュバックする思いである。本作の場合は「悪い奴なの? いい奴なの?」っていう部分をあんまりしつこく掘り下げると「戦隊ヒーロー」としての分かりやすさ、盛り上がりを損ねてしまうので1話目からはっきりと彼らの信念を描いて「自分たちの正義」を明確にしているが、今後も折を見てこうした善悪の葛藤みたいな部分は描かれることになるんでしょう。快盗デザインということで久しぶり(と言ってもジュウオウホエールやシシレッドオリオンはいるが)のマントスーツは、マントのたなびきを活かしたアクションが綺麗に見えるので殺陣のシーンも色々といじりがいがあって良い。あと黄色かわいい。
そして、そんな快盗に対抗する、本作オリジナル要素「もう1つの戦隊」である警察。今後も様々な側面からこの対比構造が描かれていくことになるんだろうが、個人的には実は警察の方が好きだったりする。いや、全体の印象というか、レッドのキャラが。こういう言い方すると失礼かもしれないが、昨今の純正イケメンキャスティングが義務化されている東映特撮の中で、警察レッドの人ってかなり特殊じゃないですか。今改めてネットで画像検索したら役者さん本人の普通の状態ならやっぱりイケメン枠なんだけど、ちょっと崩れたパトレンのキャラは明らかに銭形ポジションの「三枚目」を意図されたキャラクターデザイン。最近だとこういう「熱血で頭が固くてバタ臭いレッド」ってなかなかメインを張らせてもらえなかったんですよ。だからもう、警察内部のドタバタコメディを見てるだけでも楽しいし、「こっちのレッドに頑張ってほしいな」ってちゃんと思えるキャラになっている。多分快盗の方が「華麗さ」みたいなものを押し出す為に警察サイドはかなり意図的に「むさくるしさ」というか「融通の効かない感じ」を出していると思うんだけど(変身後の敬礼ポーズなんて、子供が見てもダサいと思うのではなかろうか)、そのあたりの「相容れない感じ」が今から少しずつ手を取り合っていくと思えば、ワクワクする要素しかないじゃないですか。ほんと、いくらでも掘り下げられるデザインなので妄想が膨らみます。6機のビークルがデザインからして合体する気満々なのがすでにちょっと面白いわ。
こうしてそれぞれの持ち味を存分に発揮する2つの戦隊。そしてそれに対抗するのは……やったぜ、1年間待ち望んでいた「なんか身内でわちゃわちゃする敵組織」だ! やっぱこれだよなぁ。異形のモンスターが寄り集まってるのになんか家族感があるこの変な空間ね。今回はギャング団モチーフってことでちょっとドルネロファミリーみたいな部分もあるし、1話目から一筋縄でいかないピリピリした感じが出ているのも刺激的だ。あと、中の人たちな。宮本充キャスティングということで、多分今回の親分さんは最後の最後のラスボスじゃない気もする(温水が怪しすぎるせい)。注目の巨大化怪人(女性怪人)枠は竹達が担当。今期の竹達大活躍っぷりはなんなんだろ。他にも曲者系キャストがしっかり揃って色々盛り上げてくれそうな敵組織にも期待大だ。
何はともあれ、やっぱり戦隊のスタートは心踊る。今年が楽しい1年になりますように。
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