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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 カルタフィルス誕生秘話、第23話。まぁ、そりゃ重たい話になるわけだが……こうして視点を変えて見せられると、やっぱり痛々しい。

 チセVSカルタフィルスの中盤戦。眼球の交換をきっかけにカルタフィルスの深奥にまで入り込んでしまったチセは、流れ込む「いつか」を見てしまう。チセは過去にも様々な人ならざるものとの交感を行ってきたが、これもスレイベガの体質故のことだろうか。「悪しきもの」であると思われていたカルタフィルスであったが、その発端には2つの呪いが関わっていた。1つは元来「カルタフィルス」と呼ばれていた「何か」が負ってしまった根元の呪い。口さがない噂話では「神の子に石を投げたためだ」と囁かれていたが、正確なところは不明。とにかく、どれだけ苦しみ、朽ち果てようとも命が終わらぬというとんでもない呪いである。そしてもう1つが、そんなカルタフィルスを救おうとしてしまった少年・ヨセフの生まれ育ちの呪い。墓堀人の子供として村で忌み嫌われ続けた彼は、いつしか自分の不幸の終わりを、カルタフィルスの呪いの終わりと重ね合わせてしまっていた。カルタフィルスが解放されないことと、自分のどん底の人生の永続がリンクし、次第に精神を壊していく。他者から受ける理不尽に打ちのめされていた彼は、突然「カルタフィルスと同体になれば、外部からの理不尽な責め苦も消える」という途方も無い天啓を得てしまう。そして重なり合った2つの呪いは、さらなる責め苦を生み出しただけだ。

 尽きぬ苦痛を緩和するため、他者を巻き込み、少しずつ膨れ上がるカルタフィルスの憎悪と咎。そんな肥大化した呪いがついにチセにまで及ばんとしたところだったが、チセはチセで大きなものを背負った存在であり、2人の対立は決定的となる。チセだって、これまで幸せな人生を過ごしてきたわけではない。しかし、どこまでも他者に依存し、人生の理不尽を外部に発散させようとしていたヨセフに対し、チセは我が身の不幸を全て抱え込み、消え去ろうとしていた。それがひょんなことからエリアスに拾われ、まだまだ人生には続きがあるのだと学び、人の和を得ることができたのだ。運命を背負うにあたり、他力を求めるか、自己で完結させるかの違いが、二人の抱えた「呪い」に決定的な差を生み出してしまった。

 長命の呪いを受けたカルタフィルスは、それを終わらせることが望みであり、自らを取り巻く環境に転がっている有象無象には頓着しない。それに対し、短命の呪いを受けたチセは、イギリスに来て以来、限られた時間の中での出会いに大きな実りを得ていた。この度の対決シーンでは、そうしたつながりの差が歴然と表れている。レンフレッド、アリスちゃん、ティタニアとオベロン、さらにマリエルに至るまで、彼女の周りには、無償で手を貸してくれる仲間のなんと多いことか。そしてそんな中には、なんとかギリギリで立ち直ったエリアスの姿もあるのだ。チセの失踪に打ちのめされてズタボロになっていたエリアス。そのまま妖精たちにそそのかされて完全に「あちら側」の存在になってしまうかと思われたが、これまでチセと積み重ねた日々は無駄ではなかった。最後の最後でチセの望む世界をつなぎとめることに成功し、なんとか舞い戻ってくることができたのだ。チセさんはまだ怒っているが、あとはどれだけ真摯に罪滅ぼしができるかだろう。

 あまりに強大で、あまりに悲壮なカルタフィルスという存在。取り返しようもない罪を重ねた彼の人生にも、チセは救いを見いだせるだろうか。

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