最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
尽き果てぬ想い、第12話。言葉も無い。 正直、今回のエピソードについては、何を書こうとも野暮にしかなるまい。それくらいに全てを描き切ってしまっている。それだけに、ただ黙って受け入れればいいという気持ちと、ここまで積み上げてきたドラマ作りの技法について、貪欲に解体したいという気持ちが半々である。蛇足とは知りながらも、ある程度は覚書をしたためておこう。 正直、前回までのお話で「さて、ゴールはどこにあるのだろう」という疑問はあったのだ。まさか小淵沢貴子が生存しているわけもなく、報瀬はわざわざこれだけの苦労を重ねて南極にたどり着き、一体何を見て「終幕」を迎えればよいものかと。まさに、今回報瀬が前半でぼんやりしていた、あの感情そのままに「南極についてしまった時点で目的は終わりなのか」と思っていた。実際、彼女が南極に降り立って最初に発した言葉は「ざまあみろ」だったわけで、彼女の中で南極という目標が「母の夢の跡」という要素よりも、それまでの自分の人生を支えてきた「生きる糧」としての機能を前面に押し出し、母の面影は最小限に留める可能性もあるとすら思っていた。女の子4人の友情物語としてなら、それでも成立しないこともないのだし。 しかし、これまでたっぷりのドラマを見せてくれた本作が、その1点で手抜かりがあるはずもないのだ。今回顕著だったのは、報瀬と吟隊長が並んでいる構図。二人とも「貴子の弔い合戦」という大前提となる目的を共にしているが、かたや社会人として南極到達に確固たる目的意識を持った大人。かたやいざ自分がかの地を訪れる段になり、途方に暮れてしまった高校生。吟はまだまだゴールではなく先があることは知っている。では報瀬はどうなのか。その問いかけに、確固たる答えを見つけるのは困難だった。 そして、そんな行き詰まった報瀬に対し、一番気を揉んでいたのはキマリであった。これまで4人の中で様々な関係性が描かれ、ことに日向と報瀬の関係なんかはそれだけでも一大ジャンルを形成しそうな厚みがあったわけだが、やはり本作のスタート地点はキマリと報瀬なのである。何もなかった虚しい世界に新しい光を投げかけてくれた傍迷惑な恩人・報瀬への感謝。キマリはただ愚直に、その気持ちに報いようと奔走する(最初に報瀬の様子がおかしいことを指摘したのが日向だったのはちょっと面白い)。いまやこの4人は本当に「良い友達」である。我々視聴者なんかより、よっぽど報瀬の幸せを願い、報瀬の明日を想っている。そんな彼女たちだからこそ、わずかに残っていた3年前の記憶を掘り当てることができたのであろう。 そしてラストシーン。報瀬にとってのゴールとは何か。報瀬は何をもって、この旅の目的を果たせるのか。すでにその前のシーンに答えはあったのだ。故人は何も語らない。故人は何も思わない。ただ、その人に対して、生きている人間が何を想うかだけである。報瀬は、南極に来るためにただ一心に努力を続けてきた。様々なアルバイトに精を出し、高校生にできる限りのことをやり続けた。1つ1つ違うバイトで積み重ねた100万円。そのお札の1枚1枚に、彼女の人生が詰まっている。そして、そんな風に並べた100枚のお札にも勝る執念。10倍を超える量で押し寄せるメール。今の報瀬をねぎらうことができるのは、友達でもない、吟でもない。まして、物言わぬ故人でもない。ただひたすらに積み重ねてきた、過去の自分からの返礼。こんなにも必死に、こんなにも純粋に、戦い続けてきた歴史だった。 報瀬は間違いなく、ゴールにたどり着けた。当て所ないメールの数々は、母親の下には届かず、返礼として自分に還る。一万四千キロの旅の果て、その気持ちの届かぬ果ての果ては、「宇宙よりも遠い場所」。 PR |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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