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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 1120日という日付に思い入れがある人がどれくらいいるだろうか。誰かの誕生日だったり、命日だったり、結婚記念日だったり、そんな人はたくさんいるのだろうが、私にとってもその日付は忘れられないものになっている。2004年、1120日。伝説的萌えソングユニット、UNDER17が解散した日だ。わずか3年という短い活動期間を全力で駆け抜けたアンセブは、当時の私の様々な感情形成に大きな影響を及ぼし、ラストライブには参加できなかったものの、共通のファンとは涙しながらその喪失について思いの丈をぶつけていた記憶がある。

 そして、この度新しく、5.13という日付も歴史の1ページとして刻まれることになった。アンセブの活動期間は3年。そして、Roseliaの活動期間は未だわずかに1年。それでもなお、この日の記憶は忘れられないものになるだろう。アンセブのラストライブのタイトルは「そして伝説へ」。このたびのライブがEwigkeit(永遠)になり、伝説になるかは、まだ誰にも分からない。

 

 歴史的瞬間をその目に焼き付けんと、意を決して向かったライブビューイング。本来ならセットリストとともにそのレポートでも書きたかったところなのだが、どこをどう切り取っても感情的な話しか出てこないし、あまりレポートにする意味もない。しかし、生来の難儀な性分から何かアウトプットせずにはいられない。そこで今回は、Roseliaというバンドのこれまでとこれからに思いを巡らしつつ、ライブを見て感じたこと、今まで感じてきたこのたびの顛末への由無し事を、自分語りの一形態としてまとめていこうと思う。

 

 




 

 

ONENESS 〜相羽あいなの戦い〜

 実際に観に行く前に知人に冗談交じりに言っていたのだが「ライブで『スターマイン』、『軌跡』、『ONENESS』がかかったら、絶対に泣く」と思っていた。歌詞の内容があまりにも一途なONENESSは、あらゆる感情のスイッチになると思っていたからだ。しかし実際にはそうはならなかった。なんとオープニング1発目にかかったのがこのONENESSだったからだ。確かに言われてみればハードな曲の多いRoseliaの楽曲の中でも、開幕の口火を切るのにふさわしいパワーのある楽曲。しんみりした感情を込める以外に、こうした展開もあるものか。おかげでライブの高揚感をぶち上げるのに一役買い、私はこの曲で泣かずに済んだ。しかし、今にして思えば、この曲を1曲目に選択したメンバーの方にこそ、感情の大きな重圧はあったのではなかろうか。「全て賭けた覚悟を抱いて共に行こう」と歌うこの曲の持つ意味は、歌詞を咀嚼し、誰よりも噛みしめていたメインボーカルにこそ届いていたのかもしれない。

 

 言い方は悪いかもしれないが、正直、この日のあいあいのボーカルは安定感を欠いた。私が変調に気づいたのは三番目にかかったカバー曲メドレーのあたりなのだが、歌い慣れたはずの「魂のルフラン」や「Hacking to the Gate」ですら、度々音がずれる。ひょっとして体調が悪いのではないかと心配になったほどだ。しかし、その後の表情を見てすぐに当たり前のことに気がつく。こんな舞台、こんな状態で、完璧なパフォーマンスを見せられる人間などいるはずがないということに。ライブ終焉時には、メンバー4人が滂沱の涙を流すことになった公演。誰よりもその意味を理解しているメンバーにこそ、そのプレッシャーはかかるのは当然のことであり、1曲目に決意の「ONENESS」を歌ったあいあいは、おそらく誰よりも過酷にその感情の波と戦い続けなければならなかった。そのことを思えば、彼女がどれだけ気丈に、3時間に及ぶライブステージの上で戦い続けたのかは想像も出来ない。アーティストとして、完璧なパフォーマンスを求める意見もあるかもしれないが(それこそ湊友希那であればそれを求めるのであろうが)、私はパフォーマーとしての相羽あいなには、精一杯の戦いを見せてくれるだけの思いの強さを見せてもらえたことの方が嬉しかった。

 

 

○深愛 〜この日のセットリスト〜

 当日のセットリストはわざわざここには記載しないので他所の記事などを参照してほしいのだが、改めて見ると、本当にたった1つの目的に特化したリストになっているな、という印象である。先ごろファーストアルバムをリリースしたばかりのRoselia。普通のアーティストならば「初のアルバムを引っさげて」ということで新曲のお披露目になるところだろうが、今回はアルバムから「Neo-Aspect」、さらに1つ前のシングルからは「軌跡」の披露にとどまり、「Opera of the Wasteland」と「Legendary」のお披露目はお預けとなった。まぁ、新しい曲を何曲も練習する時間的余裕がないという裏事情もあったのかもしれないが、そんな中で、あえて新規のカバー曲としてわざわざ「深愛」を用意したのである。

 開演前には「カバー曲の初披露も1曲くらいは欲しいよね」なんて連れ合いと話をしており、その時に「深愛がかかったらたまらんな」という話もしていたのだが、「『軌跡』もあるし、さすがにコンセプトが被りすぎるのでは」なんてことも言っていたのだが、そこをあえて重ねてきた。これでもかと畳み掛けてくるようなリストである。これだけの「花道」が用意されていたということからも、メンバーやスタッフ一同がこの日のイベントに込めた「意味」は伝わってくるだろう。

 

 

○熱色スターマイン 〜5人のメンバー〜

 ライブ中には映像コンテンツとして「キャラ設定を崩しちゃいけない格付けクイズ」が放送され、メンバーそれぞれの(なんとも救いようのない)姿が披露された。個人的にはポンコツ二大巨頭のあいあいVSくどはるの仁義なき戦いが最高でしたね。撮影スケジュールの関係なのか、あいあいとめぐちぃが完全にコンビ芸と化していて容赦ないツッコミを浴びせられるあいあいのエキセントリックな物言いがいちいち楽しい(個人的クライマックスは必死にアルファベットの選択ミスのリカバリー申請するあいあい)。こうして愉快な表情を見せてくれる5人のメンバーは、ライブ中にも本当にいい顔を見せてくれる。

 以前も書いたことなのだが、私がRoselia推しに一気に転じたのは、「熱色スターマイン」の映像が公式公開された時で、特にめぐちぃが本当に楽しそうにドラムを叩いている姿が印象的だった。この日のライブ中もそれは健在、いや、むしろ経験を重ね、様々な表現を広げる余裕が出来たこともあり、「ドラマー」宇田川あこはまさに一流のパフォーマーと呼ぶにふさわしい堂々たるドラムワークを見せてくれた。メンバー紹介の導入時など、今回はリズム隊の活躍シーンが多く、ライブビューイングでは間近で撮ったスティックさばきが堪能できるのが嬉しい。

 めぐちぃの弾けるようなドラムワークが好きだ。あけこの流麗な指運が好きだ。くどはるのドヤ顔で見せるソロワークが好きだ。ゆりしぃがピックをくわえてここぞと見せる指弾きが好きだ。そしてそんな仲間たちの真ん中で、あいあいが決める大きなパフォーマンスが好きだ。5つのピースは、本当に隙間なく繋がって1つの絵を見せてくれる。

 

 

○ひだまりロードナイト 〜遠藤ゆりか引退へ〜

 そんな中での、今回のメイントピックである。彼女の引退については、前例のない出来事であるだけに、遠藤ゆりかという声優個人の問題としても、Roseliaというチームの問題としても、そして現代声優業界全体の問題としても、様々な議論の余地がある。普通に考えて、彼女のような年若い「声優」が、せっかく掴んだこれほどまでに大きな役を手放し、引退するなどという展開はありえないからだ。

 「彼女が何故引退するのか」については、我々部外者のあずかり知らぬところである。公式には「体調の問題」ということだけが触れられているが、その文言の意味する正確なところは分からない。本当に活動が不可能になるような大きな病気を抱えているのなら発表から半年という活動期間に疑問が残るし、少なくとも(Roselia以外での露出を見ても)仕事が出来ない状態だと思われない。釈然としないものが残るのは事実である。

 それでも、彼女本人が引退を決意し、それを事務所や関係各所が受け入れたということは、おそらく何か止むに止まれぬ事情があったということなのだろう。こればかりは是か非かという問題ではない。ただ事実として引退があるというだけの話だ。もちろん、本人も自分の決断がもたらした影響の大きさは理解しているだろう。否、最もその重さを知っているのは本人に違いないのだ。だからこそ彼女は、その責任を最後まで全うすべく、ステージ上ではずっと笑顔のままでいた。自分が空けてしまった穴をなんとしても埋めようと、その傷を最小限に止める努力をしていた。

 有象無象の蠢く戦国時代とも称される現代の声優業界において、ここまでの実績を積み重ねるだけでも並大抵の苦労ではなかったはず。それを全て終わらせる決断に至った彼女の決心を、外野は讃えることこそ出来ないかもしれないが、誰にも咎める権利はない。

 最後のコメントであけこが「永遠なんてあるはずがない、いつか終わりは来ると分かっているはずなのに」と言っていた。このたびの一件は、本当に偶然が重なった結果、その「終わり」がこのタイミングで訪れてしまっただけのことなのだ。

 「ひだまりロードナイト」は、作中ではあくまでも「今井リサのことを歌った歌」である。しかし、さすがに事ここに至っては、我々ファンも、メンバーも、この曲を「遠藤ゆりかの歌」であると認識せずにはいられない。おそらく、今後のライブではこの曲がかかる数は減るのではなかろうか。アンコール後のフィナーレを飾ることは、もう無いだろう。これからも続いていくRoseliaの未来を思うことは大切だが、せめて1つくらい、ここに残していくものがあっても、いいと思うのだ。

 

 

Neo-Aspect 〜新メンバー・中島由貴〜

 終わった歴史があり、新しく始まる歴史がある。ただ、意外にも今回のイベントでは「新メンバー加入」という一大イベントは扱いがかなり軽かった。一応軽く触れておくと、アンコール後の「BLACK SHOUT」の途中で曲がストップ、舞台暗転の後、袖から共通の「リサ姉ギター」を持った中島が登場し、サビ部分からはツインギターで展開。その後正式にメンバー紹介があり、多少のMCは挟んだものの簡単な挨拶をして退場。その後の曲に絡むことはなく、カーテンフォールの際にも登場しなかった。

 今回のイベントは、やはり上述の通りに「遠藤ゆりかのフィナーレ」という側面が強く、その際に新メンバー加入を前面に持ち出すことはコンセプトがブレるという判断だったのだろう。また、MCによれば音合わせは「BLACK SHOUT」のみであり、実際に練習時に顔を合わせたメンバーも少ないという話だったので、まだバンドとしての活動はほとんど行えていないことがうかがえる。前例のないことなので、おそらく製作スタッフも多忙な中での進行になっているだろうし、「6人目のメンバー」としての正式な加入は今後の課題ということになったのだと思われる。正直、1曲くらいはしっかり共演しているところが見たかったところなのだが、こればかりはしょうがないところか。

 新メンバーの中島については、ぶっちゃけ私は何も知らないので「今後に期待」としか言いようがないのだが、半端に知っている人間がこなかったことはむしろホッとしている。新しい今井リサを作り上げるにあたり、一度そのキャンバスを真っ白にしてもらった方がありがたいと思っていたからだ。声優としての演技がどうこういう部分は分からないが、まぁ、そもそもあいあいだってゼロからのスタートみたいなものだったのだから、バンドコンセプトとしては理にかなっているのではなかろうか。今後の「6人目のRoselia」には是非とも頑張ってもらいたい。

 

 

○軌跡 〜涙からの始まり〜

 こうして文章を書いていても、私の中ではまだこの度のことは消化しきれていない。どれだけ頭で分かっていても「別れ」が悲しいのはどうしようもないことだ。わずか1年だけのこと。声優としての遠藤ゆりかについても、さして思い入れはなかったはず。それでも、この半年間で彼女たちが見せてくれた全てのものの尊さは疑いようがない。こうして掛け替えのない感情を提供してくれるのが、表現者という人たちなのであろう。我々ファンは彼女たちの残す足跡を、彼女たちが刻んだ軌跡を追いかけるだけの存在である。

 『ひだまりロードナイト』の演奏では、涙で顔をくしゃくしゃにするめぐちぃがいた。涙で前が見えなくなりそうなところを、いつも通りの笑顔を作ろうと懸命になり、スティックを振るい続ける姿が本当に眩しかった。普段はおちゃらけた表情を崩さないくどはるが静かに泣いていた。ギターとベース。左右に対峙する二人の間で何度も視線を交わしながら、もう2度と見ることのないその光景を目に焼き付けているようだった。最後まで声を出し続け、全ての曲を歌いきったあいあいが、最後には涙ながらに「歌いきったよ」と隣にいるゆりしぃに縋りついた。自分ができる最高の手向けを届け、親友の花道を飾った。最後まで気丈に涙を見せなかったあけこが、「終わっちゃった」と一言を漏らした後、堰を切ったように泣き崩れた。この日のために積み重ねた全てが、最も望まれる形で結実し、認めたくない現実を残した。

 それでも、ステージの中心で、この日の主役は笑顔だった。愛すべきメンバーたちの進む未来がきっと良いものになると、疑わぬが故に笑顔だった。

 また新たに、11人でRoseliaがスタートする。

 その記念すべき第一歩を、我々も盛大に祝そうではないか。

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