最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
生徒会選挙ってそんなに候補者が出るもんなんやな、第3話。私がいた高校の場合、そんなめんどくせぇ仕事は誰もやりたがらなかったので、大体は教師陣が目星をつけた相手にプレッシャーをかけて無理やり任命していた。選挙演説なんてなくて所信表明だけやってた気がする。生徒会長とか、やっても何の得にもならんからなぁ。 そんな本筋とは関係ない話題はさておき、着実に進行する安定感と緊迫感が内包している作品。先に百合要素について処理しておくと、本作はすごく普通のものとしてそこに同性間の感情が転がっているのが何だか不思議でもあり、自然でもあり。事前の配置として、侑の友達が「つい最近男にフられた」という事実が提示されることで、まず「通常の」恋愛観がそこに示される。しかし、そこでさらに友人が「好きだって言い続けてれば、そのうち相手だって好きになるんじゃね」というアドバイスを提示し、侑はごく自然に、そのアドバイスを自分と燈子の関係に重ね合わせるのである。そこに、あまり同性間であることの障壁は感じられない。さらに侑のねーちゃんがやたらと「彼女か? あぁ? 彼女か?」と迫ってくる謎テンションを持っており、別にそれでもよくない? という後押しの役割を果たす。もちろん、家庭の中で唯一の男性であるお父さんだけはチクリと「常識的な」けん制をしたりもするのだが、音量も小さく、侑にほとんど響いていないことを考えると、やはり、彼女の中での「恋愛対象」という代物は、「現時点で何もわからない」という点において男だろうが女だろうがニュートラルな状態なようだ。もちろん、それを利用して何の抵抗もない間接キスをかましたり、程よいサービスを先輩に提供してあげるあたりがナチュラルボーンジゴロである。 アニメになって、こうした侑の持つ「強さ」「したたかさ」「異質さ」みたいなものが際立つ演出になっている気がする。いや、多分原作でも同じ内容は読み取れるはずなのだが、私が流し読みしてしまうようなファクターもアニメだと立ち止まって見る必要があるので、原作の意図がより強く浮き彫りになっているというべきか。乙女恋愛の主人公としては異質な強さを持つ侑。どんな仕事でもやろうと思えばそつなくこなす強さを持ち、才色兼備の燈子の前でも物怖じせず、むしろ支配的なポジションにすら立っているその様子は、恋愛漫画としては主人公というよりも攻略対象の属性が多い。そして、今作が異質なのはそうした「ボスキャラ級主人公」である侑の中での変質を描く物語になっているからなのだろう。まぁ、見方によっては子供が大人になる物語でもあるけども。 一つ、今回の放送を見てとりとめの無いことを考えるに至った。それは、今作のタイトルについててである。サブタイトルもなかなか憎らしい名付けではあるが(「まだ大気圏」っていいよね)、そうではなくてメインタイトルの「やがて君になる」の方だ。英語タイトルだと「Bloom into you」となっているのだが、ここで注目すべきは「君」という言葉の扱いである。実は日本語において、二人称の人称詞というのはかなり特殊な立ち位置にある。日常会話での出現頻度が、他言語に比べて著しく低いのだ(個人の感想です)。わざわざ「君」「あなた」と呼称するのは、よほど「相手」について意識的である時に限定される。「目の前に対象となる他者がいること」を明示する「君」という語。その前提条件は、その「君」を認識するための「私」である。今回の放送では何度か「一人称」視点のカットが挟まれており、そうした視点の取り方を考えさせられる演出になっている。例えばわざわざ侑の家にお土産を届けに行ったときの燈子の視点、そして演説のために登壇するときの侑の視点。それぞれの1人称視点は、「君」を見るための視点だ。 また、侑がこだわっている「特別」という言葉の意味にも気をつけたい。「特別になる」というフレーズで思い起こされるのは何と言っても黄前久美子嬢と高坂麗奈さんの2人だが、彼女たちのいう「特別」とは、基本的には「何物にも埋もれない唯一無二の私」を指すものである。それを象徴的に示していた田中あすか(CV:七海燈子)の存在が、彼女たちの描く「特別」をはっきりと示している。それに対し、今作の侑が思い巡らせる「特別」は決してそんな秀でたものを表す言葉ではない。あくまで「燈子が唯一自然に接することができる唯一の存在」が「燈子にとっての特別な自分」であり、さらにそんな自分に気づかせてくれた燈子は、やはり侑にとっての「特別」なのである。そうして「私」と「君」の間でのみ成立する「特別」な関係。これこそが、今作で描かれるべき「君」という言葉の目標地点ということになるのだろう。「やがて私になる」ではなく、「やがて特別になる」でもない、2人の目に映るお互いの姿こそが「やがて君になる(Bloom into you)」。なるほど、うまいタイトルを考えたものである。 そんなことを考えながら見てみると、また少し、違った画面が見えてくるのかもしれない。なお、目がキラキラする侑は、目のサイズがでかいのでちょっと怖い。 PR |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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