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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 見てきました。本作で得られた最も有益な知見は、「全身に刺青してるキャラが全裸になっても、なんか服着てるみたいに見えるせいでいまいち興奮しない」です。全身に刺青入れてる人間に今後の人生で出会う予定はないんですけど。あと、「サブタイトルがなんかルアゴイフサイクルっぽい」とか。……ネタ振りでどうでもいいことしか書けないんですが、さて、ここから何を書いたらいいものやら……。

 

 

<以下、一応ネタバレを含む可能性があるので未視聴注意>

 

 




 先にどこかのサイトでちょっと感想みたいなものを見てしまっていたのだが(ネタバレは見ずにね)、そこで見た辛辣な評価に「で、だから何?」というのがあった。うん、まぁ、気持ちは分からんでもないんだよな……。やりたかったことは分かるんだ、そして、テーマ設定はかなり雄弁に語っているし、脚本部分で考えるべきポイントがあったのも一応受け止めよう。ただ、「だから何?」というレベルになってしまっているのも事実である気がする。アニメ映画としての筋立てをまとめて、結論っぽいものを何か出してきたものの、「それはわざわざ3部作で描きたかったものなのか?」という疑問は残る。いや、最大の疑問はやはり、「これがゴジラを使って描きたかったものなのか?」という部分かな。第2部の時点で既に「ゴジラファンが見たいものはこれじゃないんじゃねぇかな」と門外漢なりの感想を漏らしていたが、今作に至ってその思いは確信めいたものになった。確かに初代ゴジラから綿々と受け継がれる「人が環境を壊したから! ゴジラは!」みたいな側面っていうのはあるんだろうけど、まさかそこをさらに引き伸ばして、「もしかして、ゴジラってそういう先を見た存在なのでは?」なんて思索に足を踏み入れるなんて思っていなかったよ。

 あえてここで安っぽい言葉で語るなら、この第3部は終始哲学的な思索に没頭している。これまで繋いできたエピソードは1部がわかりやすい「人類が頑張って怪獣倒すお話」で、第2部は人類の「力」を超えたビルサルドたちの「技術」の物語。彼らの生命の尊厳は、地球人とは異なるものだったことで議論の的となり、結果的にハルオの手で否定されてしまった。その時点で既に方向性は見えていたのかもしれないが、第3部に入っていよいよ「宗教的側面」が際立ち始め、最終的には宗教というより他ない、「滅びの哲学」にたどり着いてしまった。まぁ、信教はそれぞれの自由だから好きにしてもらって構わないんだけど、その対立、ゴジラ挟んでやる必要あるか?

 「ゴジラは人類が地球を蝕み、汚してしまったせいで生まれた懲罰なのではないか」という部分がこれまでのゴジラ的テーゼの1つ。そして、これを「いや、いっそ地球と人類はこのゴジラを生み出すための存在だったのではないか」と捻ったところまでは素直に面白い。ぶっちゃけ、そこでストップして「星を1つ費やしてまで生み出された至高の存在であるゴジラを讃えよ」だったらお話として成立する(面白いかどうかは別として)。さらに理想的には、そこまでしてageておいたゴジラを何とかして人類がぶっ倒すという展開を無理やりでも成立させてハッピーエンドを迎える形で、すげぇ陳腐ではあるが、おそらくファンが見たかったものの多くはその展開に詰まっている(つまり1部のラスト20分くらいまでのパートである)。しかし、ゴジラに勝てるかどうかという問題は既に第2部で結論が出てしまっており、やっぱり「地球が全精力を持って生み出した化け物」は除去できないものだった。もう、諦めるしかない。人類は役目を終えたのだから滅びるしかない。

 はずだったのに……そのゴジラすら食おうとしている「神」が出てきちゃう。うーむ、そりゃま、びっくりはするが……そこに踏み込んだら、「GODZZIRA」っていうタイトルは詐欺じゃないかね? ゴジラ、食物連鎖の真ん中で宙ぶらりんじゃないかね? 結局今作はゴジラのことを「どうしたかった」の? そこが一番もやっとする。ゴジラに対する人類のスタンスはわかりやすく2パターンが考えられ「おのれゴジラ、何としても人類はお前に勝ってやる」という打倒のスタンス、もしくは「やっぱりゴジラは強くて格好いいや! いけいけ僕らのゴジラ!」と応援しちゃうスタンス。おそらく過去作はそのどちらもあったと思うのだが、今回はそれがなんとも半端だ。ギドラのヤバさを説明するくだりがやたら冗長で、一応、宇宙船をぶっ壊すまでくらいの尺なら面白く見られる(「私たちは既に死んでる?」のくだりとか不気味で好きよ)。しかしその後地球に降り立った後の杉田解説員たちの懇切丁寧な「ギドラ、マジイミフwww」っていう講釈がやたら長く、「いや、なんかすごいのはわかったから、もうちょいゴジラの顔見せて」って思ってしまう。そして、どれだけ理屈の上での超越性を語られたところで、ぽっと出(?)のなんか長くて黄色いやつが今まで散々戦ってきたゴジラよりもやばくて有害であるなんてことは認識できるものではない。既にゴジラ相手に死ぬの生きるのの覚悟を固める段階は終わっているわけで、そこにさらに「いっそ星ごと食べられて滅びの美学を追求しましょう」って言われても、「ん? そうなのか?」くらいの感想である。そこで改めて「ごじゅら〜、がんばえ〜!」って応援する気にもならんし、かといってギドラを応援するわけにもいかんし、どういうスタンスで見ていいのかわからないのですごく座りが悪い。

 最終的にはメトフィエスさんがハルオにこだわりすぎていたため、アイアンクローからの眼球抉りという謎の決まり手で多元宇宙規模の存在があっさり打破されてしまうわけだが(途中でモスラの協力もあったか?)、未だにメトフィエスさんがなんであんなにハルオにこだわってたのかがよくわかってない。「ゴジラを憎むものがいるからこそ、ゴジラは存在価値がある」的なことを言っていたが、あくまでエクシフにとって大切なのはゴジラじゃなくてギドラの方だろうに。何万年も必死に育て上げてきた地球とゴジラという最高の「贄」をできるだけ美味しく王に召し上がっていただきたかったという気持ちはわかるが、そこにこだわりすぎて存在ごと抹消されたら本末転倒。最後の最後でなんでそんなに迂闊だったのさ。やっぱり宗教家の考えることはよくわからん。つまり、脚本家の本意がよくわからん。

 あとはまぁ、上でもちょろっと書いたけど、モスラの存在感が半端だったよね。そりゃま、三つ巴大決戦になるとまでは期待してなかったけど、あんなちょい役というか舞台装置レベルの出し方なら、いっそにおわせずにカットしたほうがよかった気もする。すでに「地球の全てを費やした存在」としてゴジラを描いているのだから、それ以外に「地球意思」を介入させてしまうのはどこかちぐはぐだ。まぁ、「人類が生み出したエゴの塊」としてのゴジラと、「それすら許容する母なる地球の源存在」としてのモスラという対比なのかもしれないが……それって、理屈の上ではどちらもギドラの格好の餌というだけの話では……。なんでモスラだけちょっとギドラに対抗できたんだろ。

 うーむ、結局どこを一番メインに描きたかったのかがピンとこなかったんだよな。最後のハルオの行動にしても、「進化の手がかりを持ち出して今後の人類の復帰を止める」という目的が最優先だったようにも見えるし、「メトフィエスの遺志を尊重し、自分の憎しみの感情を最後まで残し続ける」という意図もあったように見える。最後に女の子の心中したくなったのかもしれないし、単にやけっぱちで面倒くさくなったという考え方もあるだろう。様々な視点を持ちえるが、どれも「これぞ」という答えになっていないのがもやっとしてしまうところ。「あなたが好きに答えを出してください」ではダメだよなぁ……。

 なんか、「わからない」ばっかりの感想記事になってしまいましたが、やっぱり3部構成にしたせいでこちらの視点も定まりにくくなったのは痛かった気がしますな。まとめてやれる内容じゃないし、1部2部3部とぱっきり割れたからこそ描けたテーマ設定でもあるんだろうけど、こちらのモチベーションというか、頭の持っていき方を維持できる尺じゃなかったものでね。そのうち一挙放送みたいな形式でまとめて見られる機会もあるでしょうし、その時に改めて、この3部が描きたかったメッセージを考えてみる必要はあるかもしれません。

 あ、そうそう、最後のギドラ撲滅シーンで流れてるBGMがモスラの歌のアレンジフレーズになってたのはちょっと好き。

 

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