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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 登場後一発目の技がトペの怪獣ってどないやねん、第10話。あの気持ちの悪いモーションは怪獣の歴史に残るぞ……いや、怪獣にカテゴライズしていいのかどうかよく分からんが。とにかくモーションが恐ろしくて、本作の最大の売りである特撮&アニメの融合形態としては最高にアツいバトルだったのは間違いない(キモかったけど)。

 見事にサブタイ通りの展開となっている崩壊の序曲。何が壊れるのかと思ったら、完全にぶっ壊れたのは「アカネの世界」であった。いやはや、何が起こってしまったのかさっぱりだが……。

 世界創造のモチベーションを失ってしまった「神」。いや、ここではもう、創造の力が欠けてしまった「元・神」とでも称した方が良いのだろうか。世界を管理し、意のままに操ることを楽しんできたアカネだったが、度重なるグリッドマンの妨害によって世界はほころび始め、絶対的な統制機構であったはずの怪獣もことごとく対処されてしまう。万能感が消え、責務を負わされた作業になってしまったら、楽しかった怪獣づくりも単なる苦行。「なぜ怪獣を作っていたのか」も定かでなくなり、提出したタスクは期限を守るだけのズタボロクオリティ。それでも一応ノルマを果たしたってことでアレクシスさんが製品化したわけだが、元々なんのモチベーションもない怪獣が暴れたところで世界に影響を与えられるはずもない。瞬殺されたというよりも、「さっさとお家に帰りたかった」ぐらいの方が正しい表現だったのかもしれない。

 神がやる気を失ってしまった世界。そのまま自動運転で世界は進んでいくわけで、怪獣も出てこなくなったのなら平和そのもので万々歳のはずなのだが、残念ながらそこはアレクシスさんの意思が介在してしまう。今回の怪獣が一体どういうシステムになっていたのかはよく分からないが、まさかの「中の人」が登場。そのあまりに機敏な動きは完全に怪獣の範囲を逸脱しており、もうアカネなりのポリシーも何もあったもんじゃない存在。アレクシスが「中の人」と称していたのは単なるおふざけだったのか、それとも、アレクシスが過去に具現化させた怪獣もああして中に「なんらかの動かす人」を導入していたという意味なのか、そのあたりは定かでないが、確かにあの動きの機敏さとアクションの大仰さは怪獣の中にいるべき「アクター」の動きを彷彿させるものである。実際にはそのアクターが「アカネの持つ悪意そのもの」であることが関係者筋のアンチ君に語られており、おそらくアレクシスは、そうした人間の巨大な負の感情をエネルギーにして、怪獣を作り、動かしていたということなのだろう。今回は「がわ」があまりにも脆弱だったため、薄弱になり、目的意識すら失ったアカネのどうしようもない悪意が、あのような形で暴走したということなのだろう。感情をそっちに持って行かれてしまったアカネさんは、もう、何の感情もなく、ただただ自分の作った街をあてどもなくさまようばかりである。

 そして、ヒーローと戦う怪獣という美学、いわゆるプロレスを失ってしまった怪獣は、かえって強い。何しろ守るべきルールが何一つないのだ。怪獣は「序盤優勢、最終的に敗北」とかいう不文律があるし、ヒーローがやるべき格好いいいことを全部受けきらなきゃいけないというかわいそうなノルマがあるが、今回の怪獣はそんなこと一切気にしない。登場直後からいきなり先制攻撃で容赦なく殴ってくるし、せっかくの装備(普通に考えたら一番売り出すべきおもちゃだ)を容赦無くひっぺがし、生身のグリッドマンを殴る蹴る。ちびっこが一番望まない展開を平然とやってのける。枷が外れてしまった「アクター怪獣」を前に、グリッドマンはマジで敗北寸前だったわけだが、そこで今回2つ目の「崩壊」要素であるアンチくんが登場するわけだ。

 考えてみりゃ、コピー怪獣という彼の特性もこの展開の布石といえば布石か。憎くて憎くて、ひたすらコピーを続けてきた永遠のライバルが、いつのまにかヒーローそのものに同化し、感情移入しているという。うーむ、ヒーローと怪獣じゃない文脈ならこれ以上わかりやすい設定もないくらいのものだが、この二人の関係においてはなんとも歪で、ぶっ飛んだ展開になっている。勝手にグリッドナイトとかいう名前をつけられちゃったアンチくんは不本意なんじゃなかろうか。でも、この「設定崩壊」展開も、アカネがアンチに自由行動の許可を出したが故に起こったこと。どんどん神の手から離れた「設定」が一人歩きし、アカネの世界で好き放題に振舞っているのである。これまで散々アンチをいびり倒してきたアカネがすべての感情を失い、ただ茫漠とアンチを解放するシーンの言いようのない切なさは、アカネ派の人間には本当に苦しいものがある。

 そして、神の意志を離れて明後日に飛んで行ったわけのわからない展開を見せられた「元・神」は、この世の理不尽を嘆く。どこで間違ってしまったのか。せっかく作った理想郷は何が足りなかったのか。別にそんなに思い入れがあったわけじゃない。絶対に守りたいとマジになってるわけでもない。何事にも本気になんてなりたくないアカネは、ズルズルと落ちていく自分の立場について、もう、どうでもよくなってきている。理不尽な社会への鬱憤を晴らすために作ったこの世界が、再びの理不尽で塗り替えられていく。いったい誰が悪いのか。グリッドマンのせいか? 裕太のせいか? アレクシスが悪いのか? はたまた自分が悪いのか?

 考えることが面倒になってしまったのだろう。アカネは問題をシンプルにするために、今まで踏み越えなかった一線をサクッと踏み越えてしまった。

 神の手を離れた筋書きは、最後にどこに行き着くのだろう。

 

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