最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「あかねさす少女」 5→5 作中で死にすぎると言われた桑島法子が、「そんなに死んでしまうなら、いっそ作品が始まる前に死んでおけば良いのでは?」というコペルニクス的な発想の転換を実現した作品。なるほど、これなら作中では死なないな。まぁ、回想で死んでたけども。 さぁ、今期もいつの間にやら最終回シーズン。口火を切るのは、当然放映開始も早かったこの作品である。点数のつけ方は割と悩んだのだが、あえて最初に伝えておきたいのは、「色々と持ってる気はするけど惜しい作品」だということだ。 パーツだけをみると、興味を惹かれる部分は多いのである。新番チェックの時にも書いたが、基本構造は色々と掘り下げられるポテンシャルがあり、多層世界における主人公チームの「ありうべき可能性」が個別に描かれていくという構造は、シンプルながらもいじりようがあって面白い部分。5人のメインキャラはそれぞれに個性が出ていたし、1人1人が主役級の活躍をしてもおかしくないだけの下地が用意されている。いくつもの世界を巡り、「もしかしたらこんな関係になっていたのかも」という部分からキャラを、ひいては関係性を掘り下げるプロットは、やり方次第では新しい作品づくりにつながった可能性がある。 ただ、やはりどうしても色んなところが雑だった。今作は「アニマックス開局20周年記念作品」と銘打たれているのだが、記念にするにはなんだか作品規模が小さい。毎度のことながら1クールで描ける内容なんてものは高が知れているわけで、どうしても小さくまとめようとして要素が荒削りになってしまっている部分は多い。おそらく同時展開したソシャゲの方にもリソースが費やされているのだろうから、もしかしたら同時摂取することで広がりを見せたのかもしれないが……純正のアニメファンとしては、やはりアニメ単体で「見られるもの」としてグレードを上げて欲しかった。 難点をあげればきりがない。端的なところでは作画パートで画が相当ぞんざいになっていたし、CGベースで起こしたキャラデザの馴染み方も、ほかのスタジオが繰り出すCGワークに比べるとどうしてもショボい。戦闘パートのスーツのデザインは完全におふざけになっており、ネタとしては悪くないかもしれないが、「少女たちの成長物語」の一部として組み込まれると浮いている印象がある。クライマックスに用意された明日架の物語にしても伝えたいことは分かるのだが、今日平を絡めた彼女の根っこの部分の描写はもう少し欲しかったところだし、いわゆる「大ボス」不在の状況でこれまでのようにタソガレとの戦闘という見せ場もなくなる。明日架のキャラ設定にしても、やっぱりちくわ業界との癒着が疑われるレベルのちくわ推しとか、取ってつけたような設定はもうちょっと練り込めた気がする。全体的に「素材の準備ができたので、それを並べて設計図を作りましたよ」という段階でものづくりが止まっているような印象があるのだ。 「いい設定を思いついたけど、磨き上げる部分が間に合わなかった」という本作全体の結果を見ればはっきり言って「だめな」アニメではあるのだが、ただ、それを補えるくらいに可能性があったのは、「ただひたすら同じキャラだけで物語が進む」というその構造の突飛さであった。まぁ、ぶっちゃけ「メインキャストが一人で何役もやるのが楽しい」っていう話ではあるのだが、どの世界のアスカもアスカであり、多重世界の彼女たちを見ていくと少しずつ本当の意味での土宮明日架が掘り下げられていくように見えるのは興味深いところ。個人的な願望としては、今作から全部バトル要素なんかを取っ払い、ただひたすら多元世界を巡って自己やその仲間たちとの対話を続けるだけのデザインにしたら、もうちょっとテーマ性がはっきり見えたのではないか、ということだ。どうしても「アニメにする」という要請の下では変身ヒーローやバトルシーンで見せたくなるのはわかるし、ストーリーの緩急をつける上でも効果的なのは間違いないのだが、本作で見るべきは少女たちの内省であり、対話なのだ。それなら、余計な尺を使うバトル部分はいっそ無しにできなかったものだろうか。まぁ、そうするとますますシナリオ部分のウェイトが大きくなるので、生半可な脚本では視聴者を引っ張れなくなってしまうのだが。正直、黒沢ともよトリプルやエロ&エロくない優の対話なんかを見ていると、もっとキャストに無茶させる作劇が見たかった、と思ってしまうのである。 そんなわけで、はっきり良いポイントもあるはずなのだが、「残念」というのが今作についての結論である。ソシャゲの方は……やらんなぁ。アニメ業界はなんとかしてソシャゲ方向以外へのセールスモデルを考えて欲しいもんである。
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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