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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 あまりにもスピリチュアル、第15話。そういう方向の話は掘り下げないとばっかり思ってたんだが、ここにきて一度きっちり触れておくのだな。

 端的にいえば「歌うとは何か」という哲学のお話である。これまでのキャロチューの成り立ちを考えると、彼女たちが「何故歌うのか」「何を歌うのか」というWhyWhatの部分についての言及というのはほとんど存在していなかった。一応チューズデイはわざわざ田舎の幽閉生活から逃げ出してまで音楽をやりたがったわけだし、キャロルも毎日のように路上で弾き語ってたんだからモチベーションが高いのは間違い無いのだが、その裏にある目的意識については「好きだから」くらいしか理由がなく、2人が出会ってからは「お互いに相手と一緒に歌うのが楽しいから」という大きな理由が追加され、これがメインの「Why」になっていた。

 しかし、そうした漠然とした目的だけでは通用しない次元に2人は上がってきたのだ。これまでだって職業意識というか、プロ根性はあって然るべきだったのだろうが、デビューからメジャーになるまでの遍歴があまりに急で、なおかつ適当だったため、2人がそうした環境の変化を意識するタイミングがあまり無かったのであろう。前回のエピソードでいよいよ有名プロデューサーの手が入り、さらに本格的な「商品としての音楽」を打ち出すにあたり、2人は「自分たちはミュージシャンとしてまだまだ足りないものがある」と意識し始めた。「今期のアニメは筋トレ要素が多すぎないか?」とかどうでもいいことを考えたりもしたが、これまでの2人なら「楽しければいい」のだから歌うための体力づくりなんて発想自体が出てこなかったはず。責任が生まれ、意識が芽生え、2人の中で何かが変わったということである。ただ、それでも2人のコアとなる部分がブレるのはよくないので、「今のこの時を歌うのが楽しい」というポイントについては、きちんと確認を入れている。

 そして、そんな2人の意識の問題をもう1段上にあげて「火星全体の」次元に至らせるために登場したのが、今回の中心人物たるデズモンド氏である。彼(彼女?)が一体誰で、今まで何をしてきたのかなんてことはよく分からない。今作のお約束として、どんだけ有名な人間だろうと作中では初登場のぽっと出のキャラだということを理解した上で、周りの反応をあけすけに見せることでポジショニングをさっさと済ませる方向に描写されている。あのガスが思わず泣いてしまうほどに切なく胸を打つ歌を歌えるデズモンド。彼の歌が本物であることの証左であり、彼の一言一句が重みを持っていることの示唆。まぁ、阿漕な描写ではあるのだが、そこはそういうものだという雰囲気で納得する方が良いだろう。

 そうして神秘性を高め、正当性を保証されたデズモンドは、あまりにスピリチュアルで、なんともナチュラリストな意見を唱え続ける。身も蓋もない言い方をすれば「よくある自然主義的な論旨」でしかないので「まぁ、そういう人もいるよね」って話でしかないのだが、「この考え方が本作ではとても大事で、今後のキャロチューを支えていくものですよ」というのが、大仰な彼のキャラ付けと舞台設定で説明されるのである。これまで漠然と「アンジェラのAI音楽」に対抗する位置付けだった「キャロチューのナチュラル音楽」だったが、デズモンドの太鼓判をもらうことによって、この火星における自然主義の象徴にまで成り上がったのだ。まぁ、あれだけサインが書かれてたんだからデズモンドが後押ししてるアーティストは他にもたくさんいるはずなのだが……。

 「なんのために歌うのか」に対し、「誰か1人のためでいい」という後ろ盾を得たキャロチュー。これによって、「2人で歌うことは楽しい」がはっきりとした大義名分として定義された。そして「何を歌うのか」についても、「ただ1人を思って歌えばいい」という言葉からは「互いに愛を歌えばいい」という答えが導き出される。それが友情だろうが愛情だろうが、人を想う心を乗せて歌うというのが、「歌う」ことの唯一にして最大の意味なのである。別に2人はその部分で悩んだりもしなかったのだが、はっきりとしたビジョンを与えられたことにより、彼女たちの「自然の歌」は今後もさらに異質な存在として、火星を揺さぶることになるのだろう。ここに今回登場しなかったアンジェラがどんな風に絡んでくるのかが注目ポイントだ。

 そして、皮肉にも自然派の友愛ソングに乗せて進行していく選挙戦。チューのおかんはもう止まることが出来ないところまで来てしまった。火星の民にとって、地球との断交は自分たちの起源を絶つことと動議である。ガンダムシリーズの「地球に魂を縛られた云々」とは違うかもしれないが、「母なる」ものを拒絶し、空に飛び立った人たちが母星を拒絶することは、自然派の立場から見たらどう映るのだろう。チューズデイが実の母とぶつかり合う時、どんな表情を見せることになるのかも気になるところ。兄ちゃんに頑張ってもらわんとなぁ。

 

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