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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<黒>
 
 
収得の熟練者 Acquisitions Expert (1)(B) U
クリーチャー・人間、ならず者
1/2
〜が戦場に出た時、対象の対戦相手は、自分の手札から、あなたのパーティーを構成しているクリーチャーの総数に等しい枚数のカードを公開する。あなたはそのうち1枚を選ぶ。そのプレイヤーは、そのカードを捨てる。
 パーティーを利用した手札破壊。同盟者時代には「同盟者の数だけカードを見て捨てる」という「バーラ・ゲドの盗賊」がおり、そのままシステムが転用された形。この手の「見られる枚数が増えるよ!」というギミックはそこまで重用されたことはなく、大体の場合は「別に1枚捨てられりゃそれでいいじゃん!」ってんでさっさと2ターン目に繰り出される場合が多い。それでも「貪欲なるネズミ」の上位互換だしなぁ。あ、一応能力解決にスタックでこいつ自身を除去られるとパーティーが0人になって手札を捨てられない可能性もあることはある。いや、心配する必要はないと思うけど。
 
アガディームの覚醒 Agadeem’s Awakening (X)(B)(B)(B) M
ソーサリー
あなたの墓地にある、点数で見たマナコストがX以下で、それぞれ異なる点数で見たマナコストを持つクリーチャー・カードを好きな数だけ対象とし、それらを戦場に戻す。

地下遺跡、アガディーム Agadeem, the Undercrypt
土地
〜が戦場に出るに際し、3点のライフを支払っても良い。そうしないなら、〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(B)を加える。
 黒の両面神話はリアニメイト。神話っぽさを出すために一応複数枚の蘇生を可能にしてアドを狙ったが、そのために割と無茶なコスト設定になってしまった。5マナ払って1マナと2マナのクリーチャーが戻ってきてもそこまで嬉しくないし、最低でも6マナ以上、その上で墓地をちゃんと整えて最大限に利益が出るようにしなきゃいけないので、適当に突っ込んどいて有効利用できるタイプの呪文ではなさそう。これら神話サイクルはどれもかなり重めに調整されているので、「まぁ、撃てそうもない時はさっさと土地にしときや」っていうことなんだろうが、ここまで入念に調整されると、そもそも入れたくなくなるっていう問題はあるな。でも、やっぱり土地のついでのお仕事としては余計なくらいに強いっていう。なんかもやもやするなぁ。ちなみにこの土地の元になっている「アガディームの墓所」は大好きだったので、時代を超えたアガディームコンビネーションとかが実現したらちょっと嬉しい。
 
ブラックブルームのならず者 Blackbloom Rogue (2)(B) U
クリーチャー・人間、ならず者
2/3 威迫
〜はいずれかの対戦相手の墓地にカードが8枚以上ある限り+3/+0の修整を受ける。

ブラックブルームの沼 Blackbloom Bog 
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(B)を加える。
 スレッショルド応援ならず者軍団の1体。3マナ2/3威迫も別に悪くはないが、条件を満たしたときの5/3威迫は3マナとしては破格の性能。速やかな相手切削からの圧力となりうる。ただ、実際にはそんなにスムーズなライブラリアタックってリミテッドではなかなか実現しにくそうなんだよね。少なくとも3マナクリーチャーが輝くような序盤で達成できるようなものではなさそう。パワー5になる頃には相手も最小限の被害でこれを止める手段はありそうなので、なかなかこいつをメインにしてビートを構築するという気にはなれないだろう。まぁ、そうしてタイミングが難しいからこそ土地にもなるのだろうが……こういう「平均値やや上」くらいのクリーチャーを土地にしちゃうタイミングってどれくらいあるもんですかね?
 
血の招き Blood Beckoning (B) C
ソーサリー
キッカー(3)
対象の、あなたの墓地にあるクリーチャーカードを手札に戻す。この呪文がキッカーされていたなら、代わりに、2枚の対象のあなたの墓地にあるクリーチャーカードを手札に戻す。
 今回の墓地回収呪文。これまた「キッカー版って無かったんだ」というのが意外なジャンルだが、過去のゼンディカーだとやっぱり上陸をフィーチャーした「魂の階段の探検」なんかが作られている。キッカーって、単純すぎて逆に抵抗があったのかもね。1マナで使えば完全に「墓暴き」と同じだし、キッカーを使えば「蘇りし者の行進」と同じ。どちらで使っても素直にコスト分の働きになる気安い存在。相手がならず者デッキだった場合には勝手に墓地をアレンジしてくれるので評価がちょいあげ。
 
血の対価 Blood Price (3)(B) C
ソーサリー
あなたのライブラリを上から4枚見る。そのうち2枚を手札に加え、残りをあなたのライブラリの下に任意の順番で置く。あなたは2点のライフを失う。
 今回の黒ドロー。ベースになっているのは「苦々しい天啓」で、残り2枚が墓地に行かなくなった部分だけが異なっている。普通は「墓地を肥やせないのかぁ」と考えると下位互換と言えるが、どうせ環境には大した墓地シナジーもないし、むしろ対戦相手がこっちの墓地を増やして喜ぶ可能性すらあるので、環境に適応した無難な改訂版と見ることができる。黒ドローはちょいと痛いし、青に比べると柔軟性にかけるようなイメージがあるが、その実使ってみると強力なことが多い。こちらの呪文もアドバンテージ量は1枚どまりだが、4枚も掘り進めるので質的な向上はバカにできない。今回は土地を並べるロングゲームがデザインしやすそうだし、こういう呪文が入ってくる余地も大きいのではなかろうか。
 
血の長の渇き Bloodchief’s Thirst (B) U
ソーサリー
キッカー(2)(B)
対象の、点数で見たマナコストが2以下のクリーチャーかPWを破壊する。この呪文がキッカーされていなたら、代わりに、対象のクリーチャーかPWを破壊する。
 すごくシンプルで、いかにも「アンコモンにありそう」な普通の除去。1マナでコスト2まで屠れるのでコスパに優れ、4マナなら対象制限無しでPWまで巻き込めるので応用力も高い。ただ、やっぱりソーサリーなので構築レベルかと言われると残念ながら。リミテッドならとりあえずひいとけば理不尽なPWとの遭遇にも対処できる。まぁ、今回のPWはコピーと一緒に出てきたりするけども……理不尽。
 
切望の報奨 Coveted Prize (4)(B) R
ソーサリー
この呪文を唱えるためのコストは、あなたのパーティーを構成するクリーチャー1体につき(1)少なくなる。
あなたのライブラリからカードを1枚探し、それを手札に加えてライブラリを切り直す。あなたのパーティーが全員揃っているなら、あなたは手札から点数で見たマナコストが4以下である呪文を1つ、そのマナコストを支払うことなく唱えても良い。
 パーティーを揃えるのはやっぱり簡単じゃないってことなんだろうな……ということを暗に伝えてくれるレア。何しろパーティーが揃っている前提なら完全なコワレだ。1マナで唱えて、さらに4マナ以下の呪文をそのままキャスト。つまり、これさえあればデッキの中にある全ての4マナ以下の呪文が1マナで唱えられるのだ。異次元の「白日の下に」みたいなもんだろう。ということは、やはり全員集合モードは完全におまけだと考えていい。好きなカードをサーチするチューター効果は、普通なら4マナ、M21ならライフの痛みをともなって3マナで実現させた。つまりパーティーメンバーが1人か2人いればおよそ相場通りのチューターになるということだ。そういうニーズがあるなら使っても良いが……でも、やっぱり使うならフルバージョンだよなぁ……。
 
命取りの協力 Deadly Alliance (4)(B) C
インスタント
この呪文を唱えるためのコストは、あなたのパーティーのクリーチャー1体につき(1)少なくなる。
対象のクリーチャーかPWを破壊する。
 ふむ、時代の流れを感じさせる1枚だ。「5マナで制限なしの除去呪文」は黒コモンではおなじみの設定で、環境によってはこれが4マナまで軽量化されたり、6マナになってボーナスがついたりする。今回は一番基本的な5マナだが、パーティーによるコスト軽減がついたのでかなり強化されたとみていいだろう。1体でも仲間がいれば4マナインスタントで、それより安ければアンコモンでも文句なしというクオリティ。そして、この呪文の効果範囲がPWにまで広がっているのが、M21の「とどめの一撃」と同じ設定になっているわけだ。というか、コスト削減効果がなかったら完全に「とどめの一撃」と一緒。今の世の中、コモンでもばっちりPW対策できるようにしとかないとダメってことですね。黒をやる有力候補となるだろう1枚。除去イズジャスティス。
 
悪魔の信奉者 Demon’s Disciple (2)(B) U
クリーチャー・人間、クレリック
3/1
〜が戦場に出た時、各プレイヤーはクリーチャーかPWを1体生贄に捧げる。
 「肉袋の匪賊」に端を発する、「お互いサクろうぜ」系クリーチャーの新作。現在もたまに「疫病造り師」を使うデッキは見かけることがあるが、「疫病造り師」は基本形から「タフネスが1高い」「クリーチャーサクれないなら手札捨てろや」などなどのボーナスを加えた豪華版なので、このクリーチャーは残念ながらそれに及ぶものではない。ただ、一応「造り師」の功績の1つである「PWも巻き込める」という部分は継承しているので、相手がまずPWを出してきた場合などには、対応しにくいところに手が届く安全保障が得られるのは悪くない。懸念する点があるとするなら、みんなしてパーティーを組みたいと思ったら、場に出てるクリーチャー数は増えそうだなぁ、ということだろうか。
 
最後の血の長、ドラーナ Drana, the Last Bloodchief (3)(B)(B) M
伝説のクリーチャー・吸血鬼、クレリック
4/4 飛行
〜が攻撃するたび、防御側プレイヤーはあなたの墓地にある伝説でないクリーチャー・カードを1枚選ぶ。あなたはそのカードを、+1/+1カウンターが1つ置かれた状態で戦場に戻す。それは、本来のタイプに加えて吸血鬼でもある。
 「最後の血の長」を銘打たれてしまったドラーナさん。しょうがない。同様に部族を率いていた「ゲドの裏切り者、カリタス」さんはエルドラージサイドに身を捧げてお亡くなりになってしまったのだ。ゼンディカー吸血鬼の再びの発展のために、頑張れドラーナ。ちなみに、今回はパーティーギミックの都合上、これまで持っていなかったクレリック属性を獲得している(ちなみに過去のカードでは、1回目のドラーナさんが意外にもシャーマン、2枚目が同盟者である)。せっかくクレリックになったので癒し成分というか復活成分を前面に押し出すデザインに設定され、殴るだけで墓地から仲間がホイホイ帰ってくる。ワンパン入れれば強いという性格は前作から変わってないな。5マナで除去耐性無しのカードが「一回殴れたら」はなかなかハードなのはご存知の通り。ガーガロスレベルの太さがあれば話も違うが……まぁ、リミテッド番長止まりか。なお、相手が選んだカードは強制的に戻ってくるため、万一墓地に「触れられざる者フェイジ」がいる場合は負けてしまうので注意(どんな環境だ)。
 
ドラーナの口封じ Drana’s Silencer (5)(B) C
クリーチャー・吸血鬼、ならず者
3/2
〜が戦場に出た時、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーはターン終了時まで-X/-Xの修整を受ける。 Xはあなたのパーティーのクリーチャーの数である。
 パーティーの力を借りた除去クリーチャー。自身がならず者なので最低でも−1は確定で、6マナであることを考えるなら、できるなら−3くらいは狙いたい。コモンで−3までいけるなら、除去クリーチャーとしては悪くない働きだろう。となると、結局問題は「パーティー揃うんか?」というお約束の1点に収束される。こいつを有効利用したいなら、できればデッキにはクレリック以外のパーティーが多めにいる方がいい。黒なのでならず者は確定だが、残りの枠は青と組んでウィザードにするか、赤と組んで戦士にするか。パーティーギミックはどうやら黒赤の方が強そうなので、ならず者&戦士ラインで組んでマナカーブの最後にこいつを足す形……うーむ、どれくらい狙ってデッキメイクできるものなのか……こればかりは本当に実際のリミテッド環境が始まらないと読めないよなぁ。
 
戦慄ワーム Dreadwurm (4)(B) C
クリーチャー・ワーム、ホラー
5/4
上陸 - 〜はターン終了時まで破壊不能を得る。
 シンプルな制圧力。黒コモンが5マナ5/4でボーナス付きなんだもんなぁ、そりゃ強いよなぁ……ちなみに同じくゼンディカーで過去に5マナコモンというと、3/2威迫&上陸で+2という「間欠泉の忍び寄り」だった。ぶっちゃけ上陸で+2するサイクルの中では最弱扱いでほとんど出番がなかったのであるが、新時代のワームならば上陸しなくても最初から5/4。その差は歴然だ。その上で上陸すればさらに安心して攻められるってんだからリミテッドなら安心して5マナ域を任せられるだろう。相手ターンは無防備になって攻撃時オンリーの能力なので、できれば攻め傾向のデッキの締めを飾るくらいのポジションがいいのかな。
 
探検隊の潜伏者 Expedition Skulker (1)(B) C
クリーチャー・吸血鬼、ならず者
2/2
〜はあなたが他のならず者をコントロールしている限り接死を持つ。
 2マナ2/2のクマボディにちょっとしたボーナスをトッピング。ならず者が集まると良からぬことを考え出すっていう事例。2マナ2/2は基本的にリミテッドの数合わせ要員だが、接死が付与されると防御力が向上するので中盤以降にも無駄になりにくいのが良い。考えてみれば、序盤に仲間がいない状況ならアタッカーとして機能するし、中盤以降に人数が増え始めたら防御に回れるっていうデザインなので理にかなってはいる。ただ、自分のパーティーにこんな胡散臭いやつがいるのはいいんだろうか、という気もする。ならず者ってRPG的にはシーフとかスカウトの位置なんだろうけど、必ず1人はそういう奴がいるっていう認識は何が起源なんだろう? 幼少の頃にウッドチャックにトラウマ植え付けられた身にはちょいと気になるところだ。

 


大群への給餌 Feed the Swarm (1)(B) C
ソーサリー
対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーかエンチャントを破壊する。あなたは、そのパーマネントの点数で見たナマコストに等しい値のライフを失う。
 なんとまぁ、こんな形で歴史に爪痕を刻んでくるとは……。こないだのテーロスで「ファリカの献杯」が登場した時にも話題になった、「黒いエンチャント対策」である。長い長いMagicの歴史の中で、黒はエンチャントにさわれない(アーティファクトにもさわれない)という不遇の立場がずっと続いており、その結果が古の「日中の光どうしようもない問題」などを生み出したわけだが、いよいよ製作チームはこの聖域にもメスを入れる判断を下したということか。「ファリカの献杯」は相手が選んでサクる形だったのでギリギリ「色の曲げ」で成立していた部分かもしれないが、今回ははっきりと「エンチャントを破壊する」と書いてある。Magic 25年以上の歴史の中で、明確な転換点である。まぁ、無理してるおかげで多少のライフは減るが、こんなもんは黒なら日常茶飯事。今まで流した涙の数に比べれば些事も些事である。ちなみに「対戦相手のコントロールする」と限定されているのは「裏切る恵み」や「悪魔の契約」といった黒特有のカース系エンチャントを機能させるための措置だろう。相手のエンチャントにはなんとか触れるようになっても、自分のところの負債は返済できない。さて、黒が守るべきボーダーラインは、今後どう変化していくのだろうか。あ、除去としては普通に使えるのでありがたいと思います。まる。

 


恐怖の薄暗狩り Ghastly Gloomhunter (1)(B) C
クリーチャー・ゾンビ、コウモリ
1/1 飛行 絆魂 キッカー(3)(B)
〜がキッカーされていたなら、これは+1/+1カウンターが2つ置かれた状態で戦場に出る。
 薄暗狩り/Gloomhunter」はもともとゼンディカーにいたコウモリクリーチャーで、ぶっちゃけ単なる準バニラだったのだが、「gloom/暗がり」と「hunter/狩人」を掛け合わせた「薄暗狩り」という日本語名だけ「ちょっとうまいやんけ」と思って印象に残っていたカード。そんなクラガリに形容詞をつけて新たなクリーチャーに進歩させたら、これが存外強いクリーチャーになったので驚きだ。2マナ1/1絆魂フライヤーというだけでも「哀悼のスラル」と同じなので充分な強さ。それが6マナで決定打となりうるオプションを手に入れたのだから、かつては地味だった木っ端コモンの汚名返上である。絆魂があるために回復シナジー多めのクレリックデッキでの運用はかなり相性が良さそう。よかったやん、と思って改めて見たら、こいつ、クリーチャータイプにゾンビが追加されてた。お前、死んじまったのか……。
 
グール・ドラズの泥王 Guul Draz Mucklord (2)(B) C
クリーチャー・クロコダイル
2/3
〜が死亡した時、対象のあなたのコントロールするクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
 次元を超えて、パワーとタフネスが入れ替わった「背骨ムカデ」。「ムカデ」は圧倒的消耗戦を得意とするゴルガリの基盤クリーチャーとして当時のリミテッドでは渋い活躍を見せたが、パワーが2になってしまうとリミテッドでもますます地味な存在になってしまう。パーティー編成にワニなんて絶対必要ないのもややネックか。今回の(今回も)ゴルガリは+1/+1カウンターを絡めた戦術がベースになっているようなので、その辺りのシナジーを活用し、うまいこと死をメリットに変えらえるデッキに組み込みたい。しかし、なんでワニが死んだら周りの連中が強くなるんだろう。ワニ革で防具でも作るんかな。
 
ハグラの締めつけ蛇 Hagra Constrictor (2)(B) C
クリーチャー・蛇
0/0
〜は+1/+1カウンターが2つ置かれた状態で戦場に出る。
あなたがコントロールする+1/+1カウンターが置かれたクリーチャーは、威迫を持つ。
 ゴルガリが支援する+1/+1カウンター応援ギミックの1つ。登場した直後から+1/+1カウンターがらみの支援は全て受けられるし、周りの連中の突破力も上げてくれるので攻めのデッキでシナジーが見込めるならワンチャン。ただし、攻めのデッキという割には3マナ2/2とサイズが小さいのが悩みどころだし、支援するにしても条件が多いのが微妙なところ。よほどゴルガリ戦術に自信があるんじゃなけりゃ優先度はそこまで高くなさそう。それこそ「巻きつき蛇」でも再録されりゃ価値が跳ね上がるんだが。

 


ハグラの嚙み殺し Hagra Mauling (2)(B)(B) R
インスタント
この呪文を唱えるためのコストは、いずれかの対戦相手が基本土地をコントロールしていないなら(1)少なくなる。
対象のクリーチャーを破壊する。

ハグラの群れ穴 Hagra Broodpit 
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(B)を加える。
 今回のレア黒除去だが、土地併用を採用したためか、なんか設定が微妙になってしまった。そりゃま、もし3マナでインスタント除去が使えるならそこそこの強さではあるのだが、そのための条件が結構厳しい。いくらなんでも、基本土地を1枚もコントロールしてない奴ってのは……どうなんだろ? そこそこいるのかなぁ……。今の環境で見れば、確かにそれなりの頻度で遭遇する気はするが……今後の環境ではとにかく両面土地が多用されてベーシックランドなんて消え失せるってことなのかね? でも、土地サーチ呪文を使う人間はやっぱり基本土地必須だと思うんだがね? そして、最近のレアにしては珍しくどれだけ頑張ってもPWには手が届かない。うーむ、そりゃま、土地のおまけとしては十分すぎるのは事実なのだが……なんか、利便性と引き換えにドキドキワクワクを奪ってしまうデザインなんだよな(今更不満)。

 


名門の吸血鬼 Highborn Vampire (3)(B) C
クリーチャー・吸血鬼、戦士
4/3
 こんなにそっと自然にバニラを出されても……。いや、コモンだから別にいいけども。一応、今回黒は戦士の第3種色なので、全体的に数は少なめ。青黒や黒緑でパーティーを組みたい場合にはそれなりの候補に。でも、名門の出身がこんな下働きでいいのだろうか……。頑張れゼンディカー吸血鬼。

 


遺跡の碑文 Inscription of Ruin (2)(B) R
ソーサリー
キッカー(2)(B)(B)
次のうちから1つを選ぶ。この呪文がキッカーされているなら、代わりに好きなだけ選ぶ。
「対象の対戦相手は手札を2枚捨てる」
「対象の、あなたの墓地にある点数で見たマナコストが2以下のクリーチャー・カードを戦場に戻す」
「対象の、点数で見たマナコストが3以下のクリーチャーを破壊する」
 黒の碑文は、正直どの効果もコストパフォーマンスは悪い。上から「精神腐敗」なので普通のコモン、コスト2以下を戻すのに3マナかかる、制限付きの単体除去。あまり率先して3マナで解決したいとは思わない効果だ。それじゃキッカーすると強いかというと……うーむ、7マナはなぁ……。そりゃま、一応アドバンテージ量でいえば3枚分なのでコストに見合った効果ではあるのだが、そのアドバンテージの内容が「ちっちゃいクリーチャー」と「ちっちゃいクリーチャー除去」なので、7マナ揃うタイミングでどれくらい使えるかが微妙なのだよな。デッキインされるとしたら、真ん中のリアニメイトで釣りたいキーカードがどれくらいあるかにかかっているような気がする。リミテッドで引いた場合は、だいたい3マナの除去。たまにマナが余って変な動きを見せることもあるかもしれないくらい。
 



石成の荒廃 Lithoform Blight (1)(B) U
エンチャント・オーラ
エンチャント(土地)
〜が戦場に出た時、カードを1枚引く。
エンチャントされた土地は全ての土地タイプと能力を失い、「(T)(C)を加える」と「(T)、1点のライフを支払う:任意の色マナ1点を加える」を持つ。
 なかなか面白いデザインではある。とりあえずキャントリップなので入れといて損をすることは無いが、じゃぁ、これを入れてどんな使い方をするのか。主な狙いは2つ。1つは相手の土地に張って、想定していた行動を妨害すること。例えば「アーデンベイル城」や「ロークスワイン城」のような今後も間違いなく活躍を続けるだろう強力な土地につけてやれば一応カード1枚分の得はあると見ていいだろう。トライオームに貼れば、マナを出すことは止められないが、一応ちょっとずつ相手のライフを削ることは可能だ。そしてもう1つの使い方は、自分の土地に張って一気に色マナ問題を解消する方法。この場合には毎回無駄に痛いが、5色デッキとかならマナの運用に多少の痛みを伴うのは悠久の昔からのお約束。好きな土地を「大闘技場」に出来るのだと考えれば、多色デッキならば大した出費では無いだろう。まぁ、そこまで本腰を入れての多色デッキを組みたいならまずは緑がメインになるだろうから黒のこのカードがそこまで求められるものでもないかもしれないが、「楽園のドルイド」や各種ギルドランドが退場する今後の環境で、マナベースがどうなるかはまだわからないのだ。とりあえず、リミテッドなら緑に触らずに色が伸ばせるので案外普通に使えそう。
 
マラキールの血僧侶 Malakir Blood-Priest (1)(B) C
クリーチャー・吸血鬼、クレリック
2/1
〜が戦場に出た時、各対戦相手はX点のライフを失い、あなたはX点のライフを得る。Xは、あなたのパーティーの人数である。
 痛そうで痛くない、少し痛い吸血鬼。2マナであることを考えるとわざわざ温存しておくのも微妙なので、さっさと2ターン目に出して1ライフドレインという展開も多いことだろう。それだけでももちろん悪いお仕事ではない。うまいことパーティーデッキが組めたなら、そこはぐっと温存して、5ターン目くらいに4ライフドレインを叩きつける選択肢があるのが偉い。あの「アスフォデルの灰色商人」を思い出せば、4ライフ吸われるってのは結構なダメージなのだ。この僧侶ならば、うまくいけばアスフォデルの半分以下のコストで、似たような効果を発揮できるかもしれないのだ。死にやすさは決してデメリットばかりではなく、残りのパーティーメンバーを盤面に控えさせておきつつ、墓地から回収して連打するデッキだって不可能ではない。とりあえずかき集めておいて、ピックの流れ次第でクレリック単に行くか、パーティーデッキにするかを選ぶ戦術は案外成立しそうだ。

 


マラキールの再誕 Malakir Rebirth (B)
インスタント
対象のクリーチャーは、ターン終了時まで「このクリーチャーが死亡した時、そのオーナーのコントロール下で、タップ状態で戦場に戻す」を得る。あなたは2点のライフを失う。

マラキールのぬかるみ Malakir Mire 
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(B)を加える。
 最軽量のコンバットトリック。今回は破壊不能を与えるインスタントがコモンに存在しているため、アンコモンのこちらはそこまで存在感が無い。最大の違いとしては187能力の再誘発があるので、その手の能力が多いデッキなら多少加点気味でいいかもしれない(もちろん、2ライフルーズが痛くないデッキでね)。1マナの呪文が「土地にもなるよ」と言っていてもそこまで利便性はないような気もするが、こうして「クリーチャーが必要」とか「できれば187能力が欲しい」みたいな注文があれこれ多い呪文の場合、「とりあえずデッキには入れとくけどだいたい土地」みたいな使い方で問題ないので、隙間を埋めるギミックにはちょうどいい。結局結論としては、重いカードだろうが軽いカードだろうがこの能力が付いてて弱いわけない。

 


略奪する破壊僧 Marauding Blight-Priest (2)(B) C
クリーチャー・吸血鬼、クレリック
3/2
あなたがライフを得るたび、各対戦相手は1点のライフを失う。
 クレリックシナジー推しの純正クレリック。一応プチ「ヴィト」さんと言えなくもないが、レジェンドのヴィトさんは回復した分だけ相手に痛みを与えるが、こちらは何点回復しようがダメージは1点。そこはレアリティの差なので致し方ない。ただ、その差がいかほどのものか、というのも正直な感想である。例えば最近は割とライフゲインを軸にしたデッキを見かけることが多いのだが、その手のデッキは「命の恵みのアルセイド」の絆魂に加えて「太陽に祝福されしダクソス」の誘発、それにリンデン女王のアタックなんかで細かく1点ずつのライフゲインを刻んでくる。これらは全て複数回の誘発を前提にしているので、ヴィトさんだろうがこいつだろうが大して差はない。ということは、その手のデッキはやろうと思えば8ヴィトさんを組むこともできるかもしれないのだ。コモンではあるが、案外油断できない1枚である。リミテッドなら堅実なステータスも相まって良いパーティーの一員になってくれるだろう。
 
精神削りの刃 Mind Carver (B) U
アーティファクト・装備品
〜が戦場に出た時、対象の、あなたのコントロールするクリーチャーにこれをつける。
装備されたクリーチャーは+1/+0の修正を受ける。いずれかの対戦相手の墓地に8枚以上のカードがあるなら、代わりにそれは+3/+1の修正を受ける。
装備(2)(B)
 ならず者応援装備品。1マナで出して、修正値は+1だけ。最初に無料お試し権があるとはいえ、なかなかの詐欺設定。装備コストが重いという今回の装備品共通の特徴も大きく足をひっぱり、流石に使いたいカードには見えない。しかし、相手をスレッショルド(+1)まで追い込めば、その価値は激変する。+3/+1ならば3マナ支払うのだって我慢できる数字だろう。つまり、このカードを使うからには何としても相手のライブラリを削らにゃならん。ならず者は小器用ではあるかもしれないが全体的にサイズは不足気味。そうした苦手ジャンルを埋め合わせる1枚になってくれるかどうか。レッツミル。しかし、これはどういうイラストなんだろう……。「くたばれ、シビュラシステム」みたいな話か?
 
精神流出 Mind Drain (2)(B) C
ソーサリー
対象の対戦相手は手札を2枚捨て、カードを1枚切削し、1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。
 このセットの基本ハンデス。3マナハンデス業界はすでにやりたいことをやり尽くした感があり、面倒な時にはさっさと「精神腐敗」を再録して誤魔化すことも多い分野だが、今回はそんな「精神腐敗」に色々と盛り込んできっちり違いをアピール。そして、このボーナスがなかなか美味しい。1点ドレインがつくというだけでもそれなりの進歩だが、ここに切削が加わることで、特定のデッキは「ハンデスのついでに切削」なのか「切削のついでにハンデス」なのかよくわからないくらいに大事な1枚になっている。何しろこれを使えば相手の墓地は3枚も増える。2回使えばほぼ条件クリアとなるのだから、ならず者からしたら必殺の1枚になりうるのだ。1、2マナ圏は接死クリーチャーやカウンターなどで場を整え、3マナでこれを使って相手の選択肢を絞りつつ自分に有利なグラウンドを形成していく。デッキの成否を分ける、かなり大きなパーツになりそう。
 
夜鷲のあさり屋 Nighthawk Scavenger (1)(B)(B) R
クリーチャー・吸血鬼、ならず者
1+*/3 飛行 接死 絆魂
〜のパワーは、あなたの対戦相手の墓地にあるカード・タイプの総数に1を加えたものに等しい。
 夜鷲!!!!! そういうのもあるのか!!! 確かに、「吸血鬼の夜鷲」はゼンディカーが生み出した名作中の名作。3マナ2/3のシンプルボディに飛行・絆魂・接死とキーワードを3つ乗せただけでここまで強くなるものかと驚愕した、当時も名誉神話アンコモンとして様々なデッキで活躍した。そして今回、その夜鷲がパワーアップしての復活。なんと、変化したのはパワーの部分だけで、なぜだか分からんが基準にはあの「タルモゴイフ」ギミックを採用。相手の墓地だけを参照するギミックになっているのは、今回ならず者が切削能力と関係が深いためだろう。単なるアンコモンのパワーの値だけ変化させたらレアになっちゃうあたり、元のカードやばすぎだろ、というのが今更よくわかるのである。1/3だとしても接死があるので決して無駄になることはなく、試合が進めば5点くらいの絆魂フライヤーがわずか3マナで手に入っちゃったり。やはりトチ狂ってるのは間違いない。ならず者業界、一気に盛り上がってない?
 
ニマーナの忍び歩く者 Nimana Skitter-Sneak (3)(B) C
クリーチャー・人間、ならず者
3/4
いずれかの対戦相手の墓地に8枚以上のカードがある限り、〜は+1/+0の修整を受けるとともに威迫を持つ。
 3/4バニラの凡夫で終わるか、4/4威迫の俊才になるか。まぁ、冷静に考えれば4/4威迫もそこまで突出した才能ではないんだけども、何の労も無しに手に入るなら悪くないスペックか。「2体以上でしか止められない」とはいうものの、そりゃこのサイズだったらだいたい2体で止めるやろ、ってんで威迫の説得力が乏しいのが気にかかる。そして、そのボディを手に入れるためのスレッショルド条件はどの程度「労なく」手に入れられるものか。ならず者デッキで決め打ちしておかないと安定運用は難しいかも。そして、ならず者デッキっていうデザインを描いていくと、「これ、戦闘じゃなくてライブラリを攻めた方が……」っていう私の頭の中のアルハマレットが囁く。アショクも囁くしフィナックスも囁く。お前たち!
 
ニマーナの空踊り Nimana Skydancer (2)(B) C
クリーチャー・人間、ならず者
2/1 飛行 瞬速
〜が戦場に出た時、対象の対戦相手はカードを2枚切削する。
 瞬速、飛行、そして切削。ならず者に求められている要素をとりあえず全部詰め込んだ基盤コモン。詰め込んだ割にはステータスも悪くなくて、瞬速でパワー2のフライヤーが手に入るってのは黒にとっては割と事件。同じステータスの「尖塔の刻み虫」はアンコモンだったのだから、これだけで枚数が確保できるってのはリミテッドの戦闘では常に覚えておかなきゃいけないことだ。アタッカーが同時に切削役も兼ねられるので、こいつがある程度集まっていれば余計なカードを切削のためだけに足す必要もなくなるかも。ならず者デッキにいくなら、何枚あっても困らないカードだ。
 
忘却の虚僧 Nullpriest of Oblivion (1)(B) R
クリーチャー・吸血鬼、クレリック
2/1 威迫 絆魂 キッカー(3)(B)
〜が戦場に出た時、これがキッカーされていたなら、対象のあなたの墓地にあるクリーチャー・カードを戦場に戻す。
 レアなのでなんのひねりも無くキーワードてんこ盛り。威迫と絆魂をデフォルトで同時に持って現れるクリーチャーって、過去には「エイスリオスの番犬、クノロス」と「不気味舞い」の2体だけ。これらは両方3マナなので、2マナ以下ならこいつが史上初である。ブロックされにくく小回りの効く絆魂アタッカーは、2ターン目に出せばそれだけでかなり効率のいいライフ差を刻むことができるんじゃなかろうか。これだけでもクレリックシナジーなどの様々なお仕事を任せられる。もちろんそれだけではレアとしては物足りないので、キッカーを足せば純正「ゾンビ化」を唱えることも。トータル6マナはやや重いが、キッカー部分だけで考えれば4マナで1枚リアニなのだからコストパフォーマンスは優れている。序盤から終盤まで、常に愛され続けるナイスウーマン。ところでその後ろの人誰っすか。怖いんですけど。
 
忘却の飢え Oblivion’s Hunger (1)(B) C
インスタント
対象のあなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで破壊不能を得る。そのクリーチャーに+1/+1カウンターが置かれているなら、カードを1枚引く。
 黒の軽量コンバットトリック部門。黒には大きく「接死で殺意高める系」と「破壊不能でとにかく死なない系」の2部門があるが、こちらは後者で、最近だと「予期せぬ助力」あたりの系譜。パワー修正も何もないので本当に防御策にしかならず、先輩カードに比べて取り回しがあまり良くないが、そこはボーナスがでかいが故の不自由さ。カウンターギミックが支援できればなんとキャントリップになるので、しっかり使えばここからアドバンテージを生み出すことが可能になる。緑黒系なら複数枚採用しても使い道がありそうだ。
 
ペラッカの捕食 Pelakka Predation (2)(B) U
ソーサリー
対象の対戦相手は手札を公開する。あなたはその中から、点数で見たマナコストが3以上のカードを1枚選ぶ。そのプレイヤーは、そのカードを捨てる。

ペラッカの洞窟 Pelakka Caverns 
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(B)を加える。
 「ペラッカ」という名詞を聞いて、我々は神にも等しいあのワームのことしか思い浮かばないわけだが、実際は単に地名なので、その名を冠したカードがいっぱいあっても不思議じゃない。でも、彼が唯一のペラッカじゃなくなると愛着を持った名前が汚されたみたいでちょっと残念である。とにかくそんな名前を持つ呪文だが、基本デザインの手札破壊だ。3マナで確認型だけど1、2マナが選べない部分がちょっと弱いのは「土地としても置ける」を強いボーナスだと認識しているためか。手札破壊呪文ってリミテッドだと大体24枚目くらいの候補になっちゃって最終的に入らなかったりするのだが、土地との兼任ならとりあえず入れておこうという気になるかもしれない。ちなみにこちらのカードは、メインの呪文の捕食行為が行われているのが土地モードの場所である洞窟になっていて、イラストからもそれがわかるようになっている。ペラッカって、こんな場所だったのねぇ。
 
群れの末裔 Scion of the Swarm (3)(B)(B) U
クリーチャー・吸血鬼、クレリック
3/3 飛行
あなたがライフを得るたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。
 吸血鬼のくせに群れってどういうことなんだろう、って思ったけど……このイラストはどういうこと? えっ、キモい。もしかしてこいつ、昆虫の血を吸って眷属にしたってことなのかな……時代を先取りする昆虫食がゼンディカーにも……。さておき、そんなキモい吸血鬼だが、能力はまんま「血に飢えた曲芸師」と一緒。その上であっちは3マナ2/3、こちらは5マナ3/3。……ほらぁ、昆虫なんか食ってるからそうやってステータスがおろそかになる……。幸か不幸か「血に飢えた曲芸師」は今回のローテでスタン落ちするので一緒に戦う機会はなさそうだが、だからって代打が務まるかっていうと流石に嘘である。構築レベルでの登用は夢のまた夢だ。大人しくリミテッドの空を飛んでもらおう。
 
スカイクレイヴの災い魔 Scourge of the Skyclaves (1)(B) M
クリーチャー・デーモン
*/* キッカー(4)(B)
あなたがこの呪文を唱えた時、これがキッカーされていたなら、各プレイヤーはライフの半分(端数切り上げ)を失う。
〜のパワーとタフネスは、それぞれ20から全てのプレイヤーの中で最も高いライフを引いた数に等しい。
 刺激的な挑戦状がまた1枚。当然元になっているのは「死の影」、と言いたいところだが、残念ながらゴリゴリ自分のライフを削ったところでこのデーモンは満足してくれない。相手のライフもそれなりに減らす必要があり、逆「害霊」みたいな性格も持っている。特性となるものがそのサイズ以外にないので、なんとかコストあたりのサイズが得になるように持っていきたい。相手のライフをなんとか減らさなきゃいけないのだからとりあえずビート傾向でデッキを組むことは確定しており、さらに自分のライフも適宜削れるようにカードを配置せにゃならん。これ、なかなか難しい挑戦だなぁ。次のローテーションでギルドランドが退場してしまうので、土地を置くだけでライフを削りにくいのがちょい辛い。まぁ、今回新たに3ライフ払う神話土地は登場してるけども。一応フォローのためにキッカーもついてはいるが、7マナも払った結果バニラしか出てこないのはあんまり嬉しくない。やはり「死の影」と同じ2マナで登場してナンボの存在だ。さぁ、新たなコンボデッキなどを生み出すことができるだろうか。流石に厳しいかなぁ。
 
影のとげ刺し Shadow Stinger (2)(B) U
クリーチャー・吸血鬼、ならず者
1/4
あなたのコントロールする、アンタップ状態の他のならず者を1体タップする:〜はターン終了時まで接死を得る。
〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーはカードを3枚切削する。
 切削をこよなく愛するならず者軍団の、切削も担当できるやつ。常に誰かの手助けは必要だが、3マナ1/4接死は壁役として優秀。相手陣営が整っていなければいやらしい1点アタッカーとしても一応機能するし、その際にはダイナミック切削能力で自軍ならず者を力強くサポートしていく。シナジー大前提のカードなので、ならず者デッキを狙っている人間以外からは見向きもされず、ピックしやすいのはこっそりありがたいポイント。格闘呪文が手に入る緑との相性がいいのも覚えておくとたまに役に立つかもしれん。
 
影の評決 Shadows’ Verdict (3)(B)(B) R
ソーサリー
点数で見たマナコストが3以下の全てのクリーチャーとPWと、全ての墓地にある、点数で見たマナコストが3以下のクリーチャーカードとPWカードを追放する。
 とにかく3マナ以下が大っ嫌いで、3マナ以下など存在することは許さないという強い決意が感じられる全体除去。戦場だろうが墓地だろうがとにかく追放しまくるので、「肉儀場の叫び」のアップグレード版と捉えることもできるが、最大の違いは巻き込む対象にPWが含まれていること。5マナというコストはかなり重たいので全体除去を抱えて待っている間に手遅れになることもままあるが、ここまで徹底して対策してくれるなら一応リカバリーは可能だろう。これが通った時点で問題として残るのは、相手が4ターン目に展開した4マナクリーチャーだけなのだから。……まぁ、それが「探索する獣」だったりするとやっぱり手遅れではあるのだが……。追放効果が戦場と墓地のどちらにも波及するのはかなり大きな意味があり、これさえあれば流石にウーロ対策はできたと言っていいだろう。PWも墓地からいなくなり、「エルズペス、死に打ち勝つ」での再利用もされづらくなる。今後の環境次第だが、コントロールデッキでは常に採用が検討されるべき1枚。まぁ、最大のメタである猫さんがすでにかまどの火を落としているのが残念だが、赤単をアナックスごと後腐れ無しで処理できるのはありがたい。
 
スカイクレイブの影 Skyclave Shade (1)(B) R
クリーチャー・シェイド
3/1 キッカー(2)(B) 
〜ではブロックできない。
〜がキッカーされていたなら、これは+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。
上陸 - 〜があなたの墓地にあり、これがあなたのターンであるなら、〜をこのターンに墓地から唱えてもよい。
 シェイドは黒の基本部族ではあるが、あまり群れることはなく、だいたい「1セットに1体」くらいの配分になることが多い。その上で最近は収録自体が減っており、直近のシェイド族は「血に飢えた影」と「隠された影」のラヴニカシェイドコンビ。間も無くスタン落ちして環境に1体もシェイドがいなくなるところだった。危ない危ない。いや、何が危ないか知らんが。しかし、そんなシェイド業界の窮地を救った新顔だが、残念ながらシェイドのアイデンティティであるはずのシェイド能力(ややこしいな)を持っていないという欠陥品である。なんでお前、シェイドを名乗ったんだよ、とは思うが、おそらく特有の伸縮自在っぷりを他の方法で表現できたためだろう。いわゆる「墓地から復活」系の黒レアで、過去のゼンディカーの例を紐解けば、上陸1つでサクサク戻ってくる「恐血鬼」は環境を問わず大活躍した実績を持っている。今回はそんな先輩の活躍がちょっとやりすぎだと判断されたのか、2マナでブロックできないという性能を維持しつつ、ただでは墓地から戻れなくなってしまった。とはいえそこは一長一短。パワーの値が上がっているのでダメージ効率は向上しているし、何よりもキッカーというわけのわからないボーナスを得て最初から圧力マックスで出撃することも可能。上陸効果が「墓地から唱える」なので、当然キッカーコストを払うことも自由。土地1つ置いたおかげで墓地から5/3が戻ってくるのはどんな奇跡だって話だ。まー、やっぱりいちいちマナが必要ってのは手間ではあるが、2マナでいいなら同種の「屑鉄場のたかり屋」と同じなのだからそこまでの負担でもあるまい。各種サクり系のデッキでも注目が集まる、期待の新人である。
 
スカイクレイブの影猫 Skyclave Shadowcat (3)(B) U
クリーチャー・猫、ホラー
3/3
(1)(B)、他のクリーチャーを1体生贄に捧げる:〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。
あなたのコントロールする+1/+1カウンターが置かれたクリーチャーが死亡するたび、カードを1枚引く。
 上のシェイドと名前がめちゃめちゃ似ててややこしいがいいんだろうか。多分、過去に(基本土地を除けば)「特定のカード名」と「特定のカード名+α」っていう名前のカードが同時に収録されたことはないんじゃないかなぁ。まぁ、日本語の問題だけども……。とにかく、影は影なんだけどこちらはシェイドではなくホラー。名前もシェイドじゃなくてシャドー。ややこしい。引き続き行われているにゃんにゃん応援団の流れ……だったらいいんだけど、ちょっとペットにするには凶悪すぎる猫である。その実態は+1/+1カウンター応援団で、誰かを餌にしてサイズを増す「戦慄猫」のような能力がベース。ここにさらにドローまでセット販売ってんだから、アンコモンにしてはなかなかのお得セット。死亡誘発は当然こいつ自身もカウントできるので、とりあえず1体でもクリーチャーを食べておけばそこからのドローは確定する。もちろん、アドバンテージなど気にせずにガシガシ餌をやって大きくするのも勝ちの可能性の1つだろう。トランプルもないので、サイズゲーに持ち込むよりドローゲーにしてうまく回していきたいところだ。ネコちゃん、おいで、ネコちゃん……アアーッ!
 
魂の粉砕 Soul Shatter (2)(B) R
インスタント
各対戦相手は、自分のコントロールするクリーチャーとPWの中で点数で見たマナコストが最も高いもの1つを生贄に捧げる。
 黒のサクり系除去、期待の新作。もともと黒は「なんかサクれ」というくらいのざっくりした命令をすることが多く、ここに余計な注文をつけるのは鬱陶しい白の役目。「関税」なんかの古い呪文でこの手法が取られていたが、最近は「サクり系はやっぱり黒の領分だなぁ」ってんで、白と黒が手を組んだ時にだけ、この注文付きサクり呪文が開発されていた。少し前には「はじける破滅」が大活躍したほか、現在も「昇華/消耗」をたまにライフ系のコントロールで見かけることがある。そして今回は、いよいよ黒が単色でこのわがまま系サクりカードを実現させた。面白いのは、クリーチャーとPWを区別無く見ている部分。軽いクリーチャーがどれだけいようが、重たいPWがいれば問答無用でそいつが御陀仏。最近いろんなところで姿を見かけるウギンさんはまず間違いなくこの呪文で息絶えるだろう。また、低コストのクリーチャーはマイナス修正なんかで一掃しておいて、残ったデカブツをこれで刈り取るなんてプランも組み立てやすい。変容系やバントオーラなど、とにかく1体を育てるタイプのコンボデッキもあることだし、今後は常に注目される1枚になるんじゃなかろうか。
 
隠然たる襲撃/Subtle Strike(KLD)」 C
 渋いところからの再録で、一瞬「あれ? これってどこのカードだっけ……」と思い出すのに時間がかかってしまった。正解はカラデシュのコモン。当時も緑黒はカウンターがらみのギミックを押し出す色に認定されており、今回も全く同じ動機で採用されたのだろう。コストの割に盤面に与える影響が大きく、リミテッドでは特に有用だ。
 
希望の死、タボラックス Taborax, Hope’s Demise (2)(B) R
伝説のクリーチャー・デーモン、クレリック
2/2 飛行
〜はその上に+1/+1カウンターが5個以上置かれている限り絆魂を持つ。
あなたのコントロールする他のトークンでないクリーチャーが死亡するたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。そのクリーチャーがクレリックであったなら、あなたはカードを1枚引く。そうしたなら、あなたは1点のライフを失う。
 ぽっと出のデーモン。今回はパーティーギミックのおかげでデーモンやら天使やらの超常的なクリーチャーでも律儀に職業を名乗ってるのがなんか可愛い。こちらはデーモンかつクレリックという設定で、調べてみたらこの2つを同時に名乗るクリーチャーは史上初らしい。まぁ、普通はクレリックがデーモンを呼び出す側だから、兼任してるのは確かにおかしいんだよな。そして、見ての通りあんまりクレリック的な癒し成分はなくて、サイズアップした時にやたらライフを稼ぐ様子はむしろ癒しというより恐喝にしか見えない。さらに自軍クリーチャーの死亡を自分の力に変え、自軍クレリックの死を明日への財産に変える。ここまで狙いを絞り込まれると、さてクレリックデッキを組もうか、という気にさせてくれる。ごちゃごちゃした能力のおかげで見逃しがちだが、3マナ2/2というプリティキュートなボディサイズを持つ珍しいデーモンなので、普通にビート要員しても強かったり。いっそのこと同じく3マナで他人の死を喜ぶ「冠滅ぼしのガドラク」と並べて狂言自殺デッキとか組んでみたいな。
 
墓入りの妨害 Thwart the Grave (4)(B)(B) U
ソーサリー
この呪文を唱えるためのコストは、あなたのパーティーのクリーチャー1体につき(1)少なくなる。
対象のあなたの墓地にあるクリーチャーカードと、最大1体までのあなたの墓地にあるクレリックかならず者か戦士かウィザード・クリーチャー・カードを戦場に戻す。
 このセットのリアニ。M21ではコモンにリアニ呪文を配置するという異例の措置が採られたが、今回は普通にアンコモンだ。リアニ呪文の基準はだいたい5マナでボーナス付きのイメージだが、今回は一応額面上は6マナ。でもまぁ、この環境ならだいたい5マナ以下で唱えることになるんじゃなかろうか。そしてその場合には2体まとめて釣れるという大きなアドバンテージも重なってかなり強力な呪文と言える。例えばならず者とウィザードだけがいる状態なら4マナで唱えて、墓地から戦士とクレリックを呼び出すなんてことも可能なわけだ。下の環境までひっくるめると、何かこの職業の組み合わせでよからぬコンボなんかを開発する人間も出てくるかもしれない。さぁ、過去のならず者の歴史を遡れ。

 


弱者成敗/Vanquish the Weak(XLN)」 C
 イクサラン生まれのリミテッド用基本除去。3マナの割に対応範囲が狭いので不自由を感じることも多いが、今回の環境はパーティーを組む必要がある都合上、あまりパワーの高くないクリーチャーもずらずらと顔を並べることは多くなる気がする。こいつで適宜求められるメンバーを潰していくことで相手のパーティーを機能不全にさせられるので、ニーズはいつも通りという感じじゃなかろうか。イクサランでは何故か同じ環境にどこをひっくり返しても上位互換だった「略奪者の急襲」が収録されるという謎のいじめにあったが、今回は大丈夫。ちなみにイラストだけ見るとどう見てもカード名は「致命的な一押し」だと思うんだけど、残念ながらそっちじゃない。
 
ゾフの消耗 Zof Consumption (4)(B)(B) U
ソーサリー
各対戦相手は4点のライフを失い、あなたは4点のライフを得る。

ゾフの血溜まり Zof bloodpond 
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(B)を加える。
 直接ドレイン呪文と土地の合成。ドレイン呪文のベースになっているのは「魂の饗宴」で、5マナで誰かのライフを4点吸うという呪文だった。今回は利便性を加えた分だけ1マナ重くなったわけだが……流石にちょっとなぁ……。6マナも払って盤面に一切影響が出ない呪文は、あまり積極的にデッキインする気は起きない。それじゃ、これが土地も兼任できる場合にどうかというと、まぁ、タップインが許容できるかどうかだ。この呪文を6マナで唱えるのは、本当に土地が揃って相手と引き勝負になった時だけで、その場合には「土地引くな!」と念じてこれが引けたおかげで勝つ場合もあるだろう。ただ、そうして「たまたま引き勝負になった」タイミングのために、序盤にもっさりする土地を入れるのかどうか。まぁ、結局サイクリング土地と同じ判断になるわけだが……一応、イゼット戦術なんかで「墓地のソーサリーとインスタントを数える」ギミックがある場合、こいつは捨てれば墓地ではソーサリーである。そういうギミックのために「デッキの土地の数をよっぽど削りたい」という場合以外は積極的に取りに行く必要はない気もする。
 
 

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