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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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Vivy -Fluorite Eye’s Song-」 6→8

 良いアニメになりましたね。僕はとても満足している。また1つ、種﨑敦美ヒストリーが人類の規格の外へ飛び出していくのである。

 毎週感想を書いていたので今更何かを追加するものでもないが、こうしてアニメオリジナル作品がかっちりとした手堅い出来になったのはなんだか久しぶりな気もするので、それだけで割と嬉しい。しかもかなり滑りやすいジャンルである「アンドロイドと人間の関係性を描いたSF」で、いい具合に落とし所を見つけてくれたというのは渋いながらも評価されるべき点なのではなかろうか。今作の最初の感想で「プラスティック・メモリーズ」の話とか「仮面ライダーゼロワン」の話とかを出して「AIの心のお話、絶対すっきりしない説」みたいなことを提唱していたのだが、なるほど、「心の有る無し」を問題にしない一番手っ取り早い手段は、アンドロイド自体を主人公にしてしまえばよかったのか。今作のヴィヴィの苦悩と葛藤を見て、「心があるかないか」なんて問題は全く意味をなさないものね。

 タイムトラベルを巡るSF設定についてもうまいこと「ごまかして」いるのでそこまで気にならなかった。まぁ、最後に「泣きのもう1回!」みたいなことになった部分に関しては「脚本原作者が死に戻ることに抵抗なさすぎるのでは?」なんてことも考えたが、まぁ、理屈の上では別に問題ないんだよな。100年飛んでる全体があるんだから、そりゃ数日戻すくらいの猶予があっても構わんだろう。そうした部分がとってつけたような展開になっちゃ減点要素にもなるが、今作はそうした「時代の繋がり」に関するあれこれをうやむやにするために、わざわざ100年という時間の幅を設けたのだろう。こんだけ長い期間を戦い続けるタイムリープものというのはこれまで見たことがなくて(トータルの経過時間じゃなくてループ1回分の話ね)、ここまで長いとバタフライなエフェクトがどうこうとかいう部分もあまり気にならなくなる(もうそういう尺度の問題じゃなくなる)し、事件が起こるタイミングを10年単位で区切っていくことにより、いちいちステージが変わるので伏線の仕込みが大雑把でも気にならなくなり、経過時間の長さのおかげで勝手に壮大さまで感じられるというおまけ付き。なるほど、かなりおいしい設定になったもんだ。作中で描かれた事件なんて最初の旅客機墜落をカウントしても5つくらいしかなくて、それぞれの事件に設定される要素も多くはないので全体像が見やすくなっていたのは脚本構成の手柄だろう。1クールアニメという、普通なら縛りになる尺を、うまいこと「強制的に視点を改める区切り」として機能させている。こんな時代だからこそ、まだまだ地上波アニメのデザインというのは可能性が残されていることを感じさせてくれる作品だ。

 映像部分に関しても気合が入っており、はっちゃけアンドロイドアクションがダイナミックなのはもちろんだし、それぞれのキャラの表情の作り方も丁寧。特に、今作で最も特徴的だったので個人的に「ヴィヴィ的カット」と名前をつけたいとすら思っている「眼球部分のズーム」の使い方が抜群にうまい。必ず1話に1回は入るあのデザイン、想像以上に様々な効果を発揮していて、1番の効果はあのカットの止め絵だけでもとにかく筆の数を増やしてディティールにこだわることで、なんとなく作品全体の作画がすごく高品質に思えるということ。いってしまえば看板詐欺みたいな手法で、実はよく見ると今作は不必要なところでの作画枚数はそれなりに省エネな部分もあるのだが、必ず要所で「おっ」と思えるあのカットが入ってくるので、その度に「やっぱ綺麗な作画だなぁ」と思ってしまい、他のカットで「休む」余地が生まれるという。また、ヴィヴィの眼球アップは彼女が機械であるということを嫌という程思い出させるという効果もあり、冒頭で書いた通りに「もう、こんだけ感情を持って動いてたら人間と一緒やんけ」というツッコミに対し、「いやいや、それでもやっぱり彼女は機械だから」という念押しを挟み込み、本作の中枢部分をブレさせないのである。もちろん、そんな彼女の目に見える世界を反映することで、次々に歴史のバージョンアップを重ねていくという意味も含まれているだろう。とにかく、細かい部分で心情に訴えかける作劇がいちいち理にかなっている。

 改めて、お手本として提示されるべき1クールアニメだったと思う。こういう可能性を提示されると、今後もオリジナルアニメは全部触っていかないとダメってことになるので大変だけども……嬉しい悲鳴だと思っておきましょうね。

 

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