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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  実験作と言ってしまえば何でも許される第11話。……すげぇのは間違いない。そして、本当に許されるのも間違いない。この作品でしか出来ないことを、事ここに及んで引っ張り出してくるスタッフの貪欲さには惚れ惚れするばかりです。

 Aパート23話「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ガーターベルト」。前回がブリーフとチャックという2人のサブキャラ回だったわけだが、今回は3人目の主役とも言えるガーターがメインの回。パンティたちが実はあまり詳しく知らないガーターの日常を探りに行くお話なのだが、その内容がどうこう言う以前に、とにかく吉成曜の一人コンテ演出回であるというのが凄まじい。氏はカートゥーンに対する造形も深いらしいのだが、そのこだわりに独自の演出技法(勿論爆発シーンもね!)をミックスし、唯一無二の画面を端から端まで一切隙を残すことなく構築しきっている。ガイナックスだからこそ出来る贅沢な起用である。

 冒頭、まずはパンティたちがガーターを追ってダンジョン探索をするパートでは、ベタベタなトラップに引っかき回される2人の動きが実に賑やかで、マッチを擦った後に揺らめく炎の影の出し方や、マッチを口にくわえながら動くストッキングの細かい動きにいたるまで、現実味がないのにどこかリアルであるという、アニメのお手本のような仕上がり。

 そしてガーターの日記を読み始めてからの嘘創世記になるとドラマティックな演出はさらに勢いを増し、息つく間もない怒濤の大河ロマンをギャグに昇華しつつも壮大に描き上げる。例によって「こんなんキリスト教文化圏で放送していいんかな」と思えるほどのひどさなわけだが、あまりに真に迫ったガーターの熱演のおかげで、これはこれで1つの「信心」の物語としてはありな気がしてくるのが恐ろしいところだ。もちろん、オチはいつも通りの最低な内容なので一安心。結局ガーターの日記(というなの厨二小説)が本当だったのかフィクションだったのかは謎のままだが、あんな終わり方されたら、もうどうでもいいと思えてしまうだろう。チャックが自然にガーターのプレイを手伝っているのが痛々しくて笑える。

 Bパート24話「ナッシング・トゥ・ルーム」。Aパートとは対照的に、画面自体の動きは皆無で、ほぼフィックスで流れる、こちらも実験作と呼べるもの。コンテは平松禎史氏と、やはりガイナックスパワーに満ちあふれている。

 話の筋自体は本当に「ただ部屋の中でいつも通りの会話をしているパンティとストッキング」というだけの内容で、正直クスリとする余地も無いような「だらだら」っぷりなのだが、これが何の苦もなくするりと15分まるまる見られるのが恐ろしいところ。モラルの欠片も無い2人のトークと、時折挟まれるえげつないまでのクオリティを持つアクション動画。画面がフィックスであるからこそ、そうした細かい部分の「動き」にごまかしが効かず、徹底して描かれていることが分かる。

 個人的にはフィックスというと最近では山本寛のイメージがあって、例えば「ハルヒ」28話「サムデイインザレイン」だとか、「かんなぎ」7話「キューティー大ピンチ!(略)」など、敢えてフィックスで見せることによって他のシーンでの動きと対比させたり、空間独自の空気を作り出す技法が面白い。今回の平松コンテの場合、ヤマカンの「フィックスをどう使うか」という挑戦に加え、「止めた画面の中でどう動きを見せるか」という要素も加味されており、相応の技術の高さが伺える。一部屋しかない画面の中で、舞台演劇のように「テーブルの前と後ろ」という奥行きの使い方が効果的に使われているのがポイントだろうか。こういうのを見せられると、まだまだナンボでもアニメってのはやれることがあるんだと再認識させられる。

 そうした実験的な内容に加え、ひたすらパンティたちのトークが流れ続けるシナリオになっているために、二人の関係性を改めて確認することも出来るのが、ファンにとっては嬉しい部分だろうか。「天界にかえる方法」のくだりでは、「あぁ、パンティってここまで脳内がお花畑なキャラだったんだ」と知ることが出来たし、ストッキングの食べ物に対する執着も、改めてその恐ろしさが垣間見える。そして何より、「なんだかんだいいながらもこの姉妹は本当に仲が良いなぁ」というのが分かってほのぼのしたりもするのである。

 デイモン姉妹が2週続けておやすみだったのがちょっと寂しいが、これはこれでこの作品に望んでいるものである。残り話数も少なくなってきたが、このままの勢いで一気に逃げ切って欲しいものである。

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