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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  サブタイトルの響きからきっとギャグ回に違いないと期待したら、そうでもなかったのでちょっとがっかりした第11話。いや、勝手な思い込みだったわけですけども。

 今回の主役は、エロ人妻カナコの従者、シモーヌ。3話で少しだけスポットが当たったミセス・ワタナベの従者2人だったが、今回はさらに掘り進めて、ワタナベ家とシモーヌの因縁の物語を描いている。これまで特に注目されてこなかったキャラクターがいきなり過去を語り始めるというのはよくよく考えればあんまりそそられない展開な気もするのだが、この作品は特に誰がメインという構図がはっきりしておらず、キャラクターも増え続ける一方なので、こうして少しでも地に足の付いた描写のあるキャラが増えるだけでも安心できてしまうのがなんとも。

 シモーヌの正体は、カナコの夫であるレオン・ワタナベの実子である。レオンとその秘書の間に生まれたシモーヌは、姉の指示によって憎きカナコの懐に潜り込むことに成功し、同僚であるタカシを抱き込み、いつかは主人をその座から追い落として綺羅星での地位を確立してやろうと目論んでいた。3話でもその様子は描かれていたし、諾々と従うふりをしながら、腹の中では「この女が嫌いだ」と唾棄し、自分の野望を達成せんとする様子は今回も顕著。だが、終わってみれば彼女の反骨心ですら、ミセス・ワタナベの手のひらの上であったことが分かってしまうというお話。メインで描かれたのはシモーヌだったわけだが、結果的にはカナコの計り知れない人間の度量のでかさばかりが浮き彫りになっていく。

 後に続く要素は多々あるだろうが、今回は1話完結で「シモーヌのエピソード」として成立していたので視聴後の印象は悪くない。中盤の緊張感のある演出は不覚にもドキドキしてしまったし、少しずつ形成されていくカナコのキャラクター描写も面白い。シモーヌが「カナコの奴が慌てているのを初めて見たぞ。これはきっと、私にその地位を追われることが怖くて焦っているに違いない」とほくそ笑んだのに、終わってみれば単にシモーヌやタカシがサイバディ戦闘で傷つくことを心配して語気を荒げていただけであることが分かるという、何とも寓話的なセッティング。最も近いところに埋伏の毒と知ってシモーヌを置いた動機が「だってすごくロマンチックじゃない」というぶっ飛んだものであることも、彼女の器のでかさを物語っている。もちろん、授業中だってのに先生の存在など一切気にせずにタクトをたぶらかし、突如パーティーの提案をすることなんて朝飯前だ。今のところ一番悪の幹部っぽい悪役ですな。

 また、コンテワークとしては今回要所要所で登場した「見ること」というファクターの使い方が面白い。中心となるのは「最近鏡で自分の顔を見る時間よりもカナコを見つめる時間の方が長い」とシモーヌが独白するパートだが、それ以前に、彼女は剣道場で練習するタカシをじっと見てしまうシーンがある。同様の行為はマリノが演劇練習中のタクトを見つめるシーンにも対応し、その答えはミズノが語る「だって見つめるってことは好きってことじゃない」。マリノ→タクトはほのかな愛情であり、シモーヌ→タカシは露骨な親愛。となると、自ら「ずっと見ていた」と語るシモーヌ→カナコという視線の向きは、本人も自覚しない過度な「愛情」を表すことになるわけで。締めの一言は「やっぱりこの女は嫌いだ」という繰り返しのフレーズだったわけだが、シモーヌの持つ相反した感情を効果的に見せる、実に面白い演出だった。

 加えて、「見ること」に「鏡」というファクターが絡むのも見どころで、「鏡を通して見つめる」ことに「愛情」は乗りにくい。それは、シモーヌが鏡越しに見つめていたのが自分自身であることからも分かる。普通、鏡越しに見る顔と言えば自分の顔が一番多いのだろうが、今回鏡越しに会話をしたキャラクターが存在している。それが、マリノとミズノである。「直接見ること」が愛情であるなら、「鏡を通して見ること」は何を示すのか。ミズノとマリノの関係性は、今後のシナリオでは重要なポイントとなりそうである。

 静かな中にも色々と見るべき点が多かった昼ドラのごとき展開だったわけだが、その割を食って戦闘シーンは相変わらずあっさり目。シモーヌがアプリボワゼしてタカシが戦うという作戦の意味がよく分からなかったし、スガタが何をしたのか分からなかったので勝因も不明。スガタとヘッドの邂逅は重要な意味を持つことになりそうではあるのだが、少なくとも現時点では何が起こっているのかさっぱり分からぬ。どんどん影が薄くなっていく主人公達、大丈夫か?

 あとの見どころは2人の巫女の歌唱シーンですかね。ワコのミズノも、落ち着いて聞けるようになるとやっぱり雰囲気を持ってますわ。最終的には4人の巫女の大合唱とかが聞けたりするのかなぁ。

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