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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 「薄桜鬼 碧血録」 4→5

 今期1番最初にゴールテープを切ったのはこの作品。2期目としてはわずか10話分という短期決戦の作品であったが、なんだかんだで気付けば最後まで観ていた、珍しい「乙女ゲー」作品である。

 元々の視聴のモチベーションは徹底的に中の人。雪村千鶴嬢の声、つまり桑島ボイスにはみるみる人を不幸にする魔力が込められており、彼女を守る為に奮戦していた新撰組の面々は、ものの見事に全滅エンドを迎えることになった。今回はキャラクター自体が死ななかったことを喜ぶべきかもしれないが、この救われないエンディングは予想通りとはいってもやはり切ない。新たな桑島伝説の1ページと言ってしまっていい出色の出来である。

 とまぁ、茶化してみてはいるものの、1期では「鬼(羅刹)」だのなんだのとファンタジー要素強めで展開していたこの作品も、2期目になると時代の荒波に押し流されていき、存外しっかりと戊辰戦争の顛末を史実に基づいて描いているのには驚かされた。もっと考え無しな「腐女子向け」展開になるのかと思っていたのだが、特に軍略面、実際の新旧幕府軍の攻防などについては、お茶を濁さずにきちんと設定として活用している。その結果として新撰組の隊士たちは帰らぬ人となってしまっているわけだが、下手な逃げを打たずに、真正面から歴史の悲劇を描いているのは感心させられた。「一人の女性と危険な薬物のせいで人生を狂わせた男達の物語」といえばそうなのだが、ちゃんと各キャラクターたちが信念を守って生き抜き、絶えているために、そこにはお仕着せの悲劇だけではない、ひとかどの物語が存在しているのである。最終回ではエンディングバックで各隊士たちの想い出が流され、不覚にも目頭が熱くなってしまった。

 もちろん、難点も多い。最大の問題点は、「軍記物」として戦争の行方を克明に描こうとしてしまったために、どうしても進行が駆け足になり、中盤以降は、戦局の趨勢を全て千鶴のナレーション1本で片付けてしまっている。もちろん、細かい局地戦の様子を事細かに描かれても視聴者側としては訳が分からなくなるだろうが、全てが同じようなテンションでただ流されていくだけというのはいかにも味気ない。その中で、例えば近藤さんの死のような大きなドラマが挟まれているはずなのだが、どうしても「死ぬために死んだ」ような部分も目立ち、あまりに無感情に戦争が進行するため、ジワジワと負けを重ねる旧幕府軍の連中が全員馬鹿に見えてしまう。策も何も無しに突っ込んで部下を見殺しにした近藤さん、そして最終回では激情に身を任せて突っ込んでさっさと狙撃される土方。そのへんの「格好悪さ」を軽減してくれれば、もう少し物語への没入度も上がったような気がするのだが。話数の尺も半端だし、もう少しシリーズ構成の仕方があったのではなかろうか。

 でもまぁ、最終的にやりたいことは軍記物ではなくてラブロマンスだからね。あれだけツン状態だった土方が最後にはさらりと千鶴に愛の言葉をささやけるようになっており、無骨ながらも精一杯愛情を表現する様には、腐女子でなくてもココロときめくものがあるのだ。三木眞一郞ボイスのイケメンと、桑島法子ボイスの一途な子女。どっちに告白されてもくらくらしますがな。千鶴嬢は最後の最後まで甲斐甲斐しく、実に可愛らしかった。私の桑島ライブラリーに1キャラ追加です。

 その他個人的には風間役の津田健さんがお気に入り。最終バトルはミキシンVSツダケンですよ。無闇に格好良かったし、最後の最後でお互いを認め合い、「薄桜鬼」というタイトルの言われが判明するシーンなんか、ちょっとサムいくらいのやりとりのはずが、この2人だと不思議と絵になるのである。やっぱり乙女ゲーキャストは男性陣が充実してるなー。

 最初から最後まで、グラフィックの質が落ちなかったのも評価出来る部分で、「乙女ゲーならディーンにお任せ!」みたいなよく分からないセールスポイントが確立された感がある。嘆美な演出が実に絵になっていて、最終回を例に取れば後れ毛を描き上げてうなじを吸い上げる二人のインモラルな雰囲気とか、舞い散る桜の下で眠りにつく「薄桜鬼」の末期なんかは、本当に「絵のような」シーン。他のキャラクターについても、男性キャラがどれだけイケメンに描かれてもしったこっちゃないが、見れば見るほど千鶴嬢が可愛らしくなっていくのがたまりませんでした。彼女には、人里離れた山奥とかでひっそりと土方さんの喪に服しながら人生を全うして欲しいです。原作ではどういうエンディングなのかね。

 結論として、この作品を一言でまとめると「やっぱり桑島法子は不幸が似合う」。以上。

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