シリアス・シリアスと来て、まさかのギャグのみ最終話。最後の最後にこんな話を持ってくるとは……やっぱりこのスタッフはひどい連中やでぇ。
確かに考えてみりゃ、最大の障害であるカオスの駆除は終わっていたわけで、今回30分まるまるシリアスってことは無いだろうという予測は立っていたわけだが、1期の最終話はきちんとシリアス絡みでいい締め方をしていたので、今期は「失われたイカロスの記憶」を中心にして何となくいいお話にでもするんだろうと思っていた。ただ、その予想は開始1分で壊れてしまった。何せ、羽を得て演算能力が戻ったニンフがあっさりと記憶の修復に成功してしまったためだ。……でもさ、もともとイカロスは感情制御にシステムが追いつかなくなったから自ら記憶を消去しにいったわけで、根本的な問題が解決していない状態で記憶だけ復旧しても、またすぐにオーバーヒートしてしまう気がするんだけど。それとも、ニンフの治療である程度システム面に余裕が出来たのか、はたまた10話の時点ではカオスが積極的にイカロスを揺さぶりに来ていたことが原因で故障気味だっただけなのか。細かい部分はよく分からないままだったのだが、とにかくイカロスは「智樹にプロポーズされてしまった」という意識はそのままで、正常な稼働に戻った。
そして、そんなイカロスの変化に一切タッチせずに、智樹は久し振りの馬鹿暴走を披露。「プールの水そのものになる」という自由過ぎる発想は素晴らしいのだが、何回も言うように1期1話で時を止めてしまった人間が今更やることではない気がする。楽しそうだったから別にいいけどさ……ほんと、この歳にして完璧なフィティシズムを極めた男だ。ちなみに液体化フィティシズムの完成形というと、個人的には無望菜志作「よろしく名木原くん2」を推したい。本当にどうでも良い情報。
積極的に外に向かって動いた馬鹿展開が久し振りだったためか、今回はさらに「智子が女子トイレに逃亡」というファクターから、トイレ絡みのネタに接続。ここまでいくと……ついていけない……「直前で自粛」という智樹のよく分からないモラルやポリシーはいいとして、いつものようにストレートエロで盛り上がるのではなく、微妙にズレたところから下劣さを出してくる勝負、何も最終回でやらんでも、という内容である。収穫といえば、オープニング映像で智子がもっていた消臭剤の意味が今回ようやく判明したことくらい。いや、見てもイマイチ分からんけども。オチは会長の極悪非道な包囲網を抜け出すことがかなわず、智樹が今期2度目の「トイレの水に巻き込まれながらのドヤ顔」という全く意味の分からないシチュエーションでフェードアウト。どこまでトイレ推しやねん、このアニメ。
このままグダグダでは最終回とはとてもいえねぇ、と思っていたら、最後の最後でイカロスが勇気を出し、つじつま合わせ気味の告白イベントへ。結末は予定調和のうやむやエンドではあったが、イカロスのまっすぐな気持ちと、それを実に微妙な気持ちで見守っているそはらの感情が少しだけ見やすくなった。ニンフも負けず劣らず存在感を出し始めているが、やっぱり「結婚式」イベントともなると、まだ上2人が本命だろう。アストレアは……最初から最後まで馬鹿の子で良かったです。彼女まで絡んだらどうしようもないですし。さらにカオスまで来ちゃったし……賑やかで何より。
実はそんなうやむやエンドよりも、どさくさに紛れて会長が英四郎にプロポーズしている方が大事なイベントだったんじゃなかろうか。終始つかず離れずの微妙な距離をキープしていた2人だが、なんだかんだ言って相思相愛なんだろうな。会長の台詞に、英四郎も特に抵抗してなかったし。っつうか、空見町の中だけで考えたら、あの二人がくっつく以外の平和的解決はなさそうだし。毎週毎週オープニングでアイアンクローをくらい続けた英四郎君、長い間お疲れ様でした。
色々あったし、残されたことも色々あるんだろうけど、何となく「終わった」感の出た最終回。劇場版も残っていることだし、まだまだこの「そらおと」ワールドが続いて行くところを見続けたいところです。
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