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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 「ヨスガノソラ」 5→6

 おそらく、地上波アニメ史上でもっともストレートなエロを実現させた作品。もちろん地上波放送では光渡しや構図変更などの修正が入るものの、それでも「やっていること」は完全にセックスであるし、「それこそが描きたいものである」というエロゲー原作の理念は揺らぐことのない、「史上最エロアニメ」といえる。

 この作品の明示的な新規さは大きく2つ。1つは、エロゲーの各ヒロインの攻略ルートを、極力原作に近い形の、「ルート分岐」という形で表現したシナリオ構成そのものだ。4人のヒロインのルートを順に辿ったわけだが、一葉ルート終了時に瑛ルートとの分岐である2話目まで遡り、そこから瑛ルートを刻む。同様に奈緒ルートを辿った後に、2話遡って穹ルートへ。「セーブポイントまでリセットで戻って未来へ」というのはアドベンチャーゲームをやっていれば当然の行動になるのが、なかなかこれをアニメでやろうという発想は無かったはず。過去のギャルゲー作品は、「誰ルートを辿るのか?」というのがおよそシナリオの焦点となり、その結果「CANVAS2」や「キミキス」などの波紋を呼ぶエンディングを迎えたものである。

 この作品がとった方策は「全員原作通りに攻略する」という潔いもので、最終的には12話という短いスパンで4人ものヒロイン全員と懇ろになり、見事に「自然な」(?)本番行為まで行っている。ここまでの高密度なエロが実現できたのは、適切な「セーブポイント」のキープがシナリオ上で行われたためであり、逆に言えばこうでもしない限りは誰かが犠牲になるしかなかったわけだ。

 ただ、「良い思いつきだ」と軽々しく言ってはみるものの、実際にこれを1本のアニメシリーズの脚本として成立させるのはかなりの難行。出来上がったものだけを見ればすっと入ってくる内容だったが、分岐の位置や必要な伏線の配備、そしてコロコロと入れ替わる悠やヒロイン勢の心理描写の調整など、本当ならばかなり神経を使う構成作業だったはず。特盛りエロという餌で隠されてはいるものの、これだけのものをさりげなく提供できてしまうスタッフ陣の地力はかなりのものだったのではなかろうか。

 そして、この難題をさらに面倒にしている2つ目のチャレンジが、毎回Cパートとして用意された初佳ルートの存在。一部では「ここが本編」と言われるほどのクオリティを誇るギャグ&エロのCパートは、はっきり言って本編とは全く相容れないものである。どれだけ真剣な恋愛や心の傷の物語を本編で繰りだしたところで、徹底的におちゃらけたCパートのせいですべてが吹き飛んでしまうはずなのだ。それでも、ただひたすら重たいテイストだけでは原作の味が発揮できないと判断したのか、毎回必ず初佳パートを入れることでギャグも織り交ぜ、全て合わせて1本の作品として提出してくる。そして、これが別に雰囲気を壊すことが無かったのだ。

 確かに腰砕けの内容ではあるのだが、完全に別物として見られるCパートは、むしろ重い話・胡散臭い話が展開する本編に対して、手頃な緩衝材として発揮していた。この温度差があってこそ、ラブ・エロ・ギャグのトライアングルが完成したのだ。このさじ加減は素晴らしい。

 この作品を見て、高橋丈夫という人物のオリジンが少し見えた気がする。初めて出会った「怪物王女」のエンディングコンテでは、「なんでエンディングなのにこんな無茶なコンテが切れるのだろう」と引き込まれたものだが、今作の監督をすることが分かったあとで少し調べたおかげで、この人がエロアニメの方向に大きく活動拠点を持っていることを知った。その結果「クェイサー」などにも登用されていたわけだが、どうやらこの人の計算原理には、エロアニメの見せ方が関わっているような気がする。中身のあるシナリオラインよりも、色っぽさ、艶めかしさを要求される「エロの画面」は、自然に「台詞以外でも魅せる画面作り」として昇華されていく。代表作の「狼と香辛料」で見せられたホロとロレンスのどうにももどかしく甘酸っぱい関係性など、そのあたりの技術の反映だったのではなかろうか。

 そして、この作品は監督のオリジン(の1つ)である「エロアニメ」である。よりストレートに発揮された「丈夫節」は、短い時間であっという間に人間関係を構築し、濃密に接近するキャラクター達を描くのにフィットしていた。あれだけの時間をエロ描写に割きながら、物語として破綻することなく成立していたこと自体が、まずは驚くべきことなのである。

 ふむ、やはりこの人は侮れなかった。次の作品はますますエロくなるのか、それともまた一般アニメの方に戻っていくのか。どちらにしろ、期待は高まるばかりです。ひとまず都条例を何とかする必要がありそうだけどね! でも、これは規制されても仕方ないレベル!

 あ、全然具体的な中身に触れてませんが、個人的には穹ルートの清々しいまでの近親姦フィーバーには感心こそすれ共感はあまり無かったため、とにかく「奈緒が可哀想だなぁ」という印象でした。でも、一番好きなキャラは多分瑛。特にCパートバージョンとか。結局、高橋丈夫監督の持ち味が一番発揮されてたのは、本編視聴後に改めて見るとその意味がよく分かる「真の」エンディング画像な気がする。ちゃぱちゃぱ。

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