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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 夜と朝の邂逅、第3話。何回でも言うけど、やっぱり綺麗な作品。色彩のエッジの効かせ方はマジで初期の新房作品を彷彿させる。思い返せば私が新房さんに惚れ込んだのは陰影際立つ「宇宙戦艦ヤマモトヨーコ」だったし、その次に話題になったのは、奇しくも今作と同じく吸血鬼の少女を主人公にした「月詠」だった。もしかしたら板村さんもあの当時の色彩設定とかライティングを参考にしてる部分があるのかもしれない。

 新キャラ・アキラちゃん登場。前回の登場時点で「きゃー! CV花守ゆみりの新キャラよー! 素敵―!」ってなってたけど、期待を裏切らず、的確に良いキャラであった(ナズナちゃんとのバランスを取るためかおっぱいはやや大きめである)。先に中の人談義を消化してしまうと、女子高生のキャラだけど音域はやや低め。その上で回想シーンだと「声がそこまで高くない女子だけど幼女だからいくらか高い」という絶妙のラインを作る演技プランがお見事。「なでしこより低め」っていう線引きが綺麗。そして大人になると、花守流の程よい息の抜き方、気怠げな印象が今作の「夜」性に違和感なく溶け込んでいる。

 とはいえ、彼女のフルネームは「朝井アキラ」であり、ネーミングからもはっきりと「朝の使者」であることが分かる。ナズナちゃんという「夜の死者」によって「夜ふかし」の世界に誘われたコウだったが、そんな彼がアキラに再会したのは早朝4時。当人たちが「深夜」「早朝」と意見が分かれたことからも分かる通り、(季節によってだいぶ違うが)朝とも夜ともつかない狭間の時間。この宵闇と朝ぼらけの溶け合ったような時間のえも言われぬ不思議な感覚が、今作独自の色彩感覚でなんとも幻惑的に描かれている。今作で「朝」の要素が出てきたのはこれが初めてで、改めて「吸血鬼の夜」「人間の朝」という区分がはっきり示され、その間をふらふらしているコウはまるで不思議の国のアリスのようである。

 こうしてみると「異界から来たようなとんでもヒロインに巻き込まれ、惹かれていく主人公」って構図は「だがしかし」の再定義なんだよな。あっちは世間離れした駄菓子クイーン・ほたるさんによって非現実に引き込まれるのを幼なじみのサヤちゃんが必死に引き留める構図だったが、今回は「夜」のナズナさんに惹かれようと努力する(?)コウをアキラちゃんが止めている。アキラちゃんはあんまり「朝」を象徴するような明るさを見せてはいないのだが、いきなり太陽サンサンな眩しい光に照らされるよりも、こうしてじわじわと「人の世」が見える方がこの作品らしい玄妙さに通じる。コウの物言いからして、アキラちゃんにもしばらく会わない間のなんらかの事情もあるみたいだし。しばらくはこのダブルヒロインで回してもらえるんでしょうかね。もっとヒロイン2人の掛け合いも見てみたいね。

 「朝と夜が交わる時間」ってのも、今作で取り上げる「妙なワクワク」の一例ではなかろうか。かくいう私も今作のコウとは事情は違うが、基本的に寝るのが下手で幼少期から不眠には悩まされ続けている身。そんな人間が「寝なくても良いんだ」と心の開放感が得られたのは、義務教育も高校生も終えて、自由すぎる大学生の身になってからのことだった。仕事もねェ、学校もねェというあまりに世間の時間にとらわれないニートもどきにとって、出歩く人間のいない夜の時間は特別なひととき。そこから朝につなげて「この接点は俺だけがみているのだ」というよく分からない達成感にも繋がるのである。……まぁ、今になって思えば「生活リズム、大事にしろよ」としか言えないのだが……。

 

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