まず、手短に執筆している現在の状況を報告しておくと、ライブ終演が19時半くらい。そこから西武ドーム名物と言われる満員電車にもみくちゃ体験。この辺でいわゆる「人酔い」も影響したのか、持病の偏頭痛が最悪の形で発症してフラフラ。今回は終演時間が読めなかったもののギリいけると判断して日帰り予定で日程を組んでおり、なんとか終電間際の新幹線に滑り込んで一息。しかし人もまばらな車内で、なぜか1つ前の席がビール缶転がしまくりのリーマン2人組という最悪の席で、延々ノーマスク大声の下世話トークを垂れ流されるという地獄。イヤホンしてても声がでけぇから聞こえるという……。そんな状態で日付が変わるくらいのタイミングで帰宅し、「流石に今日中にレポ執筆は無理だ……寝よう……」と思ってたんですが、すぐに薬が効いたみたいで痛みが引いてきて、そうなるとやはり興奮が思い出されてなかなか寝付けないという厄介な状態。
じゃぁ、書いたらええやん。
<というわけでネタバレ注意だけど、興味ある人は多分みんな検索とかしてるよな>
万感の思いで参加した今回のイベント。何せライブに興味を持ってバンドリプロジェクトを追いかけ始めたのがちょうど2〜3年くらい前のことで、これの全身となる「GBP2020」も当然チケットを買って、勇気を持って現地参加の予定だったんですよ(当時はまだ遠征とかほとんどしてなかったからね)。しかし、あれよあれよとコロナが広がってまさかの延期。秋口に再演が決定したがそちらもまたポシャり、もう全バンド集合イベントは無理なんじゃないかとすら思い始めた今日この頃、ついにこのイベントが帰ってくることが告知されたのだ。そりゃもう、女房を質に入れてでも観に行きますよ。まぁ、気づいたら今回も「全バンド集合」じゃなくなっちゃったのは因果であるが……まぁ、とにかくそんな怨念じみたファンの感情が全てブッ込まれたイベントだったわけですよね。正直、何日も前から脳内セトリを組み上げて、「これはやるやろ」「こっちもできればやって欲しい」みたいな妄想が止まらなかったわけですが、さて、それがどれくらい実現したか? どれくらい想定を超えてきたか。見せてもらおうじゃないかブシロード。
*例によってセトリとか書かないし、今回は流石に全部に触れると散漫になりすぎるので、深夜の脳みそに焼き付いている、ヤバそうな部分のみをピックアップしてお届けします。
○トップバッターはモニカ
オープニングアクトはよく分からん(ほんとよく分からん)新バンドプロジェクトの「MyGO!」が担当。これも将来的には正式バンドとして作品に絡んでくるのかしら? まぁ、現状はよくわかってないのでスルーで。そしてオープニングムービーで登場順は全公開されてしまったのでそこにあまりサプライズ要素は無し。記念すべきイベントのトップを飾った楽曲は「Daylight」で、さしもの倉田ましろもこんだけ歌い込んできたナンバーなら何一つのブレも無い。効いてる方も安心してブレードが触れるという意味では、やはりモニカの代表曲には違いない。モニカはあまり積極的に観に行かないのでいつも久しぶりに見るたびに同じ感想を抱くのだが、やっぱ竿隊の暴れっぷりが「若いっていいなぁ」と(おゆちゃんそこまで若くない問題は置いとくとして)。桐ヶ谷透子がマジ透子なんだよなぁ。やんちゃギター好きよ。今日は全てのバンドに共通して言えることなのだが、いつものようにワンマンでフルライブを完走する必要がないため、いつもよりもリミッター外してぶん回してる印象が強かった。多分直田も西尾もいつも以上にブーストかけてたんじゃなかろうか。おかげで各バンドのトークも噛むわトバすわでみんなしてテンション上がりすぎや。ヴァイオリンは、まぁ、いつも通りにこれ以上ないくらいに存在感あるしな。ヴァイオリンが混ざってる部分を「竿隊」と言ってしまっていいのか問題。
ちなみにモニカの曲数は全5曲。ここで「リアルバンドが5曲ってことで……まぁ、それくらいの配分かな?」となんとなく終演時間を想定してみたり(帰りの新幹線があるから深刻だったのよ!)
○「リアルじゃないバンド」が今日の主役・1
さぁ、事前告知されていた通りに、ここからハロハピ(こころ)・Afterglow(美竹)と続く「普段あまり見られない演奏」パートへと入っていく。ここはねぇ……もうねぇ……本当に夢心地だったわ……ハロハピについては、最近そこまで刺さる曲が多くなくて「キワモノバンドだからしょうがないよねぇ」とか思ってたくらいなのだが、セトリがよりによってお気に入りの「ハイパースマイル」からだったんですよ。これをこころ1人引っ張り出して歌わせるってのは恐ろしすぎる挑戦よ。これ、パスパレだったらサバイバーくらいの立ち位置になってもおかしくない曲じゃないの? しかもみっくがこれをいとも容易く転がせるのよ……今更ながらパフォーマー・伊藤美来の底力を見せられたわね……。底抜け能天気弦巻こころなんて、現実においたら単なる異物でしかないはずなのに、伊藤美来はそれを顕現させることができるんです。あの振り付けは反則よ。そりゃ舞台裏で佐倉さんも奇声上げてメイクさんからドン引きされますよ。
そして更なる反則。本日唯一の「隠し球」となるゆーきちの投入。そして投入3分でギャン泣きするゆーきち。もう、おじさんたちは涙腺緩いからそんなんされたらみんなもらい泣きするしかないのよ。そうだよねぇ、ここまで5年、みんな頑張ったんだもんねぇ……。西武球場に高らかに鳴り響くホームランの音。また新たにバンドリプロジェクトが実績を解除しましたね。今回のセトリ、基本的にアニメで映像素材がある曲ばかりが選出されてるんだけど、「フレフレ」もきっちりフィルムライブのあの盛り上がりをトレスする振り付けになってて良かったわ。映画見てるとこころのアクションで「人間じゃねぇ〜〜〜!」って夜叉猿見つけた時の栗木拓次先生みたいなセリフを残して逃げ出したくなるのだが、そんな無茶苦茶なアクション量も、完全にトレスするわけじゃないけど、説得力を持って再現できる伊藤美来のフィジカル。
○「リアルじゃないバンド」が今日の主役・2
ぼかぁね、戦争も恐れずに言いますよ。今日のイベントのMVPは美竹蘭です。佐倉綾音です。以前のイベントでも感じたことなのだけど、なんであのイキリ赤メッシュがフィクションを飛び出してステージ上に出てこられるのだろう。赤メッシュが似合いすぎる女性声優、そうそういないぞ。今回は全てのバンドが「とにかくぶち上げ曲だけ!」ってんで脳天突き抜けるセトリを組んでいるのだが、よりにもよってこのAfterglow、登場一曲目が「独創収差」なんですよ。意味わかんなくないですか? 改めて確認してみ? モニカのDaylight、ハロハピのファントムシーフ、RoseliaのブラシャにRASのRIOT。みんな看板曲を引っ提げて、「ここが始まりの地です。どのバンドのファンだって、みんな盛り上がれるようにお馴染みの曲は絶対やらなきゃ!」って足並み揃えてんのに、なんでテメェらだけコラボ楽曲なんですか。もう、そういうところがAfterglow! まさかこの曲を生美竹で聞けると思っていた人もいないんじゃなかろうか。時雨節全開の高難度楽曲をいきなりのトーンでぶち上げる美竹。張り出しステージのど真ん中、マイクスタンド一本を前にただ正面を見据えて歌を叩きつける佐倉綾音。どこまでいい女なんだろう。もう、このつかみだけで今日はお前がナンバーワンだ。
立て続けに「カプリチオ」につなぐも、この曲の歌い出しで出トチり、「丸山バウンド」を引き継いだ見事な「美竹バウンド」を披露して一気に雰囲気を解きほぐし、そこからMCに入ると隠しようもないくらいに佐倉さん。いや、だから(元)アイム声優ってなんでこんな舞台根性座ってる奴らばっかりなのよ……一言で全部もってくやん……。真っ赤なマイクスタンドをブンブン振り回して暴れる美竹蘭が「YOLO!」と叫んでこの世界は終わりです。優勝です。
○リアルバンドはノリが桁違い
後半戦はリアルバンドの重鎮たちが居並ぶ「本番」パート。みっく・佐倉さんがあまりにも美味しいところを持って行ってしまったため、「これ、いくらなんでも後半のハードル上がりすぎでは……」と心配になったが、申し訳ない。心配したことが申し訳ない。RASのライブになんの不安のあろうものか。すごいのよ、それまでバックバンドでステージ上にはいたはずのRAS。演奏してたのは間違いないのだし、実際にそこかしこで存在感を見せつけていたのだが(個人的にはファントムシーフのピアノのアレンジが好き)、自分達のターンとなると、そこから一気に音の存在感が露わになる。凶暴になる。1曲目のRIOTからして、もう客の縦ノリの勢いが違ったもんね。そりゃ飛ぶわよ。そして2曲目、ついにやってきた、私自身は初となる現地ヘルヘル。もう、この曲がやれただけでも私の人生に悔いはありません……あ、ごめん、違う。まだ声出しありでやってないからもうちょっと待って。発声ライブでヘルヘルやるっていう目標はまだ残ってる。そこからのドラクレとかEXPOSEとか、上述の通りに「勢いをセーブする必要が全くない」という普段との違いを完全に履き違えており、観客のことなど一切考えてないリミットオーバー展開。「この後まだRoselia残してるんだが?!」とか思いながら、私の右手は既に限界を超えていた気がします。ベルーナドームに首忘れてきました。
○約束された勝利の展開
そして我らがRoseliaがここで登場。なんかね、登場した時の雰囲気からも感じたし、ここまでのRASやモニカのセトリからなんとなく予想がついたんですよ。「あ、これ1曲目にくるな」って。きたね、焼き鳥。その時点で客席がどよめいたので、もうあんたらの勝ちだよ。観客のことを考えないセトリ、大勝利だよ。しかし、まさかの「FIRE BIRD」→「R」展開までは予想してなかった……。そう、あの日のコニファーでも実現させた「飛翔して地べたに叩きつける」コンボですよ。だめだぁ〜この連携好きすぎるんだぁ〜。せめてもの抵抗で、今日はなんとなく「R」でブレードを紫に戻してました(だからなんやねん)。あ、当然「R」は中島由貴警報が出る楽曲ですが、今回も備えをしていなかった無防備な観客が3割くらい死んだと思います。
そうそう、ぼくぁRoseliaシンパなので事前にいろんな妄想セトリを組んでたんですが、その中の1つに「どうせRed×Violetは演るに決まってるんだから、どうせならことさらにAfterglowとの因縁を際立たせるセトリも面白いよなぁ……セット替えの手間も考えて、Afterglowの「SENSENFUKOKU」から「Red×Violet」に繋いで、「PASSIONATE ANTHEM」で返すっていう怒涛の対バン構成はどうや?」っていうアイディアがあったんですよ。残念ながらこの妄想は全く叶わなかったんですが、唯一、アンセムがかかるという事実だけは達成しました。センターステージど真ん中で地球を割る相羽あいな。西武から損害賠償求められないといいですね。
その後に円周率を自在に操る異能なども見せつけてたっぷり6曲は流石の優遇。「ROZEN HORIZON」で青く染め切って仕事を終えて……
さぁ! 本日最大の見せ場だ! いくぞRed×Violet!!!! もーね、ほんとにこの1曲だけを見にきたと言っても過言ではないくらいに楽しみにしてたんですよ。そりゃ演るでしょ。美竹蘭呼んどいて演らなかったら詐欺でしょ。こちらも準備万端でその流れを待ち構えていたわけですが…………もーーーーーーーーー、完成度が想定の上の上を超えて上! まさかここまでがっつりフィルムライブのフリを再現してくれるとは……いいですか皆さん、考えても見てください。湊友希那は顔がいいんです。美竹蘭も顔がいいですよね。そして相羽あいなも顔が良くて、佐倉綾音も顔がいいんです。そんなキャラとキャストが重ね合わせを経て、完全なるゼロ距離接敵を実現させたらどうなると思います? これがビッグバンです。生命の起源です。……………………あの振りをこなしつつ、あれだけの高音域を貫き通せる佐倉さんの歌唱力も頭抜けてるんですよね……。この曲の映像が見たいという理由だけでフィルムライブはソフトを買ったんですが、この曲のパフォーマンスが見たいというだけで、多分このイベントのソフトもマストバイよ。こんなに格好いい湊友希那さんが大学に進学できないなんてそんな……。
○涙の訳
というわけで私の中ではRed×Violetが終わった時点でこのイベントは一区切りだったんですが、トリを務めるのは当然バンドリ次元の象徴、ポピパである。MCでは珍しくさえちも緊張してて、りみりんもグダグダで、その様子をへごがどこ吹く風で見てるという、誰が見ても緊張感が伝わる舞台。まー、こんだけのことを延々3時間もやられた後に「行ってこい」って言われて平然としてられる方がおかしいですわな。私個人は最近そこまでポピパを熱心に追ってなかったこともあって、正直いうと「ポピパは消化試合感があるな」と思ってたんですよ。失礼とは思うけど、複数のバンドが登壇するフェス形式でそういう感覚があるのはしょうがないじゃないですか。ほんで最近の曲が立て続けに流れたあたりは実際クールダウンに当ててたんだけど、最後にきちんと持っていきましたね。
流石に背負っているものが違う。「イニシャル」から上げ切ったテンションを「HELLO! WINK!」でさらに異次元の熱気に昇華し、全てを総括し、この日のライブの「成功」を決定づけるのは、2年分の思いを込めた「Live Beyond」と「キズナミュージック」。ゆーきちが泣いた、そして愛美も泣いた。この2年の重み、この5年の歩み。そんな歴史をこれ以上ない形で見せつける、良いパフォーマンスだったんじゃないでしょうか。お見事でした。
○アンコールラッシュに希望を託し
正直「サンクスミュージックで締め」はそれ以外ないと思っていたのでおそらくほとんどの人の想定通りだったと思うんですが、その前段階として「溜まってた周年楽曲」をきっちり吐き出したのはお見事でしたね。気づけば全バンドの合同楽曲も着実に年を重ねてきたのだ。あとは残された目標はそれ以外のユニット跨ぎ曲(個人的には「CATASTROPHE BANQUET」!!!)をどこかで演るチャンスを見つけることでしょうか。まだまだ広がりを見せるバンドリワールド。ソシャゲが中心にあるコンテンツはどうしたって規模は縮小していくもの。それはどんな作品にも避けられない運命だとは思うのだが、バンドリプロジェクトはそれを乗り越えた先を見据えている。6周年、7周年と、今後も引き続き、躍進と革新に期待したい。何はともあれ、開催ありがとう&おめでとう!
○残された傷
以下の文章は今後の展開次第で削除する可能性もあるんですが…………。そう、やはりこうして華やかなイベントが実現し、成功したことで、そこに落とされた影はいやでも意識してしまう。この度「体調不良」で参加が見送られたあみたのことである。一貫性を持たせるため、上記の記事でも極力触れないようにしている。なぜそのような措置にしたのかといえば、「何も分からないから」だ。いちファンの想像で何を語るべきでもないし、現時点で何を言っても意味はないだろう。しかし、Roseliaファンは既に、辛い別れを2度も経験している。もう見たくない。あんな気持ちにはなりたくない。そして、丸山彩と前島亜美はあまりに強く結びつき過ぎている。嫌な言い方になるが、あみたの行く末が、バンドリの行く末だ。何が起こっているのかは分からないが、幸せな報せが聞けることを、ただただ願っている。
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