最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
5なろう目。そして予想を裏切るブレイクスルー。なろう小説でプロット部分の構造に感心したのはもしかしたら初めてかもしれない。 タイトルの長さと内容から「ハイハイ、いつものいつもの」と思いながら視聴を開始したが、アバンの展開からいきなり足を掬われ「あれ?」となる。そこから展開されるギミックは、一見すればこれまで散々見てきた「悪役令嬢もの」の構造と大差無いかのようだが、実はかなりエポックメイキングなことをやっている。「転生」を必要としない「実況解説」というゲーム世界とのインタラクション。アイディアとしては、まさに世の中に「ゲーム実況」という娯楽が定着したという文化背景から現れたものだろうか? 現代社会では、ゲームそのものをコンテンツとして楽しむことに加え、それをプレイする「実況者」自体を楽しむという1つ上のレイヤーのメタ構造が成立した。となれば、創作ジャンルにおいて「ゲーム実況もの」があってもなんら不思議ではない。思いつくだけなら簡単なのかもしれないが、そこを一歩進めてきちんとエンタメとしてのラブコメの俎上に乗せているというのがまず注目すべきポイント。 「実況だろうがなんだろうが、結局ゲーム世界で破滅エンドを回避する悪役令嬢の話になるんだろ? ガワだけちょっと変化球に見せてるだけで、結局やることはいつもと同じやんけ」という意見も出てくるかもしれない。そして、私はこの先を知らないのでもしかしたらマジでそうなって尻すぼみに終わる可能性も充分ある。ただ、この「実況」という薄皮1枚を挟むことで描かれる構造自体も大きく変化したことは確認しておく必要があるだろう。世界を2層構造にしたことによって何が行われたかというと、ゲーム内キャラクターとその干渉者(ついでに鑑賞者)の「人格の分化」である。本作における小林さんとリーゼロッテは、これまでの「悪役令嬢もの」ならば基本的に同一の人格であった。「はめふら」のカタリナ、「ラスボス」のアイリーン。どちらもゲーム内の悪役令嬢役に転生し、ゲーマー視点から自分の直面した危機を打開しようとする視点を持っている。この構造で最大の問題点は、結局「ゲームの縛り」というのがどのように機能しているかがはっきりせず、どれだけ痛快な「現状打破」が起ころうとも、「それって意味があるの?」「全部知った上でマウントとって何をドヤってんねん」というわだかまりが残る部分であった。「転生」という要素により、「一人の実際の人間」と「ゲームのキャラ」という相反する要素に重ね合わせが起こってしまい、少なくとも作品内だけで折り合いをつけられなかったのだ。 しかし、今作の構造ならば、小林・遠藤の両名はまさしく「神」である。ゲーム世界への干渉力に疑う余地はないし、ゲームキャラにとってもそれは「神の干渉」であり、世界が変質することになんの不思議もない。相変わらず「ゲームの拘束力とは」という制限への疑問はつきまとうが、「ゲーム内からの打破」に比べて、「プレイヤーがなんかおかしくなったゲームをプレイして攻略法を見出す」方がよほど理解しやすく、納得度も高い図式になる。まさに「ゲーム実況」文化の恩恵だ。また、ゲーム内からは「神」でしかない2人がひとたび視点を現実に移せば一介の高校生でしかないという切り替えも自由自在で、ゲーム外世界でのラブコメ要素も別口で楽しむことができる。たった1つの新要素を盛り込んだことで、新たな刺激と構造変革をもたらすことに成功したのだ。これは、新しい。(なお、確認したところ原作のリリースは5年前とのことなので、現在なろうジャンルでこれがどの程度一般化しているかは知りません) 惜しむらくは、そうして楽しげなステージが用意されたアニメなんだけど、映像部分はそこまで冴えてないということくらいだろうか。制作が手塚プロかぁ……いや、そこまで酷い出来でもないのだが、大事な1話目にしては大して誇れる完成度ではなく、ここから下がるリスクを考えるとちょっと不安ではある。しかしまぁ、なろう文化の中では貴重な「こんなことも出来るのか」という新鮮な驚きを与えてくれた作品。なんとかこの期待を維持したまま進んでほしいものである。 なお、実況解説という役割が重要になる関係上、キャストは例によってゴリゴリである。オタクでテンションが高い花澤キャラ、助かる。作中でのともりVS富田の構造、とても助かる。
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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