今年もやりましたよ。えぇ。ただ、これだけは伝えておきたいんですが、これって結構面倒な作業なので、やらなくなったとしてもそっとしといてくださいね。1000人以上ものデータを全部手作業で確認していくの、結構神経使うんだわ……。あと、ここに掲載してるデータだけ読んで満足する人が出てきてしまうと、そのせいで買わない人が現れ、せっかく毎年名鑑を作ってくれている声グラさんに失礼だな、という意識もあります。ですので、内容が気になるファンの人はちゃんと自分で買って手元に置いといてくれ。それはおっちゃんとの約束だ。資料的価値は高いのだし、100ページ近いリストが付録でもらえるのって、めっちゃお得だと思いますよ。
というわけで、今年も数字の部分から見ていくが、この度掲載された女性声優の人数は総勢1039名! まー、増えた増えたとはいうが、改めて毎年呆気に取られる数には違いないですな。ただ、昨年時点で1000人の大台に乗せてしまったので、今更どうということもない気もしてくるな。実際、ここ最近の増加数は過去5年で「49人増→47人増→60人増→48人増→48人増」と50前後の数字で安定していたが、今年の増加幅は36名とここ数年では少ない方だ(1ページの掲載数が12人なので、それに合わせた加減になっている)。これが何を意味するのかはまだ分からないが、多少なりとも飽和状態の業界状況が改善されればいいな、と思うような、もうそういうもんだと割り切って好きにしたらええがな、と思うような。こんだけ「声優なんて寡占産業だし、新人はマジでキツいで」という認識が広まってるはずなのに、まだまだ声優ビジネスって賑わってるんでしょうかね? 個人的には「過当競争が激しい」→「生き残った役者の質が上がる」という蠱毒みたいな概念は割と信じてる方なので、まぁ、好きにしたらええとは思う。
一応去年分から転載して数字を付け加えておくと、2010年以降の数字の変遷はこんな感じ。536→ 536→ 548→ 596→ 644→ 680→
703→ 751→ 800→ 847→ 907→ 955→ 1003→ 1039。
IN(50名)
相川奈央 青木志貴 青木陽菜 麻丘真央 雨夜音
稲垣好 今泉りおな 入江麻衣子 梅澤めぐ 絵森彩
大熊和奏 佳原萌枝 清井美那 櫻井智 佐藤実季
椎名桜月 四条月 白河みずな 鈴原希実 須藤叶希
相馬優 田中貴子 月城咲舞 ながえゆあ 永瀬アンナ
中村カンナ 南雲希美 七木奏音 根岸実花 野崎結愛
後本萌葉 野中ここな 花宮初奈 塙有咲 原涼子
春川芽生 春村奈々 菱川花菜 古木のぞみ 真野美月
水野朔 望月りの 森下千咲 薮島朱音 山口茜
結木梢 羊宮妃那 吉宮瑠織 Raychell 若松来海
まずは「昨年度掲載されておらず、今年は載っていた名前」から。ほとんどの名前は順当に新人枠で、昨今の風潮として「ソシャゲキャラデビュー」というのが一般的である。具体名まではもう追わないが、ざっと確認したところ「ウマ娘」「リステ」「セレプロ」といったアイドル起用での新人が多い。まぁ、いかにアニメのキャパが増えたとてアニメでレギュラーを勝ち取るのは未だ茨の道であり、ここに掲載されてから本当に名前が売れるまではワンステップを必要とするということだろう。そんな中でも世間的に注目を集めるのが、例えば「DIY」で主演を務め、「水星の魔女」でもデブさんを好演した稲垣好や、立て続けに「後宮の烏」の主演と話題作「ぼざろ」でスターダムにの仕上がった水野朔。いつの時代もこうして綺羅星のごとく現れる新人ってのはいるもので。そしてそんな中でもトップ中のトップがなんといっても羊宮妃那。そうか、去年の時点ではまだ掲載されてなかったんや。年に1人出るか出ないかってレベルの突出した才能ってのはこの辺のことを言うのだろう。
宣材写真を見ていて目につくのは同じ制服を着た一団で、確認すると「ナナニジ」がボロボロとリタイアを出しつつも次なる弾を装填し、さっさと第二陣を送り出してきたらしい。「一昨年登録、昨年削除」というひでぇ状態のメンバーが5人もいたのに、今年は新規加入で一気に8人を送り出している。この辺りはいかにも「使い捨て」のイメージになっちゃうよねぇ。そして一気に加入といえばなんといってもLiella!の1年生枠で、絵森彩・大熊和奏・鈴原希実・薮島朱音と綺麗に4人揃っての初登場。こちらは脱落せずに残って欲しいものだが……まぁ、ラブライブ声優は今のところ削除された人間はいないので大丈夫だろう。
他に気になる名前をちょっとずつつまんでいくと、入江麻衣子というのは志崎樺音の降板によって新たにハピアラに加入した子とのこと。当然のことながら声優というよりピアニストっぽい経歴だが、少なくとも現時点で「D4DJ」を聴いてる分には悪くないわね。バンドリ界隈だとRaychellもいよいよ声優名義で登録。まぁ、チェルさん下手な新人よりずっと安定して仕事できるからなぁ……。菱川花菜はキュアプレシャス役。キュアエール役の引坂理絵が掲載までだいぶ時間がかかってたけど、こちらはちゃんと1年目で載っている。原涼子ちゃんはなんとあの「ばらかもん」でなるちゃんを担当していた子役上がり。どうやら最近アイマス界隈で起用されたとか。こうして過去に子役で出てた子ががっつり声優として身を立ててるのを見ると嬉しくなりますね。ちなみに「ばらかもん」繋がりだと、こちらは新人でもなんでもないのだが何故か古木のぞみが今回ようやく初掲載。何故こんなにかかってしまったのか、この辺の基準はほんとに謎。そして山口茜はなんとあの山口勝平の娘さん。こないだジャンプの落語漫画のボイスドラマで共演してて親子対談とかしてましたね。2世声優もじわじわ数を増やしているなぁ……。
そして一際異彩を放つのは櫻井智の名前。「2008年で一度名鑑から削除」→「2014年に一度復活」→「2017年に再び削除」→「今年3度目の掲載」という激動の経歴である。引退したり、復帰したり、大忙しだ。
他にも相変わらずいろんな見どころがあります。是非買って自分の目で確認していただきたい。個人的によく分からんけどツボったポイント
①去年笑ってしまったVTuber声優、ガワが変わって去年と全然違う顔が掲載されている。
これ、毎年適当な画像載せてたら名鑑の意味ない気がするのだが……逆にこれも歴史的価値があると見るべきか?
②鹿野優以、ついに観念したのか宣材を変更。
まぁ、「まだ活動してんのか?」ってレベルで声は聞かないわけだが……多分去年までずっとデビュー直後の宣材だった気がする。こまめに写真変えるか変えないかで、その人や事務所の名鑑との向き合い方がなんとなく察せる。
③「ラ行」が1ページにまとまっててインターナショナル。
流石に「ラリルレロ」の声優なんてほとんどいないので、毎年だいたい1ページに収まってるんですよ。「ラマルファミッシェル立山」に始まり「Liyuu」→「劉セイラ」の中国ゾーンを超えて「Lynn」→「Raychell」→「レニーハート」と続きます(1人生粋の日本人がおるな)。ちなみに、この並びに書いてないけど、実はもう1人、生粋の日本人が間に挟まっています。さて、誰でしょう? 名鑑を確認しないで分かったら、あなたは相当な声優マニアです。
OUT(14名)
秋月美穂 飯野美紗子 伊藤実華 梅村あかね 片平美那
菅まどか 清水茉菜 鈴木陽斗実 高橋菜々美 前島亜美
嶺内ともみ 森友莉世 吉岡美咲 芳村れいな
対して、「昨年度掲載されていたが、今年は載っていなかった」名前は上記の14名。確認していくと、やはり事務所の退所が主な理由のようだ。調べてみたら「NOW ON AIR」というアイドルグループのメンバー、そのうち鈴木陽斗実という人はガンが原因での早逝とのこと。自分で確認しておいてなんだが、やっぱりそういう人もいるんだよなぁ、というので少し悲しい。このグループのメンバーはさらに飯野美紗子・片平美那の2名も事務所を退所し、グループは活動休止しているようだ。去年まで「いとうみか」「いとうみき」「いとうみく」という綺麗な三連星を形成していた伊藤実華という人物も退所が理由か。あまり活動履歴も確認できないので、事実上の引退みたいなものかもしれないが。
その他、退所ではなく「廃業/引退」を宣言している例も何件かあり、確認できたところだと菅まどか、高橋菜々美、そして嶺内ともみの3名は芸能活動から足を洗ったようだ。嶺内ともみはもっと活躍を見てみたかったので残念ですね。そして当然ここで触れなければいけない前島亜美の名前。事務所を退所しているのだから当然の処置ではあるのだが、今後あみたが芸能活動に復帰することはないのだろうか。続報が待たれる。
そんで、個人的に妙に気になるのは秋月美穂・梅村あかね・芳村れいなという3つの名前。知らん名前ではあるのだが、確認したらこの3人はどうやら同じ事務所に関係しているらしい。それが去年もちょっと触れた「ラベリテプロ」という事務所で、正直どういう事務所なのかが調べてもよく分からんのよ。公式のTwitterとかも数ヶ月に1回しか更新してないし。今回まとめて名前が消えたというのは、どういう事情なんだろう。
あ、ちなみに貴家堂子さんは元々この名鑑には載ってません。長年のお仕事、本当にお疲れ様でした。
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