ドラフト通信No.21 2/4

 ２月４日　ドラフト模様（MBS,SOM×２）

ピック順　【Sangriter】→【Thraxi】→【Alessi】→【Newcomer】→【Serra】

　イエッス！　新環境！　スポイラの公開時期が遅めになってきた昨今、情報が出てから発売までがあっという間ですな。おかげで色々と妄想する間もなくいきなりのドラフトチャレンジですわ。今回は決め打ちが出来ません。

　そして、想像以上に影響が大きかったのが、パックの開封順の変更だ。これまでならばある程度地固めを行った後で未知のパック群にダイブ出来たのだが、今回からいきなり初対面のカードがずらりと並んだパックを見るはめになり、まさに手探り状態。しかもトーメント環境のように露骨な「偏り」が発生している状態のパックとなると、もう、何を信用して良いものやら。これはしばらく苦難のピックが続きそうである。そして、ジワジワと浸食するファイレクシアに影響されたのかどうか、今回は（今回も）青ユーザーがほぼ０という悪夢。おかげで完全に食い合った状態での泥沼ピックとなり、新カードがどうこういえるような状態なのかも怪しい。ほんと、難題ばかりを突きつけてくるゲームだぜ……

ある１人への私信・朝マックは６時からじゃなくて５時からだったじゃねぇか！　おかげで何となくソーセージエッグマフィンとか買うハメになったわ！　うまかったわ！

 　　　　ＡＬ　ＳＥ　ＴＨ　ＳＡ　ＮＣ

ＡＬ　　ー　　×　　◎　　×　　×　　１ー３　５

ＳＥ　　○　　ー　　○　　×　　◎　　３ー１　２

ＴＨ　　×　　×　　ー　　○　　○　　２ー２　３

ＳＡ　　○　　○　　×　　ー　　◎　　３ー１　１

ＮＣ　　◎　　×　　×　　×　　ー　　１ー３　４

１位　【Sangriter】　黒緑青　＜肉喰いインプ　堕落の三角護符　シルヴォクの模造品＞

　本日の感染1人目にして、最も毒死率の高いデッキ構築に成功したおいしいとこ取り。先にネタバレしてしまうと、今回は5人中4人のデッキが黒であり、うち3人は黒緑。そんな中で並び順の関係から上家が黒でなく、なおかつ両側に緑がいない状況に置かれたのがここだった。そのため、かろうじて純度の高い感染カードを集めやすい状態にあったのである。最速ゲームを決めたシーンは、２，３ターン目にマナマイアから４ターン目「ファイレクシアの巨大戦車」という鬼展開があり、その他にも「肉喰いインプ」「荒廃後家蜘蛛」「災いの召使い」と包囲戦パックで最も望まれるカードをうまいことかき集めた。「傷跡」パックでも盟友たる「堕落の三角護符」に巡り会えているし、色の合うマナマイア２体も美味しい。そして、このデッキを地味に支えたのがタッチで選択された青カード２枚。黒メインの感染デッキにしては除去が多くないデッキなのだが、そこにこっそりねじ込まれた「分散」「ニューロックの模造品」という２枚のバウンスが、色々と予想外の方向から悪さをすることに成功した。今回は荒れたピックになったため、こうした一手間で何とか混戦から抜け出る工夫はかなり大きな意味があったのではなかろうか。あと、「迫撃鞘」がマジうざい。あれ、結構ヤバイ。

２位　【Serra】　赤白　＜金屑の嵐　粉砕　マイアの戦闘球＞

　今回、ピック中にほとんどの人間が唸ったことが、「くそっ、もっと早く赤に移っておけば……」という事実。既に「包囲戦」の時点で赤が余りまくっていることは誰の目にも明らかであり、賢いプレイヤーなら２パック目くらいから赤に走っても充分間に合うレベルのひどい流れ。それでも我々素人プレイヤーは意固地に感染にこだわり続けてしまい、今回は明らかに赤がパワーに比して使用率が低い色となっている。で、そんな赤をかき集めた今回唯一のミラディン軍デッキがここである。レアの「金屑の嵐」からスタートし、「調和者隊の聖騎士」や「レオニンの空狩人」といった優良ビートカード、「粉砕」「電弧の痕跡」「オキシダの屑鉄溶かし」といった除去、そして「不退転の大天使」に「マイアの戦闘球」というレアに至るまで、ミラディン人の誇りと蓄積が爆発したようなデッキ構成である。ポテンシャルだけなら間違い無く今回トップであり、不幸な事故と相手のブン回りさえなければ、おそらく四散したファイレクシアなど容易く駆逐できるデッキだったろう。でもまぁ、勝負は水物ですから。試合中盤に躍り出る「カルドーサの炎魔」の絶望感が異常。天使と「液鋼の塗膜」コンボはさらに異常。

３位　【Thraxi】　黒白　＜ファイレクシアの槽母　胆液爪のマイア　肉体アレルギー＞

　完全に包囲戦パックに踊らされ、感染にこだわったばかりにメタメタになったアホが１人。「槽母」の１引きで「あちゃー、やっぱりファイレクシア様は強いね！」とか思いながらピックをしたわけだが、その後の感染カード不足はいかんともしがたい。ピック表を振り返ってみるとよく分かるのだが、上家が確実に１レベル上の感染カードをおさえて残り物だけが回されていることが分かり、本当に涙が止まらない。ただ、逆にこの枯渇がラッキーを産んだのが、駄目元での白への流れである。あり得ない順目で「神への捧げ物」が流れてきたことで白への渡りを残しておき、２パック目５引きに「剃刀のヒポグリフ」から、「流石にアカンやろ」ということでサブカラーが白に。おかげでピュアな感染は夢のまた夢になってしまったものの、勝った試合がほぼ全て通常ダメージによる勝利という、何とも消化不良の５割維持である。途中、「もうどっちのダメージでも勝てないよ！」と開き直って「大石弓」２枚体制なんて無茶苦茶な構成にしたのがかえって良かったのかもしれない。かつてここまで石弓ダメージに依存したデッキも無かったと思うぞ。ソリトンもいないのに！　あ、あと毒で勝てなかったおかげで、今回初めて「肉体アレルギー」のダメージ能力が役に立ちました。

４位　【Newcoemr】　緑黒　＜ファイレクシアの十字軍　黒割れのゴブリン　シルヴォクの模造品＞

　本日３人目の感染チャレンジャー。１引き「ファイレクシアの十字軍」なんだから至極もっともなように見えるが、その実が「新しい環境は感染が増えたぜ」っていう囁きや、「おまえいっつも白とか緑とかやってて飽きねーの？　お前がいっつも固まってるから周りのデッキも固まっちゃうんだけど」という理不尽な上からのプレッシャーで初めて感染にチャレンジしたという、何とも健気な動機でもあるのだ。で、その結果が「もう２度と感染なんかやりませんよ！」というもの。デッキを見る限りでは「化膿獣」「核をうろつくもの」などそれなりの陣容に見えるのだが、結局カードプールが不足しているので感染元の数が足りず、いわゆる「ライフ３０点状態」になってしまうので悩ましいことこの上なし。期待すべきは「銅の甲殻」による序盤からの速攻感染ビートだけって具合ですわ。デッキとしてはそこそこ頑張った部類だと思うんだけど……これで次回また白緑とかに戻ってたら笑うしかないな。

５位　【Alessi】　緑黒　＜裏切り者グリッサ　皮裂き　活線の鞭＞

　１引き「グリッサ」で決め打ち緑黒になってしまい、本日４人目の感染チャレンジャー……と思いきや、そこは流石の経験値で感染にいけないことは素早く察知し、デッキの目先を「ノン感染」の緑黒に定めた。この狙いは結果的には正しいものではあって、高速召喚される「最上位のティラナックス」や「腐食獣」による緑ビートは、むしろダメージ効率が良い「グリッサ」とのかみ合わせはベスト。既にデキているといっても過言ではない盟友の「皮裂き」さんも、その愛の結晶として常に同伴している「屍気を飛ばすもの」も、どちらも感染ではなく普通ビートで輝くカードだ。デッキの締めには「飲み込む金屑ワーム」なんて余計なまでのサポートもあり、「殴る緑黒」としての完成度はかなり高かったのではなかろうか。しかし、それでも負けるものは負ける。元来緑ビートはそこまでポテンシャルの高くないアーキタイプなので、やっぱりどれだけ頑張ったとしても、緑３人黒４人の卓の上で成立させるのは無理だったようだ。ま、かくいう私はライフと毒のダブル殺害とかされましたけどね。残ライフ４点の敵を「荒廃後家蜘蛛」５回パンチで殺すとか、格好悪い！　しかも最後のターンに出したのが「金屑ワーム」とか、ホント格好悪い！　なんかしらないけどこのデッキの「モリオックの肉裂き」がやたら強い！

今回のピック表

　【Sangriter】（黒緑青）→【Thraxi】（黒白）→　【Alessi】(緑黒)

　　↑　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓

　【Serra】（赤白）　　　　　　　←　　　　　　　【Newcomer】（緑黒）