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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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色々とまとめました。

 さて、めでたくM13のフルスポイラが公開された。個々のカードを見ていても気付きにくいのだが、今回のセットはかなり挑戦的な内容になっている。既に「基本」セットという言い方も不自然なくらいにシステム面でも盛り込まれている内容だが、それ以外にも環境を大きく動かす要素がてんこ盛りだ。まぁ、基本的にここ最近はカードスペックはデフレ方向に進んでいるので「これおかしいだろ!」と叫びたくなるようなカードは入っていないのだが、爆弾が無くとも世界は変わっていくわけで。
 最近すっかり構築戦にも縁遠くなってしまったわたくしで恐縮であるが、このセットが一体どのような影響を与えることになるのか、いつものように1つ1つ見ていくことにしよう。当然、ここに記載された情報が正しいものになるかどうかは、自己責任で判断をお願いしたい。

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○「LUPIN the Third -峰不二子という女-」 6

 読売名物、1クール遅れ放送作品。既に関東では放送終了しており、評価も固まっている作品であろう。おかげで、わざわざ取り上げる意味が薄いのはちょっと残念。

 見ていない作品についてはなるべく目に入れないようにはしていた(どうせ遅れて放送するだろうことは分かっていた)のだが、この独特の雰囲気が非常に濃い味になっているということは漏れ聞いていた。なるほど、確かにこいつぁすごい。山本沙代の作るデザイン性ってのはあまり得手ではないと思っていたのだが、この画作りは1話目からバッチリはまっている。ルパンについての知識も一切無いのでどうなのか知らないが、これが「原作に近い」テイストということなんだろうか。何にせよ、これは「わざわざやる」価値がある一品ものだ。

 もちろん、これだけ独特な効果が出ているってことは、今まで誰もやらなかったこと、つまり、やろうと思っても出来ないこと。手描きの劇画調を強く意識したデザインは、作画の手間も相当なものだろうと思われる。それに加えて、このテイストを一本の作品で貫き通し、動く画面の上で成立させるためにはかなり入念なコンセプトの統一が必要だろう。少しでも動きに油断があれば一気にチープなものになってしまう恐れがあるし、何よりも陰影の付け方や動き方が難しいので、崩れてしまったら動きとして目も当てられないようなものになる恐れがある。この方向性で走りきろうと思ったのは1クールという短期決戦だから、ということもあるのだろうが、やはり読売系列の看板作品である「ルパン」であるから、予算とスタッフは万全の準備があるってことなんだろう。このテンションで1クール突き抜けてくれるんだったら、これほどありがたいこともあるまいて。

 あとはまぁ、タイトルにもある通りのことなので、「峰不二子という女」を楽しむだけですよ。いやさ、当然私からしたら「沢城みゆきという女」ですけどね。もう、これを見るだけで1期分のみゆきち成分は補充出来る。上手い可愛い色っぽい。幸せ。1話のゲストがチョーさんだったおかげで、むやみにひだまり荘のにおいがしたのは秘密。

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○「超訳百人一首 うた恋い。」 5

 なんか変なの始まった! こいつは何とも想定外だ。

 初見の印象は、「なーんか古くさい」。キャラクターデザインのせいなのか、それともやたらとグリグリはっきり刻まれた枠線のせいなのか、動くにしてもなんだかもさっとしている印象があった。一番近いのはひょっとしたら「森田さんは無口。」なんじゃないか、っていうくらいの箸にも棒にもかからないファーストインプレッション。全然名前も聞いたことがないプロジェクトだし、こいつは別に気にしなくてもいいかな、というくらいのレベル。

 でもさ、これってすごくオリジナルなんだよなぁ。絶対に他のアニメでは見られないものが見られる。題材は完全に百人一首なわけで、ある意味最も根源的な我が国の恋愛ドラマである。全く知識がないので、どこまでが史実(まぁ、この時代の史実なんて怪しいもんだが)で、どこからがこのアニメのオリジナルになってるのかすら分からないのだが、1話目の30分の物語は、ちょろっと見ただけでもなんだか無闇に記憶に残る出来だった。画が古くさい気がするのは事実だと思うんだけど、なんだか気になるんですよ。

 この時代の主な逢瀬っていうのが夜這い婚だから、思いっきりストレートにコトに及んでるってのもあるんだけど、とにかくやってることはまさに「やってること」。あまりにも「それだけ」なので、あけすけでエロさが無いと思いきや、どこか艶っぽいイメージもちゃんとある。最近のなよなよして鬱陶しい自分語りばかりしているラノベ主人公に飽き飽きしてしまった人間からすると、どこまでも諏訪部ボイスな在原業平の存在は、意外に気持ちいいものになっている。「そういう方向の男主人公」はBLもの、逆ハーレムもので見られるやんか、という意見もあるかもしれないが、元々万葉集は「そういう文化」の下敷きなしで生まれた純粋な「恋物語」なので、世に広く男女を問わず受ける物語になっている点が決定的に違う。そりゃまぁ、1200年読まれてきたものをベースにしたら、それはそれで面白いんじゃないかと。

 まぁ、そうはいっても単に万葉の物語をそのまま垂れ流したら、やっぱりそこまで面白くは無いと思うんだけどね。今作の場合は不思議と「今のアニメ」にもなってるんだ。この不思議なバランスはどこから来るものなのか、正直よく分からない。カサヰ監督の手腕なのかしら、ギャグのテンポとか、女の子の表情の見せ方とか、そういう点が細かく気になる仕上がりである。これ、案外面白いんじゃないかなぁ。毎話毎話話題になるような作品にはならないと思うんだけど、ひとまとめになったら中学高校の古文の教材に使ってもいいくらい。案外今の子供たちならこういうアニメで見せた方が覚えが良くなるんじゃなかろうか。マジでどこかの先生に実践してみて欲しい。

 そして、そんな教育を受けた子供たちが立派な声ヲタに育って欲しい。諏訪部・梶という野郎2人の阿漕な使い方はもちろんだが、1話目の立役者は早見沙織だろう。エロい部分を見せるはやみんは無双だなぁ。リアル平安貴族みたいなイメージがあるしな。はやみんは平安美人(褒めてるつもり)。

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「坂道のアポロン」 5→6

 実は、おそらく今期の作品で一番面白かったんじゃないかと思っている作品。「面白い」にも色々と種類はあるだろうが、こんだけしっかりとまとまっていて、視聴後に何一つ遺恨を残さずに清々しい気分になれたのは久しぶりである。

 今期は、個人的に何くれとなく忙しく、正直アニメも限られた数しか身を入れて見られなかったという反省がある。横目で見てる程度で評価するなんてことは本来ならばおこがましくて出来ないはずなのだが、いかんせん何か書いておかないと落ち着かない質なので、真剣でなかった作品はそれなりに当たり障りなく、というのが現在のスタンス。

 実をいうと、この作品も最初のうちはそんな「横目で」作品になるところだった。1話目の吸引力は低くなかったのだが、ハードスケジュールの火曜日に位置していたこともあって、「まぁ、少女漫画原作だし、大した爆発力は無いやろ」という駄目判断により、序盤は割と適当に見ていたのだ。しかし、やはり何かを持っている作品というのはそんな適当な見方を許さない。次第にずぶずぶとはまっていって、気付けば終盤は正座視聴の作品になっていた。これで他の諸々の作品のように最後の展開がなあなあだったりしたら無難な評価で終わらせることも出来たのだが、実は今期の作品では非常に珍しい「すごく綺麗な幕引きを実現させた1クール作品」だったのである。こいつぁさすがのノイタミナ。何が出てくるかわかりゃしません。

 少女漫画原作なのだから、シナリオラインに特別なものはないだろう、という判断は大きく間違っていたわけではない。内容としてはいかにも古風な恋愛ドラマであるし、個々のキャラクターの設定や見せ方だって、特に驚くべき部分があるわけじゃない。キャラクターの絵柄だってどこか古くさくて、とても今のアニメで人気が出るような設定とは思えない。正直、最初の方は「やっぱり少女漫画の絵柄ってのは癖が強くてあわんなぁ」と思っていたものだ。

 しかし、それがだんだん気にならなくなるにつれ、今度は中身の方が気になってくる。単なる恋愛ドラマのはずなのに、そこに展開される色恋沙汰が、何故か気になる要素になる。一時は完全なる一方通行恋愛ものという、どこかで見たような展開になったものの、それが何の不自然さもなく、非常に丁寧な心理描写を伴いながら「あるべき形」に落ち着いていく手堅さ。普通なら2人の男の間でふらふらしていた律ちゃんなんかは「この尻軽が!」と思われてもいいようなポジションなのに、こと恋愛については作中のキャラクターが全員本気で、全員真正直なおかげで、決して軽く見えないし、「単なるアニメの一要素」に終わらないだけの説得力を持っている。ここまでの「ロマンス」があれば、駆け落ちも失恋も嫉妬心も、全てが「面白い」要素である。

 結局、こういう「普通の」ものをどれだけ魅せながら描いていくか、というのがアニメの真骨頂ということになる。ちゃんと見ているつもりがまだまだ侮っていたんだろう、渡辺信一郎はやはり素晴らしい監督である。監督の仕事といえば、もちろん、この作品のもう1つの肝である演奏シーンの見せ方にも関わってくる。このアニメは「ジャズアニメ」であるから、その演奏シーンに血が通っていなければ折角の恋愛ドラマも持ち腐れ。そして、そのことはスタッフも重々承知している。こちとらジャズの知識なんて一切無いし、何が「スイング」なのかなんてさっぱり分からないが、その「分からないもの」が充分見えてくるんだから不思議なものだ。これまで数々の「アニメライブ」を見てきたが、今作で描かれた演奏シーンは、そのどれにも負けない唯一無二の出来であったと言える。細かな仕草まで徹底的に描き込まれているので、おそらく相当な手間を要しているはず。この作品を支えた最大の要因は、そうした手間暇を惜しまずに「とにかくドラマを盛り立てる」ために作ってくれた画面の全てである。

 「演奏シーン」と「ラブロマンス」。2つの要素が結実して、見事な12話、見事な一本のドラマの完成。こいつはお見事でした。お約束のように吐く「2期が」云々があり得ないのが寂しいが、この作品の成功をきっかけに、同じように作り込むことで魅せられる作品が増えるといいですな。

 最後は中の人。今作は「都道府県アニメ」でもあったわけだが、もう、私は「律」の字が突くキャラクターは全員惚れなきゃいけないんじゃないかという錯覚さえ生まれるくらいに、律ちゃんが可愛かった。おかしいなぁ、最初見た時はデザインのせいで「変なヒロイン」としか思わなかったのだが……やっぱり方言か。そして南里侑香ボイスの魔力か。途中一瞬だけソロで歌ってくれるシーンとかがあって、もうたまらんかったな。方言女子の破壊力は異常。私が都道府県ネタに弱いことは周知ですけども。行ってみたいな長崎県。そしてメインの野郎2人は木村良平・細谷佳正の2人だが、広島県民細谷がなかなか面白い味を出しながら九州方言を使っていたのが印象的。「正しい細谷の使い方」がようやく分かった気がするアニメ。あと、「正しい岡本信彦の使い方」も。「正しい諏訪部の使い方」は……みんな知ってる。

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「さんかれあ」 6→5

 というわけで一段落。これ、2期ってあるんですかねぇ。

 点数をさげさせてもらったのは、やっぱり原作がどうあれ、シリーズ構成がどうなんだろう、と思ったため。最終回は決して悪くないのだが、間に入った萌路回とか、なんか微妙に機を逃していたように見えた。これだけたっぷり尺を取って掘り下げるっていうスタイルは最近じゃ珍しいので嬉しい部分だったのだが、ちょっと行きすぎて足を引っ張ることにもなってしまっていたかな、と。

 ただ、毎回の感想で書き綴っていたけれど、本作が多分今期で一番「好みの作品」だったのは確か。純粋に監督の方向性が趣味にあっていたということなんだけど、私の好きなディーンはこのあたりの空気なんですよ。小滝さんとか名村さんとかね。そして畠山監督の感性が純粋に好きだ。シャフト分派であるということを差し置いて、独自の作風はむしろディーンの良さに繋がりやすいんじゃないか、って気がする。尾石さんなら実写で、大沼さんなら白で埋める画面を、この人の場合は光で揺らす。明暗の付け方の癖なんかは、案外初期の新房監督に一番近いのがこの人なのかもしれない(まぁ、あんなにクドくないけど)。

 感覚的な部分を抜きにすると、割とシンプルなラブコメ展開に非常に厄介な「ゾンビとしての悲哀」を混ぜるという方向性がなかなか面白いデザイン。結果的にはそこまで異質なものが出てきたわけではないのだが、常にキャラクターの背後について回る「屍」のイメージは、ラブコメとの食い合わせの悪さが良い味になっている。さりげなく異常な千紘の感性と、それを受け入れてしまうより異常な存在の礼弥。考えてみりゃこんなにグロくてついて行けない関係性も無いはずなのだが、全てに蓋をするのではなく、2つの側面から少しずつ要素を混ぜ合わせていくことで、曰く言い難い世界が構築されるという。このバランスはなかなか難しいところですよ。最終話にはそうした「バランスをとり続けた結果」が見られると思うので、出来ることならもう一回最初から見直してみたい作品だ。

 で、中の人のこと。ラジオのおかげで萌路の中の人の影響がでかいような気がしてくるが、実際作中では萌路はそこまで大きな役割を果たしているわけではない。どっちかっていうとばーぶの方が存在感があるくらい。そんな中で注目すべきは、やはりメインヒロイン礼弥役の内田真礼。本当に堂々とした仕事ぶりで、キャリアが浅いとは思えない。今回の仕事を通して同期の中では頭ひとつ抜きんでた存在になったと思うのだが、いかんせん事務所がアイムだからあまりも正統派路線だと上が詰まりすぎているという……。「アキバレンジャー」の実写仕事も見事だったので、枠に縛られないで好きな方向に個性を伸ばして欲しいもの。そして、そんな新人の前に立ちはだかる先輩の1人が矢作紗友里だったりするし、正統派でぶつかるのが福圓先生だったりする。井口・矢作・福圓……なんだかものすごい現場だったんじゃなかろうか。木村君はこんな現場ばっかやな……。

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「あっちこっち」 5→5

 今期屈指の空気作品。特に話題になることもなく、ひっそりと終わっていったことを考えると、ある意味究極の「日常系」と言えるのかもしれない。

 点数を見て分かるとおり、実は割と嫌いじゃなかった。取り立てて「ココがすごい!」ってな部分も無いのだが、何事も身の丈にあった出来ってのが大事だと思うんですよ。このどーでもいい安易で盛り上がりに欠ける「萌え四コマ」だったら、これくらいの温度で作ってくれるのが一番肌に合っていたのではないかと。どこぞのアニメみたいに、中身が全く伴わない似非推理なのに京アニ動画とかつけられちゃうと、ギャップが激しすぎて機能不全を起こす恐れもあるので。

 いや、別に他の作品をくさすのが目的ではないのだが、とにかく「この作品が他の作品よりも面白い部分ってなんだろう」ということを考えたら、それを出すためのスタイルをとるのが必然であり、それがある程度出来ていたんじゃないかと、そう思うわけですよ。特に画がすごい、ということもないけど、デフォルメ強めの丸っこいキャラクターがボーダレスな会話劇に興じながらほどよく動く。萌えやらギャグやらが強く出るわけじゃないけど、要所要所で思い出したように可愛い。落ちてるんだか落ちてないんだか分からないようなネタ回しだって、「つみきたちはこれが日常なんだから、まーいーか」というくらいの感覚。視聴者の態度としては甘っちょろい気もするのだが、大量にあるアニメの中で、1期に1本くらいこういうのがあってもいいじゃない。最近はこの手の作品も少しずつ供給量が落ち着いてきたしさ。

 もちろん、「悪くない」という部分はフォローするけど、個人的に「ひだまり」「らき☆すた」「けいおん」なんかに並ぶと思ってるわけではない。そこはそれ。そんなに簡単にメガヒットなんてうまれやしません。でも、改めて追崎監督の「ほどよさ」が確認出来た作品だったし、多分、(無いと思うけど)2期があったら普通に見ると思うよ。

 中の人的には、台詞量が一番多かったナバが大変そうだった、っていうことが第一。丁度同じ時期にAT−Xで「無敵看板娘」もやってたので、よく分からないスーパー生天目タイムを楽しむことが出来ました。あと、今作の大久保留美はいい仕事してたと思う。にゃんこボイスが愛らしい。個人的にはアコより、ちなつより、つみきが好き(え? 信長?)。オープニングとエンディングも雰囲気が合ってて可愛らしかったし。エンディングで流れてたガチャポンっぽい造形、いいよねぇ。あれはちょっと欲しい。

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 おっそろしい終わらせ方してきた、最終話。これは流石に予想外、Cパートがあるのか、と思ったら無かったのが怖い。色々と考えることの多いラストエピソードである。

 内容としては「後日談」だが、冒頭で千紘が独白しているように、この後日談はハッピーエンドを迎えた幸せカップルを祝福するためのものではなく、新たに生まれた不安と責任を、現実として描いていくことにある。前回ヒーロー然として活躍して見せた千紘だが、いざ礼弥が散華の家を離れて1人の女の子になってしまえば、それを守っていくだけの器があるのかどうかは自分でも分からない。いや、今回の様子を見る限りでは、現時点では荷が重いと言わざるを得ないだろう。考えて見れば当然のことで、どんな変態性癖を持っていようが千紘は単なる男子高校生。1人で何が出来るわけもない。しかし、あのとき団一郎と交わした約束を嘘にするわけにもいかないし、何よりも、目の前には守りたいと思った女の子がいる。千紘の悩みは、意外と根深い。

 そして、悩みというなら礼弥も同じだ。彼女の望みは「普通の女の子として生活したい」だが、それが叶わないことは本人が一番よく知っている。食卓では馴染むことが出来ないし、学校にだってなかなか行けない。そんな身で思わず言ってしまった千紘への「願い」の重さに、礼弥もどう感情を表していいものかと思い悩んでしまう。互いが互いを思うあまり、どうにもよそよそしく、口を突くのは謝罪の言葉ばかりだ。

 しかし、それでも時間は進んでいく。2人はとにかく、自分の中にあるものを包み隠さず出しながら、少しずつ歩いていくしかないのだ。回りを取り囲んだ「家族」たちもそれを応援してくれている。萌路もわんこも、ちゃんと礼弥のいる生活を受け入れ、彼女を1人の人間として見てくれている。それが分かったからこそ、礼弥は少しだけ前に進めたのだろう。そして、ラストシーンでは半ば強引ながらも、2人の関係性は成就することになった。千紘の流す血の一滴が、礼弥との間をつなぐことになった。互いの「不幸」と「幸福」が入り交じり、ようやく、「それぞれの思い」から「2人の思い」になった。そんな余韻の残る幕引きである。「後日談」の後の後日談が、きっとこの先もずっと続いて行くんだろう。来年の花火大会は2人で見られると良いな、と。そう思える終わり方。

 ブツリと切れたような終わり方に見えるが、実際は今回の1話で大きなまとまりが構成されている。千紘の「理解」と礼弥の「決意」という2つの要素で関係性は大きく回り始めているし、どこまでいってもイレギュラーな関係なのだから、普通じゃない状態でも受け入れてこその幸せもある。そういう「妙な関係」が分かっただけでも、2人にとっては大きな進歩であったのだと思う。少しずつ募っていく2人の関係性は、今回実に鮮やかな「光」の色彩に彩られており、ラストシーンの崩れたボーリング場のシーンは、あり得ないほどの光の渦が実に印象的だった。これまでずっとエンディングテーマの時に礼弥が歩いていた奇妙な場所だったのだが、ラスト1話で眩しく輝くことで、2人の門出を祝しているようにも見える。また、今回は冒頭アバンで千紘が黒のインクを紙面に垂らすところから始まっており、その真っ黒な滴に何とも言えない先行きの不透明さ、不安の要素が現れていたが、最終的に、この「滴」は千紘の熱と命がこもった「血の一滴」になった。血で繋ぐ関係性、というのもなかなか生々しいものがあるが、おそらく2人の関係を表す最もシンプルなツールなのだろう。

 最終話ということで、当然の監督コンテ回。今回も実に様々な意匠がこらされており、「光」の見せ方が実に印象的。花火のシーンでの二人を彩る眩しい明かりと、最後に礼弥が落とした「小さな花火」の滴もなかなか象徴的である。元々「命を失ったものの命」を描かねばならないという、無理難題に挑んでいた本作であるが、こうした様々な表現でもって、礼弥という存在の異質さを維持しつつも、そこに感情の通った1人の人間を「生かす」ことに繋がったのではなかろうか。何とも象徴的な、奇妙な後味のお話でした。

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○「トータル・イクリプス」 4

 色々と予想外だった新番組2本目。予想するほど予備知識があったのかって言われるとそうでもないんだけど、さて、どう見たものか。

 まず、色々と誤解があったのは、はっきり言って全部ラジオのせいである。分かるだろ、あのラジオでこのアニメは絶対出てこないだろ。ここ最近のアニラジ業界でも明らかにおかしい系筆頭のラジオ「ラジオトータルイクリプス」。中原・生天目の絶対に混ぜちゃいけない最高のカオスは、私の見るべき声優業界のど真ん中ストライク。そりゃ聞くさ。そりゃ見るさ。おかげでちゃんとコミックス版の「トータルイクリプス」は買って読んださ。それくらいの知識は持っているんだ。

 まぁ、「ラジオと雰囲気が違う!」っていうのは戯れ言なので置いとくとして、それ以外に持っていた予備知識はコミックス版のもの。でも、それとも違った。主人公の唯依が出てきた時点で大丈夫、と思っていたら、なんと、ボクの知ってる篁中尉ではなかった。なんとまぁ、女学生時代である。そら分からんわ。そしてことここに及んで、この作品の世界観も未だによく把握していなかったことが判明。こんなに末期的だったんだなぁ。1話から重い重い。ここまでがっつりと深刻な「戦時」が描かれる作品って久しぶりなんじゃなかろうか。

 ただ、まぁ、だからって新鮮かって言われると、そうでもない。どっかで見たシチュエーションだし、どこかで見た映像ではある。「新番組だなぁ」って感じがあんまりしない。1話目からどこまでも突き抜けたもんが出てくることなんてそうそうないだろうが、「こいつぁ楽しみな新番組だ!」っていう感じでもない。メカ作画についてはサテライトの本領なので決してわるいもんじゃないんだけど、まだバトルが始まったわけじゃないので見るべき点としては定まってない。キャラ作監も悪いことは何一つ無いと思うけど、膝を打つほどでもない。ん、まぁ、普通の新番ってそんなものか。

 でも、このシナリオって、ナバはちゃんと出てこられんのかな。キャスト表にはいるから大丈夫だと思うんだけども……クリスカが出てくるのって、どこになるんだろう。あくまで導入だけが過去話なのかな。色々と早く見たいキャラ・キャストもいるので、しっかりはっきり進行して欲しいもんだ。

 結論・「中原麻衣がロボットにのったり命の取り合いし始めたらただ事じゃすまない」。脅威のまいまいパワーに期待てんこ盛りなので、きっとここから何かが起こるはずさ。1話目でいきなり植田佳奈と殴り合ったのは笑ったけどな。いつの時代も大体一緒におるな。「咲」だと姉妹だけど。

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「謎の彼女X」 4→4

 1話を見たときからの印象は大きく変わらず。良い意味でも悪い意味でも、とにかくフラットに進行した作品。

 正確には、1話時点よりも「やや上げ」くらいのバランスだと思う。一番大きかったのは丘の存在。図抜けて可愛い。中の人の尽力も大きかったと思うが、原作を読んでる時点ではやっぱり卜部のインパクトがでかくて丘にはそこまで目がいってなかったので、アニメになって丘の存在感が圧倒的になっていたのが最大の発見だった。つまり、そのあたりがアニメになったことによって得られたプラスアルファなのかな、というところ。

 結局、この「プラスアルファ」というのが最終的な評点を左右する部分。原作が嫌いじゃなかったので、どうしても「漫画でいいんじゃないか」という印象がぬぐい切れなかったのは勿体なかったかなぁ、と。ほとんど悪い点は無くて、あの独特のイラストレーションを非常に忠実に再現していたのは素晴らしいと思う。特に髪の毛のグラデーションなんかの色彩はこの画に違和感なくフィットしており、世界観を壊さずに動かすことに貢献している。この作品の最大の肝であるよだれの表現も、無難なレベルで落ち着いていて思ったほど不快感には繋がっていなかった。諸々を見ると「まぁ、アニメ化する最大公約数はここなのかしら」という気はする。

 でも、これって結局イロモノ要素がプラスに転じてないんじゃないか、という気もする。よだれ要素なんかは引く人は当然引くわけで、その部分はなかなか「プラスアルファ」にはなれない。アニメで魅せるとしたら「動く」ことに言及しなければならないわけだが、期待していたハサミアクションなんかについては、特に見栄えがあったわけではなくて普通の処理だったのが残念。あの画で他の見せ方をするのは難しかったと思うが、あそこまで忠実な再現にこだわったスタッフなら、何かもう1つ上のものが見られても良かったんじゃないか、と思うのだ。当然、原作ファンだからこその高望みではあるのだが、あの画だったら不可能ではなかったんじゃないか。

 とまぁ、色々とあるが、普通に考えたら加点要素こそあれ、大きくマイナスになる点なんかないならば平均点以上の作品だとは思う。毎週見ていて決定的に足を引っ張るのは……中の人なんだよなぁ……やっぱりそっち方面の影響が大きい人間なのでね……慣れるかと思ったけどやっぱり駄目だった。何でこんな大事なところで素人を引っ張ってきてしまったんだろう。丘さんが可愛く見えれば見えるほど、卜部がどんどん残念に見えてきて……。そこさえなければなぁ。

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