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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 回る、ねじれる、第19話。表に見えるは池袋の抗争、裏に蠢くは「神」の謀略。友を思う気持ちは、悪意に濁らされ、下へ、下へ。

 前回のエピソードで絶望的な方向へ転がりだした三大勢力の三つどもえの様相は、たった1つのチャットルームを起点として最悪の方向へと加速度をつける。臨也がチャットで操る情報はこれまでよりもかなり直接的なものになっており、「どこまで考えてるっていっても、流石にそんなにうまいこと3つの勢力を転がせねぇだろ」とあきれ果てるくらいに絶妙な采配に。帝人、紀田、園原という3人のトップが「何を知っていて」「何を知らないのか」という情報と、それに応じてどこを刺激すれば何が転がり出すかを操るさじ加減が神がかっており、まさに彼の事務所の謎のチェス盤のごとく。一大勢力のトップとは言っても3人ともあくまでただの高校生であり、その情報体系にはそれぞれ大きな穴がある。その穴をきれいにつなぎ止めることによって「火種」をガンガンに焚きつけていく様は、流石に胡散臭いとは思うが、あまりに出来すぎているのでついつい見入ってしまう。園原が紀田の異変に気付くことや、世話好きのセルティが見るに見かねて園原の救出に乗り込むことまで計画の中に入れているとは流石に思えないのだが、あまりにカチリとはまってしまったので、全てが臨也の手による効果のように見えてくるのだ。

 そして、こうした「穴」の空き方の描写が、これまた実によくできている。前回の感想で3つの勢力の基本には「弱さ」と「虚飾」があるという感想を書いたが、こうした各々の勢力の特徴というのは、今回もきれいに表れている。

 今回一番大胆に動いたのは、罪歌を操る園原であろう。病院での紀田の異変に気付き、チャットルームに恐る恐る入室して情報を求めるも、見事に臨也の策にはまり、2つのカラーギャングの抗争を止めようと足を踏み出す。しかし、そこで見たものは想定外の親友の姿。これまであくまで「客観」を貫き通してきた園原だったが、紀田の行動原理の中心に「自分を想って」というファクターがあることは理解出来たのだろう。これまで罪歌というテロリズムになり得る事態ですら「客観」で克服して来た園原だったが、自らが引き起こした事件に、自分のために敢えて身を投じた親友を見て、平静を保つことは出来なかった。「客観」「人を愛さない」という園原の「虚飾」ははがされ、そこには一人あてもなく怯える女子高生が残される。

 最初から自分の「弱さ」を認めている竜ヶ峰帝人はどうだろう。彼の持つ「虚飾」は数によるかりそめの力と、実体を持たないが故の存在可能性。だが、そんなダラーズの実態も、臨也には全てを知られてしまっている。次第に集まり始める黄巾族の敵意に対してダラーズは全く無力であり、実体が無いおかげで、セルティという象徴に向けられた悪意も、受け止めることは出来なくなる。拡散しているが故に決して無くならないというダラーズの強みは、具体的な悪意を前にした今となっては、「虚飾」としての機能を果たさない。今回、園原と別れて一人途方に暮れた帝人を突き動かしたのが、町ゆく人が「ダラーズが襲われたらしい」と囁く噂話である。実体無きダラーズという組織が帝人を誤った方向に動かし始めていることを象徴的に表すワンシーンだ。

 過去の罪に縛られ、贖罪のために戦う決心をした紀田正臣は、臨也の悪意を最も直接的な形で受け止める。黄巾族という存在自体が臨也の影を背負った集団であることに加え、その構成員にはかつてのブルースクウェアの芽まで植え付けられているという。紀田の抱えるものは、組織を組織として維持出来ず、過去の罪すら受け止められない、最もシンプルな「弱さ」。神のささやく情報でねじ曲げられた黄巾族の意思は、すでに紀田の「虚飾」の範囲を飛び越え、破滅への道を歩み出した。元々、黄巾族にはすがるべき縁もなく、一度紀田の手を離れてしまえば、止まる手段を持たないのだ。

 どうにも止まらない負のスパイラル。相変わらず、この筋立てにはビリビリきますわね。

 今回は、2話や13話などを担当した寺東克己氏によるコンテ。この人の担当回は、ナレーションによる説明の負荷が増えたり、意図的に時系列をいじってシナリオの「俯瞰要素」を高めたりと、メタレベルが他の回よりも上にあるような印象を受ける。今回もメインストーリーと一切関係ない葛原によるナレーションが重要な役割を果たしたり、紀田と園原の関係性を少しずつ時系列を遡って描いたりと、多少変則的な構成になっている。個人的には、もう少しナレーションに頼らずに画面でこのシナリオラインを補強してほしいとは思うのだが、流石に今回はシナリオの密度が濃すぎるだろうか。紀田を見る園原の思考なんかは、もう少しじっくり見せて欲しかったところだけど……

 ただ、今回は素直にうまいなぁと思える箇所もいくつかあって、1つ象徴的だったのは、多用された「反射光」の効果。例えば退院した園原を祝う紀田が三ヶ島沙樹の病室を仰ぐシーンでは、沙樹の病室は窓ガラスに反射する夕日のせいで室内が一切見えないようになっている。これは、紀田の思惑が一切沙樹に届いておらず、一方向的に沙樹の意思(つまり臨也の意思)が働きかけていることを表している。他にも、この「一方向性を示す逆光」は園原のメガネなどにも確認出来て、情報の多寡によってねじれきった現状を含みたっぷりに示唆している(もちろん、セルティによるメットなどの視界封鎖も端的な描写だ)。

 さて、今回はとにかく展開が早くてみっちりたっぷりだったが、今後もこのくらいのスピードでいくのでしょうか。どんどん作り手側の難度は上がっていくと思うのだが、もうここからクライマックスまでは一気に駆け抜けてしまってほしい。ほんとに期待してますんでね。 

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 雨に濡れそぼつ第5話。今回は梅がメインのお話で、主人公(?)はどんどんやることがなくなっております。「特に何もしてないのに分け前をもらう」→「仕事先の紹介」→「住み込みの場所の紹介」ときて、今回はサナトリウムへの案内までしてもらっているというのに……野菜喰え野菜。

 前回ラストで描かれたかどわかしは、五葉が設立するきっかけとなった初めて物語。梅の個人的な腹いせに弥一が一枚噛み、面白そうだったおたけがのり、便利屋として松吉が呼ばれる、という流れ。この時点で、梅は単に仕返しのつもりでコトに及んだわけで、他の連中のように一大誘拐団になろうなどとはつゆも思わず。そんな梅が、ずぶずぶと五葉に沈み込む動機が、今回のメインテーマである。

 頼りない政之助視点もあって、梅というキャラクターのナイスガイっぷりがよく出ていて印象深い今回のお話。相変わらずうまいのは、やはり積極的に梅に絡んで過去話をせがむわけでもないし、梅自身もありがたみをうったえながら昔語りをするわけではない。あくまでさりげなく、出自や過去の過ち、そして昔の仲間との関わり合いなどのファクターを結びつけることによって、次第に梅という人間の内面が見えてくるという構成。例えば、気付けばわざわざ手料理を運んでやるくらいに政之助に入れ込んでしまっている梅だが、最初は頼りなさそうな政之助を相手に、つっけんどんな態度でちょっと怖い人くらいのイメージだったはず。それが気付けば一味の中でも一番気を遣ってくれるポジションになっているのは、やはりおたけの言葉通り、彼の世話好きが高じた結果。悪党であった過去があろうと、梅の本質は、一味の中でも特異な、純粋な善意である。

 そうした政之助との関係の変化を先に描いておくことで、メインのエピソードである仙吉との関係性もすんなり入ってくるようになってくる。梅にとって、過去の兄貴筋に当たる仙吉の窮状は他人事ではない。「自分が先に足抜けしてしまったせいで法度を破らなければならなかった人間が居た」「その人間も、今や自分と同じようにカタギの生活を望んでいる」といったシチュエーションを無視することが出来ず、自分のことを小童呼ばわりしていた仙吉に金を渡すことで、梅は「悪事に荷担することの肩代わり」を引き受ける。自分も娘が大事なので出来れば胡散臭い連中とは関わりたくないだろうが、それでも、現時点で行き詰まっている仲間を助けないわけにはいかない。この選択をしてしまうのが、優しい梅という男なのだ。雨の中の彼の描写が凄く真に迫っていて、画面をフレームアウトしそうになったりすることで現れる彼の歩速の変化や、いきなり肩を掴んで金だけを押しつける不器用さに、彼の逡巡と決断がきれいに表れる。いきなり押しつけられた仙吉のリアクションが、感動や戸惑いではなく、絶句だったのも印象的だ。この作品は、本当に雨がよく似合う。

 他にも、今回は松吉と梅の関係性がちょっと不思議なバランスであることも面白い描写で表されていたり、ご隠居の器の大きさが台詞の一言一言からにじみ出してきたり、丁寧な描写が心に染みる。雨の縁側で仙吉を見下ろすご隠居が、いかにもオノナツメらしい、陰影のゴリゴリしたシャープなデザインで本当に迫力があった。いやぁ、惚れ惚れしますわ。

 今回のお話のおかげで、改めて「さらい屋」というのがあくまで「裏稼業」あるという当たり前の事実がはっきりと確認出来た。普段も政之助が渋っていることからきれいな立場でないことは分かっているわけだが、回も進んで、少しずつそうした罪の意識は薄れている頃合い。改めて「梅が苦渋の決断で裏の世界に身を転じた」ことが描かれることで、そうした「慣れ」に今一度のブレーキがかかり、「さらい屋」というこの作品の中軸のスタンスが見つめ直せる。なかなか上手い構成ですよ。さ〜て、来週のさらい屋五葉は? 

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 2人の幼女(?)にスポットライトOKな第7話。まぁ、一番可愛らしいのはニノなんだけどね。ド直球で攻めてくる時のニノは結構な破壊力がある。最初は渋々付き合っていたリクが徐々に籠絡されていく様を見るのもなかなか面白い。

 Aパートはめでたく開校したリクの青空教室のお話。「橋の下には一通り声をかけた」って言ってたけど、結局アニメで紹介されてないような連中(私も詳しくは知らない)にも面通ししたってことなんだろうか。そもそも星やら村長が真面目に授業を聞きに来ると思う方がおめでたいんだけどさ。予想以上にカオスな「常識」レベルに、リクの突っ込みもだんだんパターンが無くなってきた感がある。今回は普段通りの目のアップに加えて「背景美術を細かく繋いでみる」というよく分からない演出が増えたんだけど、流石にボケのパターンが多くないので、そろそろ見せ方にも苦労し始めている感があるな。展開的に「絶望先生」よりも一発一発の破壊力が弱い上に、個人的には鉄人兄弟が絡んだ時のリクはあまり面白くない気がする。純正変人が揃う橋の下で、兄弟だけは「幼いが故にものを知らない」という側面があるので、どうしても突っ込みにくいからな。あんまりパーソナリティの深いところまで分かってないし。

 そして、そんなちょっとヌルめの学校にスパイスを与えてくれるのが、我らが千和先生、違うステラ。今回は徒手空拳による武力制圧がなかったので、流暢な広島弁以外は割と金髪幼女成分を維持していたように思える。広島弁で押してるところから、リクに説得されて少し「少女」側にブレたあたりのステラが一番可愛い。ぶりっ子モードになっちゃうとその時点で腹黒さがにじむからなぁ。中の人は三十路まで秒読みが始まってるのに相変わらず不動の幼児だなぁ。安心安心。

 Bパートは、免許も持ってるから実際は幼児じゃないけど、ステラよりよっぽど幼さが見えるP子のお話。村長に対する恋慕の情や、野菜に対するストレートな愛情、そして、橋の下ではそこそこ常識レベルが高いので半端にリクとの会話が通じてしまうもどかしさ。おかしさポイントがあまり明確では無いので、村長が出てこないとこちらもインパクトはちょっと弱いです。

 ラストは無駄にエンディングテーマに被せての会話劇を流してたんだけど、特に意味はありませんでした。こうして聞いていると、もうP子は花澤香菜とかでも良かったんじゃなかろうか。すぐに裏返って引きつる小見川ボイスは、元気のいいキャラに当てるとハラハラして落ち着きません。中の人ネタに終始してる時の感想は、「まぁ、特に何も」っていうのと同義の場合が多いです。そろそろワンパンチ欲しいところだけどなー。 

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 ですわよね〜、な第6話。前回の感想で「何も無くても1話出来るから凄い」みたいなことを書いてたんだけど、今回は前回にも増して何も無かった。何も無いのに1話ある、この奇跡。

 一応今回は、強いていうなら唯がメインでぎー太との愛情を確認する回といえるだろうか。ただ、前々から思ってはいたのだが、この娘の場合、愛情とか、お馬鹿とか、天然とかいう表現よりも、やっぱり病気じゃないのか。放送コードギリギリのキャラクターじゃないのか。もう駄目なんじゃないのか。確か一つの事物に異様なまでの執着を示して現実感が薄れるのって、麻薬常習者の傾向だったような……そして1/8音を聞き分けて指摘する感覚器官の鋭敏化も……いや、別に唯が薬中って言いたいわけではないが、ギャグを通り越してうすら寒くなるときがあるんだよな。憂のかいがいしさは、妹というよりも「看護人」のそれだろうし。まぁ……社会復帰目指して頑張ってください。

 そんな殺伐とした印象すら抱かせる、常軌を逸した唯エピソードは、間に姉妹デュエットなどを挟みつつ、相変わらずの空気は固持。どれだけキチガ○じみていようが、やっぱりこの世界でやられると素敵空間として処理されてしまうのである。ギターを包んだビニール片のディティールとか、女子高生の着替えシーンを軸にしてるのにエロに回さず見事に唯のぽやぽや感だけを引っ張り出す構図の取り方とか、最後の澪のシーンの無駄な緊張感と盛り上げ方とか、本当に細かいところまで抜かりない配慮が行き届いている。これを見るために毎回正座してるわけなんで、文句の言いようもないです。

 今回は唯だらけだったので他のキャラの押しはちょっと弱かったが、さわちゃんの苦労は唯のスロットルが止まらないので積もる一方だし、これだけ唯押しのエピソードなのに、何故かオチが回ってくる澪のポジショニングも抜け目ない。通販好きで無駄におばちゃん臭いあずにゃんも、多分その筋の人にはたまらんオプションなんだろう。ムギは……今回なんかしてたっけ? お嬢様のくせにやってることが小間使いっていうギャップが凄いな。きっとバイトなんかも経験したこの2年間で多くの気遣いを学んだに違いない。

 そして、今回は、裁縫が出来るというニュースキルを披露してくれた我らが部長。各所で話題になっていました、今回のハイライトはやっぱりこのシーンでしょう。シャツ・イン・スカートなだけでなんか別人……

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5月14日 ドラフト模様(ROE×3)

ピック順 【Sangriter】→【Alessi】→【Thraxi】→【Van】→【Serra】→

 エルドラージ3発目の今回のドラフトですが、これまでの試合よりもいくらかパックは地味め。もちろんそれはだんだん慣れてきたが故の体感要素も多分に含まれてはいるのだろうけど、これまでのように劇的にコンセプトを尖らせたデッキは少なくなっている。その上で顕著だったのは、コミュニティ内における白の冷遇っぷりであろう。今回は「岸壁安息所の騎士」が登場せず、「隊商の随員」などの基本戦力もいなかったので魅力に欠けるという部分はあったが、まさか5人ドラフトで誰も使わない色が現れることになろうとは。逆に言えば、残りの4色を5人で奪いあう形になっており、ピックは血で血を洗う様相。勝負の分かれ目は、いかにカードを愛しているかである。勝てないと思ってピックしたら、やっぱり勝てないのだ。

 今回のレア度数は5.2と、相変わらず好調をキープ。これで「休眠のゴーマゾア」が2体かぶりとかじゃなければもう少し記録も伸びたところだろうが。


 

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 やっぱりヒーローマンの操縦方法が気になって仕方ない第7話。小声で「ひ〜ろ〜ま〜ん、あた〜っく」っていいながらチョン押しだしとちょっと弱めの攻撃? ストⅠのコントローラーかよ。まぁ、この手の作品でコントロール系統に突っ込み入れるのは野暮ってもんですけどねー。ジョーイはどの程度自覚的に操れてるんでしょうか。

 大きく分けて2極の戦いが描かれた今回。まずはホワイトハウス内での大統領とDr.ミナミの駆け引きから。登場時は「どこかの秘密結社の回し者? それともスクラッグの変身?」などと色々と想像をかき立てられた超絶怪しげ博士だが、その正体はなんと軍の一員。タマの破壊力・支配力に惚れ込み、みすみす破壊してしまうのではなく、何とか軍備に取り込めないかと大統領に打診する。軍の全力をもってしても一向に止められない正体不明の存在にそんな期待をかけるだけでも狂人の考えであろうと思っていたら、なんと大統領もまんざらでないご様子。いやいや、どう考えてもコントロールする目処は立たないだろ。これだからアメリカ人って奴はよう。「合衆国は常に世界のナンバーワンであり続けなければならないのです」って、お約束だけど酷い台詞だよな。ホワイトハウスを犠牲にして、国家の選択はどちらへ傾くのか?

 そして、メインの戦いは無謀にも本拠地に殴り込みをかけたジョーイ軍団とウィル&ニックによる本戦。進入経路は教授の発案した下水を進行するというもので、こうやってみるとスクラッグの監視システムも案外杜撰。まぁ、まさかあの状態から単身乗り込んでくるドンキホーテがいるとは考えないだろうが、発見されたのは割と中枢部(タマの生産工場?)付近まで進入を許した時点だった。無敵に思えたスクラッグも、案外こうした慢心から足下を掬われたりしてな。まぁ、ボスのゴゴール以外は全員雑魚扱いだから、あんまり組織としては完成してないのかもしれないけど。

 すったもんだの末に進入に成功したジョーイ達の目的は3つ。優先順に「タマの停止」「ウィルたちの救出」そして「中枢部の破壊」。最優先事項が友達の救助じゃなくて国家を脅かすタマの阻止っていうあたりがクールね。この状況で誰もリナの心情を慮ってくれないのは、逆に潔い。そして、戦力になるのはヒーローマン1体だけで、残りは「女」「子供」「デスクワーク専門」「けが人」の4名と、全く期待できない面子というのも素晴らしい。どこまで現実を見てるんだ、デントン。

 ただ、ヒーローマンを使っての戦闘にも慣れてきたのか、1話2話の時点ではあれだけ恐ろしい暴虐ぶりを披露した雑魚兵士のビームも、最近では絶対に当たらないこけおどし仕様になりつつある。そして満を持して登場したウィル&ニックコンビについても、前回はウィルVSヒーローマン、ニックVSサイで互角だったのに、今回は何故かヒーローマン1体で2人を手玉に。一体どんな変化があったんでしょう。そして教授の思惑通り、ヘルメットを外して洗脳から2人を開放する。が……

 ここに来て、実に清々しいニックの反乱。いいですなぁ。こうやって三下ポジションのヘタレキャラが増長するシーンってのは、とても共感が持てます。実力では上だと思われたウィルの方が、憎きジョーイを前にしながら妹パワーで簡単に瓦解してしまったおかげで、ニックの晴れ晴れとした悪役っぷりには胸がすっとしますよ。声が陶山章央ってのがたまらんわぁ。このまま神武に乗って突撃かけようぜ!

 しかし、残念ながらこの作品はあくまでヒーローマンが主人公。眉毛ウィップというギャグとしか思えない武器で必死に抗ったニックは、哀れ生成途中のタマの下敷きに……放送後提クレバックの映像(遺影?)を見ると、確実に死んでしまった扱いです。嗚呼、ニック……こういうキャラにはもう少し活躍して欲しかったなぁ。最後の最後に復讐に燃えたラスボスとして登場したりしてくれないものだろうか。メインキャラだったのに7話で退場とか、浮かばれねぇよ。

 今回も相変わらずハードかつスピーディーで退屈してる暇も無い展開。メインのエピソードもさることながら、冒頭に挟まれたウィルの回想ではアメフトを通じて形成されたサイとの確執やジョーイへの屈折した思いなども描かれ、バックグラウンドも盤石の状態です。ニックのこともあるのでこの先ウィルが手を組めるかどうかは微妙なところだとは思うけど、スクラッグの力を手に入れたゴキブリ怪人が悪の本拠地を叩く設定って、完全に仮面ライダーですよ。「ウィリアム・デイヴィスは改造人間である!」って……バッタも嫌だったけどゴキは更にキツいな……

 今週の最大の萌えポイントは、足音立てて怒られて困り顔のヒーローマン。「うるせぇとか言うなら収納してから進めばいいのに……」と正義のヒーローも不満げ。言葉を発しないキャラなのに、どんどん表情豊かになっているのが愛らしくて仕方ないです。 

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 クロスアウツしたドタチンがやけに格好いい第18話。いや、ドタチンは割といつでも格好いいな。

 予告の通り、今回は紀田がメインの回想話。ただ、これまでずっと引っ張ってきた重要なファクターであるはずの三ヶ島沙樹との関係や、過去の罪などの重要な情報が、たった1話であっさりと描かれてしまったのはいささか拍子抜けである。紀田君の苦悩も分かるのだが、ダラーズと帝人の関係性はまるまる1クール分ひっぱるくらいの中身があり、罪歌と園原の関係性もここまで長々と見せてくれたのに、その2つの勢力と対立すべき黄巾族のエピソードが1話で終わってしまうと、何となく物足りない気はしてしまう。まぁ、そこまでバックボーンが無いっていうことなんだろうけどね。

 ただ、その「背景の薄さ」は、黄巾族という勢力の性格を端的に示していると言うことも出来る。3つの勢力と、それぞれのボスと呼べる3人の高校生のキャラクターを対比させていくことで、池袋に渦巻く三つどもえが面白い形で浮き上がってくる。今回のエピソードは、そうした「三者三様」の対比を浮かび上がらせる構図の取り方が、実に興味深かった。

 今回最も意外だったシーンは、多分ものすごく些細な場面なのだが、ブルースクウェアのリーダー(泉井というらしい)と紀田が電話で話し終わった後に、紀田が自分の携帯を投げつけるシーン。普通に考えるなら、開きっぱなしの携帯を叩きつければ、「ぐしゃっ」というのがおきまりの展開のはず。紀田がその後に臨也に助けを求めるというストーリーの進行上、携帯がそこで壊れるのはまずいのであるが、それならアニメ的な自然さを求める場合、携帯を投げるシーンはいらなかったようにも思える。

 しかし、紀田は携帯を投げ、その結果として携帯は壊れなかった。このワンシーンで痛切に感じ取れるのは、叩きつける力すら頼りない、紀田の「弱さ」そのものではないか。静雄やセルティ、臨也といった化け物クラスの「力」が蠢く池袋の中で、紀田は本当に弱い。一応罪歌・ダラーズという2大勢力に対抗するだけの「黄巾族」という力を手にしてはいるものの、本人が「俺たちはガキだ」と言っているように、その力に後ろ盾はないし、いざライバルに実力行使に出られると、大切な人を守るコトすら出来ない。走るだけ走りながら沙樹の救出を目の前にして足がすくんでしまったという消せない罪も、紀田の弱さを示す最も端的な部分。黄巾族という集団、力が表すものは、どうしようもない個人の「弱さ」と、それに目を向けたくないという後ろ向きな「虚飾」だ(それ故に臨也に利用されることになったわけだ)。

 対して、他の2つの勢力は違う。帝人は、ただ集まるだけで何も出来ないダラーズを「弱いものである」と認識しているし、実際に結束が最も緩く、集団としての「強さ」では最も劣るはずなのだが、矢霧製薬との戦いで見せた「数の強さ」は紛うことなきものであるし、帝人自身、その影響は自覚している。本来弱いはずの「集まるだけのモノ」が強さを持つという逆転構造こそが、ダラーズと帝人を象徴するものである。それは「弱さ」を自覚し、逆手に取ることによって得られる武器としての「虚飾」だ。

 そして、園原が持つものは、血脈という強い結束力を持ち、武力としても最も直接的な影響を持つ罪歌という力。その源となったのは、罪歌と相反し、どうしようもない弱さにうちひしがれた園原の人生観そのものであり、贄川春奈に語って聞かせた、依存するという「弱さ」の表れ。罪歌を支配するという行為こそが、園原の「弱さ」であり、愛するという本質的な力を否定する「虚飾」である。

 こうした、帝人と園原という2人の主要キャラの「弱さ」はこれまで存分に見せられていたのであるが、普段飄々としてつかみ所のない紀田の場合、その本質的な「弱さ」はこれまで見えていなかった。しかし、今回のエピソードを通して、最も弱いキャラクターであることが浮き彫りにされ、それだけに、今回の三つどもえの抗争に対する必死さも伝わってくる。ラストシーンで園原を追いかけるべく走り出した紀田が、過去に沙樹を助けにいかんと駆けだした情景にフィードバックするのはその表れであろう。「今回こそ立ち止まらずに済むのか」という、彼の内心の「怯え」の表出である。

 振り返ってみると、紀田は「黄巾族を抜ける」と宣言し、その決断をした自分に対して何か満足感が得られたように語っているが、彼の髪の毛やカバンの色など、意識してみれば全く黄巾族のしがらみから抜けられていないことが分かる。帝人という「日常」の体現者を呼び出したことも、その「逃げ」を端的に表す事実であろう。沙樹の病室を訪ねられるようにこそなっているが、彼女の台詞を最後まで聞けないのも、ふざけてお茶を濁すのも、彼の弱さ故。改めて、一貫したキャラクター描写と伏線の散らせ方を確認してみたい部分である。

 今回も色々と観るべき部分が多かったわけだが、個人的には「この作品の女どもは本当にキチガ○しかいねーのかよ」という感想が一番大きい。園原杏里・矢霧波江・張間美香・贄川春奈……ストーカーばっかじゃん。一番まともなのは狩沢さんじゃないですか?!

 そして、チームドタチンの格好良さも今回際立つ要素。ドタチンの男前っぷりは言うに及ばず、湯馬崎のぶっ飛んだ芯の通り方も、それを平気で後押し出来る狩沢さん達の奇妙な連帯感も、うじうじと悩むキャラクターの多いこの作品の中で、理屈抜きで楽しめる純粋な「格好良さ」だと思います。街頭のでかいディスプレイに「バッカーノ!」の映像を映したのも、ひょっとしたら彼らのオタクパワーかもしれませんぜ。 

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  男の色香、というものについて少し考えてみたりする第4話。この作品の場合には、やっぱり櫻井孝宏のパワーってのが大きい気がする。今回のエピソードは特に弥一と他のキャラの絡みが紹介されるわけだけど、弥一×松吉とか、弥一×政之助で腐女子が叫んだりしないもんだろうか。

 前回の近江屋の一件で、政之助は当然の解雇。用心棒の依頼を受けて目の前で警護対象をあっさりさらわれているわけで、普通なら賠償請求されても文句は言えないような状況だが、ありがたいことに給料をもらってしまっている。敵を作らない人柄ってのは重要ですね。

 そして次なる斡旋先は、なんと弥一の居座っている女郎屋だ。一応用心棒という名目ではあるが、慣れない生活で身体までおかしくなってしまい、ただでさえ頼りない朴念仁が更に弱々しく。既に先生っていうよりも愛玩動物みたいな扱い。でもまぁ、これまで野郎ばかりでじっとりとした空気が漂っていたので、女郎屋の描写が増えて少しでも華が出れば視聴者としては嬉しい部分ではあります。まぁ、このキャラデザでは萌えとかとはかけ離れた世界なんですけどね。

 そして、今回はそんな政之助の右往左往している様子を描きながら、少しずつではあるが弥一という謎の人物にもメスを入れ始めた。冒頭で流れた松吉との出会いのエピソードは文句なしの色男であるし、その他おたけや梅などからも、「昔世話になったんだ」と口を揃えて証言されている。女郎屋の女将にも必要以上の金を渡しているので迷惑をかけている様子もないし、彼が敵対すべきは、世の理にちょっと反した、あくどい連中だけのようだ。前回までは「近江屋は単なるターゲット」という見方をしていたわけだが、今回「米の相場に関わっていた」という事実を明かしており、一応「義賊」としての立場もこっそり補強してある。

 今回面白かったのは、義賊としての五葉のスタンスもそうだが、歩き回って人の話を聞いている政之助は、特に五葉の内情に迫ろうという強い意志があるわけではないという部分。何となくフラフラと関係者を渡り歩いているうちに、少しずつ弥一という人物の外側から皮をはいでいくような状態になっている。義を重んじる人柄、たくさんの人達に恩を預ける人柄、そして自らを傷つけても飄々としている剛胆な人柄。そうした、弥一を形成する様々なファクターが、政之助というインタビュアーを経て、色々な角度から埋められていく。こうしてあまり押しつけの要素を作らず、少しずつキャラクターを掘り下げていくプロセスは、実に丁寧で好感の持てる作りだ。

 また、弥一自身が口を開かない「出自のこと」についても、いくらか遠回しながらも、面白い掘り下げ方がなされている。例えば「普段本当のことはなかなか話さない弥一が簡単にしゃべったということは、近江屋の一件は金目当てではないのでは?」と看破してみせた政之助に対し、弥一は「バカだから気に入ってるんだが」と独りごちる。政之助の勘が変なところで的を射てしまっていることを、さりげなく弥一に漏らさせるワンシーンだ。

 他にも、遊女達と政之助の話を壁を隔てた弥一が聞いており、「女の声は良く響く」と繰り返してみせるシーンでは、弥一が当然「イチさんの過去は知っているのか」だとか「お互い訳ありだから詮索は野暮ってもんだ」などと遊女達が言っていたのも、弥一に耳にちゃんと届いていたことを示唆している。弥一の発言によって政之助もそれを遠回しに牽制されており、結果的に政之助は「出自のこと」を口に出来ずに「人柄のこと」しか聞けなかったのである。このあたりの、やんわりとした腹の探り合いが、静かなテンポで(そして櫻井孝宏の重めの声で)展開するだけで、なんだかドキドキしてしまう。

 相変わらず静かで、重苦しい空気が支配し続けるこの作品だが、決して無駄な描写があるわけではなく、信頼と疑惑を持つ様々な人間関係が興味深い形で表出する仕上がりになっている。なんだかんだで、毎回楽しみではあります。

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 ニノのスク水姿に、この作品ではあり得ないレベルのフィティシズムとエロが際立つ第6話。構図の取り方や動きの持たせ方がいちいちエロい。あけすけに見せるエロよりも、こういうのをたまにやってもらう方が際立つな。

 Aパート明け、前回の引きで星とリクの音楽対決。この作品は、意図してやってるんだろうけど話数の繋ぎがものすごく中途半端なところで切れるから、前回の話がすぐに思い出せて、ある意味親切。ブツ切りになるのである意味不親切。最近のアニメはライブパート、バントシーンに必要以上に力を入れなきゃいけない風潮がある気がするのだが、この作品は幸いにしてそんな気負いもなく。ちょっと雑すぎるくらいのゆる〜い対決は、基本的に中の人頼み。杉田が全力でギターをかき鳴らしたらあんなものじゃすまないだろうが、多分観客席の盛り上がりももっと酷いものになるだろう。ところで、あの演奏をしたステージは一体どこにあったのか……ほんとに広いな、荒川河川敷。

 そして今回メインとなったのは、(水着姿のニノでないとするなら)鉄人兄弟。あの仮面を被ったままでどうやってシャツを脱いだのかは気になるところだが、鉄人よりよっぽど鉄人なニノに水泳の講義をお願いしている。必死にしがみつく2人はまさに子供であるが故の役得だが、仮面さえはずせばそんな些細なレベルではなくヤバいことになるらしい。……どないやねん。そう言えば、河川敷の面々は大体住まうようになった来歴が判明している人間が多いのに、この子供2人だけはどうして居着くようになったのかがよく分からないな。住人の誰かに拾われたりしたんだろうけど、今現在は誰かの保護下にあるわけでもなさそうだしなぁ。村長が身請け人なのかな。

 Bパートは引き続き鉄人兄弟と、相変わらずの村長を巻き込んでのリクのポジション探しとポリプロピレン。アレを来たまま入る風呂って、確実に罰ゲーム。リクの立ち位置は一応「先生」ということで落ち着いたようだが、はたしてこのフリーダムな面々に何を教えろというのだろうか。そもそも、住人の中でもリクは人生経験が浅い方のような気もするが……まぁ、子供に好かれそうなのは良いことだ。ただ、これで中の人的には「また先生かよ」ってことになるんだけどね。

 そういや、何故かナレーションが立木さんで統一されてるんだけど、立木さんはあんまりシャフト声優のイメージがないな。せいぜい冬将軍くらいだった気がする(調べてみたらひたぎの親父もそうだったけど)。芳忠さんもいるし、とにかくおっさんどもが濃いぃ作品である。川を流れても格好いい河童とかな! あれはP子じゃなくてもちょっと惚れそう。この作品、実写でやったらキャストをそのまんま使えるんじゃなかろうか。鉄人兄弟以外は大体そのまんまでいけるぞ。 

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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
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