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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 人の心がない構成、第10話! これをぬけぬけとやってくるからこのアニメは油断できない……。AパートBパートでこれまでのキャラとはさっぱり関係ない脇の話を展開して「今日はそういうつまみ食い挿話の回なんだろうな」と油断しきっているところに、突然叩き込まれる核心となる伊吹桂子。こんなん、不意打ち以外の何物でもない。受け止めきれるわけがない。

 緊張と弛緩がドラマの基本というなら、1本目2本目は間違いなく「弛緩」。いきなり関俊彦ボイスから物語が始まり度肝を抜かれたが、彼のええ声で語られた「淡島の物語」は、1人の脚本家の人生に影響を及ぼした美しくも愛らしい母の話。このお話における女優・夏木詩子の物語は、別に淡島という舞台の真芯を捉えた話にもなっていないし、誤解を招く言い方をするなら(なんでだよ)「なくてもいい話」である。しかし、こうして息子という血縁者から贔屓目無しで1人の人間として「淡島に生きた女性」の人生を客観的に語られることで、その「女優」という人生の凄絶さが垣間見えるようである。息子が文筆の仕事につき、彼女をモデルにさまざまな物語を「作り上げた」ことは別に誰に望まれたことでもないし、母も息子も、互いの助け合い・依存を考えて紡ぎ上げたものでもなかろう。しかし、ごく自然にそうした「夏木詩子の物語」が囁かれることで、女優の顔は外から埋まっていく。これも1つの相互依存の形。そして、互いに幸せを分け合う家族の1つの形。

 Bパート、こちらも今までのお話とは一切接点がないポッと出のサブキャラのお話。今回の夏木詩子パートとこちらのパートの主人公・滝本由加里さんについては公式ページの人物相関図でも一番外縁部にこそっと追加されただけの離小島。どう考えても周りとの接点がない。しかしこのお話は1つ際立った特徴があり、それがサブタイトルの「本人の名前が書かれていない」というイレギュラーである。これまで通りのフォーマットであればこのエピソードのサブタイトルは「滝本由加里」、もしくは「滝本由加里と森久保沙織」あたりになっていたはず。そこをあえて「城芙美子の娘」という「淡島女優との血縁関係」で表示するところに、このエピソードの主張が嫌でも引き立つことになる。由加里が認識している通り、結局彼女は未だ「淡島生」にはなれていないし、この先もなれないんじゃないかという予感すら持っている。未だ一角の人物にならず、母がつなぐか細い接点から分厚い壁を挟んで淡島を見ている状態。ただ、それは彼女にとっての呪いであるとか、苦しみであるという描かれ方でもないのがなんとも不思議なところで、この物語には結論が無いのだ。Aパートにあった「母親と息子」の関係性と対比的に、こちらの「母娘」関係は不透明な未来に無限の可能性を残し、まだ「娘」でしかない滝本由加里の不確定性ばかりを強調する。これはこれで、希望ある描き方なのかもしれない。ちなみにキャラCVは由加里が結川あさき、森久保沙織役は高田憂希。(スクール講師のかなえさんが明乃さんである)

 そうして「いろんな言及があるものだなぁ」と油断しきっているところに突然ぶち込まれる伊吹先生。この不意打ちには飛び上がった。ここに来て再び彼女にお鉢が回ってくるのか。前回のエピソードで若菜と対話して「伊吹桂子」の人生に1つの結論が出ているものだと思っていたが……ここまで語られてこなかった、「あの当時の伊吹」がついにヴェールを脱いだ。

 そして、そこで語られるあまりにもどうしようもないお話……伊吹桂子の物語は、これまで2話目で岡部絵美を中心として「害する敵」としての描写があり、3話では親子3代をつなぐ忌まわしき血の物語として、彼女が女優を目指すことについての胸糞悪さにまで言及されていた。となれば単純な足し算だ。岡部絵美という孤高の存在、そして伊吹桂子という淡島のしがらみを煮詰めたような存在。2つがぶつかり、あまりにも虚しく残酷な結末が訪れてしまう。

 もちろん、桂子がやったことは悪いことだし、同情の余地もない。しかし、すでに我々は3話で彼女の家庭環境を知ってしまっており、その情動にはどうしたって贔屓目ができている。そしてそこに改めて「桂子から見た絵美」が語られ、その抱えきれなかった青い感情には、どうしたって一定の理解を寄せてしまう。彼女の祖母が悪かったとかいう話でもない。人は、周りの全ての人間と何かしらの関係性を結び続けているのだ。そこにほつれやもつれができてしまった時、1つのつながりに負担が寄ってしまうこともあるのだろう。今回は、たまたま伊吹桂子という絡みに絡んだ人生が、岡部絵美をプツリと切ってしまったと、それだけの話なのである。

 ラストシーン、桂子は教え子の若菜へ、「淡島へ入ったことへの後悔」を問う。現役学生には問うことすら許されないだろうし、教師が問う意味もない、病身の心の弱さから漏れ出た問いかけなのだろう。田畑若菜は、今作における語り部となった。脚本家・長谷川慎爾のヒアリングをしていたのも若菜だったし、世代を超えてかつての寮の話を現役世代に語って聞かせてもいた。しかし、改めて今、若菜はステージ上に押し戻される。1人の淡島生として、1人の人間として、桂子は若菜に問うている。淡島とはどんな場所なのか。淡島とはいかにあるべきだったのか。

 誰も正しい答えなんて分からない。若菜は、桂子の人生に救いを与える救世主となるのだろうか。

 
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