たほいや譜（20／05／16）

　この日、僕らはまた一歩新しい道を歩み始めた。広辞苑で遊びまくっているところに、さらに謎のゲームである「広辞苑古今東西」の情報が舞い込んできたためだ。たほいやの前と後にこれもひとしきりプレイし、我々はまだ広辞苑の何も知らなかったことを多方面から思い知らされるのである……。

 

 

Round１・「しろおに」

１、築城の名手、藤堂高虎の異名。

２、明治の初め頃、売春婦の異称。

３、シイラの異称。

４、江戸時代、主人に仕えていない侍のこと。素浪人。

５、家宅などに忍び込み、家を食いつぶす鬼。

６、大晦日の夜に寒風山から降りてきて田畑に精子をかけて徘徊する鬼。

７、落語。京の町で鬼を見かけたと言い張る大工の平六が、嫁のことを白い鬼だと言い張る。

８、白色人種の蔑称。しろんぼ。

９、荷積みの隠語。

　どう見ても白鬼である。　①「城の鬼」。「しろおにが出たぞー！」とか言われるけど、単に設計上手い人。　②「しろゆもじ」と同じ発想なと思ったら、なんかニュアンスが違う様子。「私娼を地獄とも称したことによる連想」って、そんな連想ある？　③「シイラとシーラカンスは関係あるんですか？」「シイラを孕ませて子供を産ませるからシイラ姦すっていうんや」。　④僕はスローニンと言われるとＦＦ５の敵キャラを思い出すんですが、普通に「浪人を賤しめていう言葉」なのね。　⑤シロアリの、鬼バージョン。怖い。専門の業者でも駆除できるかどうか。　⑥今日も元気に暴虐。相変わらず意味は不明。なぜか１名「しろおにのニはオナニーのニー」と強弁してるやつがいたんだが、疲れてたんでしょうかね？　⑧普通にシロンボって言葉があるのね。そう考えると「赤ん坊」だって差別用語といえるのではなかろうか。　⑨逆から読むと「荷下ろし」だから。秒でバレるやつ。

 

Round２・「しまごん」

１、第二次天正遣欧使節団長、島津ゴンザレスの称。

２、神や先祖の霊からの言葉。また、それを人に伝えること。

３、紫色を帯びた精良な黄金。

４、風説の一種。伊勢に現れる怪物で、全長二～三メートルのエビに似た姿とされることが多い。

５、御仏の心の一なるを表す言葉。志呪。

６、離島生まれの田舎者。

７、離島特有の訛りのこと。島言葉。

８、→司馬遷

９、種子島に鉄砲を伝えた宣教師、島津ゴンザレスの愛称。のち流刑。

　前の問題の割と近くにある単語やな。　①⑨この日のハイライトである。まさかの完全被りな上に、被ったのはまさかのタイラントと左脳兄貴。事実を告げられた左脳ニキは、見たこともないくらいに顔が真っ赤になっていたという。タイラント曰く「ようやく、俺のレベルにまで追いついてきたやつがいるのか」。　③「紫磨金」と書くらしい。ちなみに「柴の字と紫の字が似てるから、シバゴンと勘違いしたんじゃないですか？」とかいうあまりに綺麗なやっちゃばパターンを披露する奴がいた。　④まぁ、志摩ゴンって名前つけるわなぁ。もしくはエビラだけど、だいぶちっちゃい。　⑥⑦なんかもう、差別しかしない奴が１名いた。

 

Round３・「くすりのこと」

１、薬師寺如来の異称。

２、病気。

３、性病薬。

４、経口避妊薬の隠語。

５、→背下生。

６、わが国最初の西洋薬学書。

７、上方落語の世界で使われる隠語で、観客から小さな笑いしか取れない芸人をあてこすって言う。

８、９世紀、朝鮮半島から伝来した木製風琴のこと。犀琴。

９、膳前則之編著の書籍。1924年刊行の医療専門書で、価格が至極高いことで名を広めた。

１０、病気や薬などに関することがら。

　「これ、どう見ても見出しじゃなくて説明の方に載ってるやつでしょ。メディスンとか調べたらこれが書いてあるはず」。　①なんとこれがタイラントの答え。「普通やん！」と思ったが「薬のＧＯＤ」って言われて、まぁ。　②そんな雑な説明あるかい。　③④だいたい同じ概念。ちなみに逆から読んで「床のリスク」から導き出された答えである。真っ先に解答を提出した人間が後から追いかけてきた奴を見て「ずいぶん時間がかかりましたね」。　⑤そして、一見意味がさっぱり分からないこれも、「腹」「上」「死」を逆さにしたものだという。「ずいぶん時間がかかりましたね」。　⑦「クスリ、くらいのこと」。　⑧「９cのリの琴」。　⑩こんな答えだったとしたら、わざわざ出題するかよ。

 

Round４・「しそうのほし」

１、北斗七星。

２、カツオノエボシの異称。

３、→梅干し 

４、地球の雅語。

５、ユダヤ教を象徴する正三角形を重ねた記号。ダビデの星、六芒星とも。

６、ペガスス座四角星の古称。 

７、シーソー遊戯で片方がある強さで落下し、もう一方が衝撃で飛び上がるという事象を無限回繰り返した際の最高到達高度を問う宇宙物理学の問題。

８、ヨツボシツルハヤゴミムシの異称。

９、赤色巨星、白色矮星、中性子星、ブラックホールの総称。

１０、（希望の星とは逆に）業界に終焉をもたらすと予想される新人。

　つ〜ば〜めよ〜〜〜。　①死兆星が見えるから、ではなくて、「四三の星」と書いて、ななつ星らしい。なぜ分けたかはよく分からないが、確かに言われてみればサイコロの目の３と４に分けられなくもないか。　②「エボシはエボシなんだから、それが星になるのはおかしくない？」。　③紫蘇の干し。　④誰が使うんだろう。いや、僕たちみんなが使う権利を持っているのである。　⑦卒業した学部を振りかざして、学歴マウントを取ろうとしました。失敗してました。　⑨星が好きな人が頑張った結果らしいです。愛はあまり感じられないな？　⑩「あいつ、死相の星らしいぜ」とか、むしろ言われてみたいよな。絶対少年漫画なら主人公ポジやん。

 

Round５・「しんくい」

１、オマーンの政治家。オマーンの国際連盟への加入に尽力。

２、滝廉太郎の歌劇「奈良のイタリア人」に登場する第9位の神。球威に優れ、己の守備位置を守るため策謀を巡らすも、神一位にエースの座を奪われ9番ライトの座に堕ちる。

３、真実を食い物にするという魔のもの。︎↔︎嘘喰い　　　

４、土木基礎工事で打ち込む杭のうち、もっとも荷重のかかるもの。

５、求愛行為の一。相手に接近し、その心臓に手を当てて持ち上げる。

６、（野球用語）真芯で捉えること。

７、人の心を食べてしまう怪物を、知恵のある若者が賭け事を利用して成敗する英雄譚。

８、[仏]六道から解脱すること。

９、[仏]身体的活動（身）と言語活動（口）と精神活動（意）。人間の一切の活動。

１０、木材商。豪商で名を馳せ、数奇屋橋周辺を開発。新杙橋に名を残す。

　「イが入ってますね」「真紅猪か……」「イルハグだ」。　①もう、何も浮かばないから「出題者を見て、こいつが出しそうな問題の答えを書いた」とのこと。もう無茶苦茶だよ。　②「ライトは別にええやんけ！　馬鹿にすんな！」。問題はそこじゃないけど、まぁ、そこだ。　③３秒で出てきちゃったんだからしょうがない。 ⑦「単に心食いだけじゃ最終問題には物足りなかったから、後からちょっと嘘食い要素も足しました」。レシピ通りに調理してください。　④結局票が入るのはニキの答えなのだ……。　⑤あごクイのバリエーションとしてどうぞ。勢いよくやると求愛ではなく絶命になるので注意しましょう。　⑨説明が小うるさい。こんなにもわかってほしいアピールをする辞書があるもんだろうか。　⑩「単に材木商って書きたかったんです」。世の中、よく分からないモチベーションにあふれている。

 

もう、コロナ下の生活では一家に１広辞苑は欠かせないですね。