○「クジマ歌えば家ほろろ」 6
時々ガツンとロシア語で恫喝する同居のクジマさん。なんだこれ怖い。
1話目のインパクトで「なんか面白いのかどうかよく分かんないけど変なツボに入っちゃうギャグ作品」枠、通称ヒーラー枠になる可能性が出てきた作品。クジマ登場後の同居が決定するまでのくだりでいちいち吹き出してしまった。とにかく絵のインパクトがデケェ。
まぁ、シュールなクジマのデザインで笑ってしまった部分が大きい気がするので出オチといえば出オチなのだが、この手の「異質な存在が勝手に押しかけてくる」も漫画的なデザインとしては伝統的なもの。パッと浮かぶのは藤子不二雄作品、代表的なところで「オバQ」みたいなもんである。幸い今作はオバケでも宇宙人でもなくただのロシアの鳥なのでそこまで変なことはないですよね。……無いの? 作中で主人公の男の子が言ってた通り、「知らない見た目の奴が知らない言語で話してる」っていっちばん怖いんだから。近くて遠いのがロシア語ってのはすでにアーリャさんが証明してくれたわけで、そんなロシア語というツールを使いながら、ヘンテコ存在クジマが勝手に暴走する姿を楽しむ、なんともシュールな作品である。多分刺さらない人にはほんと刺さらないだろうし、もしかしたらそっちの感覚の方がマジョリティなのかもしれないが、少なくとも私には刺さりました。独特の間がいい味だしてるんだよな。クジマ、やってることは単なる「迷惑な外国人」なんだけどな(そうでもねぇよ)。
制作はスタジオ雲雀だが、1話目の牧歌的なテイストは割といい感じ。世界観をきちんと描き込んで「日本の田舎町のなんの変哲もない風景」という文脈がはっきりしていればこそ、そこに現れたクジマという異分子がより際立つことになる。ヘンテコを描くためには、それに応じた「普通」をいっぱい描き込まなきゃいけないということであり、本作はそこがきちんと出来ている。あとはどこまでクジマを「おもしれー生き物」に仕立て上げられるかの勝負。こっからただの迷惑なロシア人にならないことを祈っている。いや、あのビジュでただのロシア人になってしまったらそれこそ頭を抱えるが。
ロシア作品(?)ながらすみぺはおらずジェーニャはいる。こんな世の中だからこそ、ロシア語とロシア文化を学び、交流に役立てていくべきなのかもしれませんよね(そんな大それた目的意識の作品じゃねえよ)。
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