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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ようやく観てきました。いやー、コメントで思い出して確認したら近所の劇場で上映終了し始めてて焦りましたわ。なんとか1館だけ残ってて、そこも上映がちっちゃいシアターで日に1回だけだったもんで微妙に混んでたりして……平日に観にいくことで無事にクリアできました。ちなみにここで白状するんですが、しばらく放置してた理由の1つに「監督が宮崎吾朗だと勘違いしていた」ってのがあります。……マジです。ジブリ系なんやな、って思い込んでた時期がありました。途中で宣伝を見て「あ、ゴロウはゴロウでも谷口悟朗やんけ!」って気がついて無事に観にいく算段がついたという……まぁ、あの画を見てジブリ関係だと勘違いしちゃうのは許してくだせぇよ。思い込みって怖いよね。

 てなわけで無事に視聴できた作品ですが、4月に入ってからの視聴になったのはよかったのか悪かったのか。これでアニメグランプリ企画に組み入れにくくはなっちゃったのよね。3月に観てたら選出直前なのでちょっと影響は与えたかも。まぁ、選ぶほどではないか……でも、ちょっとは考えるくらいの満足度ではあった。つまりトータルで楽しかったということです。良きアニメ映画だったんじゃないでしょうか。ただ、何故か本編の前に緑黄色社会のPVとしてまるまる一曲総集編みたいなVを見せられる意味はよく分かんなかったけど。なんで本編の前にネタバレ(?)強制的に見せられたん? いや、別にいいんだけどさ。

 

<一応ネタバレ防止で折り返し>

 




 トータルで質の高いアニメ映画だったと思います。映像美術は言わずもがなだが、シナリオラインにしても2時間の尺にかっちり収めた上で、色々と設定が凝ってて最後にきちんと噛み合った絵図を見せてもらえるので納得感もあり、「重厚な2時間作品だな」という感想。「枠内に綺麗に収まったな」という満足感は最近だと「この本を盗む者は」あたりでも得られた感想なんだけど、こっちは2時間尺をみっちみちに使った密度の高さもあり、満足感も充分。オリジナル作品でここまで端正な完成形を見せられたらそりゃ嬉しいですよ。

 もちろん不満がないわけではないので先にそれらを吐き出してしまうと、一番の不満点は「主人公・フジコの絵の問題があまりにもぶん投げ解決すぎたこと」かな。今回はダブル主人公の1人である千鶴のバレエの話が中心にあり、そのサポーターとしてのフジコの頑張りを描写できればいい、という構造も理解はできるのだが、やっぱり視聴者目線では中心人物はフジコであり、彼女の人生を賭けた悩みが最終的に「なんかパーッと解決しちゃった!」というオチだけで済ませるのはやはり物足りない。「それくらい千鶴のステージは鮮烈な印象を与えたんだ。友人どうしだからこそ成せる奇跡だよ」みたいなニュアンスも頭では分かるが、出来ればフジコの苦しみからの脱却にももう少し「意味のある」ドラマが見たかった。この部分は、言い訳できない最大の不満点ではある。

 他にもいくつか挙げておくと、戦争描写が入ってくるとややノイジーだな、という印象が最初はあった。「まぁ、大正期を舞台にした作品なんだから戦争描写は避けられないけど、結局このアニメも戦争の悲劇を訴える作品になるのかぁ」みたいにちょっと辟易した。ただ、これは純然たる誤解で、別に今作は戦争の虚しさを訴える目的は無く、単にフジコたちに与えられる困難の多くの原因として戦争があるだけ。別に戦場の苛烈さや争うことの無意味さなんてものはドラマに直結しない、いわばこちらの思い込みであった。まぁ、中盤の時間で「戦争以外で何か課題があればいいのにぃ」とちょっと思ったくらい。

 映像部分では最も大切な千鶴のラストステージの演出で千鶴以外の踊り手がCG丸出しのモブ顔スタンプだったのがやや不満ではある。あそこは最も気合を入れて描く部分であり、そこに鮮烈な印象がなければせっかくの「大願」も説得力半減じゃん、とはちょっと思った。ただ、あそこもいわば「いうて千鶴もステージ上ではモブ程度の役なんだけどね」という現実をことさらに強調する意味はあったのかもしれない。今作は「パリに咲く」というタイトルからも分かる通り、フランス・パリという街そのものを描くことも大きな目標の1つ。そのパリが誇るオペラ座の大きな公演ともなればそこに出てくる駆け出しの東洋人1人などまさにモブにすぎない。その前後で執拗に描かれたのが重厚なオペラ座の佇まいや広がるパリの地で生きる人々の群像(まぁ、カメラは日本まで伸びたが)。豪勢なシャンデリアなどの室内装飾も微に入り細を穿ち描かれていたわけで、「世界の広さ」を描くことが最終的な目的となったこの作品では、あのステージ演出も決して間違いとは言えないのだろう。今作の「歴史の語り口」は正統なものであったと思う。

 あとはまぁ、キャストの云々とかも不満を出そうと思えば出せるが……確かに上手くはないが(当然メイン2人ね)、特段不満もないんだよね。たどたどしさも味わいと言えばそうだし、そこまで「調子のはずれた」演技ではなかったと思うので、信教上勧めはしないが、まぁ、このくらいの起用なら許容範囲ないかな、とは思う。ちなみにエンゾの声について「なんか立木さんみたいな声だけど立木さんじゃないし、どっかで聞いたことがあるんだが……」って悩んでてキャストロールで角田だとわかって「ああ〜〜〜!」ってなったのはちょっと面白い不意打ちだった。

 とまぁ、いくつか不満点を挙げてみたがこれらはいうて無理やり粗探しした時につっつけるという程度のもので、全体的な構成はむしろ感心の方が上回っている。まずもって「街が綺麗」は何度でも主張していきたい美点。今作の大上段のテーマの1つに「芸術」があり、メインキャラたちは「絵画」「舞踊」「音楽」とそれぞれに芸術の美しさを追求する。主人公・フジコのキャラもあり、さまざまな既存の絵画芸術がオマージュとして採用され、それらの全く異なるイメージが上手い具合に画面に刺激を与えている。エンディングには「フジコの作品群」にまでつながっていくそれらのイメージは単に散逸的に並べられているだけじゃなく、ちゃんと「日本とフランスの交流/時代の進化」などのイメージに合致しており、きちんと見せたい「絵」が「画」に通じていた。キャラのモーションは確かに「ジブリっぽい」雰囲気ではあるが、劇場らしいクオリティで1つ1つのシーンに取りこぼしなく、繊細なバレエの演技表現も含めて、最初から最後まで「全く心配せずに」見守れたというだけでありがたい。もちろん、薙刀を主体としたアクション作画にも見応えがありましたね。

 そして何よりも脚本の流れが綺麗。細かいところでちゃんと伏線回収があり、例えばエンディングのフジコの絵画がキラキラと輝いている理由を序盤にフジコが解説していたり(なんて名前か忘れたけど、雲母を貼り付けてキラキラにしてるんだよ、って言ってたやつ)、それぞれのキャラ事前にとっていた行動がちゃんと後から説得力を増す道具立てに使われていたりして筋立てに卒がない。この辺りは本当に谷口吾朗の熟練の統制力だな、と思う。

 今作は2時間作品にしてもキャラの登場数が多いのだが、その中に無駄キャラがほとんどいないというのも注目に値する点で、何かしらの印象があるキャラって、例えばフジコのバイト先のカフェのむかつく先輩店員(よっちん)みたいに、出てきたら最後にちゃんと「こういう役割だったんだぁ」って納得できるのよね。強いて一番行動原理が不可解なやつを上げるとしたら、多分千鶴ママン。さすがにあそこでフランスに出張ってくるのは無茶苦茶すぎるが……まぁ、これもまた母の愛ですかね。そしてママンの話が出てくるってことは、最後の大立ち回りのシーンの無茶苦茶さにも触れなきゃいけないわけで。あそこに出てきた奴ら全員、冷静に考えるとおかしい奴らばっかりなのだが、こればっかりは「そういうシーンが見せたかったんやな!」というサービス精神の方に理解がいっちゃうのでしょうがない。そりゃ「薙刀二刀流大立ち回り」は思いついたらやりたいじゃん。叔父さんのチキチキマシーン救出劇だって、どうせなら描きたいじゃん(狸の黄金は余計だったかもしれんが)。そういう映画のエンタメ精神を忘れてないのも良い点だなぁと。道中、「いくらなんでも最初のメゾンの住人たちに頼りすぎじゃね?」と思った気もするが、まぁ、その辺はご愛嬌。おもろい奴らばっかりでよかったじゃん。

 というわけで、キャラの魅力が引き立った今作で私のお気に入りキャラをランク形式で発表して締めくくろう。まずは男性部門。3位2位は無くてダントツの1位、「棒術を使いこなすチンピラA」! 公式サイトによるとカウフマンという名前らしいですが……こいつ、もうほんと好き。別に勝ってるわけでもないのに途中で千鶴に「前よりも薙刀が弱くなったんじゃないか?」って聞いてくる「どの口がいうとんねん」という謎のポジション取りも好きだし、その後の薙刀ママンを迎え撃つ時の「ここは俺に任せて先に行け!」ムーブを「よりによってお前がやるんかい!」って流れが最高にイカす。しかもCVが私の推しの佐藤せつじ氏なんですよ。くっそ格好いい。出自もわからねぇ単なるパリのチンピラのくせして。……ちなみにお仲間のハンマー野郎は1人だけぶっちぎりで犯罪レベルが高いと思うのであいつだけ日本に連れて行かないほうがいいと思います。

 続いて女性部門。女性キャラはほんとに魅力的な人が多くて、途中までジャム作るbotでしかなかったマディおばさんとかも面白かったが……第3位、名塚佳織ボイスの飲んだくれは最高、お隣の迷惑行為・ジャンヌさん! 理想的なパリジェンヌですよね……一生貰い手がつかなくてフジコに管を巻き続けてほしい。なんだかんだで千鶴の最後のブレイクスルーに力を貸すあたりのさりげない格好よさも加点ポイント。

 第2位、ツンデレと見せかけて別にツンじゃない、素敵なライバル・マチルダちゃん! この子、最初っからずっと千鶴に意味ありげな視線を向け続けてるのよね。ほんでいじめるでもバカにするでもなく、最初から最後までずっと千鶴の役に立つことしか言わないの。金髪ツインテのくせして。まじ可愛い。この世界、いい子ばっかりやね(一面的なものの見方)。

 そして映えある第1位、この世界の全てを作ったといっても過言じゃない、その厳しさの全ては愛から始まった。最強にして最愛の先生、オルガさん!!! もーーね、途中オルガさんの格好よさにビリビリに痺れておりまして。この人に出会わなかったら絶対に千鶴が幸せな結末を迎えることはできなかったわけでねぇ。教え方も的確だったし、1人の女性、1人の踊り子としての生き様がほんと格好いい。最後に縋ってきた千鶴に対して一見厳しくもちゃんと正しいリアクション示してくれるところなんかも、「この人、本気になればまだフランスのオペラ座でも天下取れるんちゃうんかい」と思わせるくらいの師匠感がたまらんかった。文句なしでこの人がナンバーワンでした。

 オリジナルのアニメ映画って独りよがりでどうにも伝わらないものになることが多い印象があるんだけど、今作はちゃんとエンタメとして成立してるし、作家性もしっかりと出せて色々と噛み締める部分がある良作だと思いました。まー、こういうのが今ひとつ話題にならないのが今の日本の映画業界の悩ましいところだけどねぇ……。こんなタイミングで観に行った人間がとやかく言える話でもないか。

 
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