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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 まさに百景、第2話。もう、これ好きです。2話目で一気に今期トップクラスまで躍り出た感覚がある。「違国日記」が終わってしまった穴を埋めてくれる鮮烈で繊細な人間ドラマ。

 何がすごいって、今回話がスタートした「エッちゃん」こと浦上悦子さんは、マジで淡島歌劇学校とは縁もゆかりもない人物。単に「はるか昔、淡島に進学した女学生にちょっと憧れてた友達」ってだけ。枝葉末節としか言いようのない人物なのだが、そこを起点に話は広がり、わずか30分の中に2つも3つも人生ドラマが見えた。もちろん、かつてほんのちょっと憧れた友達と疎遠になってしまったという悦子の人生だって、立派なドラマである。彼女が友達だったはずの絵美と連絡を取らなかった理由、そんな彼女の葬儀で感じたノスタルジーと悔恨が入り混じった感情。そして、その上で親戚を淡島に送り出すことを勧めることになる手筈。彼女の数十年の人生の中にも、きっと折に触れて(見たこともない)淡島を思う時間があったに違いない。

 そんな悦子の友達にして、早々に淡島からドロップアウトしてしまった人物・岡部絵美が一応は今回の中心人物と言える。彼女が具体的に学園内でどんな仕打ちを受けたのかは描かれていない。顔の怪我を見ればかなり激しいところまで行ってしまったのだろうことは窺えるし、それが平然と行われ、最終的に絵美が学校を去ることになってしまうという閉鎖空間の恐ろしさも感じさせるが、今作においてそうした「狭い世界での窮屈さ」や「陰湿な思春期のやり合い」は大きなテーマではない。あくまで、その辺にありふれた設定の中で、1人の人間が何を選び取り、何を捨てたのか。そんな漠然とした「人の思い」から、逆算して「舞台演劇との関わり」を想像するだけである。

 絵美は学校の体制に嫌気がさして、演芸の道を捨てた。その決断に至るまでに筆が割かれていないということは、彼女がそれを選んだこと自体はさして重要ではない。しかし、彼女はそんな自分の選択を友達のエッちゃんに伝えることができなかったし、思い出したらバスで1人涙も流した。「やりたかった」「成し遂げたかった」という気持ちも大きかったに違いない。けれども、大勢の人に看取られて人生を終えるまでの間に、彼女の中の小さな悔しさは日常に埋没していく。かつて呪いのように「役者になりな」と言葉を残した小野田の手紙だけが残され、後は家族が彼女の想いを勝手に想像するばかり。結論は出ないし、それで誰かの人生に影響を与えるでもない。悦子の人生、絵美の人生、それは全て別なお話。

 かつてこの学校で演じられた1幕のドラマ。それが絹枝さんに影響を及ぼした可能性はゼロではないが、それはそれで些細なこと。あの時代を生きて今に伝える人物は、意外にも伊吹桂子の方であった。彼女は舞台女優としてはきっと大成しなかったのだろう。今やいち教員として後進の面倒を見ているが、年を経た桂子は雰囲気から生徒たちに恐れられつつも、当時のような高飛車な様子はない。これもまた彼女の歩んだ人生の結果であろう。当時「絵美を追い出したこと」は、彼女の中にどんな影を落としているかは分からない。しかし、きっと彼女が今の学生を見る目には、きっと何かしらの影響を与えているはずなのだ。それが現代の絹枝や若菜にどう関わってくるのか、それともなんの影響も与えないのか。気まぐれな蝶の羽ばたきのように、それは誰にも分からないのである。

 この脚本、1話分に詰め込んでこれだけ「綺麗」なの、すごくない?

 
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