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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
カレーは絶対箸で食えない気がする第3話。具体的な描写は結局出てこなかったけど、文明は毎日箸で完食してるんでしょうかね。器用な奴だな。 今回のターゲットは、地元の伝説にも残るという、天狗である。アバンでは女子高生が天狗らしき存在にさらわれる描写もあり、長野の山中というロケーションも加味して、なかなかのセレクション。ただ、マヤにかかれば伝統の妖怪だって現代オカルトとして認識されるらしく、天狗宇宙人説をベースに、ちゃっちゃと調査をしてこいと文明に指示を飛ばす。 身よりもない10年前に飛ばされた文明は、慣れない教師としての仕事にも疲れ、面倒極まりない上司に囲まれ、その時代の自分に郷愁を覚えてしまったり、なにかとセンチメンタル。指令どころじゃないメンタリティになって溜息混じりに入ったうらぶれた食堂で、ようやくこの世界で初めての癒しの存在、中川美風に出会う。テレビスターの「ブンメイ」ではなく、母と同じく「フミアキ」と呼んでくれた女性。ルックス良好、スタイル抜群、性根も真っ直ぐで正に理想の女性像を具現化したような美風に一発で参ってしまった文明は、その後も足繁く食堂へ通い、すぐに町を案内してもらうまでの仲になる。 不釣り合いなポルシェでのルール無用の暴走などもありつつ、手近な名所を案内してもらい、最後に到着したのは松代象山地下壕。過去の記憶に共感して思わず涙を流す美風を見て、文明はますます彼女に惚れ込む。ちょっとは仕事もがんばれそう、そう思えるようになったのだろう。で、その一方ではマヤが同じ地下壕で謎のコウモリ怪人に襲われていました。続く。 今回はマヤの百面相があまりみられなかったので画面的にはおとなしめの回。ストーリー的にも、異界の地で落ち込んでしまった文明がちょっと慰められるという中身なので、そこまで大々的な盛り上がりもなく、次回への伏線といったレベルのものに見える。ま、川島先生がなんだかものすげぇ人だっていうのが分かったり、ちょろっと登場したJKが抜群の存在感を示して去っていったりと、相変わらずキャラの濃さは強烈なんだけどね。文明は川島先生と懇ろになると白骨化した未来が待ち受けているらしいのだが……彼女はサキュバスかなにかなんだろうか。 で、今回のメインはなんと言っても新キャラの中川美風である。純正みのりんキャラ、と言ってしまえば分かりやすい、中の人まんまのちょっとぽやっとした感じの巨乳美少女だ(そういや茅原の巨乳キャラって珍しいな)。文明の周りにはマヤだの川島だの、キツめの女性しかいないので、この美風の存在は正に天使のごとく映る。「フミアキ」と呼ばれたことで母親と重ねてしまうあたりはちょっとご都合主義な展開ではあるのだが、美少女キャラが増えてくれる分には悪い話ではなかろう。 ただ、単なる癒しとして登場したかのようにも見える美風なのだが、今回作中ではちょいちょい気になる描写が重ねられている。最も端的なのはラストで感極まって涙を流したことだろうが、他にもおやきに対してやたら感情のこもった解説をしてくれたり、年の割に名所旧蹟の解説にやたら慣れていたりと、どうも「普通の食堂の娘」というだけではないように見える。そりゃま、あんだけ曲者じみたばぁちゃんと一緒に暮らしていたら町の歴史にも詳しくなるのかもしれないが、それだけでは説明出来ないような、「過去の出来事に対する実感」みたいなものを持っているような気がする。 中川美風の正体は何なのか。折角オカルトがテーマの作品なんだから、深読みかもしれなくても想像するのは楽しい。一番安易な答えは、彼女が象山地下壕に関わる超常的な存在である、という案。分かりやすくいえば美風幽霊説。それならば彼女の持つ知識や思いについては全て説明出来るが、食堂で普通にばぁちゃんとコミュニケーションをとっていたことを考えると、「実は文明にだけ見えていました」っていう八九寺さん的なオチは流石になさそう。 となると、第2案はタイムトラベラー説。過去の事象に詳しいのは、彼女が実際にその時代の人間だからで、何らかの理由で世紀末に飛ばされ、仕方なくあそこに住み始めたという案。これならば美風はあくまで普通の人間だし、文明が未来から、美風が過去からやってきたという対比も面白い。個人的にはこっちを推したい。正直、そのくらいのネタがないと、今回の諸々の描写がちょっと不自然に見えちゃうんだよねぇ。 その他、多分本筋とは関係無いであろう小ネタもこの作品の持ち味で、一番笑ったのはおやきの解説の時に出てきた「ぽたぽた焼き」のおばあちゃん。あれって勝手に使っていいものなんだろうか。また、今回も相変わらずキャラ画にくせが強くて、妙な顔をしたときのキャラクターたちを見ているだけでも楽しい。美風の目尻の皺がやたら克明に描写されているカットとかがあったんだが、誰が得するんだろう。キャラデザに特徴があるので、作画担当次第でかなり印象が変わってみえますな。 次回はようやく、今回ないがしろにされていたマヤの冒険の続きが描かれるのかな。文明が頑張るのも悪くはないけど、やっぱりこの作品の主人公はマヤですので。また彼女の百面相に期待したいと思います。 そうそう、無事にエンディングテーマのCDが発売されましたね。高垣彩陽デビューシングル「君がいる場所」。みんなは何枚買いましたか?(アスミス風) わぁたしは〜〜〜1枚です! いや、ホントマジで洒落にならないくらいのクオリティですので、是非に。 PR 無茶苦茶なようで、それとなく設定は固まってきた第2話。今回も、トバしてます。 突如マヤの眼前に降臨してきた男、内田文明。彼は未来からやってきたタイムエージェントで、この時代にオカルト学院に存在していたという「ノストラダムスの鍵」を破壊する指令を受けている。未来の姿を映し出すことが出来る奇妙な携帯電話を使い、学院中に散らばる名品珍品オーパーツの中から、「鍵」を見つけ出さなければならないそうな。そして、そんな「鍵」の存在こそが、マヤの父親、神代純一郎が殺された理由でもあるらしい。ファーストコンタクトの衝撃もあってなかなか相容れないマヤと文明だったが、マヤ自身も、父の住んでいた屋敷でエラい分かりやすいオカルト現象に遭遇し、命の危機に瀕したことによって敵対組織の発見が急務となる。「鍵の発見と破壊」という目的意識が一致したことで、2人は急造タッグを組むことが決まった。 色々と突っ込みどころはあって、タイムエージェントの存在とタイムパラドクスの問題なんかをどうするのか、などは気になる部分ではあるのだが、ノリと勢い、自然と形成される「アニメ的な流れ」は申し分ない。何はともあれ作品としての大命題は決まったわけだし、それを取り巻くマヤ、文明、そして敵組織の一員川島千尋など、キャラクターの立ち位置も分かりやすい。今後の展開としては、学園内に眠る様々なオカルト要素を2人で探訪していくということになるだろうか。マヤの突っ込みが命を狙うほどにシュートなおかげか、2人の掛け合いが実に刺激的なので、この2人でドタバタやっているのを見るだけでも充分楽しめそうだ。 改めて確認すると、この作品のセッティングは色々と美味しい。まず、「世紀末」の部分だが、これは当然ノストラダムスの予言の年、という意味が大きいだろうし、「オカルトみたいな胡散臭い話をしても何となく許される時代」としての設定だろう。ただ、既にこの辺の時代だと一大オカルトブームは過ぎ去った後だった気もするのだが(多分あんなスプーン曲げ番組はもう放送してなかっただろう。話が愛読書である「MAYA 真夜中の少女」の連載終了が1996年だし、この頃には既にUFOやらミステリーサークルやらの騒ぎだって過去のものだったはずだ)。まぁ、「世紀末」という何となく怪しげな響きと10年前という半端な時代設定は、色々とお遊びをやっても許されるような、奇妙な緩さを持っている気はする。次回予告でいちいち懐メロを流してその奇妙なノスタルジーを喚起させるのもなかなか効果的だ。 そして「オカルト」であるが、今回はっきりしたのは、やっぱり「ホラー」と「コメディ」というのは紙一重であり、共存させると色々面白いということだ。この作品の場合、前面に押し出されているのは「コメディ」の方で、表情豊かなマヤのおかげで、周りを取り囲むドタバタが本当に生き生きと描かれている。文明とのやりとりは真正面からのギャグだろうし、死んでしまった純一郎の存在も、前話では完全にギャグとして扱われていた。不謹慎な部分もないではないが、パニックや不合理というものは、得てして笑いに通じるものである。 その一方で、今回はホラー要素はホラーとして特にいじることなく描写されている。具体的にはマヤの家を襲った謎の不可視霊のくだりだが、シャワーシーンでカーテンに影が映るのに誰もいなかったり、鏡に血文字が浮かび上がったり、そうしたシーンの演出は実にまっとうなホラーもののそれである。これをそのまま積み重ね、緊張感を溜めに溜めて爆発させれば、きちんとした「ホラー」が完成する。しかし、この作品は「溜めた」先でこの緊張感を「コメディ」に転じる。具体的にはマヤの家をターザンよろしく襲撃した文明の描写であるし、マヤにぶん投げられてどんでん返しの裏側に突っ込んだ文明の災難である。本人達は至って真面目に怪異と対峙しているのに、そのドタバタはあくまでコメディ。この「溜めて、落とす」タイミングが、実に小気味よい作品独特のリズムを構築しているのだ。 こうした胡散臭いコメディを構築するのに、スタッフは色々と手を尽くしている。印象的なのは、ちょっと古くさい雰囲気のするキャラクターデザインで、決して万人受けしないように見えるマヤの顔も、多彩な顔芸と迫力を出す細かいカット割りのおかげで、どんどん魅力的に見えてくる。その他のキャラクターたちも、この世界にはこれしかない、と思えるような奇妙なフィット感がたまらない。個人的には眼鏡の子(花澤ボイス)の本当に野暮ったい感じのルックスが好みです。 また、そうした画面を構築する際のコンテワークも、意図してかどうかは分からないけどどこか昔風。少しずつ寄っていくカメラワークがコマ割だったり、あえて伝統的なホラーものの構図を拾ってみたり、あまり詳しくないので明示は出来ないのだが、どこか既存の作品に対するオマージュみたいなものを想起させる。こうした根本的な部分でしっかりとスタンスが構築できているのは、後のことを考えれば色々と楽しみな部分である。あとはまぁ、ぴかしゃのテンション芸を楽しみましょう。 そして、前回触れてなかったので敢えて今回触れておくと、エンディングが彩陽である。エンディングが彩陽であるということは、つまりエンディングを彩陽が歌っているということだ。CDタイトルは「君がいる場所」、21日水曜日に発売だ。定価は初回版1,800円、通常版で1.300円。初回版はDVDもついて大変お得だ。是非発売日にお店で買おう。Amazonリンクとか貼らないから、各人自己責任で買おう。良かったら2枚以上買ってもいいぞ。 なんで突然宣伝モードかと言えば、正直おじさん不安でしかたないからだ。頼むよ。デビューシングルなんだから売れてくれよ。どう考えても同僚のデビュー作(特に戸松)に勝てない気がするんだよ。歌唱力でいったら彩陽の方が売れてしかるべきじゃないか? ねぇ。当ブログは、全身全霊でもって声優アーティスト高垣彩陽を応援します。黒豆とかいった奴には紫電閃ばりの速攻を見舞う容易あり。彩陽の名前でググると当然のように寿の画像が現れる現状を何とかして欲しい。 ま、大体予想通りの筋書きで幕を閉じた最終話。前回から幕を開けた(?!)どっきり国際紛争編の幕引きとしては、実にスタンダードな、教科書通りの展開といえるだろう。ここ2話については。 響く軍靴の音。キレ気味の「鬼神」の話では、ローマ軍は示威行為のためにヘルベチアの国境沿いにぐるりと回っていた模様。なるほど、だからノーマンズランドから進行してきた訳か。そして、彼らの目的が脅しなら、当然それを愉快に思わないヘルベチア軍人もいるわけで、ホプキンスは何とかしてこれを開戦の足がかりにしようとアーイシャをうまいこと釣り上げる。ローマだって、あからさまに敵国側から挑発されればそれに応じる用意はあるわけで、あとはちょいとその火種をたきつけてやればいい。ホプキンスの計略は、ほぼ完成段階に入っていたわけだ。 しかし、それを何とか阻止せんと起ちあがったのが「炎の乙女」たち。最終兵器タケミカヅチで突貫し、開戦地帯とおぼしき小競り合いの現場を急襲、そこでカナタが入手した「停戦ナル」の方を皆に伝える。だが、それでも一度動き出した武力は止まることが出来ない。絶望的な状況の中、カナタが選んだ選択は、ヘルベチアにもローマにも分け隔て無く響いた「ソラノオト」、アメイジング・グレイスだった…… と、端的にまとめると普通の物語。今回は気持ち悪いくらいの動きを見せるタケミカヅチの完成した造形や、オープニングの絵画やアーイシャの存在をうまく絡めた「炎の乙女」の伝承を流すシーン、そしてクライマックスとなるカナタの演奏シーンなど、流石に最終回らしく気合いの入った仕上がり。実は個人的にはアメイジング・グレイスを聞くとどうしても「風の立つライオン」(さだまさし)を思い出してしまう人間なのだが、そのイメージと朝日に照らされながらラッパを奏でるカナタの画がなんだかいい感じにリンクして感じ入ってしまった。音楽のパワーってのは、本当に計り知れないものだ。 ただ、「1話のアニメ」としての完成度は非常に高いのだが、今回の話は、あくまで「11話で起こった話の結末」である。この「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」という作品全体を総括する話としては、まったく全然本当に足りていない。旧時代とは何か、世界は本当に「終わり」を迎えているのか、時告げ砦の面々は、これからどんな人生を歩んでいくのか。どこから来たか分からないアニメは、どこに行くのか分からない終わり方をしてしまった。もちろん、全てが全て片を付けなければいけないというわけでもないのだが、流石に「戦争が起こりそうです。でも、起こりませんでした!」というだけで何となくめでたしめでたしというのは、ここまで作ってきた流れを考えるといかがなものか。それなら、アーイシャが登場する話をもう少し前に持ってきて、今回のローマ軍との対峙の描写をもう少し詳しくしてクライマックスを盛り上げるべきではなかったのか。軍人としての心構えを語るなら、先んじて軍人の抱えている無視できない感情、使命を描くべきではなかったのか。 これまで出来る限り真剣にこの作品を見てきたつもりなのだが、なんだか、ちょっと裏切られたような、そんな気持ちになってしまう。もちろん勝手な期待、勝手な妄想をはねつけられただけの話ではあるのだが、もし「この最終回」がやりたかったのだとしたら、ここまでの12話の構成は、とてもベストのものだったとは思えない。どこかで何かを見誤ったのか…… うーむ……どうにも視聴直後ではまとまらない。とにかく、色々難しい作品でした。最後に、今回様々な感情を抱えて怯えるノエルの演技は実に素晴らしかったと思います。あと、泣きじゃくりながらもきちんと意志を全うしようとしたクレハも。あおちゃん、キタエリ、いい仕事してます。 急転直下、という言葉がこれ以上ふさわしい展開もなかなかなさそうな第11話。ここまでなあなあで持ってきたので何となく終わらせる展開なのかとばかり思っていたのだが、どうやらきちんとやることをやる覚悟はあるようだ。 リオが去り、雪深さも相まってなんだか寂しい時告げ砦。そこに訪れた奇妙な来訪者は、なんと敵国ローマの女性兵士だった。素敵なおっぱいをお持ちの敵兵アーイシャは、ローマ語しか話すことが出来ず、肌の色もいくらか浅黒い。クレハはかたくなに彼女のことを「敵」として扱おうとするが、隊員たちの反応はまちまち。 カナタは単に物珍しさが先立つらしく、「ローマ人って初めて見ました」とお気楽な様子。彼女の持ち物にラッパがあったことも勝手な親近感を抱く理由になったのか、何とか意思の疎通を行おうと試みる。彼女の奏でた「アメイジング・グレイス」は、彼女の信条である「音は誰の上にも響く」を強く押し出したようだ。 敵国の人間を見て過去の記憶がフラッシュバックしたのがノエル。彼女はヘルベチアの軍事施設で研究に従事していた過去があり、その時に生み出した成果が、軍事利用されたことに対してトラウマを抱いているようだ。「見えない死神」である天才少女は、傷ついた敵兵に、自分の咎を嫌でも刺激される。何とか乗り越えようと努力してはみたものの、最終的には「見えない死神」というキータームをアーイシャに宣告され、恐慌状態へと陥ってしまう。歳の近いアーイシャにまでその二つ名が広まっているということは、彼女が「生み出してしまった」災厄はローマに多大な被害をもたらしたようである。 そして相変わらず腹に一物抱えているのが、隊長のフィリシア。リオとの誓いもあり、彼女は彼女なりに砦の役割を考えて指揮を執る。セーズに出現した敵兵というファクターは国際情勢に大きな影響を及ぼすらしく、彼女はその事実を囲い込むことで、何とかリオが動けるだけの時間を稼ごうとしているようだ。しかし、状況は休戦中と言っても戦時下である。残念ながら彼女の賭けは成立しなかった。 4者4様で「敵国兵」という異分子に対する反応を見せる面々。そして唯一ローマ語を理解出来るユミナも、自身の信仰と、アーイシャの目的に戸惑いを隠せない。「世界を滅ぼした悪魔」、もしくは「黙示録の天使」とは一体何なのか。ぶっちゃけすっかり忘れていたが、1話でカナタの見た謎の化石(壁画?)が、最終局面で重要な役割を担うようだ。 そしてついに現れた「敵」。ローマ軍は大量の実戦兵器を伴い、ノーマンズランドを進軍してくる。……って、そっちが隣国? ノーマンズランドって何も無い土地っていう設定じゃなくて、単に国境付近の不可侵地帯だったの? 5話の説明や7話の回想では、とてもその先に敵国ローマがあるとは思えない描写だったのだが……それともローマ兵は面倒な進路を取ってぐるりと大回りして、想定外の方向から急襲をかけてきたってことなのかなぁ。よくわからんが、とにかく凄い数と凄い気合いの臨戦態勢。講和条約やら何やら、この国の外交はあんまり役に立ってない模様。 まぁ、とにかく各人の立ち位置は大体分かった。フィリシアが現場指揮、リオは上層部からの軍事介入、ノエルはタケミカヅチを起動させての最終兵器の役割だろう。そしてカナタが繰り出すのは、間違いなく「そらのおと」である。兵士になっておきながら敵兵に対して全く闘争心をかき立てない彼女、「ヘルベチアもローマも同じ音が響いていたんだ!」と完全平和主義の彼女のこと、きっと神々しいまでのアメイジング・グレイスを奏でて戦争終結に導いてくれるに違いない。……って、随分甘っちょろい脚本だな。流石にそんな安直かつつまらないオチにはならないと思うけど。 今回はローマ語がドイツ語だったってことが分かった。敢えてアーイシャのデザインをあまり欧米人っぽくなくして(どちらかというとアラブ系に見える)、さらに言語がドイツ語、名前がローマと、ちょっとずつ色んなものを混ぜて明確なモデルを固めないようにしているようだ。戦争を描いた物語の場合、敵兵が転がり込んできて云々というシチュエーションは王道ではあるのだが、街の人々やクレハの様子を見る限り、やはり敵国と言えば鬼畜のイメージ。なまっちょろい性善説エンドとかは勘弁して欲しいな。最後の最後で何かエポックメイキングなことをやってくれることを期待したい。 ちなみに、今回全編ドイツ語のアイーシャを演じたのは、なんと宮原永海。英語が堪能なのは知ってたけど、まさかドイツ語もこなせるとは。貴重な人材ですなぁ。そして人間の耳ってのは不思議なもので、しゃべる言語が変わっただけで中の人が誰なのか全然分からなかった。やっぱり聞き分けって純粋な音というよりはアクセントとかイントネーションで区別してるんだろうね。 いざシリアス一辺倒になると、それはそれで不安な第10話。うーん、本当にこの期に及んでどこへ行きたい作品なのか分からないというのは……いいのか悪いのか。それとも、このもやもやは最終回で見事に解決されるものなのか。……無理じゃねぇかなぁ。 前々回の電話以来、リオは色々と思い悩んでいたわけだが、今回はマダム・ジャコットという1人の老婆の存在をきっかけにして、ついに動き始めた。ただ、その「動き」というのが何なのかもいまいち分からないのが困りもの。今回正式に判明したことといえば、「リオは皇位継承権を持つイリヤの血縁であること」と、「なんだか緊張関係にある隣国(ローマという名前が出てきた)が動きを見せている」こと。そうした中で、リオは自らが砦に居ることを「逃げであった」と語っているわけだが、さて、彼女が中央に戻ると、一体何が起こるのだろうか。それまでのうのうと辺境の地で暮らしていた一介の女の子が継承権の有無を理由に渦中に飛び込んだところで、そう大きく国際情勢に影響するとは思えないのであるが。 また、リオを突き動かすきっかけとなったマダムのエピソードとの繋がりも明示的ではない。確かに単品のエピソードとして、マダムの生い立ちと最期は悲しくも「幸せな」ものであったろうが、彼女がリオに説いたのは、「自らの信念があれば、他人から辛そうに見えようが理不尽だろうが、幸せなんだからいいじゃないか」という、一種の年寄りのワガママである。それを見て、どのような影響があったのかが、少々言葉足らずで伝わってこない。作中の描写では、マダムの待ち人はおよそ存命していないであろうことは想像出来るわけだが、それを確定させる事象もなく(最後のお迎えのシーンは暗示的にそれを示唆するが)、ひょっとしたら「まっとうな待ちぼうけ」である可能性もあった。それを、確実に帰らぬ人となったイリヤ皇女殿下の存在と重ね合わせることには、多少のずれを感じてしまうのだ。 そして最大の不満は、そうしたリオの行動に、砦の仲間達が全く関係していないという部分である。最後のラッパの合奏シーンを見れば、一応カナタの成長がリオを安心させ、砦を離れる決心を促したようにも見えるのだが、あの演奏シーンよりも前に、リオの心中は固まっていたはず。あくまであのシーンは「リオを送り出す歓送の場」でしかない。直接ラッパを受けとったカナタはまだしも、それよりもずっと長い間苦楽をともにしてきた他の3人との別れを惜しむ様もほとんど描かれておらず、リオが単に薄情な人間に見えてしまう。もちろん、「別れのつもりはない」と言っているのだから「帰ってくる」ことを前提とした描写なのだろうが、実際の場面を想定すれば、それは些か不自然だろう(実際、クレハな泣いているわけだし)。 結局、今回のエピソードは「物語が動き出す1話」の役割を果たしたわけだが、それが「動かすためだけに動いた1話」にしか見えないのが難点なのだと思う。そして、どうしても描写が薄っぺらく見えてしまうのは、これまで散々疑問視してきた「戦争の存在の希薄さ」や「軍隊としての目的意識の不明確さ」など、つかみ所のない彼女たちの存在自体が影響していることは確実である。これまでは、そうした不確定の要素自体がこの作品の狙いであり、無意識のうちに「ゴドーを待ちながら」のような不条理を武器とした演出を心がけているのだろうという見方をしていた気がするのだが、「隣国の名」という非常に具体的なファクターが現れ、タケミカヅチも完成に近付いたことで、そうした「意図的な不確定要素」の存在が危うくなってきている。リオが具体的な行動を起こしてしまったことが、そのとっかかりになってしまっているのではないかと、そう読み取れてしまう。 もちろん、次回のエピソードでは全てが杞憂になっているかもしれないが、残されたのはわずかにあと2話。……どうなることやら。 話が進んでるんだか停滞してるんだかよく分からない第9話。もう9話か。まもなく終わるわけだが……大丈夫でしょうか? この期に及んで判明したのはクラウスさんの正体だけですがな。 今回はクレハのお当番回。彼女の両親について少しだけ語られ、その上でセイヤに対して「孤児ってものは」と信条を語って聞かせることで、これまで隊のメンバーの中でもいまいち立ち位置がはっきりしていなかったクレハのキャラクター性を押し出すことが最大の目的と見ていいだろう。実際、我が事のように雨の中を駆け回るクレハは甲斐甲斐しくも真に迫っており、それなりのアピールは出来ている。また、それとは別側面としてクラウスに対する素直な憧れという感情も今回はっきりと出ており、メンバーの中では一番バランスの取れた、少女らしい少女といえるかもしれない(まぁ、そのおかげで目立ちにくいんだけど)。 ただ、どっちかというと今回の主役はクラウスかもしれない。個人的には声が石塚運昇というだけでなんだか説得された感があり、「砂漠の狼」だの「ミラクル・クラウス」だのといった胡散臭い通り名についても信じ切っていた部分があるのだが、そんな伝説も今回あっさりと覆り、単なる「凄く空気が読めるただのおっさん」になってしまった。ただ、それが拍子抜けだったり投げ槍だったりするわけじゃなく、きちんとクラウスに活躍の場を与えて、その上でクレハに対しては「ミラクル・クラウス」の姿勢を貫き通すように決意させたというところは面白い。クライマックスのアンカーシーンは「相変わらず作戦も何も無い無茶っぷりだな」という印象が強いんだけど、これだけ無茶苦茶やっても食らいつけたんだから、クラウスさんも立派な男ですわ。 そして、そんな「ミラクル・クラウス」の真実をひょんなことから知ってしまったクレハ。彼女はピンチの不安感を全部クラウスにおっかぶせるほどの信頼を寄せていたわけだが、それが突如として瓦解したというのに、表面上は平成を取り繕ったあたりに彼女の強さが伺える。あれだけの極限状態なら「自分がダマされていた」と思ってショックを受けてもいい部分なのだろうが、おそらく瞬間的にクラウスの優しさ、気遣いを察したのだろう。全てをグッと飲み込んだ上で、「クレハのためを思ったクラウスのことを思って」、そのまま黙っていることにしたのだ。クラウスの方もそんな彼女が「信じていると信じて」、わざわざ誤解をカミングアウトする機会を逸してしまった。なんだかお互いがお互いを信頼し合いながらも騙し続けるという、妙な構図になってしまっているが、これがこの2人のベストな形ということなのだろう。地味ながらも心暖まるエピソードではありました。ラストシーンのパンツのまったくエロくないあたりが素晴らしいです。 その他のファクターとしては、お亡くなりになったイリヤ皇女殿下の亡骸を回想するリオが心配。前回の電話はやはり父親だったようだが、彼女の家系には一体どんな事情があるのだろうか。放心状態のリオに対しての、フィリシアの「先輩なんだから後輩の目を意識しろ」という発言は、正しいのだがちょっと気遣いにかける一言。彼女はリオの事情をどこまで知っているのだろうか。 そして、タケミカヅチがカーステレオ以外の用途での活躍を見せたのも一応の注目点だろうか。やっぱりインターフェイスとかを見る限り、完全にオーバーテクノロジーなんだよなぁ。完成品になったらどれだけの破壊力を発揮するやら。そういえば、何気ない一言なんだが、フィリシアの「お風呂の火、おとしてなかったでしょう」っていうのはどういう意味なんだろう。この世界の給湯設備を考えると、ガスボイラーか何かなのかなぁ。光源はランプだし、今のところ電気設備っぽいのは見あたらない。ちょっと不思議。 戦争や世界背景を臭わす以前に、何か別な臭いがして仕方ない第8話。本当にこの作品は視聴者の目線をどこに振り回したいのだろうか。 2話目で思わせぶりに登場した電話を巡るエピソード。といっても、電話が鳴るのはラスト2分であり、それまでは延々電話番の様子だけが描かれるという、ある意味実に斬新なストーリーである。確かに、宅配便の受け取りとか何かの通知とか、気になって電話から離れたくない時ってのはやたら回りが気になるもんだけどね。携帯電話がある現代ならまだしも、固定電話が黒電話1本の砦においては、その気がかりっぷりもまた特別。電話に密かな憧れを持っていたカナタならなおさらだ。「電話を受けたことが無い」と言いながらシミュレーションで「じりりりり」って言ってたのは何故かってのは謎なんだけど。やりとりを聞いたことはあるんだろうか? そして、今回の物語の中心となるのは……生理現象。カナタはせっかく軍属になったというのに、一向に敵と戦う気配がありません。これまでのカナタの戦績をまとめると、 1話 VS捜し物○ ラッキーで発見 2話 VS幽霊△ 正体は見破ったが、和解せず痛み分け 3話 VS風邪× 一日寝込む 4話 VSラッパ○ めっちゃ上達する 5話 VS重たい荷物× 試合放棄 6話 VS迷子○ ギリギリ救出 7話 VSフィリシア× なんかはぐらかされる 8話 VS尿意×←New! 多くは語れまい ……なんだこの作品。今回の地味な一部屋のエピソードで、製作側が何を伝えたかったのかさっぱりわからん。単に女の子がもじもじしている姿を延々流すことによる販促運動か? ……だったら微妙に成功だよ! あのままバケツコースだったら確実に別次元になったものを。金元さんもメジャーデビュー作でこんな仕打ちとは大変だ。 とまぁ、この期に及んでシリアスに傾倒しない意固地な部分は置いておくとして、せっかくなので今回もかたくなにシリアス伏線を回収しておこう。まず、なんと言ってもリオ絡みのパート。リオが持っていた楽譜はイリア、つまりこの国の皇女殿下のもの。リオは彼女から直々にラッパを習ったり、譜面を受け継いだりしていることから、どうやらこの国を左右する立場にある(可能性をもった)人物であるらしい。最後の電話の男のこともあるし、3話の母親のエピソードなど、まだまだ謎はてんこ盛りだ。国を救える僻地の兵士って、一体どんな存在なのだろうか。 また、ヘルベチアと隣国との和平交渉は、現在も続いているということが今回会話の中で分かった。前回のエピソードで終戦は4〜5年前程度だと予想されるわけだが、それからズルズルと会議が進んでいないとすると、多少なりともきな臭さは残る。考えてみれば、一体何を契機に戦争が終結したのかもよく分からない。少なくともリオ達の振る舞いからしてヘルベチアは敗戦国扱いではないように見えるし、半端な和平ならすぐに再燃してしまうかもしれないわけだ。いくつも爆弾を抱えてるな、この国は。 最後に本当にどうでもいい話だが、何故か無駄にこだわってしまう「文字」の話。今回、冒頭でカナタが読み上げた「本営直通高度緊急非常事態用指令伝達回線保守確認任務」という文書。フィリシアがその書面をカナタに見せており、視聴者からはその文面は見えなかったのだが、これがもし漢字(イデア文字)で書かれていたなら、漢字は表意文字であるからカナタのように「……カク……ニンニンム?」などと読み上げるはずはない。つまり、あの令状には何らかの表音文字で「ホンエイチョクツウコウドキンキュウヒジョウジタイヨウシレイデンタツカイセンホシュカクニンニンム」と書かれていたはずなのだ。あり得ないくらい読みにくい。そして、それは間違いなく日本語である。……なぁ、この世界の文字はどうなっているんだ? 「私たちは何のために戦っているのか」って、それは視聴者が一番知りたい気がする第7話。いや、そもそもあなたたち今戦ってないじゃん。 しかし、前回までののんべんだらりとした展開が、今回のエピソードで一気に引き締まり、なおかついくつかの疑問が解決し、さらなる疑問が山積された。この物語の「行く末」が見えないのは相変わらずなのだが、「来し方」は見えてきた。バックグラウンドが曖昧な形でも提示されれば、そこにはぐっと奥行きが出来るものだ。 まず、今回分かったことをおさらいしよう。今回の主人公はフィリシアだったわけだが、彼女の過去の体験を通じて、この国に戦禍の爪痕を残した「戦争」とは何だったのかが描かれた。これまであるのかないのかもよく分からなかった「戦争」だが、実に濃密な描写でもって、それが「あった」ことを示してくれたわけだ。フィリシアは公式の情報では現在18歳らしいので、彼女の出陣したなんちゃら聖戦(征戦?)は、せいぜい5〜7年前と考えるべきだろう。これは一応、教会に戦災孤児がいることと帳尻があう。そして、その中で彼女はタケミカヅチ(と同型の戦車?)に乗っており、装填手として参戦している。これも公式ページからの情報だが、このときの相手は「隣国」である。 しかし、これとは別のもう1つの「戦争」がこの世界にはあった。それが、フィリシアが落下した穴の中にいた兵士の亡骸が体験した「敗戦」である。彼のイメージは、タケミカヅチの様な多脚戦車がビル街に大挙して攻め入り、現代社会をも凌駕する兵器で焼け野原を生み出す様子がフラッシュバックしている。フィリシアの参加した戦争も火力などは現代のそれに近いが、彼の経験した「戦争」はそれ以上のもの。そして、みたところその相手は「隣国」とは言い切れない、もっと何か他のものであるようだ。そして、そんな兵士は、「この世界は滅び行く過程の残滓でしかない」と告げる。フィリシアが過去の戦友と眺めた「生命のない海」、そして砦を囲む不毛の大地(ノーマンズランド)など、この世界は明らかに何かが失われており、どうやらそれは、亡骸兵士の味わった「敗戦」の結果であるようだ。宇宙人の侵略、大自然の復讐、高度に成長しすぎた文明どうしの無益なつぶし合い。様々な可能性が考えられるが、とにかくこの世界は、どこかで一度「終わって」いたわけだ。 そしてこの「終わっていた」ことは、はるか昔のことなのでカナタたちのように認識していない者も多い。「旧時代」という言葉やイデア文字の存在など、過去の文明を示唆する設定は多いのだが、それはあくまで「過去」であって、それなりに生活が送れている現代の文明とのリンクは薄い。「旧時代」と「現代」の繋がりは、カナタやクレハの中ではあくまで「過去」と「その後」だろう。しかし、フィリシアが見てきた風景の中では、それは「終わり」と「残滓」である。この差は決定的であり、絶望的だ。フィリシアは「聖戦」において隣国と争い、戦友を失ったわけだが、それは、「残滓」にしがみついた矮小な人間達の、無益な小競り合いの意味しかないのだから。 カナタたちに見える世界と、フィリシアに見える世界。この2つの像の差が、後半の花火から精霊流しのシーンにかけて、じわりじわりと影を落とす。フィリシアはカナタに「誰を流すのか」と問われ、「自分に大切なことを教えてくれた人」といいながらあの亡骸の兵士を思い出す。彼女にとっての「大切なこと」とは、兵士の伝えた絶望的な世界の真実である。リオがいくらすがってみても、フィリシアは彼女の心配をのらりくらりとかわしてみせるし、カナタのまっすぐな懇願にも、彼女は肩を抱き、「あなたはそのままでいて」と諭して自分の胸の内は吐露していない。当たり前だ。「世界は終わっている」など、カナタを目の前にして言えるわけがないのだから。「この世界に意味なんかない」という結論を得てしまったフィリシアと、「この世界は素敵に満ちている」という希望を持つカナタ。見いる先は全く異なっている。フィリシアは「未来の意味を自分で見つける」と思い直してカナタや子供達に「未来」を見いだした。それはカナタたちにとって、希望となるのか、過ぎたる荷となるのか。 今回は、「世界の真実」と、戦友を失った戦争体験という2つの重荷を他人と分け合うことなく一身に背負ったフィリシアの様子を見るだけで本当に辛い話であったが、その陰で他の隊員についてもいくつか新たな切り口が。クレハは、お気楽な顔で暮らしながらも、やはり両親を失っている孤児であることが分かる。彼女も戦災孤児なのだろうか。ノエルは、ただ1人フィリシアと同じ戦場を体験していたとのこと。フィリシアよりも3歳も若い彼女のこと、兵として体験したのではなく、被災者としてそこにいたということだろうか。彼女のタケミカヅチへのこだわりは、過去の体験に根ざしたものだろうか。そしてリオは、最後に教会の司祭から驚かれていたのが気になる。あ、でもひょっとしたらカナタの方かな。リオはフィリシアを救助しにきた皇女殿下とイメージが被るのが気になるところである。 人が生きることには、意味があると言えばあるだろうし、無いといえばこれっぽちもない。あの砦に5人が集まっていることの意味は、これからの物語で決定づけていく部分だ。今回のフィリシアは、表面上は他の隊員達に気を遣う優秀な「指揮官」であり続けているが、カナタたちとは決定的にかみ合わないことが台詞のやりとりから伝わってくる。最終回までに、この世界が救われることはあるのだろうか。 まだまだ混迷を極める、謎膨らむ第6話。だからさ、軍備というものがどの程度必要なのかも分からないようなセッティングで「収入源に疑問を持て」って言われても、無理だと思いません? 今回はちょいと趣向を凝らしてカナタの休日の模様をAパートとBパートで時系列を重ね、1121小隊の「副業」を巡る話と、カナタが修道院の女の子を助ける話を2つの視点から描いていく。その構成自体はそつなくこなしており、Aパートで起こった事件の裏側がBパートで明かされていくのは単純に面白かったし、休日で仕事を忘れたはずのカナタのオフが、実は小隊の裏稼業と切っても切れない奇妙な位置関係で連動して動いていたことが分かると、カナタを取り巻く何とも奇妙な「絆」のようなものが感じられる。正直言うと女の子と髪を結う話はどうでもいい気がするのだが、一応良い話になっているので突っ込むべきところではないだろう。敢えて言うとするなら、「髪は一番大切な人に結ってもらいなさい」っていう女の子の母親の遺言の意味がよく分からないことくらい。 問題となるのは、やはりAパートで起こったマフィアとの騒動である。まず、1121小隊が副業で酒の密造をしていたという事実。酒には疎いのでちょっと調べたのだが、「カルバドス」はフランスで作られるリンゴの醸造酒で、しかも原産地呼称規制(AOC)の対象である。つまり、フランスがみとめた地域で作られたもの以外はカルバドスとは呼べないはずなのだ。まぁ、この世界がそんな厳正な規格まで受け継いでいるとは思えないので名称についてはさして問題ないのだが、いくら辺境の地とはいえ、未成年の、しかも少女だらけの要塞で酒の密造を伝統的に行っているという構図はいかがなものか。これが「堂々と作っています」ならばそういうものだと受け入れられるのだが、彼女たちの話を聞く限りでは税法などを無視した完全な違法行為ということ。それを平然とやってのけ、さらに利権の臭いをかぎつけたマフィアまで追い払ってしまうとなると、ちょっと今までの彼女たちに対する見方を改める必要が出てくる。というか、はっきり言ってキャラに合っていない。今まで酒の話などおくびにも出さなかったし、日常生活において多忙を極めているような描写もない。それなりの量の酒があったから醸造施設はそれなりの規模になるはずなのだが、隊員4人が関わっていることなのにカナタが一切気付いていないというのはどういうことだろうか。おそらくよほど注意を払って彼女に気付かれないように作業をしていたということなのだろうが、何故そんなことをする必要があるのか。カナタだって立派な隊員になったわけだし、そこまで杓子定規で怒り出すような人間にも見えない。さっさと「事業」の説明をして、作業人員としてかり出した方がいい気がするのだが。 そして、そもそも「何故彼女たちが密造を続けているのか」が分からない。一番の理由は街の人達からのニーズがあるということなんだろうが、今回のシナリオだけをみると、どうしても「遊ぶ金ほしさにやった」という風にしか見えない。カナタは初任給をもらって素直に喜んでいたが、その資金の出所が「後ろ暗いせいで自分にだけ秘密にし、他の隊員が法を犯して稼いだもの」と知ったら彼女は少なからずショックを受けると思うのだが……そうした倫理観や金銭意識など、これまで一切描写されてこなかった部分で余計な揺さぶりをかけられたせいで、どうにも隊員たちのキャラクターが歪んで見えてしまうのだ。今回のエピソードには、何か重要な意味があるのだろうか。 そして当然、この密造稼業はこれまで再三疑問として浮上してきたこの国の「戦争」についても揺さぶりをかける。これまでは「戦争がいつ再開するか分からないので、辺境の地でも少女達が甲斐甲斐しく軍を形作っている」という物語になっていたはずが、砦に駐屯する目的に「商売」という項目が加わったことで、彼女たちの軍に対する、戦争に対するモチベーションまで揺らいでしまっている。しかも、この裏事業はあくまで政府には秘密なのである。こんな軍隊を僻地に置いておくような国家は果たして大丈夫なのだろうか。まぁ、僻地だからこそのフリーダムなのかもしれないが…… なんだか世界観もキャラクターもぐにゃぐにゃと歪んで捉えどころのない本作。一体どのような結末を迎えるというのだろうか。もう、軍服でなくて私服で出歩いて変なTシャツ選んでるカナタが唯にしか見えねぇや。 |
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