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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 引き続き、重くて苦しい話が続いております第13話。一応2クールの半分を超えてエンディングがさし変わったりしているのですが、なかなかこの作品で「心機一転!」ってなことにはなりそうもないですね。

 今回も主な話題としては2つのパートがあるので、それを分けて見ていこう。まず、前回からの引きで行われた、冠葉と渡瀬の対話を中心とした陽鞠の復活劇。「復活劇」とは言ったものの、これまでのプリンセスのような劇的な登場は一切なく、静かに息を引き取ったと思われた陽鞠が、ゆっくりとバイタルを回復していく様子を描いたもの。そこに至るまでには、謎の図書館司書・渡瀬と、命がけの冠葉のどこかかみ合っていないような何とも据わりの悪い議論が展開されていく。

 渡瀬が持ち出したのは、トランクにいっぱいのリンゴと、そこから転化した謎の「新薬」。真っ赤なアンプルを注入することで、一時はマイナス(?!)に落ちていた陽鞠の生命状態はゆっくりと戻っていった。しかし、それはあくまで一時しのぎにしかなっておらず、晶馬が語る「メリーさんの羊」の寓話では、これは女神が「更に罰を与える」ために施したものであることが暗示されている。渡瀬はアンプルのことを「御伽話でいうところの王子様のキスのようなものだ」と言ったが、キスで目覚めた白雪姫が昏倒する原因となったのが毒リンゴであることも周知のこと。また、リンゴはアダムとイブが手にしてしまった知恵の木の実、禁断の果実としての含意もあるのだろう。今回は、トランクから姿を現した後も、至る所でリンゴが象徴的に用いられるようになっており、この作品における「リンゴ」の占める位置が少しずつ大きくなってきている。

 確認してみると、まずは真っ赤なアンプルになった生命の象徴たるリンゴ。倒れ伏した陽鞠の足下にも同じように置かれており、「命」が陽鞠に移ったことが語られている(息を吹き返した陽鞠の足下からはリンゴが消えている)。これは、後に3年前の回想シーンに入った時、ずっと高倉家の玄関に置かれた3つのリンゴとも符合するかもしれない。このタイミングにおいては、まだ高倉家で何も知らずに平和に暮らしていた3人の子供達がおり、その生命力が3つの真っ赤なリンゴの存在によって引き立っている。

 また、リンゴは渡瀬と電話で会話した夏芽の家にも見られた。こちらのリンゴは、ウサギ型に加工されており、小さくなっているおかげであまり「生命」というイメージは湧かない。むしろ、リンゴ型に加工された2対の剥きリンゴは、2羽のウサギとの対比が顕著で、夏芽と渡瀬の立ち位置の妙が現れているようにも見える。現時点では、渡瀬は夏芽よりも明らかに上におり、「実際に動く生命を宿したウサギ(時に人間に化ける)」の所有者である渡瀬と、「リンゴで作られた偽のウサギ」しか持たない夏芽の差別化が、リンゴで語られているようである。ちなみに、作中で最も目立つリンゴである荻野目苹果については、今回父親との関係を処理し、どこか浄化されたようにも見えた。彼女が一足先に受け入れた「運命」は、運命の観測者たる渡瀬の調査対象に入っていたのだろうか。

 渡瀬の存在は、現時点においてはやはりまだ謎が多い。途中、無限の図書館で独白した彼の言葉からすると、どうやら渡瀬はプリンセスと同じ次元に立つものであることだけは想像出来る。ピングドラムを探せと命じるプリンセスと、彼女に命じられた高倉兄弟に「一緒のピングドラムを探そう」と持ちかけた渡瀬。プリンセスは兄弟に「何者にもなれない」と宣告し、渡瀬は「運命は本当にあるのか」を探求している。「運命」に翻弄される高倉家は、プリンセスと渡瀬の、どちらにとって都合の良い存在となっているのだろうか。

 渡瀬を巡るあれこれと並行して際立つ2つ目の見せ場は、「犯罪者の子供」としての高倉兄弟の描写である。両親を待つ、ごくごく日常的な風景が突然破壊され、警察の介入によって両親と別れることになってしまった3兄弟。まだ幼い彼らに現実を受け入れられるはずもなく、子供達は必死に両親の無実を訴えるだけだ。しかし、作品の外殻を見る限りでは、どうも高倉夫妻が11年前の事件に荷担していたことは紛れもない事実であるようだ。「凶悪犯罪の主犯格の子供達の物語」というのは、少なくともこれまでのアニメ業界の中では見たことが無い視点の物語で、何ともやるせないスタンスや、それでも信じ続けたいという子供らしい純粋さが、視聴者の胸をギリギリと締め付ける。これまで3ヶ月にわたって、我々は幸せな高倉家の様子と、回想の中の優しそうな両親を見ている。つまり、冠葉や晶馬と同様に、「あの両親が犯罪に手を染めていたなんて」という、受け入れがたい残酷な真実を突きつけられる形になっているのだ。こうした作劇は今まで無かったものなので、新鮮である反面、なかなかに辛いものである。

 しかも、この「凶悪犯としての両親」が、もっと下世話に、近しく描かれていればどこかに落としどころもあるのだろうが、今回のエピソードにおいて、高倉夫妻は異様とも言えるくらいに「存在が無い」。回想シーンに優しかった両親が出てくるわけでもなし、実際に犯行に手を染めた後に必死に警察から逃げる描写があるわけでもなし。苹果がわざわざ多蕗に高倉夫妻のことを尋ねに行ったのだが、被害者の友人という「生々しさを持つ」はずの関係者の口からも、「現実感がなく、目の前に彼らが現れたとしても、怒りが湧くのかどうか」というぼんやりしたこたえ。そこには「凶悪犯としての人物像」が描かれていない。

 付け加えるなら、前述した「高倉家に存在していた3つのリンゴ」も象徴的であり、あの回想において、既に3年前の時点で、高倉家には冠葉たち3人しか存在していないかのように描写されており、両親の存在は徹底的に排除されている。これは単なる作画のミスなのかもしれないが、健気に両親を待つ3人の子供達がちゃぶ台を囲む位置取りが、明らかにおかしいのだ。たくさんの料理が置かれているのは、決して大きくないちゃぶ台である。両親が仕事から戻って「一緒に食事を摂る」ことが家訓であるなら、大人2人分、それなりのスペースがちゃぶ台に空いていないとおかしいはずなのだ。それなのに、子供達は何故か均等に90度ずつの角度で席に着いている。そこには「残り2人の家族」が着席できるようには見えず、既に「3人だけの高倉家」と同じロケーションになってしまっているのである。「消えた両親」は、これから先で何を語り、何を隠すための存在なのだろうか。

 現時点において、「多分、これって2クールですっきりすることは無いんだろうな」というある種の覚悟は出来つつあるのがこの作品。何が起こっても不思議じゃないが、何も起こらなくても不思議じゃない。これだけの重苦しさと「きつさ」を伴った作劇がこれからも続いて行くのだとしたら、もう、それだけで1つの完成品だ。

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○「P4 Persona4 the ANIMATION」 4

 MBSで多めのCMが打たれていた、いわゆるTBSアニメ枠新作。それなりに有名なゲームが原作であるし、この枠はそこそこ制作に金も出るだろうポジションなので、それなりの期待がかかる作品といえるだろうか。なんてったって「BLOOD-C」の後枠ですし。ま、あたしゃアトラス系のゲームについては一切知識がないんですがね。

 監督は岸誠二。岸監督については、私の綿密かつ繊細かつ精緻な分析により、「原作ありなら○、オリジナルだとあかん」という結論が得られているわけだが(異論は他所に)、この作品の場合……どうなんだろう、原作ありといえなくもないけど、もとがゲームってのはちょっと違うかもしれない。そして、1つ前の監督作品である「神様ドォルズ」と同じく、こちらも1話の導入はもっさりした感じだ。制作はAICってことで作画面は可もなく不可もなくだが、おそらく原作のテイストを再現したものなのだろう、濃いめの陰影の付け方とか、細かい色彩設定に施されたグレデーションの様子とか、「手が込んでいる」というよりも「なんか煩い」気がしてしまう。だってさ、普通に考えて学生服に白みの強いグラデなんてかからないだろ。リアルを追究しているのではなく「そういう味」なのかもしれないけど、初見の視聴者にはあんまりプラス方向に働く効果が出ているように見えないんだ。

 シナリオ面については、導入としては分かりやすい部類だし、導入された謎や設定も直感的に分かりやすいものなので、初見であることのハンディは無い。何の抵抗もなくテレビに吸い込まれていく主人公やら、テレビの中で出会った謎のクマ(?)のよく分からない存在感など、なかなか面白そうな場面もちょいちょいあった。ただ、一番の見せ場となるはずのペルソナの覚醒シーンが何だか平坦で、そこはすごく勿体無い気がした。せっかくの「絶対的な力」「超常的な設定」なのに、なんだかするっと登場して、しかもあんまり「圧倒的な力」って感じもしない(訳の分からない化け物たちがどのくらい怖いのかが描写されていないので、そんな連中を蹴散らしても説得力に繋がらない)。そこをもっと阿漕に盛り上げるだけでも「1話目らしさ」はもうちょっと変わってきたと思うのだけども。ふぅむ。

 まぁ、色々と重箱の隅は突いてみましたが、1話目ではやっぱり「ふーん」ってな感じが強いので、あとは2話目以降にどう盛り上げていくかですよね。何にも言ってないのと同じ感想で申し訳ない。申し訳ないついでに、中の人の話をしようか。メインが浪川先生と堀江由衣、それに森久保祥太郎というラインナップで、あまり見かけない組み合わせなのでこの3人の掛け合いは割と楽しい。浪川先生は「口数少ななクールキャラ」なのであまりボロが出ない(失礼)設定で、その上でペルソナの声も入れているので色々と楽しめそうな位置取り。ヒロイン勢が堀江由衣・小清水亜美という双子コンビ(フタコイ的に)なのも楽しそう。キャスト的にはこれからも楽しそうな名前が出てくるので、そちらも期待はしておこう。ちなみに、主人公たちの担任の先生の声を聞いて「あー、どっかで聞いたんだよ。あの人だよあの人! ほら、思い出せないなー、よく聞く声なんだけどなー、誰だっけかなー、年取ると本当に記憶力がなー」と延々思いだそうとしてて、Aパート終わりくらいで「あ、袁紹様だ……別にそんなによく聞く声優でもなかった……」と思い出した。三国無双シリーズの袁紹役、龍谷修武。メジャー声優じゃないけど、袁紹様のキャラがお気に入りだったので、結構好きな役者さんです。

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○「ましろ色シンフォニー –The color of lovers-」 4

 なんだか久し振りに純正ギャルゲアニメを見るなー、と思ったが、単に個人的に「星空へ架かる橋」の視聴を切ったせいだった。まぁ、当方残念ながらギャルゲ耐性が全く無いので、この手のアニメを見るモチベーションが維持できないことが多いのでね。この作品も、正直言うと「あわよくば切ろう」くらいのスタンスで視聴している感がある。

 1話目の幕開けは、非常にゆっくりしたものになった。Aパートがほとんど妹と2人の絡みに費やされ、何の先入観も予備知識も無しに見たら、これって妹がメインヒロイン? と思えるような展開。Bパートまで見れば生徒会長の方がメインっぽいのは分かるのだが、その出会いを描くためとはいえ、あそこまでシトシトと雨の降る「決戦前夜」を描くというのは、この手の作品では割と珍しい構成なんじゃなかろうか。今まで生み出されてきた有象無象のギャルゲアニメといえば、1話目は必ず主人公かヒロインのどっちかが転校する朝から幕を開けるものだからね。

 「夜」パートからスタートしたことにも現れているように、何だか不思議とゆったりして、初見の人間でもついていきやすいように配慮されている導入は決して悪いものではない。相変わらず無茶苦茶な転校設定も説明がゆっくりしていたおかげで理解出来るレベルであるし、後半一気に顔見せしたヒロイン勢も、メインヒロインの衝撃発言で次回に引くという繋ぎのおかげで、「あ、今回はまだ顔を覚えなくてもいいんだ」と安心できるので、別に気にならないレベル。ま、結局は十把一絡げで「いつも通りのキャラ達」にしか見えないのは難点なのだが、これくらいのスピードならばマシな方なのではなかろうか。「野良メイド」なんて無茶苦茶な単語も飛び出してきましたが、世の中には捨てメイドやメイドの墓場が出てきた漫画だってあるんだし、まだまだ大丈夫。

 制作はマングローブってことで、作画面はかなり安定している。冒頭の雨に濡れる夜の雰囲気なんかはよく出ていたし、キャラ作画はちょっと心配な部分もありつつ、謎の猫型生物の愛らしさなどはプラスポイント(あいつ、作中人物視点から見ても猫じゃないんだよな……)。監督は我が心のアニメである「ささめきこと」を担当した菅沼栄治。再び私の心に引っかかる何かを期待したい(何だか分かんないけど)。女子校を舞台にこのまま百合展開になれば、あるいはっ! 

 とまぁ、見るべき点、見づらい点はちょこちょこあるんだけど、やっぱりギャルゲ展開を見ているだけで個人的にはあんまりモチベーションがあがらんのですよ。何が悪いってこともないのだが……こればかりは持って生まれた趣味趣向としかいいようがないかなぁ。男子学生が女子校に乗り込むとか、貞操観念の薄い妹とか、必ずいるやたらノリの軽い男友達(声が鈴木達央的な)とか……この辺の設定は作品によって変えたらいかんもんかねぇ。この手のゲームのプレイヤーはよくもまぁ飽きないものだと感心するのである。まぁ、はたからみりゃ、毎年飽きもせず「似たような」アニメばかり見ている人間も同じに映るんだろうけどね。

 あ、でもエンディングはすごく良かった。一足先にひだまった気分ですね。エンディング画面みたいなさりげないところでセンスが出たところをみると、やっぱり菅沼さんは悪い監督じゃない気がしますわ。

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○「君と僕。」 3

 これは……分からない。面白いとか、面白くないとかじゃなくて、ワカラナイ。そして、そうは言っても、これまで数多見てきた腐女子向け作品を観たときの「理解出来ない」とも違うものだ。どう楽しんでいいのかが分からない。こいつぁなかなか面倒なものが現れたぞ。

 アニメの楽しみ方なんてものは受け手によって色々変化するし、1つの作品に紋切り型の1つの楽しみしかないわけではないので、それを「どう楽しむ作品なのか」と説明するのは難しいが、「何が楽しかったか」ならばある程度特定出来る部分だろう。しかし、この作品には、まずそのきっかけがない。男子高校生4人が主人公の時点で、いわゆる「腐女子向け」の楽しみ方は当然あるだろうし、あるんだったら私はそれを理解出来ないはずなので仕方ないが、どうも、初見の印象ではそっち方面の方々が喜んで飛びついてくるような作りにも見えないんですよ。「うたプリ」みたいな馬鹿馬鹿しさもなく、「世界一初恋」のような根深さもなく、「薄桜鬼」のようなお耽美さも感じられない。ただひたすら描写がユルくて、このテンポじゃぁ妄想するにもコストパフォーマンスが悪そうだ。

 だったら、「オフビート」という便利な言葉がある。いわゆる萌え四コマ的な「だらだらした日常を楽しむ」という奴だ。ただ、それにしたってどこに焦点が当てたいのかの基準が見えてこない。まずもって、タイトルの「君」と「僕」が誰だか分からないのだ。ロン毛が一番視聴者にものの見方を提供してくれていたとは思うが、奴よりも黒髪の方がスタンス的に主人公っぽい。そして、どちらが主人公だとしても、「日常もの」に必要な「最低限の起爆力」が不足している。あんまり面白いと思わなかった「Aちゃんねる」ですら、主人公のるんにはそれなりの起爆剤が用意されていたのに、この作品にはそれがない。

 それなら、純粋に「シュールなギャグ」なのか? 一応、双子の超人設定や、何度も同じようなことを繰り返す天丼の様子を見れば、ギャグとしてのスタンスは明確。ただ、それにしてはネタの押し方がおかしい。具体的なシーンで切り取ってみると、例えば双子がバスケ部に参加して初めてパスをもらうシーン。思わず避けた双子の描写が入り、そこですぐに突っ込みに回ればギャグとしてのテンポが刻めるはずなのに、何故か一切必要性が感じられない「壁にぶつかって転がるボール」のカットが入る。そのおかげで、ネタのやりとりとしては致命的なタイムラグが発生し、「ユルい」を通り越して「ダレた」演出になってしまっている。他にも、「クッキング部」のくだりでは、オチが「刃物をそのまま手渡す」というものだったのに、その前に別にいらない気がする「じゃがいもの皮をめっちゃ速く剥く」というシーンが入る。「何故双子が料理に向かないか」の説明エピソードとして完全に不要な部分で、おかげでオチが全く機能しなくなっている。ギャグ漫画だとすると、やはり致命的に狙いがおかしい。

 となると、やっぱりこれは「ギャグアニメ」ではない。「男子高校生の妙な日常」アニメだ。しかも、ギャグのテンポを悪くして、更にところどころに無駄な真面目ぶりを混ぜて腰を折り、キャラが基本的に不愉快なことしか言わないという、「日常アニメ」だ。さて、一体誰がそれを求めているというのだろうか?

 原作を知らないので何とも言えないのだが、アニメ単体で見ても絵の印象が薄くて、最近だと一番イメージが近いのが「森田さん」っていうレベル。5分流れるだけなら気にならないけど、この雰囲気で30分やられると、拠り所が無くて不安になってくる。どこか崩れている、というわけでもないし、「ユルさ」を出したいというのならば結果は伴っているはずだが、はたしてそれが狙いなのかも分からないので許容しがたい。やっぱり、最終的な結論は「つまらない」じゃなくて「分からない」なのである。なんじゃいこりゃ。しばらく見ているとそのうちこれの良さが分かるようになるんだろうか……

 切ってもいいものかなぁ……でも神戸監督とJ.C.だろ? そんなに大きなハズレが飛び出すという気もしないのだが……うぅむ……夏に切った作品が「R−15」だけで、あそこまでひどいものにはなってないと思うのだが……

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「ダンタリアンの書架」 4→5

 この作品の1話で惚れ惚れしたのはその壮絶なまでの背景美術。実写取り込みからの加工で本当に実写をそのまま使っているかのような斬新過ぎる技術力は、「確かにすげぇ! ……でもすげぇだけだ!」というインパクトを残した。いかんせん、1話目ではその「凄さ」が内容を伴っておらず、「むっちゃ背景が綺麗なだけのアニメ」になっていた。そして、そんな流れのダラダラが中盤まで続くことになる。何とか途中のモチベーションが維持できたのは、ものすごく怖いエンディングで夜中に背筋を冷やすのが楽しかったおかげかもしれない。

 しかし、中盤以降に多少なりともそんな視聴スタンスには変化があった。毎回毎回ダリアンとヒューイが幻書の巻き起こすトラブルに首を突っ込んで、それを詠唱からの解放で解決する、というだけの流れが、何ともトリッキーな形に捻れていったのだ。それが端的に出たのが小林治の真骨頂となった9話だろうが、その他にも6話、8話、10話などもどこか妙な捻れ具合を見せており、「これなら世界観を統一するための強烈な背景も意味があるかな」と思えるようにはなっていった。やはり仕事師集団としてのGAINAXは、生半な仕事はしないらしい。

 こうした何とも不安定な「変化の多様さ」は、目先を変えて視聴者を揺さぶるのに一役買っており、「今回は一体何が出てくるんだろう?」と期待半分、不安半分。ワクワクするというよりも疑心暗鬼で斜に構えて見てしまう元凶にもなっていたと思うが、ある程度「本気で」アニメを見せてしまえれば、作り手側としてはしてやったりだろう。

 ただ、やはりそうした多様さが不安定さに繋がってしまったのも事実。この野放図な広がりは原作の持つ特徴だったのだろうが、1本のアニメシリーズとして見た場合、帰着する根源が見いだしづらく、何が出てきてもそのエピソード単体としての評価になってしまう傾向にある。1話1話で魅せられる、といえば聞こえはいいのだが、むしろ「他の話数と比較出来ない」ということであり、フワフワしてシリーズのファンとして取っつきにくいのは勿体無い部分だ。最終的にトータルすれば、充分に観る価値のある作品であったとは思えたので、点数は少しだけ上げた。GAINAXは相変わらず癖が強いので、ハマるときとそうでないときのギャップが激しいのは本当に悩ましいな。

 最後は当然中の人の話。今作は一貫して登場したのがヒューイとダリアンだけ。だったらこの2人についてしか語りようがないのだが、みゆきちと小野Dについては、もうあんまり言うことも無し。みゆきちはこの手のキャラは案外久し振り? もちろん、様々なフォームに変身する難度の高い演技もどこ吹く風で。キャラ単体で見ると、あみっけのやってたフランがお気に入り。あの蓮っ葉さと、気持ちいい低音の響きは小清水でないと出ないとこですわ。

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○「森田さんは無口。2」 ー

 終わってないじゃないですかー!! どういうことなんですか?! 2期て。2期って! 何も変わってないじゃない! いや、オープニングは変わったし、新キャラ出てきたけど……いや、そういうこっちゃないんだ。別に2期っていう必要無いでしょう! 2期っていうのはな、せっかくシンアスカを出したと思ったのに結局出番が無くなったり、冬樹っていうオリキャラが出てきたのに原作ファンの間では無かったことにされたり、突然主人公にロロっていう名前の弟がいたり、そういうのをいうんじゃないの? これって何さ! だから大人は汚いんだ! しばいぬ子さん、これからもよろしく。

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 放送終了記念、まとめの感想を記す替わりに、タイトル通りの企画。1つ1つのシナリオは嵐のように過ぎ去っていったが、「声に出して読みたい都道府犬語」があなたにもきっとあるはず。そんな想い出の数々を、1つずつ綴っていきます。

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○「たまゆら〜hitotose〜」 6

 今期注目作品第2弾。「ファイ・ブレイン」が先に始まったのでちょっと拍子抜けではあるが、こちらこそが純正の、サトジュン作品ど真ん中である。

 「たまゆら」自体は昨年中に既にOVA版が制作・放送されていたのだが、そのタイミングでの視聴が叶わず、後で気づいて歯がみした記憶があるのだが、今回この地上波版の放送に合わせてか、ちょっと前にATーXで一挙放送してくれていたので、それでまとめて視聴することが出来た。もう、いかにもって感じでしたわね。キャスト的に近いのは「うみものがたり」の方だけど、狙った路線は「ARIA」的なもの。何気ない日常に得も言われぬ幸せを見つけ出す女の子たちの物語。灯里ではなく楓(ふう)ちゃんになり、ネオ・ヴェネツィアではなく瀬戸内になっているが、カメラを中心とした物語の根源は一緒。「女の子は、女の子だから可愛いのである」とでも言わんばかりの、「萌え」の珠玉を知るサトジュンだからこそ可能な、超高密度ほのぼのファンタジーなのである。

 さて、テレビシリーズの幕開けとなった1話目は、まさかの過去話からスタート。楓がどのようにして父親との別離から立ち直り、そこから旧友たちとの生活に関わっていくかを描いた、いわば始まりの物語。そこには相変わらず本当の優しさを備えた人々で溢れており、どこを見回しても悪意など一欠片もない。ファンタジーといえば本当にファンタジーなのだが、これでアニメーションが成立してしまうというのだから凄まじい。最終的に全ての要素が「可愛らしさ」へと還元され、最後に残るのは一時の暖かみと幸福感。そういう目的で作られた作品なのだから、そういう結果が最善の形で現れたら完成なのである。エンディングテーマへの入り方なんかは、分かっていても思わずうるっと来てしまう絶妙な構成。「良い最終回だったな……」と一話目から溜息である。

 もちろん、こうしてあまりに純度の高いものが生み出される背景には、チームサトジュンが長年培ってきたノウハウがある。ハルフィルムの作り出す世界は、季節感を肌で感じさせてくれる近さを持っており、それにも関わらず、決して俗世とは交わらない、超越的な「心やすさ」も併せ持っている。何がどうなったらこのような特別な感情が湧くものかは正確に言及することも出来ないが、徹底的に描いて描いて、その上で必要な要素だけを残した世界背景と、最適化された舞台の中で動き回る精鋭としてのキャラクターのマッチングが、全ての空気を生み出しているのであろう。これがあと1クール続くのかと考えると、期待で脳が吹き飛びそうである。

 さて、この作品といえば(いや、他も大体そうだけど)やっぱり中の人である。竹達メインでしっくりきた作品は、実は初めてなんですよ。このくらいの声音が一番聞きやすくて良いのかもしれません(何度も繰り返しますが、私が一番好きな竹達キャラは「埼玉犬」です)。そして、その回りにはすっごくうみものがたりな面子がびっしりと配置されている。阿澄・儀武の問題児コンビと、ゲスト登場した寿美菜子だ。アスミスは実は「ARIA」にも出演していたので、これでチームサトジュンの看板女優と言えるポジションまで上り詰めた。ギブリンねぇさんは……うん、まぁ、これでいいや。そして、今回登場した楓の幼馴染みキャラを演じた寿だが、なんだか美奈子のキャラとしては初めて、「これは良い声である」と思った気がする。端々のアクセントで「あ、美奈子だ」とすぐ気づけたが、いつもよりも音域がかなり高くて、独特の裏返るみたいな引きつりが、面白い味になっていた。やっぱりなんだかんだ言って役者さんだなぁ、成長したなぁ、と思える良い役。他にも緒方恵美がこれまでならあり得なかったフツーのお母さん役で存分に見せ付けてくれたり、大原さやかが「適当脳天気ほわほわおねーちゃん」役で登場したり(今回は出てないけど)、素敵要素は一杯なので、今後も楽しみでございます。

 でもね、この作品の真の王者はね、ゆかちなんだよ。「これぞ井口裕香!!」と思わず拳を握る、ウザさ爆発のぶっ飛びハイテンションキャラ。確実にアフレコ現場で一番疲れているのはゆかちだろう(隣にもこたんもいるだろうしね)。さぁ、今後も何が出てくるやら、楽しみで仕方ないです。

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「逆境無頼カイジ 破戒録編」 6→6

 1話目で受けたインパクトって、多分慣れたらある程度落ち着けるものだったと思う。実際、飛び道具の立木ナレは少しずつ慣れていったし、似たような手法を採った「30歳の保険体育」と比べてそこまで面白いかっていうと、そうでもなかったし。だんだん落ち着いて見られるようになっていく……はずだったんだけど、思いの外楽しさが持続したのは嬉しい誤算だった。

 1期の時よりも印象が強烈なのは、多分原作はこちらの方が明らかにつまらないってことで先入観があったんだと思う。「どう料理したって沼編は沼編だろ。あり得ないくらい密度薄いし、ネタも大したことないじゃん」って思ってたのに、沼編に突入してからも意外なほどに引き込まれた。いや、実際中盤には中だるみしてた部分もあるんだろうけど、それを気にさせないだけの勢いがシリーズを通じて維持されていたんだ。最終回の締め方も実に格好良くて、これは明らかにアニメの力である。本当に愛されて、本当に力を入れて作ってもらっていることが分かる、幸せな作品でした。

 演出の方向性については1期や「アカギ」の頃から続いている流れを更にグレードアップさせたようなもので、麻雀牌や限定じゃんけんのカードでも多用されていたCGによるツールの描写が、無機質なサイコロやパチンコ台とマッチしていた。特にパチンコ玉が飛び回ったり、詰まったり、溢れかえったりする場面は、どうしても福本の画力じゃ迫力が出なかった部分。それを大仰なCGでガンガン誇張していくことで、無駄に盛り上がる謎のテンションが展開出来た。とにかく馬鹿馬鹿しいと分かっていながらも無駄に盛り上げてもらえれば、独特の福本節も輝いてこようというものだ。

 そして、なんといってもこの作品の場合、曲者揃いのキャストの見事さである。カイジ役の萩原聖人もすっかり馴染んでしまったし、その他遠藤やおっちゃんなど、脇を固めるキャストがいちいちクドい。三好が無駄に遊佐浩二、石田の息子なんか鳥海浩輔である。何その無駄遣い。そういうポイントを1つ1つ固めていくことで、この世界の胡散臭さにも磨きがかかるというものだ。

 もちろん、数多のキャストの中でも一際輝いていたのが、メインとなった悪役のご両人。チョーさんの大活躍については8話で個別に感想を書いたくらいだし、正直言うとあまり期待してなかった浪川大明神による一条も、お見事としかいうしかないだけの完成度になっていた。そうかー、一条にちゃんなみが選ばれたのは、最初の格好いい一条よりも駄目駄目一条へのギャップを狙ってのキャスティングだったか−。やっぱり使われる人間にはそれなりの理由があるもんですよ。おみそれ致した。

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自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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