最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
銀河楼蒸留所へようこそ、第5話。なんやねんこのアニメ(定期)。たった30分のワンエピソードで「駒田蒸留所」やら「Dr. STONE」やら「サクナヒメ」やら、いろんなアニメを飛び越えちゃった気がするぞ。 これまでのエピソードは1話の中になんか引っかかる部分というか、不穏なゾワリポイントが1つくらいはあったものだが、今回のお話は1話でテーマが完結して後腐れもなさそう(気づいてないだけかもしれないけど)。「酒(ウィスキー)」という題材を設定し、そこに描かれるテーマは「時間の蓄積」だろうか。タヌキ星人の来訪によって否が応にも動き出すホテルの、ヤチヨの時間。しかし、タヌキ星人も存外長命な種族だったようで、結局はだらだらと変化に乏しい時間が流れるだけだと思われたが、ついにここでヤチヨにも「変化」を実感できる要素ができた。まぁ、なんでそれがよりにもよって「酒造」なのかはよく分かりませんが。 当方、酒は飲まないのでぶっちゃけお酒をテーマにされてもほんとの意味で真に迫った部分は理解できないかもしれない。ことにウィスキーはちょろっと舐めただけでも「ヒィッ」ってなっちゃうくらいに苦手で、多分アルコール度数があがっちゃうと味もなんも分からない子供舌なので一生理解できないであろう嗜好品である。ただ、煙草と同様に酒も人類が長い歴史で培ってきた文化の一部であることは認めているし、それをテーマとして描かれた作品の美しさもなんとなくは感じている。ぶっちゃけ、今回ヤチヨが挑むタスクは酒造りだろうが温泉掘削だろうがなんでもいいのである。とにかく、「日々を積み重ね、変化した末に達成した」という実績が必要だった。これにより、200年近くに及ぶこのアニメの歴史に楔を打ち込んでいくのが目的なのだから。 「変化」という意味では、冒頭の触手星人来訪の時点でそのとっかかりは見えていた。以前植物型宇宙人が来た時には意思疎通が困難で必死にボディランゲージを駆使していたヤチヨさん。今回はきちんと言語による対話が可能になっており、それはポン子との長い生活の中で「宇宙共通語」を教えてもらったおかげ。作中では特に描かれていないが、やはりタヌキたちのおかげでヤチヨの時は進んでいるのである。そしてヘンテコな触手カップルによって「お酒がない!」という事実に気付かされ(あと独特すぎるコールとババアのよく分からんノリの良さにも気付かされ)、ホテル運営のサブタスクとして「ウィスキー作り」が設定された。多分酒造の難度で言えばまだワインとかの方が簡単だろうし、手っ取り早さで言えば日本酒も候補に上がるべきなのだが、そこは「オーナーのこだわり」というヤチヨさんが唯一守るべきものが最優先にあったがためのウィスキー。まぁ、「格調高いホテル」にも馴染むのでこれはこれで良さげな選択肢。 ウィスキーに欠かせない大麦なんかが日本の風土にどれくらい合うのかはよく分からないが、だいぶ気候も地質も変動しているようだし、何よりもヤチヨさんはオールジャンルで知識と実践を伴うハイパーロボットである。時間さえあれば人類が成し遂げてきた成果はだいたい再現可能なのだ(冷静に考えるととんでもないチートだが)。彼女がわかっていなかったことなんて、せいぜい自身に仕組まれたイースターエッグプログラムのことくらいである。今回のボーナスは「ナイスバディ」。酒を飲む際に、なんとなくそれっぽいボディに変化するので絵的にも安心である。いや、その脇でどう見ても幼児にしか見えないタヌキ姉弟が酒飲んでるんだけど。彼女らはヤチヨさんよりもさらに年上らしいからセーフもセーフなんですけどね。そもそも法など存在しないからね。 今回のお話が非常に清々しいのは、これまで害悪でしかなかったタヌキ連中が(利害の一致があったおかげで)純粋に協力体制になり、ふつーに役に立っていたことが理由かもしれない。ヤチヨさんに寄生するだけの畜生だと思っていたが、ちゃんと家族総出で手伝ってくれる場合は役に立つんだね。流石のヤチヨさんといえど、ウィスキー作りの1から全部始めたらそれこそ10年20年では片付けられていなかっただろう。農作から蒸留所の建築、技術の研鑽に風味の改善まで、ロボではできなかったこともタヌキのおかげで色々解決。ピートを求めて北海道まで行ってくれたり、やはり酒については並々ならぬこだわりがあるのかもしれない。ちなみに「北海道までの道中とかその辺で他の酒類の手がかりはなかったんだろうか」というのは気になる部分だが、まぁ、環境チェックロボから何の示唆もなかったので、多分日本全国満遍なく壊滅しているのは間違いないのだろう。こうなったら北は北海道から南は沖縄まで、全ては銀河楼の庭である。 完成したウィスキー、積み上げられた時間。「時間にも色はある」は蓋し名言。これまでヤチヨさんの目に映ってきた時間が少しずつ色褪せていたのは、やはりそこに変化も発展もなかったせいだ。久しぶりにオーナーの「夢」を思い出すことができたヤチヨさんは、これから先は、先人たちの遺志を乗り越えて、更なるサービス向上を目指してくれることだろう(ハイオクの力で)。……そういやヤチヨさんの燃料ってどこから補充してるんだろう……。 PR
1人N役系のネタってのはあると思うんですが、今回は雑多に「たくさんのキャラ」とかじゃなくて明確に設定が決まっている「6」役。よりにもよってそれを全て藤井ゆきよに演らせるというのが実に愉快である。いわゆる1つの青二キャスト的な采配でサブキャラに配されているだけかと思っていたが、なるほどこのネタのために仕込まれていたのか。それにしても……聞いてるうちに脳がぐわんぐわんしておかしくなってくる感覚が音声麻薬で最高でしたね。アフレコ現場はどうなってたんだよ。ロリッ子から未亡人まで、なんでもござれのゆきよマジックだ。 せっかくなのでこの作品についての中間報告をしておきますが、「ミステリアニメが云々」とか以前に、作画がちゃっちゃか崩壊したので残念枠になりました。あんまり力入れたくないならアニメ化するなよなぁ……。 引き続き白昼夢、第5話。九龍自体に懐かしさはないが、「スイカ」「金魚」とか、全部日本の「夏」につながるモチーフなのがこの眩むような光景の成立に寄与しているのかもしれない。 工藤の意味深な発言が多く、鯨井さんはなんとか正面から向き合おうといちいち判断を迫られる。ただまぁ、「きちんと向き合いたい」と思ってるなら工藤が教えるって言った時に全部聞いて欲しかったもんだけども……あらゆる事象が「こうかもしれない」という宙ぶらりんの状態で日常が進行していくため、鯨井さん目線だと確定事象が何一つ無く、明日にでも世界が空中分解してしまいそうな、そんな危うさと戦わなければいけないのがしんどいところ。 今回フィーチャーされたのは、そんな鯨井さんの頼りになる親友・ヨウメイ。よくよく考えれば彼女との付き合いもいつからなのか分からなかったり不安な部分はあるのだが、少なくともヨウメイは悪意のある人物ではなさそうだし、頼りにしてもいい人物なのだろう。しかし、そんなヨウメイ自身も不安定で揺さぶられてしまうあたりが九龍なわけで……でもまぁ、まだ悩みとしては軽い方なのかな。鯨井さんは鯨井Bという「自身」の幻影にとらわれているが、ヨウメイのお悩みはどうやら母親との関係性。むりやり「クローン」というテーマと結びつけるなら、両親というものは自身の遺伝子の半分に相当するわけで、人類が皆生まれながらに抱えている「半クローン」と言えなくもない存在だ(まぁ、それを言い出したら親族はみんなクローンになってしまうが)。そんな「すでにある自分の半身」によって生き方を定義されてしまうヨウメイ。そのことが彼女の人生を長らく規定し続けている。 でもまぁ、小難しい話を抜きにすれば、今のところ「ありがちな親子関係の話」なんだけどね。一応親元から飛び出して自活するという選択はすでに完了しているわけで、未だ折に触れて有名人の母親の影に悩まされることもあるにはあるが、一度振り切った過去なのであれば、まだ鯨井さんよりかは傷は軽い。そして鯨井さんにヨウメイがいるように、ヨウメイにも鯨井さんがいるのである。過去を捨てた女と過去が無い女。妙な関係性だが、今のところはうまくいってるんじゃないかしら。 そんな鯨井さんは少しずつ鯨井Bの足取りを追っていく。部屋で見つけた日本の小説、そしてダイヤの指輪。ヨウメイが「偽物の光」と言って好んでいたジルコニアと違い、「ダイヤ」は間違いなく「本物」を示唆するアイテムである。確実に残る「本物」の痕跡。そして何故か文字化けして追えない小説の続き。この世界はどうやら、鯨井さんの周りだけで何かが起こっているわけではなく、古本まで含めて世界の全てがどこかで歪んでいるということ。工藤は何を知っているのだろう。そして蛇沼院長は? まだまだ解決は遠そうだな。 摩訶不思議なアドベンチャー、第4話。ほんとに色んな表情を見せるアニメで、SF要素に始まってコメディ、スリラー、メロドラマ、今回はアクション&アドベンチャー盛りだくさんだよ。 まずもって、4話目になるってのに未だオープニングのヤチヨダンスを見てるだけで泣けてしまう状態を何とかしなきゃいけないんだけど、回を増すごとにヤチヨさんについてもどんどん新しい情報が出てくるので一切退屈してる暇がないのが凄まじい。今回一番重要だったヤチヨさんの機能は……「充電が不足すると目の下にクマができる」ですかね……なんやその機能。無駄な人間性を付与していった開発側のこだわりが怖い。そのくせセーフモードに入る時の挙動がいちいち怖かったり、チラチラと、時に大胆に「ロボ」としての側面も見せてくれちゃうのでドキドキするのよね。タヌキ一家の登場でこの世界に明確に「生命」が加わったことにより、ヤチヨさんたちは遠慮なくロボとしての側面を押し出せるようにもなった。まぁ、食事の席の嫁タヌキのあまりに人間性のない(逆にこれ以上人間的なものもないが)台詞などから、対比的にヤチヨさんの方の人間性がググッと見えてしまうあたりも実に倒錯的で面白い。 とはいえ、ロボも全てにおいて万能というわけではない。先週の狼藉が無かったかのように定住してしまっているタヌキ一家への接客において、1つ目の問題は「食事」であった。これまで150年もの間誰にも消費されない食事を作り続けてきた調理ロボさん。そのレパートリーはさぞかし素晴らしいものだろうと思っていたが、長期滞在のタヌキ一家はそこにも不満が。まぁ、嫁のマミさんが言っていた通り、一度美味しいと言った料理をヤチヨさんが馬鹿正直に出し続けてしまったのは純粋にロボ的な失態だったのだろうが、そこで「別な料理出して」と言わずにイヤミな対応をしてしまうあたりがこのタヌキどもの何とも気に食わないところでして。ヤチヨさんたちだって、限られた食材で頑張ってるというのに。しょんぼりしながらも未来に希望を持った調理ロボさんがもしかしたら今回一番人間味のあるキャラだったかもしれない。 というわけで食材調達探検隊。ポン子のおかげでヤチヨさんの活動に幅ができたのは事実だろう。これまでの同僚は業務に大きな制限がある専業ロボばかりで、せいぜいハエ取りロボさんが受付代行できる程度の汎用性。そこに遊撃隊としてのポン子が加わり、ヤチヨさんが積極的に「外の世界」へと繰り出せるようになった。そしてこの「外の世界」ってのも今作の見どころの1つ。某有名なんたらの惑星と違い、今作は「滅んだ後の地球です」というのは明言されている状態。なんなら「滅んだ後の銀座です」だな。おかげで「荒廃銀座」というビジュアル的な刺激に満ちた画面が広がっており、色んなところが実にアポカリプス。美術面の貢献がでかい。 そしてお話的には「霊長類が滅びただけでこうはならねぇだろ」というツッコミ待ちの劇的変化を遂げた土地の様子は非常に興味深いところで、100年スパンの変化なので街並みの砂漠化なんかはギリギリありえる範囲……ではないよなぁ。「Dr.STONE」の1000年の変化と比べてみると面白いかもしれない。まぁ、今作の場合は「宇宙外からの来訪者」という不確定要素があるから何が起こっても不思議じゃないんですけどね。今回登場した巨大ミミズだって、地球上の変化にとどまらずに確実に外宇宙から介入された証拠である。端的に考えるなら、こないだ来た植物型宇宙人さんが何かしらのきっかけを置いてっちゃったと考えるのが自然なんだけどね。環境チェックロボは150年絶えず監視は続けていたわけで、ここ数年での変化だったらそこそこ近い外的要因があったはずなので。ちなみにポン子が池に落としたあの草が何をもたらすかはまだ未知の状態。 さぁ、強敵の出現で一気に状況は緊迫。やたらアメリカンな台詞回しの環境チェックロボの武装は案外使えないことがわかってしまい、頼みの綱のヤチヨさんもバッテリー不足で今回はだいぶポンコツ気味。残されたポン子が1人(1匹)でとにかく頑張った。手のひらに肉球描かれてるの可愛いっすね。 普通に考えたら極限状態で「狸寝入り」が発動してしまうタヌキ星人はこんなスペクタクルには全くそぐわない配役なのだが、どうやら野生の本能が彼女を駆り立てたようで、一応はチェーンソーで立ち向か……いそうなところまでは頑張った。でもまぁ、所詮タヌキは雑食だからな。そこまで狩猟本能も強くないんだよ。結果的には予備バッテリーで復活したヤチヨさんの一本釣りでフィニッシュでした。でも、そこに至るまでのポン子のあれこれで彼女の根っこの部分の真面目さとか色々見られたのは収穫でしたね。 「ミミズでハンバーグ」というマクド都市伝説で実績解除したヤチヨさんはこれまでで一番要らなそうなボーナスをゲット。単に中の人が頑張るだけである。そしてポン子は命をいただくことの大切さを再確認。そりゃあんだけ命懸けで手に入れた食材だからな。ヒヨコだって、タヌキだって、巨大ミミズだって、みんなみんな、生きているんだ食材なんだ。 明日は我が身かもしれんがね。お子さんの食育に、このアニメを使いませんか? 謎が謎呼び第4話。前から書いてる通り、今作は原作が未完なので多分アニメでも何も明かされずに終わるんだろうな……という恐怖心はあるのだが、どうしても観てしまう妙な吸引力がある。 「懐かしさ」と「怪しさ」のミックス、特に「怪しさ」を醸し出す方に九龍という猥雑なシチュエーションが機能している。なんか近しい感覚を味わったことがあるな、と思って思い出したのは、知ってる人がどれくらいいるかは分からないが「GARAGE(ガラージュ)」というゲーム作品。何年か前にアプリでプレイしてたアドベンチャーゲームなのだが、とにかく不条理で意味不明な世界の中に、なんとも奇妙な懐かしさとか、抒情的なものを感じさせる不思議な味わいがクセになる世界観だった。本作はそこまでエキセントリックな世界ではないが、絶えずついて回る不安感とか、蒸気でむせかえるような空気感がどこか共通しているように思える。あと多分劇伴の不安定さの影響も大きいのかも。 とはいえ、本当に依って立つところがなければ単なる白昼夢になってしまいかねないので、少しずつ明かされる要素も出てきてはいる。まず、当たり前のこと(?)だがどうやらクローンは実在するらしい。クーロンのクローンとかいうダジャレにもならないような概念だが、多分上層部(?)に近い存在であろう蛇沼院長は一番詳しく知っているようだし、鯨井Bとの関わりを明確にもつ工藤ももちろん何かを知っている。ただ、知らぬは鯨井ばかりかと言われるとそうでもなくて、周りの友達らも別に「クローンは当然いるよ」とかいうスタンスにはなっておらず、現状では謎の存在である「ジェネテラ」の影響下で現実世界と大差ない生活がある中で、工藤だけが「鯨井の過去」と密接に関わり、もっと大きな枠組みで「クローンをなんやかやする計画」に噛んでいそうなのが蛇沼ということになるんだろうか。でも、蛇沼もよく分からずにタオ・グエンと2人して色々と探ってるんだよな。誰が悪いとかいう犯人探しの話にはなりそうにないが……。 そうなると今のところ作中で握ってる情報量が一番多いのは工藤ということになりそうだが、彼が「全部教えたろか」と提案したのを鯨井は「なんか聞くとやばそう」というので蹴ってしまった。視聴者目線では生殺し状態なのでたまったもんじゃないが、そうして「鯨井Bの情報」とのつながりが鯨井ちゃん本人の中にも眠っているということが、確かに「世界が揺らぐ原因」を匂わせているようにも見える。クローンがどういう存在なのかは分からないが、これだけ足元がおぼつかない現状では、余計な情報を入れてさらにアイデンティティを揺るがすのはリスキーだということなのだろう。実際、クローンとの関係性については、「同じ場所に存在すると消える」みたいなヤな設定も示唆されているわけで……どこから不幸が降って湧くか分かったもんじゃない。とはいえここから自力で調べられることがあるわけでもなく……本当に開き直って「新しい鯨井でいきますので、前のは忘れてください」とかいうしかなさそうだが。そんなんでいいんだろうか。 ちなみにクローンとして「抹消された」可能性が高い鯨井BのCVが山口由里子(代表役が赤木リツコ博士)というのは狙っての配役なのだろうか。だとしたらなかなかに悪趣味である。 光陰矢の如き50年、第3話。ほんとは他のアニメも溜まってるんですが、今週末は遠征なのでこの作品を放って出かけるわけにもいかず、順番を無視して先に試聴させてもらいます。優先度順のアニメ試聴で何が悪い(それをやると優先度の低いアニメがどんどん溜まっていくから避けてるんだけどね)。 3話目でも勢いは落ちず。というかヤチヨさんの愛らしさはストップ高ですね。現時点で心配してるのは、春クールでこんな素敵ヒロインが登場してしまって、今年度は対抗馬が出てくるかどうかということくらいです。何はさておいてもオープニング。あのダンスを見るだけでも1週間の疲れが全部吹っ飛ぶような快楽体験なんですが、改めて、楽曲のどこを見ても全部サビみたいなインパクトが凄まじい。今回のお話で新たなホテルクルーとなったタヌキ星人たちのスタンスも明らかになったし、今まで以上にオープニング映像も満喫できそうだ。 さてそのタヌキ星人。前回の植物型宇宙人から立て続けの来訪なのかと思ってたら間にさらに50年ブランクがあったあたりがこの作品の容赦ないところで。人類はね、「火の鳥」の時代から「待ち続けるロボット」というモチーフには弱いんですが、それを容赦なく重ねて「我々が放送を待ってる1週間でヤチヨさんは50年毎日欠かさず同じことをやり続けて待ってたんだが?」とかいうパンチを軽々と繰り出す。まぁ、当のヤチヨさんがイキイキと仕事してくれてるのが救いだけど……。「100年目であいつが来たんだから、もう100年は余裕っしょ」という彼女のメンタルは見習いたいところだが、最初の100年でホテルクルーの仲間たちがあれだけ力尽きているわけで、今回の50年、ドアマンロボも含む全ロボットが稼働したままで乗り越えられたのは奇跡に近い。今残ってる連中はほんとにタフネスが高い奴らばっかりなのか、ヤチヨさんがある程度メンテのスキルを磨いたおかげなのか。ハエトリロボさんなんて何かあったら一発で故障しちゃいそうでハラハラしますわ。 変わらぬ50年に刺激を与えに来たというのであれば聞こえはいいが、1話の間にさまざまなヘイトを溜めて「このアニメの行く先は、大丈夫か?」と思わせちゃう存在だったタヌキ星人たち。その所業は悪辣そのものであり、ふつーに考えたら憎まれ役。ヤチヨさんたちが必死にメンテを続けているホテルをボコボコにし、あまつさえ大事な大事なハエトリロボさんを故障の一歩手前にまで陥れたのだから、普通に考えたら切腹もんである。そりゃヤチヨさんがキレてくれなかったら視聴者が殴り込みに行ったところでしょうよ。しかし、そうして最終的にはヤチヨさんが実績解除して新たな「お客様との関係」にまで繋げられたのだから結果オーライとしようではないか。おそらくヤチヨさんは地球人の帰りを一番待ち望んではいるが、「ホテル経営のやりがい」だってきっと求めているはずだ。彼女の笑顔に何パーセントかのドヤが混ざる様子を見れば、きっとそこに幸せがある。 そして、悪逆の限りを尽くしたタヌキ星人一家であるが、今作のコンセプトとしては別に徹底した悪役を描きたいというわけではない。途中から免罪符として使い出したせいでクッソ印象が悪くなってしまったが、そりゃ「異星間コミュニケーション」なのだから互いの文化は尊重すべきだし、そこに軋轢が生まれればトラブルがゼロなんてことはないだろう。流石にロボットだけで運営しているホテルでは、「郷に入っては郷に従えよ」というにもちょい弱いからね。そして何より、ヤチヨさんは先週のお話で「異星人を認め、譲りあいながら共存共栄を目指す」という学びを得たのだ。あの心優しい植物型宇宙人と、今回のタヌキ星人を区別する理由もないはずなのである。下手に日本語でのコミュニケーションが取れてしまったがために、かえって面倒が増えるというのも因果なものだ。 そしてこのタヌキ星人、なんか知らんけどやたらきちんと「地球のタヌキ」にフィーチャーしているのは作り手側のこだわりなのだろうか。タヌキアニメ応援ブログとしてはそこは認めてやらにゃならんと思っているところで、まさか「タヌキらしさ」を表現するためによりにもよって「ため糞」を取り出してくるとは。他にも、びっくりした時にみんなしてコテンとひっくり返ってしまうのもあの「狸寝入り」の由来となったタヌキの習性。なんでそんなとこは徹底してるんだろう。これで将来的にタヌキ星人と地球のタヌキが同源でした、みたいな伏線回収があったらビビるぞ。まぁ、流石にタヌキ星のエピソードは嘘ではなかろうが……どこぞの家電好きの猫型宇宙人と似たような話だったな? まー、彼らの処遇はまだ保留ということで、今のところはヤチヨさんに刺激が増えたことを喜ぼう。ヘンテコな同居人が増えたことで一気にコメディに寄せられ、ヤチヨさんの百面相も盛大に楽しめるようになった……と思ったら、やっぱりビターな部分はしっかり残しておくのがこだわりなのだろうなぁ。「地球人がまだ生きていた」という完全なる誤解。こればかりはタヌキ星人を責めるのもお門違いかなぁ。彼らは多分ヤチヨさんのあまりに嬉しそうな表情を見て言い出せなかった部分も大きいだろうし……うーん、報われぬヤチヨさん。果たして彼女の業務が終わりを迎えることはあるのだろうか……。 そうか、これ実写映画も同時展開するのか、第3話。最近は割と多いビジネスモデルで、「天久鷹央」なんかもアニメが終わったと思ったら実写ドラマが始まるみたいなんですが……同じ内容を別メディアでほぼ同じタイミングでやる意味ってなんなんでしょうね。まぁ、確かに俺はアニメしか観ないだろうし、同様にドラマしか観ない層もいるんだろうからリーチする範囲が違うのだろうが……コスパが割に合ってるのかどうかはよく分からない。 そして、余計なお世話だろうが今作の場合はその良さを発揮するのに実写ドラマで大丈夫なのか、という心配はあったりする。何しろ主人公は「九龍」という土地そのものであるように見えるからだ。アニメはその辺の意識、「美意識」と言ってしまってもいいかもしれないが、とにかく狙ってる方向性が明確だし、描写も入念。特に作画がめっちゃ良い作品というわけではないはずなのだが、背景の置き方や細かいガジェットの配置などが本当に作中で言われる「懐かしさ」につながっているような感覚があり、熱に浮かされたみたいな不思議なお話がフラフラと当て所なく進んでいく雰囲気に実にマッチしている。これが実写になると、背景世界の作り込みのハードルがぐっと上がりそうな気がするのよね。九龍はすでに過去の遺物なわけでしょ? どこでロケするにしても胡散臭さが先に立ちそうだよなぁ。 また、アニメは全てが「作り物」なので視聴者の焦点を絞りやすいという利点もある。今回のお話でいえば、最初に工藤の回想で蘇る鯨井Bがいた頃の部屋の記憶と、現在リアタイで鯨井が住んでいる部屋の対比。「ぬいぐるみがある」「冷蔵庫に水がない」「でも洗面所の歯磨きチューブに加えて他のインテリアは同じものが多い」など、置かれている1つ1つの物品がさまざまな物語を語っているのだが、それらを自然に配置しつつ、他の物品に混ざり込まないように自然に「主張させる」描写ができている。これ、実写映画だとかなり胡散臭い描写を挟む必要がありそうなのよね。まぁ、その辺は私なんぞが想像もできないようなクリエイターがうまいこと画面を作ってくれるのだろうけど。他にもアニメでは「ひまわり」「金魚」などのアイテムを印象付ける描写が多いが、アニメだと金魚のオレンジやひまわりの黄色をパッと画面で際立たせる描写がやりやすいんだよね。その辺りが「美意識」である。 シナリオに関しては、思いの外早く鯨井を巡る謎の奥の方まで足を踏み入れている。「お前は2人目なんだ」っていう事実はもう少し世界全体で隠したり、理解が及ばないようにしているものだと思っていたが、割とあっさりとそれを肯定し、鯨井さんもそこまで動揺せずに受け入れてしまっている(まぁ、ここまで色々と準備段階があったからだろうが)。そして謎はさらなる拡大を続け、お得意先の御陽気中華娘のシャオヘイ、そして怪しげな雰囲気の院長に、バーの店員のような、院長の配下のような謎のお兄さんなどなど。この世界は「自分以外の自分」が多すぎる。「九龍」が「クローン」に通じてるんじゃないかなんて安易な邪推も出てきそうで怖いが……収束先が見えないなぁ。
なんというオープニング! 第2話! ほんとに「素敵」という意外に言葉が見つからないわ。今週はいきなり泣かされた。イントロの音響からして何事かと思わされるし、aikoの歌唱の揺らぎもこの世界にベストマッチ。ヤチヨさんはアニメヒロインとしてのキュートさもありながら、ホテリエとしてのエレガントさも併せ持ったダンスになっている。いきなり今年度の筆頭候補アニソンが出てきてしまったよ。 1話目の感想から間をおかずの記事ということでお気づきの方もいるかもしれませんが、1話目が良過ぎたもんで、流石に優先順位を変更する必要が生じ、我が家の録画スケジュールを調整しました。ぶっちゃけ、1話目を見終わった時点で「こんなすごいアニメ、どんだけ反響があるんだよ」と思って感想を漁りにいったらこのオープニングへの言及が大量に出てきちゃったもんで「これ、視聴遅らせてたらどんどんネタバレくらってしまう……」と大いに焦ったのである。みなさん、今作を心から楽しんでいるようで何よりである。 さて、そんな問題作の2話目。ここで突然1話目のあの緊張感も寂寥感も多幸感も無くなっちゃったらどうしようと一抹の不安はあったのだが、もちろん心配は無用。世界観は余計なまでに強固であり、その中で紡がれるS(少し)F(不思議)ストーリーはなんとも言えない座りの悪さがたまらない。言語も文化も、生態すらも何もかも違う異星人とのコミュニケーションという、誰一人答えの分からないミッションに果敢に挑むヤチヨさん。結果はどうなるものかと固唾を飲んで見守るが、もちろん答えは「よく分からない」である。まぁ、ながの逗留期間を経ていくらかは確定的なコミュニケーションも取れるようになったみたいだが、それでもお客さんが何をしに地球を訪れ、そこかしこで何をしてたのかも1つもわかっていないのだから「いったいこの30分で何を見せられていたんだ」というのが素直な感想のはずなのだが、「レッツ異星間コミュニケーション!」と思えばこれくらいが当たり前の成果。 何がすごいって、ヤチヨさんの目的はあくまでも「オーナーら人間との過去の契約の履行」であって、「顧客の満足」はその目的の達成の過程でしかない。全力でおもてなしはするが、その結果がどうなるかはぶっちゃけしったこっちゃないのである。そのため、他のロボたちは分からないが少なくともヤチヨさんは「オーナーたち人間なんてまず戻ってこねぇよ」と言われてしまった途端にモチベを失い、ランドリーサービスも忘れちゃうくらいに意気消沈して業務に支障をきたしたのだ。超性能の完璧ロボットに見えて、ヤチヨさんのメンタルは想像以上にモロいのである。 それでも「何かしら果たした」という達成感が得られた100年ぶりのお客様。これにて銀河楼は100年の開業実績に意味を持たせた。ついでにやってきたミキシンボイスの環境調査ロボさんは「お前がもうちょい早くホテルに辿り着いていればヤチヨさんたちの行動原理もどこかで変わったかもしれないのに」という勿体無さこそあるが、このタイミングでアポカリプスな真実を「ロボット目線」でヤチヨさんへと叩きつけ、ようやくホテル従業員たちも現状を性格に把握するに至る。いや、多分優秀なヤチヨさんのこと、それくらいのことは内心では分かっていたと思うのだが……おそらく規律を変更するほどの実効性を伴っていなかったし、やはりどこかでヤチヨさんはその事実を拒否したがっていたんだろうね。まぁ、シャンプーハット1つで壊れちゃうホテルだからね。 さぁ、ヤチヨさんの中でも「新たな時代のホテル運営」を求められることになったわけだが、次のお客がくるのもまた100年後になったりするんだろうか。オープンエンドで仲良くしているたぬきの家族、あのキャラたちは「ホテルの顧客」になるとは思えないが……(まぁ、貨幣経済は崩壊しているので葉っぱをお金に変えてくれても全く問題なさそうだが)。 「イギリス英語監修:駒田航」の存在感、第3話。そっか、そんなことできる人だったんやね。わざわざ「イギリス英語」って書くあたりになんらかのこだわりがありそう。 順当に仲を深めるりりさと音羽。この辺のストーリーはまだ原作既読なので筋立てについてはあんまり書くことはないのだけど、3話目に至って未だみっちりとした演奏描写を展開し続けるあたりには確固たる信念を感じる。まぁ、ひたすらにそこがオリジナリティというか、そこを蔑ろにしたら単なるなんちゃってお嬢様ギャグにしかならないので注力するのは当たり前なのだけど。 モーションキャプチャメインの演奏シーンではあるが、周りに付与していくエフェクト、そしてぐわんぐわんと世界揺るがすように大きく動かすカメラワークには一貫性があり、なんとか音以外の要素でも2人の本気度合いを伝えようとしている。ここに関根明良渾身のモノローグを乗せることによって今作が目指す演奏シーンが完成する。台詞も乗せることでかなり長尺のシーンになるわけだが、やはりツラのいいJKが魂の叫びを繰り広げながら演奏する楽器は良いものだ。人類は皆ツラのいいJKのバンド活動が好きですからね(大主語)。 また、個人的な嗜好としてこいつらみたいな「ドラム:ギター間の関係性」というのも美味しくいただける。いや、パートは別にベースでもキーボードでもいいいんだけど、やっぱり選んだ楽器ってのはその人の性格が出るわけじゃないですか。あたしゃどうしてもドラムびいきになりがちなんですが、それってドラマーの「バンドを下から支えて全部を掌握してやるわ」みたいなリーダー気質に惹かれてる部分もあるんだと思う。まぁ、我が敬愛するバンドリ世界だと対決構図が一番明確なのってマスキングVSロックなので、むしろ暴れるドラムはリーダー気質じゃないことの方が多いけど。田井中律や安和すばるさんなど、一見するとはっちゃけキャラのくせしていざ演奏が始まると「しょうがないわねぇ」みたいにみんなを包み込んでくれる概念が好き。祐天寺については……あれは若葉睦が全部悪い。 若葉睦繋がりで(?)もひとつ考えたのは、この世界線だけじゃなくて「お嬢様学校」っていう概念は不思議なもんだな、ということ。月ノ森女学園にしろ本作の舞台にしろ、いかにもフィクション然とした「お嬢様学校」ってあるじゃないですか。そんでそのイメージって大昔からあんまり更新されておらず、時代を超えた嘘くささはあると思うんですよ。もちろんフィクション度合いに大小はあるだろうが……マジでああいう世界ってこの日本に存在するんでしょうかね? お嬢様=親に才があるご家庭→娘さんだって相応の知性や才を持ってる可能性が高い→ってことは蝶よ花よと育てられたとしても、現代社会においてはいくらでも外界の情報に触れられるし、世界的な傾向からすれば自立的な女性に育ってもおかしくない……と思うのだが、やっぱり「箸より重いものを持ったことがない」みたいなキャラでしか描写されないんだよな。まぁ、そこはギャグとして受け入れる方がいいのだろうが……「リアルに先進的なお嬢様学校」がどんなものか、誰か教えてください。 さて、本編では妹ちゃん登場で少しずつ世界が広がっていく。妹役のキャストは「アポカリプスホテル」でヤチヨさんにも抜擢された白砂沙帆。「サマータイムレンダ」で出てきてからしばらく目立った活躍はなかったが、ここいらで飛躍の年になるか? |
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HN:
Thraxi
性別:
男性
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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