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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ヒステリックボインババア……第3話。なんかもう、キュンとしちゃうわね。嬉しいとか可愛いとか悲しいとか以前に、なんかキュンとする。

 今回の焦点はとにかく王女のあれこれである。ヒリング王女って名前からしてそうなんだ、っていうのは言われてみれば当たり前のことなのかもしれないが、さすがに1話2話であんまり名前では認識してなかったからな。確かに「単純な意地悪継母にしちゃ、なんか微妙に空気が違うところがあるような……」っていう引っかかりはあった気もするのだが、こんなにもダイレクトにツンじゃなくてデレだったとは思わなんだ。

 彼女の心中、考えようとすると色々大変なのよね。後妻として王室に入り、やっと打ち解けた先妻の子はいろんな意味で面倒臭い奴。そこにめでたく子供ができて、普通に考えりゃ、「実子が可愛いし先妻の子なんて滅してしまえ」は(当然とは言わないまでも)自然な流れ。普通の家庭でもそうなのだろうから、跡継ぎ問題が絡んでくる国王の息子ともなればそうした傾向はさらに強くなるだろう。そう、やっぱり「普通に考えれば」王女にとってボッジは邪魔なのである。

 でも、この人はそうは見ていなかった。変わらぬ思いでボッジに接しており、何とか彼には彼なりの人生を生き抜いて欲しいと考えていたようだ。ボッジによくしている側面と、ダイダに王権を委ねた判断がどのようなバランスになっているのかはまだ分からない。普通に考えると「いくらなんでもあのボッジに政権運営はきつかろう」ってんで良かれと思って玉座に座らせなかったのだろう。やや過保護にも見えるかもしれないが、まぁ、ボッジの現状を考えれば致し方ない。その方が国が丸く収まるのは目に見えているのだし、ボッジのやる気も「旅に出たい」と同じように無茶なわがままといえなくもない。先王の意思を曲げてでも、安全で無難な選択肢を選んだ彼女の行いは責められまい。

 問題になるのは2点。1つは、そうした王女の良かれと思った気持ちがボッジに伝わりにくいということ。しかしこれは今回の一件でどうやら解決した。そりゃね、この距離感で母子として接していれば、遅かれ早かれちゃんと気持ちは通じますよ。それなのになんでそこまでデレるのを隠そうとするかというと……。

 問題の2つ目、ダイダのやつがちょっと……なぁ。いや、私も次男坊なので「なんだい長男ばっかり」という気持ちは分かるし、自分が優れているのだという自信が裏打ちしていたら多少鼻持ちならない奴になっちゃうのはしょうがないと思うのだが、どうやらダイダさん、母親の想定よりもだいぶ残忍な性格になっていたみたいで……蛇使いの人、ほんとにとばっちりで死んでてかわいそうすぎる。そしてそのダイダのヘイトが次にどこへ向かうのか。普通に考えると「もう1人の王位継承者」たるボッジは亡き者にしたいかなぁ。あとは、そうしてボッジを「逃してしまった」実母がどううつっているか。……余計な悪寒を感じないで欲しい……このお母ちゃんで息子といざこざがこじれまくるのは本当に勘弁して……。だからわたしゃ「母親」が絡むお話に弱いんだってば。加えて王女の中の人ガチ恋勢なんだよ。幸せにして欲しいよ。息子さんもだいぶ大きくなってるんだよ(中の人の話)。

 

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 歌がある、最終話。これで良い。これが良い。

 何を語っても野暮になってしまうとは思うのだが、せっかくなのでいくつか。個人的にグッときたポイントをあげるとするなら、ラストステージとナビの存在。「ゲームスタート時の場所がラストダンジョンになる」ってのはドラクエⅠの昔から引き継がれる伝統で(あれはちょっと違うけども)、巡り巡った物語の終末として感慨深いものがある。そして、そこで迎え入れてくれるのがナビだったというのも実に心得たものである。ヴィヴィの過ごしてきたこの100年(とちょっと)。全てを見守ってきたのはマツモト、そしてアーカイブくらいだろうが、それに続いて多くのシーンで付き合い続けていたのは実はナビだった。「ディーヴァ」に与えられた使命である「歌で人々を幸せにする」という大命題を一番理解し、最後まで彼女にそれを貫き通すように言っていたのはナビだった。もちろん、ナビは本当に「お仕事で」それを言い続けてきただけなのかもしれないが、最後のステージに関しては、きっと彼女も「心から」ヴィヴィにメッセージを伝えようとしていたはずだ。でなければ、あそこでわざわざモモカのホログラムまで使ってヴィヴィに立ち向かう必要もなかったはず。ディーヴァとヴィヴィが歩んできた道行き、その最後の最後で「歴史が変わった」ことを証明するのに、これほどふさわしい人材もいないだろう。ナビは、果たしてヴィヴィが変わってしまったことを憎んでいたのか。それとも、歌を届けたその果てにヴィヴィが辿り着く運命を憎んでいたのか。今となっては誰にも分からない。最後にステージで奏でられたのはディーヴァの歌ではなく、ヴィヴィの歌である。そしてその歌は決して最後まで紡がれることなく、100年の重責を果たしたボディとともに終りを告げる。一世一代の大舞台を果たし、彼女の命は解放される。彼女の「Fluorite Eye」が灯を消し、最後の最後にヴィヴィを見送ったのはナビであった。

 世界は変わった。多くのAIはその活動を終えたが、「修正後の世界」に立ち続けたAIの名はエリザベス。間違いなくヴィヴィの意思を受け継いだ「シスターズ」。ヴィヴィの役割は終わっても、彼女の意思は、彼女の使命は受け継がれていく。また、前回助けられなかったおっちゃんがきちんと生き残って、後世に彼女の意思を伝えている。災害の規模は甚大だったが、未来への希望がここに繋がれる。

 新しい世界では、新たなAIが、新たな使命を持って生まれてくる。次の世代にこそ、きっと「心を込めて」人にもAIにも、歌が届くはずだ。

 

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 世界を壊す、歌がある。第12話。世界を救う歌に転じるための、今ひとたびの、死に戻り。

 さぁクライマックスだ。とりあえずアーカイブの使命は「人類の発展に貢献する」というとてもざっくりしたものだったので、「このままやと……人類発展せぇへんな!」という実に分かりやすい理由で滅ぼしムーブを取っていたことが判明。どこをどうひっくり返しても純度100%のシンギュラリティである。もう「AIが成りかわる」って明言しちゃってるしなぁ。言い訳無用の、圧倒的AIマウント。それがシンギュラリティなのだからぐぅの音も出ない。

 疑問が残るとするなら、何故「今回の」アーカイブはヴィヴィの「百年」のことを知っていたのかという部分だが、以前も触れた通りに「誰かがタイムスリップを可能にしてるなら、他の誰かだって同様にタイムスリップできるじゃん」というのでいくらでも説明は付けられる。大きく2つの可能性があり、1つはヴィヴィのデータ転送を感知し、博士の送信と時を同じくしてアーカイブが「自分のアーカイブ」も百年前に飛ばしていたという可能性。そしてもう1つは、単に転送されたヴィヴィのデータを、百年前の時点でアーカイブが把握していたという可能性。前者であるなら、同時に2つの意思(マツモトとアーカイブ)がタイムスリップしていたことになるが、アーカイブの「使命」はこの100年で一貫しているため、別にどれだけ時を戻したところで、アーカイブ自体が大きく行動を変化させることはない。情報があればこそ、ヴィヴィが改変しようと奮戦している際にも「正史に近づけとくか」ってんでリタッチすることは可能だ。後者の可能性の場合、アーカイブの介入が最小限で済むという利点があり、「正史」の情報に関しても、マツモト自身が「私もヴィヴィもアーカイブに接続してる」って言ってるので、実は計画自体が筒抜けだったという可能性がある。つまり、博士は虎の子の秘策としてマツモトを転送したが、それは結局アーカイブにとっても同様の手がかりでしかなかったということ。まぁ、どちらにしても結果は今回のようになっていたわけだ。

 一応、そうして「繰り返した」ことにより、まずヴィヴィの人生に変化が起こり、それは「歌」として結実した。そして、ヴィヴィやマツモト同様に経過を見守る立場にあったアーカイブも、同様にその変化の兆しを感知して、「修正史」の可能性を残したというわけだ。残念ながら「2周目」ではヴィヴィは答えにたどり着けなかった。しかし、博士の命を賭した泣きのもう1回で、ゼロからとまでは行かずとも、100から始めるAI討伐。さぁ、最後の私の歌を聴け。

 クライマックスということで映像部分のバーストっぷりもいつもに増して元気だし、やはりここにきてエリザベスがサポートポジションについたことで画面が映える映える。シスターズとの共闘になると、顔が同じ2体での連携になるのが世界の「狭さ」みたいなものを表していて面白い。最期まで男前で散っていくエリザベス、あまりにもゆーみんキャラ。

 そういえば、「人類に敵対する意思を持ちながら、反旗を翻した同様のAIに一度は破れ、蘇った後に幼女をマスターに認定して共闘体制を取ってくれる、ちょっとヒネたゆーみんAI」って以前見たことがあるんですよね。キリクマっていうんですけど。エリザベスはキリシマよりはタカオに似ている。

 

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 ベスぅ……第11話! こんな形での再会が叶うとは思わなかったのでちょっと感動してしまう。それにしても、ヴィヴィ・エリザベス・アーカイブと並べた時の「歴代俺の推し声優が寄ってたかって世界をどうにかしてる」感はたまらん……。

 ステゴロ暴力AIのびっくりどっきりアクションも見どころ。今回のコンテ担当は宮地昌幸。またえぇとこ連れてくる。ヴィヴィもエリザベスも本当にしゃきしゃき動いて気持ちが良いですね。ヴィヴィが搭載してる戦闘プログラムは博士の謹製だからベスには導入されてないはずなんだけど、ベスはベスで強かったのはトアクのオリジナルなんかね。

 改めて確認してみたけど、結局今回起こった暴走事件は、正史のものとほとんど同じであった。マツモトが被害規模がほぼ同じって言ってたし、あと映像が1話のものと同じパートが多かった。明らかに違っているのは、AIたちが奏でる「ヴィヴィの歌」くらいである。結局、歴史が修正力を働かせてしまうのでどれだけ介入しようとも元のゴールに戻ってしまったということなのだろうか。いや、もしそうであるなら、これまで転換点でヴィヴィが接してきた事件だって正史と同じにならなければおかしい。サンライズの事件の結果は変わったし、メガフロートがらみも随分様変わり。オフィーリアの一件も結果はどうあれ中身は異なっていたはずだ。ここまで歴史が歪曲されて、そのゴールだけが同じというのはやはりどこかおかしい。偶然の帰着ではなく、何者かの意思が介在していると考えるべきだ。今週あたりでそうした「大きな意思」がどこにあるのかを教えてもらえるのかと思っていたのだが、今回登場したのは本物の博士と、垣谷のお孫さんという車椅子の女の子だけ。流石に博士が悪いことする人なわけもないし、トアクに加わっているとはいえ、垣谷孫が悪人にも見えない。40年前の垣谷(データ)の残したエリザベスへのメッセージからみても、彼はメガフロートでヴィヴィと邂逅して何かが変わったと考えた方が自然だろう。その上で、あの日に「啓示」を受けたという事実もある。さて、最後のピースは誰が埋めるのか。流石にアーカイブの意思ではないと思うのだが……そういえば、アーカイブの「使命」ってなんなのか、語られてないんだよな……。

 まぁ、とにもかくにもベスの復活というのがここまで追いかけてきたファンにとってテンションの上がる出来事なのは間違いない。四面楚歌の大ピンチに駆けつけた助力が、かつて命をかけて戦ったライバルであり、「シスターズ」であるってのはアツい展開じゃないですか。まぁ、その分エステラの不在も際立ってしまうことにはなるが……トアクという組織のこれまでの遍歴を考えるなら、ここで人間側の残存勢力に加勢するのがエリザベスになるというのも納得できる展開じゃなかろうか。サンライズでの記憶が無い彼女となら、一応ヴィヴィも仲良く戦えるってことが分かるだけでも収穫である。どうせならもう一回歴史を遡っていろんなシスターズと仲良くする「if」の物語もみてみたいもんですね。グレイスなんて直接会ってすらいないからなぁ。

 さて、あとはここからどのように落とし前をつけるのか。奇しくもベスが見ている前で「衛星の落下」という何処かで見たようなシチュエーションに引きずり込んでくるアーカイブ。衛星そのものの除去は不可能だろうから、なんとかしてアーカイブの命令の方を止めねばなるまい。すでに松本博士は切るべきカードを全て切ってしまった感があるし、こうなってくると最後の鍵を握るのは垣谷の記憶なのかな……。垣谷の映像が再生された時にいつも通りにヴィヴィの眼が大写しになって、そこに反射する画像がちょっと涙の滲みみたいに見えるカットがすごくキュンときました。

 

 

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 Bパートまでで最終回で良かったじゃん、良かったじゃん…………第10話。まぁ、そうなるよなぁ……そうなるんだろうとは思ったけど、緩急がさぁ……。

 結局、ディーヴァの消失以降にヴィヴィは歌うことに戻れなかった。「心を込めて歌う」という、ディーヴァならば「簡単なこと」を、ヴィヴィは最後まで実現できなかった。そんな無体な使命を与えられてしまった人生というのも不憫だが、今回ふと思い立って確認しに行った自分のオリジンが、どこぞの研究者の益体もない思いつきからのスタートであったというのがなんとも。あのおばちゃんが何か深遠な目的を持ってディーヴァに使命を与えたのだったらまだ許せるが、なんか、その場の思いつきみたいにして与えられてたんだよな。既に「現代」であのおばちゃんは死んでるだろうし、彼女の思いつきのいく末を見届けるには至っていない……いや、どうだろう、自分の記憶をAIに移植して生きながらえた垣谷という存在があるので、もしかしたらあのおばちゃん研究者もどこかでAIのふりしてぬけぬけと生き続けてシンギュラリティ計画の失敗まで見守っていた可能性もあり得るのだけど。

 でもまぁ、やっぱり今回のお話の印象では「ヴィヴィの使命は、もう充分に達成されたし、きちんと松本博士に出会ってそれぞれにゴールを見出せたんだからそれでいいじゃん」という結論に見えるんだけどな。あれだけ長年思い悩んだヴィヴィの「心」を探す旅も、ちゃんと納得行く形でゴールにたどり着くことが出来、使命を果たしたヴィヴィはそのまま眠りについた。それで、終われば良かったのに。

 終わらないのよなぁ。ダイレクトな形での失敗報告。この結末が「正史」と比べてマシなものなのか、変わらないものなのか。少なくともヴィヴィの周りの環境を見るだけでも凄惨なのは間違いないし、多少規模が変わった可能性があるとしても、そりゃ失敗には違いない。少なくともオフィーリアの一件までは「うまく行っていた」とマツモトは言ったが……そこの原因が分かってない時点で放置しちゃダメな案件だったんだろうなぁ。最大の謎である「啓示」の与え手が分かっていないのだし、多少史実が捻じ曲げられていたとしても、それはマツモト同様に歴史に介入した勢力があったら逆転の一手を打たれておしまい。どこまでいっても、「タイムワープを実現できる奴がいる時点で他の勢力だって同様に介入するだろ」という問題は解決しないのである。

 さて、あと3話くらいでどこにたどり着くことになるのか。ヴィヴィの幸せなエンディングって、どこに目標を定めたらいいんだろうなぁ。

 

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 アクション極振り回、第9話。流石にAI素体2体での対決は身体機能に遠慮がないのでやることがいちいちエグい。ここまで体を張った(身体を捨てた)バトルシーンもなかなかみられないだろうよ。

 アントニオの使命、割とまっすぐで安直なものではあった。「オフィーリアの歌をなるたけたくさんの人に聞かせなきゃ!」→「でもこの小娘、あまりに未熟……」→「代わりに俺がやるわ」っていうのが表向きの理由になっている。AIに与えられた使命の解釈ってのがそのAI独自に委ねられてしまうのは致命的な問題だと思うのだが、果たしてこれ以外に大きな問題が起こったりしていないものなのだろうか。今にして思えばグレイスだって使命を丸ごと飲み込んでしまったことからの不幸だったわけで……やっぱり人類がAIの運用をスタートした時点で設定をミスったとしか思えない世界なんだよな。まぁ、だからこそのシンギュラリティ計画なのだろうが。

 ただ、話はそこまで単純ではなくて、アントニオの目的だって本当に「俺が代わりにやってやる」だったのかどうかは怪しいものだった。ラストシーンでのオフィーリアとの悲劇を考えるなら、アントニオが「壊れて」しまった最大の要因は、使命を超えてあまりにオフィーリアに入れ込みすぎてしまったためであると考えられる。「なるべく多くの人に歌を届けなければ」という思いが、いつしか「この歌を自分だけのものにしたいのに」という羨望と嫉妬の入り混じった感情に飲み込まれていく。過度に発達したAIの歪んだ情念が不幸の発端。しかし、こうしてAIが人の感情に近づくことこそが人類の望んだことでもあり、ディーヴァが「歌に気持ちを込める」ことを学んだのも、いわばアントニオの感情と同じルートの結果だと言えなくもないわけだ。人はAIに進化を望みつつ、その進化は人に近づき、不完全なものを抱えてしまうことに他ならない。結局、どこへ向かったとて袋小路の運命なのではなかろうか。

 そうした葛藤を抱え続けたもう1人の主人公が垣谷だったわけだ。彼は自分の恩師が人だったのか、AIだったのかで悩み、周りの社会がどのような差を持ってAIを扱っていたのかを考えれば考えるほどに分からなくなってしまった。その結論が「そんならAI全部なくせばいいやん」という極論だったのは確実にダメ人間の発想なのだが、そこにヴィヴィが介入したことにより、ますますわけがわからなくなってストーカーになってしまった。まぁ、こうしてみれば彼も間違いなくAIの「被害者」ではあるのだな。「啓示」を受けたという彼がアントニオの暗躍と歩調を合わせてディーヴァ・マツモトペアを襲撃。すんでのところで計画が失敗したのは、ひとえにディーヴァたちのペアの練度が勝ったからか。いや、最終的にディーヴァが死に、ヴィヴィが立ち上がってきたのだから、垣谷の野望は達成されたとも言えるのだよね。ディーヴァの退場、そして魂のバトンがヴィヴィに受け継がれ、おそらく計画は最終局面へ。ヴィヴィはちゃんとディーヴァの人生を受け継ぐことができるんだろうか。

 それにしても……概念空間として音楽室が出てきた時はどきっとした。このままディーヴァがオーボエ吹き出したらどうしようってマジで不安になったもんな(種﨑敦美に対する圧倒的な信頼と不信)。

 

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 そう来やがりますか、第8話。相変わらず油断が出来ない作品である。ちなみに今回のコンテ担当はなんと許琮氏。P.A.WORKSで信頼の置ける仕事をいくつもこなしている敏腕作劇家である。こうしてみるとスタッフの顔ぶれだけでも気合が入ってるのが分かるなぁ。

 「オフィーリアの自殺」という分かりやすいゴールトピックを巡ってディーヴァ(ここではあえてヴィヴィとは言えない)とマツモトが議論を重ねるというていを取りながら、実質、その「AIと心」の議論でヴィヴィの内面に迫っていこうというお話だろうか。今回冒頭では改めて「時空の分岐」を想起させる映像が挟まれており、メガフロートなどの数々の「歴史の転換点」を挟むことによって、すでに正史からはかなり距離のある「未来」にたどり着いてしまっていることを匂わせている。となれば、この世界線でもオフィーリアは自殺をするのだろうか? そのこと自体も問題だろうし、もし自殺が行われるとするなら、これだけ隔たったと思われる2つの「歴史」にもやはり共通するファクターが存在しているということにもなる。もしかしたら、裏で「同じ結末」へと導いている何者かの意思が介入している可能性もあるだろう。マツモトというイレギュラーの存在を認めなければ話が進まない時点で、「他のイレギュラーの存在」は決して否定できないというのが面倒臭いところである。

 まぁ、今回はそこまでの言及は無意味だとは思うのだが、少なくともマツモト同様にオフィーリアの一件に重きを置いている何者かが介在しているのは間違いないだろう。それが垣谷(orそれに似た誰か)なのかどうかはまだ判然としないのだが、少なくともマツモトの監視カメラ掌握の上を行く技術力を有しているのは間違いなく、普通に考えたら、こちらも未来の存在であると考えるのが自然だろう。マツモトが歴史の修正を目指す中で、何か「正史通りの」運行を狙っているように見えるこの介入が、今後はヴィヴィの前にもうちょっとはっきりした姿で現れるのだと思われる。

 オフィーリアの事件自体に関しては、正直得られる情報が少ないので推測以上のことをやりようがない。結末で明かされたアントニオの存在。彼がオフィーリアを乗っ取ったのはいつの時点なのか。5年前に何が起こっていたのか。彼の目的はなんなのか。オフィーリアは今もその「人格」(使命と言ってもいいのか)を保持し続けているのか。まだまだ分からないことだらけだ。「自殺を目論んだ」ことだけは事実と考えて良さそうだが、もしかして、これってアントニオとオフィーリアの「無理心中」だったりしないだろうか。だとしたらAIの自殺以上に闇が大きくなってしまうが……。ここまで時代が進んでくると、もうAIが何をやろうともしょうがないという気もしてくるな。そもそも人類の中で、メガフロートの時のグレイスの存在はどう処理されたのかもよくわかってないしな……。

 とりあえず、「日高里菜→小山力也」っていうボイスチェンジのギャップが酷すぎて笑える、ってことくらいしか分からないよ。

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 突然知らない人からスタートして困った、第7話。アッパー気味の種さん見るとなんか知らんけど不安な気持ちになることがあるんだよな……今期はフルバとか異世界魔王とか、それなりにアッパー(?)役もあるはずなんだけども。

 というわけで、残念ながらグレイス事件があまりにもあまりにもな状況だったため、ヴィヴィは壊れてしまっていた。自己防衛のために一度落ちて、フリーズから再起動したら一部重要な記憶データが欠落していたようだが、それでも使命は失われず、ついでに道すがら色々と便利なアプリをダウンロードしてる履歴だけは残ってたもんだから、思いの外再起動後の人生がうまくいってトントン拍子でシンガーとしては成功していたと、そういうことなんだろうか。「正史」のヴィヴィは鳴かず飛ばずで博物館に押し込められていたわけで、まさかの珍道中のおかげでシンガーとして成功しちゃったこの世界線も……なんだか複雑なもんである。今回の「このヴィヴィ」が歴史的に正しい姿なのかどうかはよく分からんけども……これもまた歴史家か。こうも正史から離れてしまうと、どこまでがマツモトの計画通りで、どこからが狂ってしまった結果なのやら。

 少なくとも、記憶デリートで一旦リセットしちゃった時点でマツモトの計画はいっぺん白紙になったんじゃなかろうか。当初の計画では最後に遂行する部分までをヴィヴィと共同でやるつもりだったと思うのだが、予定がいろんなところで狂った結果のメガフロート事件。そこでついにヴィヴィにも限界がきちゃったもんだから、「あとはもう、ヴィヴィは放っておいて自分だけでなんとかしたろ」ってのがマツモトの修正後の案だったと思われる。まぁ、それで任務が遂行できるならヴィヴィの人生の邪魔にもならないのでWin-Winだったと思うのだが……まぁ、話はそんな簡単じゃないわな。未だ因縁があるんだか無いんだかよく分からない例の男の面影を見つけて、ヴィヴィは埋もれた記憶の端緒を見出してしまった。「歌を歌うためには失われた記憶をなんとかしなきゃならん」っていう目的意識はいかにもヴィヴィではあるのだが、そうして使命に対してまっすぐなのも良し悪しということだろう。

 運命のいたずらで再会しちゃった、互いに顔を合わせたくもなかった2人。しかし、記憶がなくなり当時のひでぇ扱いも忘れてしまったヴィヴィはぐいぐい来る。行かなきゃいいのにガンガン行く。おかげでマツモトもしぶしぶ関係性を認める羽目に。まぁ、ヴィヴィのピンチを放っておけばよかったのに無視しなかったあたり、マツモトだって悪いやつじゃないのだろうけど。結局腐れ縁は続き、再び事実上のバディとなってしまう2人(マツモトさん、こないだよりもボディの材質が随分柔らかくなってません?)。そして次のミッションはオフィーリアの自殺防止とかいう、これまた斜め上のタスクであった。今回、まるでその名前に呪われているかのように何度も水を浴びせかけられるオフィーリア。普通に考えれば、使命を絶対遵守するAIが自殺など選ぶはずもないのだが……シンギュラリティのエックスデイまで、おそらくあと3040年といったところ。さて、歴史は今どこにいるのやら。

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 全方位に切ない、第6話。本当に、全てのパーツがハマるべきところに(ハマって欲しくなくても)カチリカチリと収まっていく端正さ。この筋立ては……上手い。

 結局元を正せば「人間が悪いやんけ」というところに帰結してしまうのはこの手のお話のお約束で、グレイスと冴木博士の悲恋は、人間の浅はかな行動が原因だった。そして、その原因となったのはさらに元を正すとヴィヴィがサンライズでとった行動であり、ここまで気にしていた「バタフライエフェクトがどれくらい働くデザインなのだろう?」という懸念をいくらか解消してくれる展開にもなっている。バタフライエフェクトってのは「蝶が羽ばたけば云々」の言葉の通り「些細な変化から大事件」の喩えなので、今回のように「大事件から大事件へ」ではあまりそこのフォローにはなっていないのであるが、それでも今作の基盤となった「未来から来たメッセンジャーによる過去改変」という構造をきちんと使っていることの表れにはなっている。「ディーバ」が最初にあった女の子の妹がサンライズにいたことでサンライズの事件に影響を及ぼし、最初の事件でとっさに救助したテロリストとは末永いお付き合いになり、負の影響を止めるために行ったサンライズの計画が今度は別な角度から新たな悲劇の引き金を引く。こうした因果の絡み合いが見えてこその時間跳躍ものである。

 やはりどう考えても、人間の考えの浅はかさは救いようがない。ヴィヴィ・シスターズはどうやら想定以上に優秀だったようで、サンライズ事件以降、自立思考型AIの展開が「正史」よりも急速に早まることになったという。そこで「じゃぁ量産しようぜ」にするなら話はわかるのだが、そういう体勢が取りづらい製品だったのだろうか、「すでにある製品の用途を変えて流用しようぜ」というとんでもない提案があっさりと通ってしまったという。その辺の病院で地味に仕事をしていたグレイスに白羽の矢が立ち、誰もお上の決定に逆らえないままに、彼女はAIの発展の犠牲となって消えた。冴木博士が止められなかったのはやむなしであるが、「1つのAIに1つの使命」が絶対原則であったとするなら、こんなにも酷い横紙破りが人間の手で率先して行われるのはとんでもないことである。願わくは、今回のメガフロートの事件を受けて、少なくとも「使命の改変」に対しての問題意識だけは後世に残ってほしいものだ。

 そうしてAIへの勝手な期待のために「殺されて」しまったグレイス。そしてそんな彼女が「生きているかどうか」という問いのために今回のお話はグルグルとどうしようもないことを考えながら回り続ける。博士の中で、グレイスは「生きている」(もしくは生きていて欲しい)。AIなのだから姿形を変えるのは問題ないが、その「意識」がメガフロートで生きているかどうかに関しては、(少なくともこの世界においては)おそらくマツモトの説明が真なのだろう。拡散し、粉微塵になったグレイスの意識はもう、集まって元に戻ることはない。この問題を描写するために扱われたのが「歌」であるというのも首尾一貫した演出姿勢になっており、小型ロボット・Mたちを通じてそれぞれの「残滓」は歌を通じて確認できるのだが、逆説的に、そこまで分散し、そこかしこに散らばってしまった「歌」では、もうそれを「歌」と認めるわけにはいかなかった。マツモトがヴィヴィに問うた「それは歌と呼べるものなのか」という問いかけは、歌うことを生業とし、そこから幾多のシスターズを生み出してきたヴィヴィにはあまりに残酷なものである。エステラとエリザベスは、歌で救われた。しかし、グレイスの歌は、救いにならなかった。この対比がヴィヴィに与える影響は、想像することも叶わない。

 「グレイスは死んだ」とみなしたあとのアクションパートも、劇場版もかくやという力の入った描写で嫌でも惹きつけられる。メガフロートの特性を活かして作っちゃったマツモトのマインクラフト飛行機も愉快なアイディアだし、ヴィヴィが「歌」の呪縛から使命を一段上に引き上げ、マツモトと息のあった連携を見せる展開も圧巻。しまいにはマツモトの意気すら超えて、「AIを滅ぼすAI」として動き始めるヴィヴィ。すでに亡骸に等しいグレイスのコアに一撃を加えた際にも、そこに迷いはない。いや、同情や葛藤はあったのかもしれないが、その拳を止めるまでには至らない。「グレイス」は最後まで何も語らない。バックに流れる音楽は、彼女が好きだった歌のアレンジバージョンになっており、歌が終わり、書き換えられることで、その「音階」は意味を消失していく。声もなく停止したグレイスが最後に「意識」を持っていたのか。彼女は停止させられたことをどう感じたのか。それはヴィヴィにも、誰にもわからない。

 AIの命を奪った青い右手。人の命が消えるのを止められなかった赤い左手。ヴィヴィの手には何も残らない。人とAIの未来は、交ることがあるのだろうか。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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