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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 良い、最終回だった……最終話! 見事に完結。これってきちんと原作のラストまで走りきったってことなんでしょうかね。とりあえず、これから原作買います。

 それぞれの決着。もちろんそれは青春の途上で、彼女たちの人生の終わりではない。それでもこの青春の季節に、きちんとけじめをつけ、答えを得られた一片の物語。まさに「さぁ次のページへ」である。

 全員の思惑が千々に乱れ絡まり合った一夜。そんな中でも、立役者となった代表選手を3人ピックアップしたい。1人はもーちん。これまで全てを抱え続けてきた「モブ」の一念発起の大爆発。自分があまりに脇役すぎて、主人公のための舞台装置にすぎなくて。そんなことをまざまざと見せつけられたもーちんがいよいよブチ切れ、和紗や菅原氏に対してこれまでの鬱憤を叩きつける。すでに和紗と菅原氏の間では形式上の和解は成立していたわけだが、それを「納得づくの」和解へと導けたのは、間に挟まったもーちんがブチ切れてくれたおかげだろう。人間ってのは自分よりも冷静じゃない人間を見れば途端に冷静になるものだしね。和紗を思う友情なのか、単に自分の恋情を優先してのものなのか、おそらくもーちんは自分でもわからずに喚き散らしていた。これまで我慢してきたモブが主人公たちに精一杯の反逆を見せた。そして、頑張ったからにはそれなりの見返りってのはあるもんでね。憑き物が落ちた菅原氏は、また一から「恋愛」について考える。「性欲」と向き合うことになる。その項目の中には、「相手は男の必要があるの?」ってテーマも含まれているはずだ。

 そんなもーちんのキレ芸のおかげでとんでもない現場に鉢合わせてしまった二人目の立役者、それが泉である。ことここに及んで、泉の童貞力はフル回転。目の前に和紗をおきながら、あのカミングアウトができるのは男としてどうかと思うし、一人の人間としても恐ろしくすらある。しかし、それしかできないのが泉であり、それができるからこその泉だったのだ。あんなんやられたら、そりゃ部長やひと葉はキレるかもしれないが、菅原氏にはまっすぐに何かが届いたんじゃなかろうか。気づけば何一つ知らなかった「男」という存在。その手がかりの一片を、泉がその身を賭して菅原氏に伝えてくれた。そして和紗にとっても、どうしようもないほどに正直なその告白が救いとなった。泉くん、ほんとどうしようもない奴だけどファインプレイ。

 そうして集まってしまった手に余るほどの情欲と妄念。収集がつかない修羅場と化したカオスをまとめあげたのが、今回最大の立役者であるミロ先生である。ここでの色鬼。「色情」からの色鬼。なんやそれ。そんなアホな発想があるか。説明されても意味わからんし。それでも、彼はそれを思いつき実践した。そして、実践したら存外うまくいくのである。さすが現代文の教師、よくわからんものを説明させたらプロなのだろう。こうして「色鬼」なんて誰もがやったことのあるなんてことない道具立てを大事な大事なシーンのガジェットに盛り込んでしまうあたりが、岡田麿里脚本の図々しいところである。考えてみりゃ「あの花」だってかくれんぼがキーになっていたわけで、こうして共感と郷愁が入り混じった道具立てが思いもよらぬ意味を持ってキャラクターの心情を解題していく様子を見ていると、文学表現なんてのは本当に些細なところから編み込まれていくものなのだと思い知らされる。ミロ先生は、その豊かな文学経験から、意味不明な「色鬼セラピー」を思いついたのだろうが、岡田麿里がこれを見出したのはどんなきっかけだったのだろうか。是非ともその脳ミソの中を除いてみたいもんである。

 「色鬼」を通じて、それぞれの色を見つけ、自分と違う色を見ている他人を知った。そしてまさに「色を知る」経験をした若者たち。色とりどりのマーカーにまみれたその姿はあまりにも露骨な表現で笑ってしまうが、この節操のない「雑味」こそが、女子高生という人生の1ページを表す最良の彩りなのかもしれない。まだまだ知らない世界が待っている彼女たちサブタイトルの「いろは」が表す通りに、人生の初歩の初歩をようやく学んだばかりなのだから、未来は可能性に満ちているのだ。その人生に、幸多からんことを。

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 荒ぶりすぎィ! 第11話! すげぇなぁ、この行動力は流石に予想してなかったわ……「男子高校生」がやんちゃやバカの象徴として使われることが多いが、考えてみりゃ女子高生だって荒ぶれば同じくらいに大馬鹿をやらかす可能性があるのだよな……作品タイトルとしては「女子高生の無駄づかい」ならぬ「女子高生の有効活用」か。

 前回の鬱々とした雰囲気からどれだけ沈んでいくかと思ったが、沈むものもあれば場外まで飛んでいくものもあった。まず、単純に沈み方がキツくなった代表はもーちんだろうか。「男女交際禁止令」がサブタイトルなのだから、男女での交際を考えないもーちんのターンがきたんじゃないかと期待したが、いくらなんでもそんなに甘くはない。何気ない様子で和紗に自分の悩みの端緒を切り出してみたものの、泉との関係性で浮ついている和紗は余裕でスルー。まぁ、あの切り出し方ではなかなか察してもらうのは難しいと思うけどね。長年連れ添った親友が、そんなことで悩み始めてるなんてなかなか理解しにくいだろうし、「男女」のことでぐるぐるしている和紗なら尚更のことだろう。もーちんも聞くタイミングが悪かったかもしれない。とにかく、結果的にもーちんは「親友」から「あんたおかしいかもしれんで」と暗に示されてしまい表情を曇らせる。自分にとっての菅原氏は友人なのか、恋愛対象なのか、はたまた敵なのか。決めなければいけないことが多すぎる。

 意外にも休戦協定が成立したのは菅原氏のまわり。前回の泉の英断により、菅原氏は自分に足りないものがあることを痛感させられた。上から目線の自分の「優位」が虚勢だったことを突きつけられた。当座の打開策として経験値で上を目指す手段をとるしかないと考えた菅原氏は禁断の三枝に拠り所をもとめようとしたが、単なるロリコンジジイに自分を変えられるのは、想像以上にキツかったようだ。細い足、薄いすね毛、そして煌めく鼻毛。なんだかもう、全部が全部異形のモンスターのようで、「大人への一歩」とは別次元の存在。素晴らしいご馳走を提供していたはずの菅原氏が最後に見舞ったのは渾身のグーパン。まだまだスタートラインにも立てず、菅原氏は自分の浅はかさを知る。それにしてもこのシーンのエロ菅原氏、ほんとエロい(語彙)。

 そうして敗北感に打ちのめされた菅原氏は、おそらく本当に誠意からの行動だったのだろう、和紗への報告と謝罪という形で事態の収束を図る。基本的に全方位に良い子である和紗の対応は、誰にとってもベストアンサー。非の打ち所のないまっすぐなものだったが……和紗自身へのダメージはそれなりに。うーん、くしゃくしゃになって爆走する和紗が相変わらず可愛い……。でも、そんな面倒臭い葛藤は泉にはなかなか伝わらない。「和紗を大切にしたいから」は実に良いセリフではあるのだが、本当にタイミングが悪いというか……そのセリフ、NTRもののエロ漫画でNTRれる方がいう定番フレーズやぞ。

 ひと葉女史の一件は軟着陸。やはりミロ先生の判断はあの場では間違ったものではなく、どうやらあの夜は何事もなく終えることができたらしい。しかし、そんな優しい結末だけで終えられるような女じゃないからひと葉は強い(?)。自分が相手にされなかったこと、今だに子供のようにあしらわれたことに喜びを覚えつつ、そのさらに奥にある答えを目指すことを改めて決意。これまで並び立とうと躍起になっていた相手に完敗したにも関わらず、なぜ自分は浮ついた感情に溺れているのか。その惨めさの先に、まだ見ぬ男女の世界があるやも。こちらもまぁ、茨の道というか泥沼というか……いや、でもひと葉ならなんとかしてくれそうな気配もあるか。

 そして、このひと葉たちの一件から玉突き事故のように発生してしまった曾根崎部長の急転直下。一番うまくいっていたと思われるカップルに最大級の事件が起こるのは、予想通りといえば予想通りなのだが……本当にひでぇ高校だな……流石にこれは今のご時世でTwitterとかで拡散されて学校側が炎上する案件だと思われるが、まぁ、お話の中だからしょうがない。そして、乙女たちはここで最大級の「荒ぶり」を見せるわけですね。ひと葉さん、こういう時に意味不明な方向に振り切れるそのバイタリティはどこから来るのか。そして、ミロ先生のナイスとばっちり。延髄に手刀は、本当に打ち所が悪いと命に関わるらしいからやめたほうがいいっすよ。女子高生4人に寄ってたかってマニアックな縛り上げ方されるミロ先生。怒涛の展開に爆笑してしまったが、果たして彼女たちはこの先のことを考えているのだろうか。

 次週が最終話。荒ぶれ乙女たち。

 

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 タスケテ、ホントタスケテ、第10話。情報量が多すぎる、感情が多すぎる。人はあまりに不器用すぎて、そのすれ違う摩擦の熱で焼けきれてしまいそうだ。

 そりゃぁ、煮え繰り返っていたものは沸騰してこぼれだす。分かっちゃいることだが、5人が5人ともに、何故このタイミングで動くことになってしまったのだろう。それぞれの小さな火花が誘爆し、次々に大きな流れを生み出していく。そういうドラマなんだから当たり前と言われればそれまでだが、女子高生の心のトリガーは、引くつもりも無いのに勝手に銃弾が飛び出してしまう。

 中心にあるのは誰あろう、菅原氏に違いない。彼女が意を決して進むことにした人ならざる道。泉にダイレクトモーションをかけ、その反応で自分の立ち位置を見定める。自分の持っている武器を知っている、自分の今までの立場を知っている。さも全てを知っているかのように、高みから振りかざしていた恋愛強者としての武器は、今や自分の作戦を遂行するための唯一にして最大の拠り所だ。自分が見てきた「恋愛ドラマ」なら、自分が見てきた「男という生き物」なら、このルートが正着なはずだった。しかし、すんでのところで泉は留まった。男子高校生のピュアさを舐めちゃいけない。和紗への気持ちを守り抜くため、泉は仁義を通してみせた。それはつまり、菅原氏にとってはパーフェクトプランの敗北でもある。これまでの人生観を揺るがす泉の反応に、どうしていいかわからない菅原氏。漏れてしまった言葉は、謝罪でも悔恨でもなく、どうしようもない負け犬の捨て台詞。しかし、それが泉にどれほどの影響を及ぼしたことか。

 時を同じくして、なんともーちんにも動きがあった。これまで少しずつ募らせていた気持ちに結論を出すタイミング。外野からの望まぬ圧力で、吹き出してしまったその気持ち。「男が嫌い」は別に「女が好き」とイコールではない。しかし今この時においては、その2つが繋がっていないことには耐えられない。菅原氏にすがろうと助けを求めたその手は、折悪しく丸裸になっていた菅原氏の心をぴしゃりと殴打することになってしまった。いつもと違う反応に戸惑うもーちん。気持ちのベクトルが届かず、受け付けず、崩れてしまった菅原氏。害意は人を傷つけ、好意が人をすりつぶす。「好き」とはなんなのか、「性別」とはどれほどのものなのか。スタート地点は似たようなものだった2人の探求は、思わぬ形で絡み合い、引きちぎれそうにもつれている。

 そんなこととはつゆ知らぬ和紗。浮かれていつも以上におバカなドタバタを見せる和紗は素直な可愛らしさに満ちており、これで何もなければ本当に幸せな初々しいカップルということで暖かく見守れるはずだったのだが、泉には小さな毒が仕込まれている。恋愛感情と性的欲求、そんなもんがぴったり重なるはずもなく、綺麗に分化できるわけもないことなんてのは男として生きていればそのうちに嫌でもわかることなのだが、初めて恋人が出来たばかりの男子高校生にとってはそんな些細なことでも重すぎる人生問題。和紗に顔向け出来ず、かといって相談できるはずもなく、泉は勝手に袋小路へ。何も知らない和紗は、知らず知らずに渦中へと向かう。

 最大の攻めの手筋を考え出したひと葉女史。信号機の気まぐれ次第では一世一代の大勝負に大勝するはずだったのだが、これが運命のいたずらか。彼女の妄想は止まらず、車も一切止まらなかった。頭でっかちの妄想系にはコントロール出来ない男女の駆け引き。その答えはググっても出てくるはずもなく、最後には破れかぶれの捨て身の攻撃しか残されていなかった。しかしそこは年の功、泉とは全く逆に、立たせぬことで守り通した仁義がある。まぁ、ぶっちゃけあの展開で勃つかと言われると……難しい気もするが……とにかく、こちらは一線を守りきった戦い。そして、ひと葉にとってはこれ以上ない負け戦。この夜の出来事が、彼女にとって一番優しい結果だったことを、いつか知る日が来るのだろうか。

 そんな暴走を影から見守っていた曾根崎部長カップル。場所が場所だけにピュアピュアカップルも自然と盛り上がりを見せ、めでたく一歩推し進めることができた……はずなのだが、月に叢雲の例えの通り、全てがうまくいくお話なんてあるはずもなく。気づけば部長の親友とも言えるようになっていた十条が、妊娠発覚でまさかの退学。関係性を一歩進めたと思ったら、外野がそこから10歩下がれと突いてくる。高校生同士のお付き合いがそんなにも難しいものではないはずなのだが……やっぱり避妊は大切なのだ。

 乙女たちは恋に落ちたというが、「落ちる」ということはそれは「穴」であったのか。今回執拗に描かれていたのは空に浮かぶ真っ赤な満月。血が通ったかのような空に開いた大きな穴は、人々のちっぽけな悩みも決意も飲み込んでいくかのよう。菅原氏が沈んでいく「穴」、もーちんが飛び込むことを決めた底の見えぬ穴、ひと葉がつっ走って見えなくなった「穴」、部長の足元に突然抜けた「穴」、そして和紗を待ち構える大きな大きな「穴」……。その深みに終わりは無い。

 

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 「友達とはSEXできないでしょう?」、第9話。各方面から「そうでもねぇよ」という反論が来そうな一言ではありますが、このセリフが言えるからこその菅原氏。そして返す言葉が出ないもーちん。女子高生セックスバトルは次第に鉄火場へ。

 完結作品じゃないんだからアニメ1クールの後にも物語は続いていくのだろうが、普通に1クール作品的な盛り上がりを見せて煮詰まっていく様子が本当に心臓に悪い。恋愛ってのはどこがゴールっていう明確な終わりがあるわけじゃないってことを、5者5様の恋愛模様のステージの違いで嫌という程に見せつけてくれる。いや、すでにもーちんの場合は恋愛模様ですらないので4者でまとめてもいい気がするけど。

 本当にニヤニヤが止まらないのは、めでたくカップル成立した和紗と泉。お互いに「幼馴染」というステータスからのアップデートってことで本当に呼吸を合わせたテンパりぶりで、「初めての恋愛」っていう初々しさを嫌という程に見せつけてくれる。そうそう、こういうことってあるんだよなぁ、っていう共感を得た人も多いんじゃなかろうか。「手を握る」とかって意外とハードルが低いタイミングがあるくせに、いざ意識して二人になるとそこに特別な意味を見出して躊躇してしまう。特にあんな顛末の末に一緒になったという記憶が残っていると、どんなことでもすぐさま「肉体関係」って方に繋がってしまうような気がして、かえって距離が離れるような、もどかしいタイミング。まぁ、ちゃんと2人の時間が長く取れてればこういうのって自然に解決するもんなんですが……高校生だとなかなか時間を確保するのも難しかったりするのよねぇ。親に隠れて云々だし。まぁ、この2人はゆっくりやってくれればいいし、このままのテンポでも(余計な邪魔が入らなければ)ちゃんと愛情を育んでいけるんじゃ無いでしょうか。きちんと「幼馴染ってだけじゃ終わらないんだ」っていう痛みを乗り越えての関係性だし、正面から話し合えばかなりの割合で相互理解はあると思うんだけどね。

 ただ、残念ながら「余計な邪魔が入らなければ」がどエラいハードルってのが難しいところでね……。菅原氏、本当に恐ろしい女。三枝との連絡がどんどん密になっているのでどこまでが三枝の意志と言えるのか微妙な部分もあるが、少なくとも菅原氏は三枝を想って行動しているわけではなく、あくまでも自分の欲望に素直に行動している。そして、今までろくすっぽ友達もいなかったオンリーワンの菅原氏だからこそ、丁寧に育んできた友情も冷酷に天秤にかけて選択することが可能。もーちんの「こっちの方が数が多いよ」理論は笑ってしまったが、「もう一個サービス」程度で揺らぐような財布の紐のゆるい女じゃねぇんだわ。「男との恋愛を経験する」っていう確固たる目標を持ってしまった菅原氏をねじ伏せるには、「それ以上の何か」を提示しなければならない。残念ながら、一般ピープルのもーちんと和紗ではその任は重すぎる。

 菅原氏の本当にひどいところは、これだけ計算づくで動き始めているのに、和紗には面と向かって「恋愛を楽しんで」と言っているという部分である。「恋愛の楽しみを知りたい」のはあくまで自分自身であるはずなのに。まぁ、だからこそ、「和紗の恋愛」と「自分の恋愛」という2つの対照実験みたいなサンプルを身近で観察できるようにしているのかもしれないが。それにしても、汗びちょびちょの手繋ぎすら乗り越えられない和紗に対して、いきなりの尻勝負を挑める菅原氏では火力が違いすぎる。そうですよ、部長も言ってたでしょう、男はバカな生き物ですからね。そんな強引な攻めでは……落ちる可能性が高いです……。美人のセックスアピールは、そりゃどうしようもねぇよ。これで転げても泉を責められる男なんてそうそういねぇよ。

 女性側から男を攻め立てる関係性があり、その逆もまた存在する。ミロ先生は常に「マウントを取り」続けていたひと葉との関係性に、一体どんな落とし前をつけようとしているのだろう。さすがのひと葉女史、これまでの先生の行動パターンから「今回だってどうせ相手にされない」というパターンを先読みして、とんでもない秘密兵器を仕込んで(むしろ仕込まないで?)勝負をかける。「どうしてそう変な方向にばかり思い切りがいいのよ!?(画像省略)」とは思うが、まぁ、これまで散々子供扱いされてきたことへの意趣返しとしてはなかなかの作戦かもしれません……まぁ、ガチ事案にならないことを祈るしか無いのだが……なお、ミロ先生が富多先生に気があるってのは確定事項らしいが、なるほど確かに良さそうな先生である。今回パッと彼女の全体像が出た時に「ムチムチの太ももあたりが美味しそう」と思ってしまった(そしてそのあとの「デブじゃないですか」の発言に「なんだこの野郎」と思ってしまった)のは事実なので、僕はミロ先生を応援します。ガリガリ信仰が強すぎる女子高生たちよ、目覚めたまえ。まぁ、僕は絶対女子高生と関係を持つチャンスはないでしょうけど。

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 もう、ここが最終回だったら平和なのに……第8話。すごく良い告白シーンが豪華二本立て。もう、あまりにも素敵すぎておじさんちょっと泣いちゃったよ。女の子が奮い立つ展開に萌えてしまうので、部長の身も蓋もない告白シーンがすごく良い。

 もっと面倒くさい方向に拡散するかと思ったが、意外にまっすぐ進んだ告白2つ分の物語。もちろんその脇には告白にも至らぬ物語もあり、ぶっちゃけ作中で一番悲惨なのってもーちんの立ち位置だと思うのだが、彼女の場合はどこか真剣味にかけるファニーな展開になっているので今のところは静観するしかないようだ。あれで男の方が心を入れ替えて関係性が修復する未来ってあるんだろうか。今回は一応喧嘩別れみたいになってたけど、どうも「いやぁ、うちの彼女ってほんと照れ屋だから」みたいに思ってる最悪の未来が見えるのだが……。

 そしてひと葉女史の方はなかなか難しい。もともとここの関係性だけはターゲットが学生じゃないっていう時点でハードルが高いし、そもそもミロ先生は学生との関係性を持つことを絶対的タブーとしているので(そりゃそうだ)、単純にお互いの気持ちだけが問題になる他のカップリングと比べるとまだまだハードルは多い。というか、そもそも彼女の気持ちが本当の恋心なのかどうかもまだはっきりしてない。それにしても、単にその辺で別な女性と話しているのを見るだけで意気消沈するの勘弁してもらえないでしょうかね。部長もそうだったしさぁ……いくらなんでも他の異性と話すくらいは普通じゃんね。まぁ、ひと葉の場合、「アイツは女子高生よりも同年代との方が可能性がはるかに高いんだよな」ってことを理解した上で尻込みしてる部分はあるんだろうけど。

 「他の異性と話しているだけで意気消沈する」というイベントを経て、ついに部長は自分の気持ちをはっきりと認識して切り込み隊長の任を務めた。まさかここで部長が先に飛び出すとは思っていなかったので意外すぎる展開だが、今のところ5人の恋心の中で一番成功率が高いのがこのカップルだったので、キャンプファイヤーのイベントの口火を切り、成功の保障を与えるための前提としてはこの2人からスタートするのが良かったということだろう。まぁ、部長はここから先の「お付き合い」でも色々ハードルは多いだろうしな。彼女の背中を押したのが戸松ギャルのまっすぐな感情表現だった、っていうところに「これ、エロ漫画なら真面目な委員長キャラの部長が堕ちていく展開になるんだけどな……」とか余計な雑念が。こういう時の戸松キャラ、本当にまっすぐで幸せそうだよね。

 で、成功組が2人も生み出されたところでエンドロールが流れて終幕になればとてもハッピーで終われたのだが、そうは簡単に終わらせないのが岡田麿里ワールド。なんと、余計な方向に吹っ切れた菅原氏が覚醒、胎動を始めた。なんでよりによってその方向に思い切りがいいんだよ、ってのは本当に文句を言いたいところだが、彼女からすれば16年間得られなかった問題の答えがようやく目の前にぶら下がっているのだ。別に和紗のことを大切に思っていないわけではないだろうが、ここでは三枝との因縁を断ち切るためにも、当面は自分の欲望を優先させるということに。泉からしたら両手に花の贅沢な悩みではあろうが、和紗からしたら生きた心地のしない展開なわけで……真の幼馴染パワーを発揮し、恐怖の化身・菅原氏に太刀打ちできるのかどうか。泉はどっちのルートに行ったとしても地獄な気がするが……。

 

 

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 10個のおっぱいが揺れている、第7話。もう、この表現だけで詩的すぎますよね。その発想は無いというか、そんなこと男が言おうものならぶん殴られるというか……。一切のためらいなくこういう肉感じゃない「性感」みたいなものを詰め込んでくる脚本はさすがである。そして、なぜかあのミラクルロリコン紳士が荒ぶるエピソードは監督コンテ回なのでプレッシャーがいや増すのである。変態でも好きになってくれますか?

 作中の「乙女ども」のテンションに振り回されるので、本当に上げ下げの激しい作品である。前回まではどこか鬱屈したものが滲み出すような展開だったが、今回はそれがパッと弾けて、清々しく溌剌とした描写が増えた。特に顕著なのは曽根崎部長の描写で、本当に「恋を知って変わった」というのは本人の自戒(自慢?)の通りである。この子、このテンションで部員の仲間たちに隠し通すことができるんでしょうかね。今のところバレてないのが奇跡的ですらある。どこかで男の方が辛抱しきれずに溢れてきそうではあるが……。

 そして、今回最大の盛り上がりを見せてくれたのは我らが主人公・和紗さん。彼女が菅原氏のおっぱいを見てぐるぐるしてしまっていた部分は、枕投げというフィジカル100%の解消法である程度吹き飛ばすことができた。もちろんそれだけが原因というわけではなく、その直前に菅原氏ががっぷり四つで組み合って和紗を投げとばそうとしたアクション自体も大きな意味があっただろう。逃げ回るばかりじゃなく、きちんと前を向いて自分の問題に向き合っていくという覚悟が和紗の中に芽生え、それが泉にも、菅原氏にも良い方向で働いた。これまで不器用に散々悩んできた和紗にようやく見返りがきた瞬間であった。彼女が太い眉毛を大仰に上げ下げして悩んでいる様子は本当に可愛らしく、まさに「荒ぶれ!乙女たち!」と応援したくなるピュアさがいじらしい。彼女の想いが「届いた」シーンが今回のベストショットだったのは間違いないことだろう。

 そうしてうまく回り始めた部分を見ると、本当に晴れやかな気分になれるお話なのだが……まぁ、それだけでは終わらないってのは当たり前のことでね。ひと葉女史については、相変わらずなのでまだ様子を見る必要があるだろう。事実上のノーパン座り込みがやたらと際立つ描写になってしまうのは致し方ないところで、彼女が尻を冷やして体調を崩さなかったことに安堵するばかりだ。ただ、今回は枕投げで溌剌とした彼女が見られたり、早朝にやたらと寝相がいい姿が確認できたりと、いい意味で彼女のブレない姿勢が見えたので勇気が持てる。どうやらミロ先生の方もそんながむしゃらなひと葉の様子に少しずつ感化されている部分はあるようだし、純粋に男女関係としてみていて楽しいのはこの2人かもしれない。

 そしてさっぱり楽しくないがどうしていいのかわからないのが、もーちんとラインくそ野郎の展開である。まぁ、どうしてもヒき気味のもーちんが相手の対応を色眼鏡で見てしまっている部分はあるだろうが……どうにも彼女、このままだと百合百合しい方向に進んでしまいそうなのがなんとも危うい。いや、それはそれで面白いのだが、せめてもうちょい他の男の様子を見てから判断していただきたいところ。いや、もう、いっそ骨抜きになった部長の代わりに「男死すべし」の旗印を掲げる次世代の旗手になった方が面白いかもしれんが。

 そしてそして、今回一番のサプライズは何と言ってもラストの菅原氏であろう。うーむ、そうなってしまうのか……どうなんだろう、本人の中でも消化しきれていない部分がありそうだし、まだまだ探りを入れている段階だろうが……これ、そのままのルートはかなり重い話になるぞ……。本当に彼女がスペシャルなのは、あのミラクルロリコン紳士・三枝の対応に対しても一切怯むことなく、さもそれが当然であるかのように彼の前に立ちはだかっていること。彼女はもちろん三枝がおかしいことはわかっている。そして自分がおかしいのはこの男が人生を狂わせたことが最大の要因であり、その病巣本人に自分の状態を確認しに行けば有益な情報が得られるかもしれないと考えて即行動に移せるその胆力が恐ろしい。ただ、やはり幼い子供を縛り付けた呪縛は強烈で、彼女は三枝の魔力によって今後の行動を大きく変えてしまう可能性もある……。序盤でひと葉がキスされそうになって怯んだのに対して、菅原氏はそこでビクともしない。そういう対比で彼女の強さは描かれているのだが、「そこ」はブレずとも他の部分で拠り所を持たず、三枝がトンと一押しすれば簡単に変質してしまう危うさも伴っている。そんな歪んだスペシャルが、菅原新菜という女なのである。

 おっぱいも大きい女子高生を前に「最後の輝き」と言ってのける三枝、やはり本物には違いないのだが……せめて手加減してほしいところだ……。

 

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 性をテーマにした作品の入浴シーンは性的じゃない、第6話。いや、作中で言われてる通りに菅原氏の裸体はそりゃぁエロいのだろうが、あくまで「同性から見た美しさ」を見せるための画面でしかなくて、そこにはあまりセクシャルなニュアンスが含まれない。もーちんの裸なんかも、絶妙にもっちゃりしててリアルといえばリアルな女子高生像なのかもしれんが、そういうところは徹底している作品なのである。

 彼女たちは男性視聴者がどう見ているかなんて興味も無い。あくまで自分たちが男をどう見たらいいかが気になるだけだ。ここまではとにかく5人全員が満遍なく悩みを撒き散らしていたが、今回はその中から3人が特にピックアップ。菅原氏は例のロリコンさえ絡んで来なければ超然とした姿勢は崩れないわけで、通常状態ならほぼ無敵には違いない。そして意外にも変な方向に振り切れちゃったのがもーちんで、男への幻滅から、どうにも異性への興味そのものが減衰しているようにも見えるし、諦めにも似た感情が、根拠のない諦観や達観へと向かわせているようにも見える。まぁ、今回は特に和紗の問題が大きくなってしまったので、彼女の心配だけで気づいたら1話が終わっていたような感じなんだろうけど。相手の男がいないと、そこに対する反応は普通見られないはずだからね。

 ただ、例外的に「男」との関係性を飛び越えた悩みを抱えてしまったのが、かわいそうな我らが和紗ちゃん。何しろ菅原氏が私怨からちょっとした意地悪を発動してしまったのだ。いざとなったらネタバラシすればいいだけだし、菅原氏サイドから見れば些細な問題には違いないのだが、それでぐるぐるぐるぐるしてしまうのが和紗の可愛いところでもあり、面倒なところでもあり。彼女が急速に育てているコンプレックスと対抗心は、おそらく彼女が今までの人生で抱えたことのない感情なのだろう。泉のことだけでも処理しきれずにテンパっていたというのに、そこに菅原氏という傑物まで絡んできてしまっては、和紗の脳のキャパは完全に超えてしまっている。できればかわいそうなので菅原氏はそろそろ助けてあげてほしいところだが……彼女のお怒りはどれくらいのもんなんでしょうかねぇ。

 そして、相手の男がはっきり見えているのが残りの2人。曽根崎部長の方は、順調にダメ女への道を突き進んでいる。案の定、男がバカなのが良くも悪くも効果を発揮しており、裏がないだけに彼女を責め立て、わかりやすいだけに反応に苦慮している。相変わらずトンチキなことしか考えられない部長だが、これでも彼女は大真面目なのである。どうにもズレてしまっている彼女の恋愛観も全てひっくるめて、男がフォローできるかどうか。普通に考えて、脳より本能で動きたがる男子高校生に、あの面倒臭いのを適切に処理できるとも思えないのだが……。

 対して、男の方が多少はわきまえているのが本郷・ミロペアである。こちらは一応男側にも弱みがあるとはいうものの、やはり年の差の影響は大きく、基本的には顧問主体で関係性が展開していく。「メディアの向こう」の関係性ばかりを夢想してしまうひと葉女史は、考えれば考えるほどに「自分が主人公」であることを「恋愛感情の義務化」に置き換えて考えてしまっている節がある。自分が中心にいて、青い春を謳歌しなければ作品に反映されない。となれば、自分は誰かを好きになる必要がある。そして、都合よく目の前に転がっている男は顧問1人だけ……。そんな不純な状況から、果たして彼女は本当の意味での青春を手に入れることができるのか。そもそも彼女はそれが欲しかったのか。こちらも随分倒錯した関係性。なお、作中で一番羨ましいのは当然このミロ・ポジションである(私は基本的にMなので)。三白眼の女子高生(CV黒沢ともよ)に跨られるような人生があるのだとしたら、それはもう青春とかの域を超えているではないか(この物語はフィクションです)。

 

 

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 Yes! ロリータ、No! タッチ、第5話。順調に変態が量産されつつある。今作の変態は一本芯の通った変態ばかりなので、「おっ、いい変態だなっ」ってなりますよね(ならない?)。

 なんだか作画が残念だった回。特にボーリング場あたりがひどくて、主人公のはずの和紗が割を食ってるのは可哀想。いつも通りにエグいシナリオのはずなのに、作画がへちょいだけで一気にチープに見えるから不思議なもんである。冒頭の菅原氏の部分あたりは割と頑張ってたせいで、主にダメージを食らったのが和紗ともーちんってのはもしかしたら格差の表れなのだろうか。

 ま、とりあえず制作現場頑張れとだけ応援しておくとして、今回も5者5様の展開を見せているので本当に忙しなくて目が離せない。一応動きが少なかった方から見ていくと、泉との関係性に大きな変化がなかったのは和紗だろうか。ただ、泉の方は菅原氏からいよいよ「和紗があんたのこと見てるで」という情報を得てしまい、ますます「今まで通りじゃいられない」悩ましい関係性へ。いや、その割にボーリング場の泉は自然に振舞えてたので頑張ってるとは思いますけどね。和紗の方が「正面から向き合うッ!」って言ってるのに、その自分の宣言に勢い込んで空回りしてしまってるのが愛らしくもある。しかし、高校生にもなった男女の幼馴染を休日に遊びに連れ出すご両親の関係性ってのも今時貴重だよなぁ……ボクもそんな幼馴染が欲しかったヨ……。

 そんな泉との関係性の中で暴かれた、菅原氏の過去。才色兼備な上に鉄オタにまで理解を示してくれるというパーフェクトオブパーフェクトな菅原氏。その年に似合わぬ達観はどこからきたのかと思えば、幼少期に経験したあまりに理不尽で、劇的すぎる人間関係だった。孤高のロリコン・三枝の持つロリコン魂は、性の概念を超越した信教にも似たものである。子供に神性を認めるというのは古くキリスト教的にも一般的なものであり、彼の持つ観念は文化人として一定の意味を持つのだが、それを突き詰めるためにいきなり幼女の靴に頬ずりした上で「僕を蹴りなさい」だとやっぱり日本ではお縄の可能性が高い。幸いにして菅原氏が賢いお子さんだったので手が後ろに回らずにすんだが、少なくとも彼女の人生に大きな歪みを与えてしまったのは事実。大人と子供の境界であれだけの仕打ちを与えておいて、いざ大人になって羽化しようとしたら「別な人のところにいきなさい」では、そりゃぁ菅原氏だって寄る辺がなくなってしまう。彼女が演劇関係から離れたのはおそらくそんな顛末が理由なのだろうが、見限ったように振舞っていても、まだまだ三枝に対して未練タラタラに見えるのは彼女が抱える唯一の瑕疵と言えるのかもしれない。

 ロリに特別な価値を見出す男がいれば、その一方で女子高生に価値を見出さない男もいる。こちらは職業意識にもばっちりフィットした正しい観念(?)であり、あまりに脈がないので本郷女子もイライラ。ただ、こちらはあくまで職業的な自己防衛と嗜好がブレンドされた「弱い信念」でしかないため、ひと葉の熱烈なアタックを前にすると怯む部分も多い。社会的な地位を守りたいというならチャットのログを残されたらアウトなんだし、今回の発言もいろいろダメだとは思うのだが、おそらく顧問の野郎はひと葉がそうしたツールで自分を脅迫したりはしないという確信があるのだろう。彼女がただ作家としての自意識から無茶な行動に出ていることはわかっているのだし、それさえコントロールしていれば、まだ自分に大きな害はないと見ている。そういう意味で、彼もちゃんとした(?)大人ではあるのだろう。初めてぶつかる「性」の壁に翻弄されているひと葉は、今回の女子の中では一番可愛かった気がする。単に純正エロ漫画シチュエーションだからかもしれんが。

 そして、意外な展開を見せたのは出遅れていたもーちんである。なんと、せっかく最初の相手に見繕った杉本が、割とわかりやすくダメなやつだったという……いや、でもさ、男子高校生だったらこんなもんじゃない? 経験値なんてないも同然だし、多分ネットや雑誌の知識から「格好いい男」的な振る舞いを必死に真似しようとしてるだけの状態じゃない。今の高校生がどうなのかはしらんが、高校生にとって数百円でも結構なダメージよ? まぁ、前提として1400円のセットを平気で食べてる時点で金銭的な部分は問題になってないのだろうけど……いくら彼女(候補)の前だからって、俺の高校時代には絶対に1400円のランチは食えないわ。しかもその後に映画観ることも決まってるわけで、1日で3000円近い出費……無理無理。高校生は川辺でコーラでも飲んどけ。まぁ、とにかくそんな杉本くんを見て、ちょっと理想化していた「男子」という異性に対する幻滅が加速するもーちん。ひたすら夢想の中でワタワタしている和紗とは対照的に、こちらの実地研修もなんだか残念な結果だ。

 そして、男の浅はかさに幻滅する関係性があれば、その一方で男の単純さにこの上もなく救われる気持ちもある。部長、本当にチョロかったけど、こちらはチョロいどうしなのでうまいことバランスが取れている。見ていて一番微笑ましい、まさに少女漫画のような恋愛である。まぁ、それだけに、周りの連中との温度差を考えると今後この二人に降りかかってくる試練が面倒臭そうで今から気が重いが……多分、部長は付き合い始めたらどんどん男にのめり込むタイプだけど、ツンデレが面倒なのでそれを男側が受け止められるかどうか。本当のバカなら、多分大丈夫。そういう意味で、本当のバカを選別するためのあのレポート課題は結構効率的な試験だったのかもしれない。部長、高校生のくせにやたら原稿の赤入れがかっちりしてるのは大したもんである。知り合いに出版関係者とかいるんだろうか。

 

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 エロ漫画の本番前が延々続いてるみたいな作品、第4話。どっかで見たような導入ばっかりが続いているはずなのだが、そのオムニバス形式の展開はベタを通り越していっそ清々しくある。それぞれが女の子視点を中心にやたらめったら彩度の高い描写になってるせいなんだろうか。

 文芸部の5人が、それぞれに「恋愛」と「性」について独自の関係性を構築して前へ進み始めている。ぶっちゃけ、全員がものすごくチョロそうな男とくっつき始めているのは苦笑ものなのだが、今作において、男の扱いが短絡的なものになるのは致し方ない。あくまでメインは「乙女ども」であって、野郎の方はそんなヒロイン勢にあてがって変化を観察するための、触媒みたいなもの。そこにこだわり抜いた設定は多く求められておらず、シンプルに「男ってバカ、でもわかりやすくまっすぐ」の方が、ヒロインたちの変化を観察しやすくなるのである。まぁ、それもこれも5人とも最低限可愛いっていう条件が必要になってくるのだが……「女子高生の無駄づかい」は自分を中の下扱いすることすら許されなかった容赦ない世界だが、こちらは多分、地味と言われてる和紗も最低限の愛嬌はあるんだよな。眉毛すごいけど。菅原氏が特別なのはしょうがないとして、どうやらもーちんだって男にコナかけられるくらいのスペックではあるみたいだし。いや、でもひと葉はわからんな、あいつの三白眼はもしかしたらむっつり隠キャの象徴なのかもしらん。どうなんでしょう。

 5つの方向性、1人だけ「揺れ」が少ないのは何と言っても菅原氏。本当にブレない御仁だが、動画サイトのよくわからない演劇関係者の発言にはどこか揺れている様子。子供の頃に劇団に所属していた過去があるってことはおそらくそうした菅原氏の幼少期の人格形成に携わった人物なのだろう。現時点では鉄面皮を貫く菅原氏が揺さぶられる姿は早く見てみたいものだが。ちなみに泉との関係性が少しずつ深まっているが、多分友人想いの菅原氏は、泉のことをどうこうしようなんて一切考えてないと思われる。まぁ、和紗の方は超絶美人のお友達が動いてるっていうだけで気が気じゃないんだろうけども。

 わかりやすい少女漫画展開を見せているのは曽根崎部長。おそらくこの人が一番人間的に問題があるのだが、それでもアホな男子なら気にせず飲み込んでしまえるという。まぁ、50枚レポートのあいつよりも、彼女が問題にすべきは戸松ボイスのギャル子の方であろう。奴が何を目当てに動いているのかは現時点ではっきりしていないが、このまま陽キャグループに飲み込まれるような展開にはならない……といいな。なんかこう、水龍敬のエロ漫画みたいなやつは勘弁してほしい。いや、部長に限ってそれは無いかな……。

 よりダイレクトにエロ漫画への道を突き進んでいるのはひと葉。あまりにわかりやすい性感描写は彼女の猪突猛進な探究心が止められないが故か。現時点で男女間の関係に「恋愛」という要素が一番薄いのはこちらのカップル(?)だろうが、何しろ先生が曲者である。今作の野郎連中はキャラが薄いとはいうものの、この先生だけはなんとも異質で、ひと葉女史と対等に渡り合うに足る変態気質を備えている。どうも、女子校の教員ってのは変態が多いみたいだ(今期アニメ限定の偏見)。しかし、だからと言って先生サイドがひと葉を手玉にとるとかいう展開にもならず、どうにも童貞VS処女の遠距離牽制合戦みたいな様相。ひと葉の探究心が、この関係性のイニシアティブを握れるかどうか。

 そして今回ようやく一歩目がスタートしたのがもーちん。こちらは随分都合のいい男が現れてしまったのでベタ度合いも突き抜けているが、結果的には和紗に近いラインまで進むことができた。ただ、もーちんが和紗と大きく違うのは、関係性に未だ恋愛要素を見出せない点。そりゃま、出会って初日でそんな展開にはならんだろうが、和紗が泉に対してどうしようもないくらいに恋心を抱いているのに対し、こちらは「好きになるってなんなの?」の段階なので、やはり和紗に寄り添って一緒に悩むというにはちょっとズレがある。また、彼女の場合は菅原氏に対してどうにも友情では説明しきれないくらいの気色が表れているのが気になるところでもある。あなたの愛情の行き先はどこ?

 そして、和紗と百々子の2人が答えを求めたものが「本」だったわけだ。部長のアドバイス通り、本を読むという行為、つまり外部から知識を蓄えるという行為は大変に有意義なものだ。「名付ける」というのが象徴的な現象として立ち現れていたが、「名付ける」とはつまり「認識を得る」であり、それまで見えなかった景色に線引きし、「触る」ことができるようになること。人が経験を積むためには実際に動いて「触る」ことが確実だが、本はその際にガイドとしての役割を果たしてくれる。認識を得ることは、世界を豊かにしてくれることである。

 ただ悩ましいのは、そうした他人から与えられる認識以上に、やはり外界を直接「触る」ことの方がより強力な力を持つということである。それを実践しようとしているひと葉のモチベーションがわかりやすいが、今の時点では、それぞれが目の前に本よりもはっきりと実態を持つ「相手」が存在している。彼女たちがそうした「生」の体験を忌避しながら本に答えを求めるのにも、いつしか限界はくるのである。「習うよりも」の言葉の通り、乙女たちはその肌身に何を浴びるのか。ラストシーンの和紗の「うわ゛ーー!!」の汚い声が、彼女の体験の強さを如実に表しているではないか。

 

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