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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 スカッと爽やか大団円、最終話! 予想外のことは何も起こらなかったけど、全てが収まるべきところに収まったこの爽快感は、充分に満足できるエンディングといえるんじゃないでしょうかね。

 まぁ、欲を言うならラストライブくらいはもう1曲欲しかったなぁ、とは思ったんだけども、多分作画の手間とコストがとんでもないことになるだろうからしょうがないね。そういや同じような感想をラブライブでも持ってた気がする。なぜか1話に入れられる曲は1曲という縛りがあるみたいなんだよなぁ。曲数増やすと各方面に影響が大きいんだろうなぁ。でもさ、今回見せてもらった歌って記念すべきライブのオープニングシーンだったわけじゃない。華々しいオープニングを飾って、そのあとの充実した周年ライブがどんな様相だったのか、ファンだったら少しくらい見せてほしいと思うよね(まぁ、観客には約1名、1曲目で気ぃ失ってたやつはおったが……)。

 杏夏が抱えていた問題に対する答えがあんまりはっきりしなかったのもモヤッとポイントではあって、ここまで雪音や理王の問題をズバッと解決できていただけに、最後の一歩となったお譲の成長について、結局「トップを張らせる」という以前も使ったような方法で打開しようとしたのは少々物足りない。いや、そこを強引にでもライブシーンの映像で丸め込んでしまえるのだから使える武器は全部使ったというのが正しい見方なのだろうが、杏夏には杏夏だけのブレイクスルーを与えて欲しかった気もする。でもそうすると最終話なのに春にスポットが当たりにくくなっちゃうっていう悩みも分かるんだけどね。まー、個別エピソードがもらえなかった紅葉よりかはよっぽど幸せだったと思うようにしよう。

 最終話ではいよいよ「蛍」が電話の向こうから飛び出して登場。今まで何も語らなかった彼女が太鼓判を押すことで、第三者目線でもTINGSの完成が保証されることになった。春と蛍が出会っていたというのはこれまでの電話からなんとなく推察されていた部分ではあるが、本当に偶発的なものだったようなので流石に予測はできんかった。多分、忘れ物したとて一度退場した武道館には戻れないと思うよ……。しかもアイドルがぶらついてる場内に一般客入れるとか、下手したら事故になりかねないですからね。入ったのが春で本当によかった。

 最終話で改めて綺麗だと思わされたのは「輝く」という本作独自のギミックの妙。最終話タイトルが一見すると不穏なものになっているのに、意味がわかっていればこれが一番良い結末を表しているというのも面白いひねり方だし、常に「シャインポスト」を目指す春たちが「輝かないこと」でトップに躍り出るというのも、見た目に分かりやすい演出になっている。作中での「ポスト」は「道標」という意味で用いられているが、もしかしたら「ポストシャイン」、つまり「輝いていた、そのあとの時代」という意味もあったのかも。いや、絶対に邪推だけど。

 

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 ここに来てラストスポットがお嬢? 第11話。3、4話目でイベントが終わったかと思っていたお嬢だったが、どうやらあっちが「変身回」だとするなら、正規のパワーアップ回は最後に残されていたようだ。杏夏の強化回……(お茶目なジョークです)。

 というわけで、最終回に向けてきちんとワンステップ挟んできた。正直、前回時点でHY:RAINとの因縁を一通り説明したので「だいぶ扱いは軽いけどこれであとはラストライブになるのか〜」と思っていたのだが、さすがにそこはきちんと掘り下げてくれた。まぁ、今回蓮が改めて訴えていたことは前回まで語られた内容を補強する程度のものでしかないのだが、きちんと春のバックグラウンドをメンバー全員での共通認識とすることで、最後に乗り越えるべきハードルを確認し、春にもTINGSでやることへのモチベーションを表明させる意味がある。どれだけ蓮が過去の因縁を訴えようと、既に青天国春の決意は固まっている。そこにブレる心配は無い。……のだけど……。

 一度決めてしまえば、阿呆連中は迷わない。理王・雪音・紅葉の3名は、必死の思いで引き戻した春と一緒に舞台に立てるなら、そりゃもう無敵であることに疑いを持っていない。しかし、ちょっとでも冷静な目を持つ人間からしたら? こういうところで損な役回りを引いちゃうあたりがお嬢の苦労人なところでね。よりによって前回の蓮の一言がだいぶクリティカルに刺さってしまっていたようで、今一度、自分がチームの中で何をすべきなのかと思い悩んでいる。事実上のリーダーポジションというのが3人TiNgSの時のお嬢の存在価値だったが、現在は雪音がいるおかげで統制役なら足りている。すると、やはり唯一無二の存在感、爆発力が求められることになってしまうのだろう。それを求めた時に、今のところ杏夏には手持ちの武器がないのだ。

 さぁ困った、心に迷いがあってはラストステージもキマらない。でも大丈夫、TINGSにはなんでも解決してくれるマネージャーがいるよ。マネえもん、何か道具出してよ。さて、最後に杏夏が装備する武器はいったい何になるのか。そして、ラストライブは5人全員が主役となってキメてくれるのか。次回、最終回。

 

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 雪音の立ち位置がおいしいな、第10話。考えてみりゃ、雪音と紅葉がアイドルとして何らかの活動をしてる姿を見るのってこれが初めてみたいなもんなんだよな。5人のポジショニングがどうなるかと思っていたが……そうか、雪音……。

 2週間の特番を挟み、他のアニメがガンガン終了したりスタートしている中で一歩遅れてクライマックスへ歩を進めようとしているのがこちらの作品。一応前回までのお話で「TINGS結成編・完」みたいな区切りがあったので休止があったことはそこまで問題ないのだが、やっぱり一気に駆け抜けて欲しかった気はする。一拍置いて、改めて中野に向けての展開を、しかもダイジェスト気味にやられるとどうにもぶつ切り感が否めなかったのよね。それこそゆきもじの2人の活躍とか、どうせ描くならがっつり時間をかけて描いて欲しかったなぁ。雪音はどうやらファン目線でも「あ、こういういじり方でいいんだな」みたいな理解が浸透しているみたいなので、いくらでもメンバー内での絡みや物語を膨らませられそうだし、紅葉の方は本気ののダンスシーンを初公開して「ダンスはトップレベル」という口だけだった設定をちゃんと身体で示してみせたので、ダンス中心のストーリーも1本くらい作れそうだ。お嬢が5人の中心でリーダーとして立つ姿も、理王がピーマン食う姿も同様である(?)。まぁ、時間がないんだろうなぁ。中野へのカウントダウン的にも、放送枠的にも。

 そして、そんなラストステージはチケット完売で大団円かと思いきや、ここで空気を読まずにぶっ込んできたのは春の古巣・HY:RAINの黒金蓮だった。当時は春の精神攻撃でボコボコにされたはずだが、さすがはトップアイドル。意地と根性で何とか復帰して春にリベンジを挑む。他のメンバーがこの展開をどう見ているのかは定かじゃないが……どうなだろう。今更春が出戻るのって受け入れられるもんかね? 蓮が執着するのはしょうがないにしても、他のメンバーは「どうでもいいわー」くらいに思ってるのかも。

 もちろん、TINGS側からしたらどうでもいいわけがない。ただ、あれだけダイレクトに悪口を言われつつも(お嬢以外は)そこまでメンタルを削られなかったのは間違いなく成長の証。これが4話くらい前のTINGSだったら「トップアイドルに怒られた……」ってんで膝から崩れてバラバラになっていた可能性もあるのだが、今は正面から言い合いをしてぶつかれるくらいのメンタリティは形成されている。ただ、先陣を切って喧嘩を買ったお嬢が一番ダメージ食らってそうなのはどうかと思うけど。結局さ、このユニットって春・お嬢以外の3人が……その……馬鹿だからな。こういう局面では馬鹿の方が強い。

 さて、残り話数でいかにしてこの難題をクリアするのか。これまでずっと続けてきたマネージャーの電話の相手も、そろそろ要素として絡んできますかねぇ。

 

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 TINGSファンの皆さんは心広いな……第9話。だってほら、3人から5人に増えますっていきなり言われてもみんな喜んで受け入れてるし……どこぞのLiella!が9人になるって発表された時はそれなりに荒れたもんなぁ。まぁ、まだアングラレベルでコアファンしかいないからなんでもいいから進化や変化が嬉しいのだろうけども。

 というわけで、ついに新生TINGSが完成した。無敵のチートアイドル青天国春に対して残りのメンバーはどのような対抗策を見つけるかと色々考えはしてみたが、やっぱり最終的には「正面突破」以外の作戦はないよな。まぁ、小手先だけで丸め込んだとしてもこれから先ずっと活動を続けることはできないだろうし、ここは大人しく「お前ごときに心折られてたまるかコノヤロー」ってんで当たって砕ける以外の作戦は無いはず。当然、それだけで完璧に春をやっつけられるわけではなかろうが、春に対してはマネージャーからのケアとかいろんな方向でのサポートもあったので、とりあえず今回の件はこれでよし、くらいのところに落とし込めたとみるべきだろう。多分、現時点で一番戦々恐々としているのは理王なんじゃなかろうか。「絶対に負けないし、足も引っ張らない」という誓いを立ててはいるものの、基礎的なポテンシャルで見ればやっぱり一番足りないのは理王だろうからね……意地でもダンスでトチらないよう、地獄の猛特訓でもしないとな。

 他のメンバーも見ていくと、意外なことに今回先陣を切って春攻略の指揮をとったのは杏夏だった。元々アイドル性能にはそこそこの自負もある杏夏。「今はまだ春に届かない」とは言われたものの、考えてみりゃ杏夏自身は「本気モードの春」をまだ見てないんだよね(見てるのはゆきもじの2人だけ)。それなら「わたしなら春に届くかも」っていう気持ちを残していても不思議ではない。元来スキルは高い方だと言われていたし、クールになれば純正のスキルで太刀打ちできたのはやはりお嬢ということになるだろう。直接春に心を折られたゆきもじの2人に関しても、雪音は生来のリーダー気質であり、これまで石に齧り付いてでも春に本気を出させようと奮戦してきた履歴がある。今はまだ届かないとしても、闘う意志くらいは見せられるだろう。紅葉に関しては「チーム随一のダンス能力」という対抗手段を持ち合わせており、ダンスだけで言えば春と戦える最有力候補が紅葉になるはず。それぞれに持てる武器を全て使って、春に食いついていく決意をしたはずだ。理王に関してはなかなかそういう武器が見つからず……まぁ、歌唱だけならトップということなので、「春だって全てが頂点じゃねぇから!」という方向でのプレッシャーをかける作戦じゃなかろうか。

 こうしてみると、なるほどTINGSってのは青天国春の受け皿としては悪いユニットではなかったのかもしれない。今回の顛末を見て「おいおい社長さん、結局春に2回も辛い思いをさせただけやんけ」と思っていたが、一応考えた上での配置だったのかも。振り返ってみれば、クセの強い「当落線上ギリギリ」の杏夏や理王をオーディションで拾ったのって社長だもんね。もしかしたらここまでの流れをある程度想定した上でのキャスティングだったのかも。もちろん、マネージャー君の投入は前提での作戦だろうけど。ようやくハマるべきところにピースがはまった感じですかね。

 さて、これであとは中野のステージを残すのみとなった。アニメはそこで大団円となるのだろうが、作中アイドルTINGSにとってはまだスタート地点に立っただけ。今後の躍進の中で、春は過去に決別した連中と向き合う時が来るんだよね。その時のことを想像すると結構な修羅場だな……ちなみに「HY:RAIN」という過去の所属ユニット、キャストがびみょーにiRisである。なるほど強そうなライバルだ。あと、今回のキャスト表を確認すると「井の頭公園のアナウンス」にWUGも起用されていたり……いろんなアイドルがいるよねぇ。

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 雪音タン……第8話。これ、相当エグいものを見せられてるんよ……そりゃ挫けて四つん這いで倒れ伏したとて誰にも責められるようなもんじゃない。こんなん、人間の所業じゃない。

 ついに明かされたゆきもじの真実。そして、かつてTINGSだった時代の思い出、雪音、めっちゃいい奴すぎて本当に辛い。歪なパーツばかりが集まったTINGS。放任主義がすぎる社長の下、かろうじて芸能活動の経験があるただ1人の人間()である雪音は、全責任を負って仲間達の指導にあたる決意をする。そうしないとユニットが前に進めないと判断したのだから当然のことだが、本来なら横並びであるはずのメンバー5人の中でわざわざ責任者のポジションを買って出るのは完全なる慈善である。そのために他のメンバー以上の負担を強いられ、その中でも仲間のことを思って最善だと思われる活動を提供し続けた。それが認められたからこそ紅葉はあれだけ懐いてくれたのだし、他のメンバーだって間違いなく雪音のことを「リーダー」だと思っていた。そう、ただ1人、青天国春という地獄のような存在を除いては。

 すべて、事実を知った雪音が涙ながらに吐き出した通りである。春の真実を知ってしまったあとでは、今まで自分が良かれと思ってやってきたことがすべて「どの面下げて」になってしまう。何も分からずに偉そうなことをいってきた馬鹿に見えてしまう。決してそんなことはないのに。誰もそんなふうには思っていないのに、雪音からしたらそう考えるしかない立場に追いやられてしまう。そして、悪意も無く、雪音をそこまで追い詰めたのは間違いなく青天国春なのだ。こうなる前にどこかで止める方法はなかったのか。

 考えられる諸悪の根源は、社長である。彼女はすべてを知った上で、あの状態のTINGSを放置して成り行きを見守っていた。しかし彼女とて悪意があってそんなことをしていたわけではなく、おそらく社長自身も、青天国春という大きすぎる才能を持て余し、どのように処理したらいいのかを決めあぐねていたのだろう。春との間にどのような密約がなされたのかは来週以降に明かされるのだろうが、とにかく「ユニットの中の1人」として春は「隠れてアイドルをやる」ことになった。その状態の仮面をまとった春をユニットで扱うためには、何も知らない状態のメンバーの中にしれっと放り込んでおくのが一番いい。事実、しばらくはTINGSの活動はそれでうまくいっていたのだ。

 しかし、崩壊のきっかけは紅葉の観察眼だった。雪音の「演技」すらも看破してみせた紅葉の「人を見る目」は、いよいよ春の欺瞞を見抜く。見てみぬふりでは紅葉まで同罪になってしまうので、これは雪音に申告せざるを得なかっただろう。そして、事実が白日の下に晒されれば、もはや「切磋琢磨するアイドルグループ」は成立し得なくなってしまう。残念ながら、社長が春のために用意した「ステージ」は失敗だったのだ。そこで社長は、雪音が気づいたそのタイミングで彼女をギリギリ押しとどめ、今度は「ライバル作戦」を立案。「危険な賭け」だとは承知の上で、雪音を造反させ、いわば春の当て馬として使う形になる。その場しのぎの案としては、TINGSの完全崩壊を防ぎつつ、未来への道を残す妥当な思いつきではあったが、唯一、それが雪音の人間性を蹂躙するものであることだけが難点だった。そして今、TiNgSTINGSに戻るか否かという議論が沸き起こり、溜まっていた澱がすべて最悪の形で溢れ出したのだ。

 現時点では間違いなく、春が最悪で、とにかく全部悪い。ただ、社長の様子を見る限りでは彼女にも彼女なりの事情と心情があり、「本気を出してはいけない」という戒めを自分に与えていたのだろう。次のステップは、この春を打破するラストステージということになる。一番の正攻法は、それこそ雪音が狙っていたように「全員が春の本気に耐えうるレベルまで這い上がる」こと。ただ、それがどうやら恐ろしく難しいことは、雪音のこれまでの努力から窺い知ることができる。であれば、TINGSに残された道は「春の除外」しかないのだが……。

 さぁここからが正念場。この春の問題を最終的に丸く収めてこそのマネージャーくんか。春は「ポスト(道標)」を目指しているのだ、肩を並べる仲間という形だけでなく、先に立つ者として、ユニットを引っ張る形で、何か融和策が見いだせないものだろうか。

 

 

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 130円になりますー、第7話。大丈夫なんだろうかあの店員さん。何となく確認したら、雪見だいふくは現在定価150円(税抜)だそうで、流石にコンビニで130円では買えないようです。いろんなものの物価が上がってるからね……。

 さぁ、物語も後半戦、ゆきもじ激闘編が幕を開けた。3人組だと思われていたユニットは実は5人組だった。最終的に5人の姿に戻るために3+2の物語が続いていく。すごく馴染みがある構図なのは、やはりスーパー戦隊でも割と見かける構図だからだろう。ハリケンジャー&ゴウライジャーだと最後まで1つのユニットにはならないので、イメージとしてはライブマンが近いんじゃなかろうか。最終的にブラックが合流するまで想像以上に話数がかかるんだ……緑・黒あたりの合流とバランスだとゴーオンジャーやリュウソウジャーもちょっと近い。あと別ユニットが「リーダー格+付き従うバカっぽい奴」という構図なのでゴーバスターズにも近いかもしれない。執拗に雪音のカメラアングルに被っちゃう紅葉の画像ください。

 正直、これまでユニット名のことなんて全然気にしてなかったので「そういう意味やったんか」と初めて気づきました。確かに頭文字だったんだね、そして小文字が欠けてるんだね。名前の方の合わせ(四季+何故か理王)にばかり目が行って苗字のつながりは全然気にしてなかったわ。しかし、マネージャー君にせっつかれたからとはいえ、春がこんだけ再結成に前向きになったってことはそれなりに5人での活動履歴も長かったってことなんだろう。それを今までのお話で一度たりとも話に出さなかったのも妙な感じがするし、ライバルを自称する雪音が距離を完全に離すわけでもなく、同じトレーニングルームでボケたり突っ込んだり平気で絡んでいたのは何だか気になる距離感。雪音の決心が本当だったのだとしたら、もうちょい「距離を置く」ことを徹底しても良かったとは思うのだが……。

 ただ、最後に明かされた雪音の真実(というか春の真実)を聞けば、彼女の葛藤もまた理解できるかな、という気はする。雪音はどうやらTINGSを解散などしたくはなかった。しかし、それこそ理王たちがこれまで悩んできたようなことの別路線みたいな状態だったのだろう。理王は「自分が足を引っ張っちゃいけない」というので虚勢を張るスタイル。杏夏は自分に出来ることを割り切ってできないことは見ないふりをするシャットアウトスタイル。しかし雪音は、自分で出来ないことがあるせいで本来ならつきぬけスペックを発揮するはずの春に枷を与えてしまっていることに気づき、それが耐えられなかったという。自分ではどう足掻いてもそこを抜け出せないし、かといって春はその事実をひた隠しにするので、正面から彼女に態度を改めるようにも言えない。そんな地獄のような板挟みに耐えきれず、雪音はTINGSを、いや、春を離れることにしたのだ。その際に雪音を見捨てられずに着いてきたのが紅葉だったというお話。

 非常に残酷な決断ではあったが、確かに雪音からするとそれ以外の選択肢もなく、出来ることといえば、せいぜい春のフルスペックが少しでも発揮できるよう、残りの2人のケツを叩いてTiNgS全体を押し上げてやるくらいである。そのために杏夏のトラブルの時にはあれだけ手を貸してやっていたのだ。春のことを思えば、ライバルは名乗るけど完全に離れることもできず、何とも半端な距離感でのお付き合いが続いていた。そして一番タチが悪いのは、そんな雪音の苦悩に、春が全く気づいていなかったということである(そして、そんな問題意識が杏夏や理王と共有できなかったことも痛かっただろう)。これまでなあなあでその辺りは誤魔化してきた雪音だったが、この度マネージャーの荒療治でメスが入ったことにより、いよいよ「完成版TINGS」への一歩を踏み出すに至ったのだ。

 こうしてみると、青天国春ってのはとんでもねぇキャラクターである。「あまりにも強すぎるため、チームプレーを考えて実力をセーブしてるキャラ」ってのは、例えばスポーツ漫画とかバトル漫画だったらたまに見かける類型ではあるのだが、それをアイドルアニメの文脈で描くというのは初めてのことなんじゃなかろうか。そりゃな、なかなか「強すぎるアイドル」の描写って難しいし、そもそも強すぎるんならソロでトップアイドルとして君臨すればいいだけなのでね。春は何故かTINGSでの活動にこだわっているからこそ、こんな地獄みたいな状況になっているのだ。かろうじてそんな春の本質を見抜けたが故に苦しんだ雪音。わずかに感じてはいたがあまり問題視していなかっただけに、指摘されて動揺が隠せない理王と杏夏。そして、ついに本質に踏み込まれ、初めて「輝いて」しまった青天国春……。ラストシーンの春のカット、今作でしか表現し得ない、凄まじく皮肉の効いたインパクト抜群の引きで最高なんですが最悪です。シャインポストって、そういうこととちゃうねん……。

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 推せるアイドル、第6話。とても良いライブ、とても良いお話でしたね。観客席に約1名、理王様の晴れ舞台が全然目に入ってなさそうな奴もいたけどな。

 理王編の後半戦。これまで散々「役立たず」「一番出来が悪い」などといじってしまったことが本当に申し訳なくなる展開。そうだよなぁ、アイドルになりたいっていう子が、そこに至るまでにどれだけ歯を食いしばって努力してきたかって話なんだよなぁ……理王の場合もきっかけとなったのは蛍ライブ。そこは杏夏と全く同じ。すげぇものを見せられちゃったもんだから「自分もああなりたい」って思うメンタリティも同じだ。ただ、杏夏の場合は本当に「自己実現」が中心にあったが、理王の場合は「周りの人間をどれだけ輝かせられるか」という部分にも注意が向いており、彼女が元々どれだけ利他的な人間であったかが伺えるようになっている。

 アイドルアニメで「努力」が描かれるのは当然のことだが、「報われぬ努力」を描くというのはあまり無いパターンではなかろうか。大抵は最後の晴れ舞台に向けて、「練習すれば上手くなる」のがアイドルアニメの摂理である。しかし理王はそうではなかった。頑張っても頑張っても上達せず、今回のライブだって、きっと終わった後も理王のダンスはへたっぴのままなのだろう。それでも理王がアイドルを諦められなかったのは向上心でも自尊心でもない、とにかく「他の2人に迷惑をかけちゃいけない」という一心だった。自分は大丈夫、心配ないから上を目指してくれ。そんな必死の虚勢がペルソナとなり、俺様系アイドル聖舞理王が出来上がる。そして、その仮面が外せないままに、彼女はついに壁にぶち当たってしまった。それをいかにして乗り越えるかを、マネージャーと模索するお話であった。

 よくよく考えると今回の構成はちょっとずるい。なにしろ「自分には何もない」と言っている理王に対する解決策が「そんなことはない」の一言であり、実際にステージに上げてみたら「歌ったらめっちゃ響く」だったわけで、「才能があったのを引き上げた」というだけの結末だ。「持たざる者の苦悩」を描くんじゃねぇのかよ、という肩透かしがあってもおかしくないはずなのだが、今回のライブを見ても不思議とそういった不平不満は起こらない。彼女の必死の形相を見て、そしてライブ後のくしゃくしゃの泣き顔を見て、彼女がここに至るまでにどれだけの涙を飲み込んできたかを考えれば、ようやく辿り着いた1つのゴールに賞賛こそあれ、やっかみも冷やかしも出てくることはない。迷い続けた結果辿り着いた「理王のアイドル像」に、誰の文句があろうものか。努力と友情の果てには、やはり勝利があるべきなのだ。

 さて、これで見事に杏夏・理王の2人は描き切った。マネージャー君の次なる目標は……ゆきもじの2人。さらにここから2人分の掘り下げ。この2人はきちんと杏夏・理王の話に連動してそれっぽい伏線は敷かれてますので、またひと盛り上がり期待できるんじゃなかろうか。

 

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 「農作業ロケでモグラを引き当てる豪運」以上の何をタレントに求めるというのか、第5話。あと日本のどこだか定かじゃないがヘラクレス引き当てる豪運もヤバい。まぁ、アイドルに必要なものかどうかは知らんが。

 杏夏の問題が綺麗さっぱり解決し、さぁ、次はゆきもじの勧誘に入るフェイズか? と思いきや、まだ全然解決してなかった理王様周りのお話。言われてみりゃ、2話でドタバタした時にはなんとなくうやむやになったけど、根本的には何も解決してなかったんだっけ。でもさぁ、春は天性の舞台勘があり、杏夏はパフォーマンスの平均値が高いという分かりやすい売りがあるのに対して、理王の場合はふつーに「全体的に才能が足りてない」が問題になっているので、マネージャーがピカッと眼鏡を光らせて解決するような問題でもないはずなんだけどね。もちろん、そこに才能の片鱗を見出して引き出してあげられればベストには違いないが。

 マネージャー周りも色々と過去に問題やら何やらを抱えているようで、同じ事務所のお抱えアイドルもその辺りをしっているようなんだけど、まぁ、そこはおいおい話題になるだろうから今回は理王のことだけに話を絞ろう。彼女の最大の問題は、素質が追いつかず、自分が他の2人よりも「出来ない」ことを自覚しているにもかかわらず、キャラを作っちゃったもんだから素直にそれを認めることが出来ず、「本当に頑張りたい自分」と「アイドルとしての自分」が乖離しちゃってるところにあるんじゃなかろうか。その結果、「アイドルとしての自分」から得られるものが何も無くなってしまい、アイドル面を押し出して成功し始めている他の2人と自分を比較してどんどん卑下するという負のスパイラルに陥っている。春の輝きは先週まで杏夏の目を焼いていたことからも明らかなように、圧倒的に後ろの2人に影響を与えていた。杏夏に対しては「あれが本物かぁ、私はああはなれんよなぁ」という諦めの対象として立ちはだかっていたが、これは先週見事にブレイクスルーが成立した。

 理王の場合も似たような感情ではあるはずなのだが、「春は春、自分は自分」というひねた着地点を見出していた杏夏とは違い、理王は同じグループのメンバーとして、「あれだけでかい才能の春の足を引っ張っちゃいけない」というので、自分自身の問題にも影響を及ぼしてしまっている。「出来ない自分」を認めないわけにもいかないのだが、弱音を吐いて停滞しては他の2人に迷惑がかかる。だからこそ虚勢を張ってでも「出来る自分」を演出し、前に進んでいるふりをしなければならない。そうしてどんどん現実との齟齬が広がり、さらには杏夏が吹っ切れていい仕事が舞い込むようにまでなってしまったせいで、ちょっと理王様の限界を超えてしまったようである。これもまた、「持たざる者の悲哀」ではあるか。

 手っ取り早いのは、なんで作ったかよく分からない俺様キャラをさっさと捨ててイメチェンしてしまうことだと思うのだが、多分理王の中ではそう簡単に割り切れるものでもないのだろう。このままのキャラで残りの2人の背中を追いかけ続けるのはメンタル面で無理が出そうなのだが……キーとなるのは同じ事務所の紅葉の存在なのかもしれない。前回、杏夏は同様に雪音のサポートによって立ち上がることが出来た。次は何くれとなく世話を焼いてくれる紅葉が理王の救世主となるか。まぁ、今のところTiNgSとゆきもじの関係性もまだよく分かってないような状況なんだけど……あんだけギャンギャン言い合えるんだから、単なる事務所の同僚っていうだけの関係ではないよね。

 

 

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 私の名前は、星見純那だぁ!!! 第4話。いや、ごめんなさい、星見純那ではないです。でも、そういうことですよ。そういう話ですよ。どうにも生まれ持っての性分でしょうね、こういう「頭でっかちでお利口さんになりがち」キャラの奮起って、胸にクるものがあるんですよ……杏夏もこれで堂々とポジションゼロに立つことができるようになったのさ。

 今回の見どころは大きく2つあるが、当然どちらも杏夏のことである。1つは、彼女がいかにしてアイドルに憧れ、アイドルになったかという成り立ちのお話。元々真面目一辺倒で芸能になど一切興味がなかった杏夏だったが、友達から強引にライブへ引っ張り込まれ、そこで雷に撃たれたような衝撃を受けたという。伝説のアイドル島村卯月によってアイドルという存在をまざまざと見せつけられ、その魅力に一気に引き込まれる。少しずつハマるとかじゃなくて、何も知らない状態からブレードを握らずにはいられなくなる。そういう「特別」との出会い。やはり人間にはそういう瞬間があるものだ。私の場合はアイドルではなくて某ボーカルさんとの出会いが衝撃だったが、確かに、「棒は……棒はどこ?! あの光る棒をふらなければ!」という気持ちはとてもよく分かる。ステージの上の存在に、何かを届けてもらえる。それを受け取ったよ、と伝えたい。何かを形にしたいと願う時、人は自然に光る棒を握るものなのです。わかりまぁす。

 そうして一気にアイドルオタクになるのかと思われた杏夏だったが、やはりこの子も「特別」の一端なのだろう。発想が斜め上に進化し、「アイドルを見ていたい」ではなく「アイドルになりたい」へ。そこからは持ち前の真面目さでただひたすら努力。何事もとにかく数を重ねるしかないのである。そうして手に入れたアイドルへの切符。しかし本人も言う通り、アイドルってのはなるまでが大変、そしてなってからはもっと大変。世界にはアイドル志望者が恐ろしい数おり、そこから淘汰されてアイドルを名乗れるようになるのはほんの一握り。そして、その中でさらに「売れるアイドル」になれる確率でいえば、もうそれは本当に奇跡みたいな数字になってしまう。残念ながら、杏夏は未だそこには到達できていない。

 そして、そんな彼女の前には青天国春というもう1人の「特別」が登場したという。“本物”を前にすると人は自分の限界を知る。やはり春のもつ才は天賦のものであるらしい。単なる歌唱力や表現力といった枠に収まらず、ステージ上で輝ける多くの要素を兼ね備えた春の姿を見て、杏夏は己の限界を勝手に感じ取ってしまう。「自分は傍にいる方がいい」「センターになど立つべきではない」。そう思ってしまった。強烈なキラメキに目を焼かれ、落ちていく舞台少女がまた一人。

 しかし、この世界にはそんな落ちぶれた人間にドスを突きつけて腹を切れというルームメイトはいないが、彼女の本心を見透かし、的確にアドバイスをくれるマネージャーは存在している(そういう意味ではまだ舞台少女よりはよっぽど優しい)。今回の最大のみどころは、やはり一度は夢を諦めた杏夏にもう一度ポジションゼロを踏ませることになったその顛末であろう。マネージャーはいいことをいう。「アイドルは正しいことをするんじゃない。やりたいことをやるんだ」。何よりもわがままに、何よりも貪欲に。共演者を喰らい、燃料にするのが舞台少女。それならアイドルだって。

 仲間たちに支えられ、かつての友人に押し上げられ、杏夏はようやくその場所に辿り着いた。しかしまだ、そこは約束タワーの頂点ではない。次なるポジションゼロを求めて、お茶目アイドルは駆け上がっていくのだ。

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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