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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 あててんのよさんが完全にあててんのよをアイデンティティにしててワロタ、第3話。魔王様に向かってあててんよはおかしくないか?

 どうやらこのまま「王都編」として続いていく様子ですね。正直、冒頭でカズマさんだけ孤立してしまった時にはどうなるものかと心配した(あとどっからいつもの服持ってきたんだとも思った)。Aパートはずっと姫様との「下衆なんだけどどこかハートウォーミングな触れ合い展開」という、このすばには稀によくあるけど穏当すぎる流れになってどうしようかと不安になったタイミングで、ちゃんと3人が合流してくれる手筈の良さ。きちんと役割をわかってくれていますね。

 それまでの王城でのカズマさんの豪遊生活は、「まぁカズマさんだからな」と納得できる部分もありつつ、やはり憎らしいと思う部分もある。こいつ、現世で引きこもりだった割にはコミュ力高いんだよな。ナチュラルにお子様に(ちゃんと飛ばせる)たけとんぼ作ってあげてたり、意外と器用なところもあるし、子供マインドだから子供と相性がいいっていうあるある設定、最低限のコミュ力は必要なんだよ。しかし、「カズマにとってはこっちの世界に来てからの生活のほうが絶対に充実してるしいい思いしてるよな」と思ってたんだけど、アイリスに語って聞かせてた面白話が「文化祭」ということで、あんまりこっちの世界での思い出話にストックがなかった様子。現世では文化祭とか楽しむタイプの学生さんだったんでしょうかね?

 その後も謎の巨大ベッドでの家臣との絡み芸を披露したり、なんか全体的な雰囲気がキラヤマトさんっぽかったり、変なテンションで相変わらずの自堕落を見せつけるカズマにストップをかけられるのはお仲間3人しかいない。一番頼りになるのはやっぱりダクネスで、今期に入ってからはアクアもめぐみんも割とモブ。まぁ、めぐみんは劇場版でいい所全部持ってったからしょうがないし、アクアはアクアだからしょうがないのだろう。そういえば今回改めて気づいたんですが、ユルめのテイストがナイスなエンディング映像、アクアだけおたまじゃくしに乳を揺らされてるのに気づいて「やっぱあるんだよな」とは思った。ダクネスは普段プレートアーマーだからな。

 ドMのダクネスから叱責される恥ずかしプレイを経て、謎の分身芸を披露しても王城に居座ることが叶わなくなったカズマ。送別会という名目が王族側に採用されたのかどうかもよく分からん妙な晩餐会でも、主役の座はダクネスのものに。こうして貴族の中にいるダクネスを見ると、やっぱりどう考えてもオーバースペックでカズマの横にいていい人間ではないのだが……ここまでしてもギリギリで「ダクネスはダクネスだから」という免罪符が効いてるのすごい。巷でナンバーワンの評判クルセイダーを籠絡し、一国の姫君まで引き込んだカズマさんはやっぱりすごいのだが、ダクネスさんはこんな男にいろんな弱みを握られてしまったことを後悔していないんだろうか。「逆境に好んで飛び込むもんだからクズ人間カズマにとって都合のいい動きしかしない」っていうダクネスのキャラ設定、やっぱ革新的な発明だよ。

 あれやこれやと愚策を弄した結果、アクセルには帰らずに済んだがまた面倒ごとに巻き込まれそうな謎展開へ。ようやく今期の目標がちょっとは見えたかな。魔王軍との戦いはないんでしょうかね。そもそもこの世界における魔王軍ってなんなんでしょうかね。今のところ「人材豊富な芸人事務所」くらいの認識なのだが。

 
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 この素晴らしき王室にうえしゃまを! 第2話! また新たな異世界に上田麗奈ボイスが爆誕してるぜ! しかも今回も王室関係者、世界が認めるロイヤルボイスなのである。

 ということで新キャラも登場して新シリーズっぽくなってきましたね。今回もず〜っと面白くて何の不満もないんですが、我ながら「なんで何の不満もないんだろうな?」と不思議でしょうがないくらいのもんで。ギャグ作品としての密度の濃さなんでしょうか、単純な合う合わないの問題なんでしょうか。だってさ、ずっとカズマの後ろで変な顔してるダクネス見てるだけで面白いんだぜ? やっぱこのヌルいデザインだからこそ出来るネタ回しだよなぁ。しかも今期は画のテイストは引き続きゆるゆるだとは思うんだけど、全体的な作画クオリティはアップしてる気もするんだよな。しゃきしゃき動いてぐにゃぐにゃ崩れろ。

 また、劇場版で大きなクライマックスをもう1つ乗り越えたこともあり、なんか今作独自の楽しい部分もまた1つ見えてきた気がする。それは、全体的な「危うさ」なのかもしれない。シリーズを重ねてるからってのもあるんだけど、いろんな要素がギリギリというか、ちょっとでもバランス崩れたら倒れちゃいそうなのに何となく立ってるみたいな印象があるのよ。分かりやすいところではカズマとめぐみんの関係性。映画で惚れた腫れたの問題がかなり具体化されて「こいつらすけべなことしてるしなぁ」とは思いつつも、そこでカズマさんがめぐみん1本に決めてゴールインなんて展開にはなっていない。「よくあるハーレム妄想じゃん」と言われたらそのカテゴリに入れることも可能かもしれないが、でも、カズマさんのこのどっちつかずなスタイルって単なるヘタレじゃなくて、やっぱり純然たる「クズ」のなせる技なんですよ。

 そしてそんなカズマさんでもツッコミに回ってしまうという周りのキャラの配置の危うさ。女神アクアはパーティの中で最も一貫してどクズでしかなく、今回だって最後まで飲んだくれてるだけのゴミみたいなやつなのだが、それでも一応最強の女神というステータスを手放したわけではなく、今回だって絵を描いてお姫様の気を引いたのは純然たる功績。役立たずのゴミと女神の危ういバランス。そしてめぐみんの常識人と爆発物のどちらにでもすぐにステップを踏める立ち位置。「そこはどういう設定やねん」という疑問を挟む余地はなんぼでもあるくらいにグラグラしてる部分がいっぱいあるんだけど、それらを全部飲み込んでしまえるこのすばワールド。やっぱすげぇや。

 そして今回は我らがララティーナさんが先頭に立って大活躍(?)。ダクネスが貴族らしい振る舞いをすればするほどに違和感は出まくってるはずなのに、その辺のくだりは2期で一通り片付けてしまっているおかげで、今回みたいな「おいしいトコ取り」のダクネスも楽しむことができる。今回のセッティングに関してはそりゃダントツで常識人サイドだからツッコミ役に徹してはいるんだけど、それでも「大丈夫、ダクネスだから」という絶対的信頼もあり、どこで壊れても誰も文句を言わない。あとエロい。今回の衣装の調整で「アクアもそこそこあることはある」ってことが改めて確認できたとは思うのだが、「ダスティネス家はメイドも乳がでかい」という余計な情報でかき消えてしまうのよね。

 1話目で「女神アクアと久石奏を同時に味わえる素晴らしいシーズン」と書いたんだけど、ダクネスとシルフィを同時に味わえるシーズンでもあるんだよな。なろうも悪い文化ばかりじゃないよね!

 
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 改めて、ヒンメルってすごかったんだな、第2話。だってフリーレンが英雄になったのもヒンメルのおかげだし、その後、彼女が改めて人間の世界を見て回ろうと思えた動機になったのもヒンメル。彼1人の手でフリーレンは大きな変化を2回も体験してるんだ。

 というわけで相変わらず比較してしまうわけですが、こちらのフリーレン、もとい種﨑ティナーシャは、これまでずっと塔に閉じこもっていたので名前こそ轟いてはいるが「英雄」ではなかった。そして、この度オスカーという迷惑勇者(?)に引っ張り出されて、ようやく人間との触れ合いを強く意識するようになったのだ。いわばまだ半ヒンメルくらい。まぁ、このイケメンならさっさと記録を塗り替えてくれる可能性もあるが。

 正直、筋立て自体は前回期待したほどの刺激はなかったかな。1話目はティナーシャとオスカーの意味のわからんいちゃいちゃテイストに興味を惹かれた部分が大きく、今回はさっそくティナーシャが「オスカーは置いてきた、この戦いには付いていけないと思ったから」みたいなことをしており、まだまだ信頼関係が成り立っていないことが浮き彫りになっている。まー、ティナーシャからしたら一国の王子様をほいほい連れ出して国家レベルの問題になっても困るわけだし、仮に信頼してたとしても連れていくわけにもいかんのだろうが。しょうがないので弟子も相棒も何もない完全ソロで悪い魔法使い(CV青山穣)を退治しにいく。意外と顔が広いティナーシャさん、過去にそこかしこで恨みも買ってるみたいですね。

 そして2話目でもまだ期待を繋ぐ要素になったのはその後のモンスター戦闘。こちらが実にいい動画で、短いながらもなかなか見応えのあるシーンに仕上がっている。「白い狼の化け物的モンスター」もなろう世界ではお馴染みの(そして大抵は味方になる)敵キャラだが、そんなベタになりそうな戦闘シーンできちんと見せ場を作ってくれているのは偉い。横ラボ(横浜アニメーションラボを勝手に略すことにした)、映像の瞬間出力はそれなりに高いのよね。あと、モンスターの治癒力の高さを示す際に「1回血が固まって、かさぶたができて、それが剥がれ落ちる」っていう描写を挟んでいるのが芸が細かくて面白かった部分。「モンスターの治癒力が高い」なんてぇと魔法みたいにキラキラで直しちゃったり、適当に腕とか生えてくるだけで終わりの作品が多い中、きちんとこの世界で「魔法とは何か」「モンスターとは何か」を説明するが出てくるのは良いことだ。あとティナーシャのおっぱいがそれなりにあるのも良いことだ(どこぞのつるぺたババアへの他意はありません)。どれだけお歳を召しても覗かれるとやっぱ恥ずかしいんですね。よいことです。

 
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 黒騎士のひとりごと、最終話! まごうことなきおれたたエンドだが、たっぷりとエピローグを展開してくれたおかげで発展的な「未完」になってますな。

 最終話では特に大きな問題も起こらず、ウサトの異世界生活の第2章となる「旅編」とでも名づけるべき展開のプロローグという位置付け。これまでのウサトの功績とローズとの関係性を再確認し、彼がローズと離れ離れになって活動しても大丈夫かどうかが提示される。無敵最強ジョーカーのローズが今後の旅路で一切使えないというのは怖い部分もあるが、ローズは国内においとかないと守りの要がいなくなってしまう。彼女を置いたままで近隣諸国との接触を狙うからこそウサトに白羽の矢が立ったのである。今の彼なら実績も伴っているし、他国との折衝役には充分だろう。

 そしてそんなウサトとパーティを組むメンバーの選別。カズキや先輩は途中まで一緒で後半は別ルートへの拡散、キツネ獣人アマコが正式に帯同することになったので、できればウサト1人では流石に荷が重い。そこで抜擢されたのが、こないだの戦争なんかでいつの間にやらウサトとの関係を深めた門兵のアルクさん。まぁ、いくらウサトが前線に出られるとはいえ、やはりヒーラーはヒーラーだ。先輩たちと別れた後のことを考えると専門の前衛職は必須だろう。これでパーティーは戦士1、ヒーラー1(お子様1)。……あまりバランスは良くない。ということでもう1人(?)に選ばれたのがブルリンだったわけだが……食費ばっかかかって仕事しなさそう。大丈夫か? まぁ、強いだろうし、見た目の時点で敵を牽制する意味はあるのかもしれんけど。マスコットキャラとしてもあまりにやる気がなさすぎるのが不安だ。

 そして、個人的に注目したいのはもちろん黒騎士さんの処遇である。あの流れからてっきりウサト隊に引っ張り出される展開かと思ったのだが、残念ながら最後の時点ではまだウサトを追いかける様子はない。まぁ、魔力を封じられた彼女はあんまり役に立たないし、連れて行っても単なるお荷物、警戒対象なので仕事が増えるだけなのだが。でもなぁ、描写の量から考えて、絶対に今後は黒騎士が翻心して仲間になってくれる展開しかないんだよなぁ。まー、残念ながら今はまだその時ではないのかもしれない。

 ラストには「この先の冒険で登場する人々」の映像だけがスライドショー形式で紹介され、まだまだウサトの冒険は波乱に道でいるであろうこと(そして女の子がたくさん出てくるであろうこと)が示唆されている。なんとも気になる幕引きなので、是非とも続きを「2期」として見てみたいところだが……残念ながら分割とかの報はなかった。既刊の量を考えればもう1クールくらいはアニメ化できそうな気がするんだけど、どうなんでしょうね。

 
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 黒騎士様、拷問の時間です、第12話。……黒騎士は話した……。まぁ、こっちの方がよっぽど拷問。

 先週で大一番が終わってしまい、「こっから何すんだろう?」と思っていたわけだが、どうやら普通にその後のフォロースルーみたいな展開になった。もちろん、先週の「このまま黒騎士放置だったら納得できねぇよ!」という訴えはしっかり受け入れられ、今回はほぼまるまる1話使って黒騎士の処遇。ここまでしてもらえたら、敵キャラとしても本望なのではなかろうか。

 ただまぁ、来週が最終話っぽいので「後に続く話」になったかどうかはよく分からない。単に捕虜を奴隷として使うよ、というだけの話だし、結局黒騎士という人物が(本名すらわかってないし)どんな奴なのかもよく分からない。現状得られている情報は「闇魔法を使う」「あまり忠誠心がない」の2点くらいだろうか。あとはまぁ、ウサトとのコミュニケーションの中で「なんとなく他者の温かみに飢えていた」というニュアンスも出てるかな? 彼女だけを見ても魔族がどういう存在なのかはいまいち分からんな。でもまぁ、魔力を封じることによって単なる小娘になったのは間違いないだろうし、ここから魔族の矯正に成功すれば、2種族の融和のきっかけに……ならないこともないのかしら? 流石にそれはムシが良すぎないかね?

 難しいのは、今回ローズが言及していた「魔族の仲間意識」という部分。「連帯感が強いのでもし捕虜を殺してしまったら怒りでバフがかかる」というのがローズの主張だったが、それを言い出したらもう散々戦争で一般兵を殺してるのだから手遅れな気もする。魔族側からしたら捉えた黒騎士が殺されたかどうかなんて分からんのだし、面倒な要素としてさっさと排除しても多分そんなに戦局に影響はなかったんじゃなかろうか。勝手な想像になるが、多分ローズがそんな適当なことを言って黒騎士を生かしておいたのは、単に世話になってる王様が捕虜の殺害なんて望んでなかったというのが1点、そして事前にウサトが旅に出る話を聞いているので、代わりの下っ端が欲しかったってのが1点くらいなんじゃないかな。あわよくばシゴキの果てに洗脳して、対魔族戦の選択肢に加えようとしている可能性もあるが……流石に「忠誠心が薄い」からってそんなにあっさり裏切るようなもんでもないだろうなぁ。

 というわけで、なかなかポテンシャルが高そうなツンデレ候補生・黒騎士さんについては一旦手打ち。あとは「第2幕」へ向けての下準備ということで、どうやらここからカズキ&先輩と全国行脚編へと移行する様子。その前にウサミミ予言少女との対話があるみたいだが……この先の対魔族戦争に何か追加要素が出てくるんでしょうかね。

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 結局黒騎士ってなんだったんだよ! 第11話! 蓋を開けてみればよく分かんない新顔だし、何故かCV悠木碧の小生意気幼女だったし……いや、幼女かどうかは知らんけど。これで来週なんの言及も無かったらキレんぞ。もしくは陵辱ものの薄い本よこせ。

 サブタイを改めて見て「ひっしょう」ってこう書くのか、ってようやく認識した。前回時点で「ウサトの必殺技ってどんな武器かなー、ヒールの悪用ってありきたりなやつじゃなきゃいいけどなー」みたいな懸念があったが、結果的には「ヒールを拳に込めて殴る」という、割とありきたりな部類だった。そこは素直に残念だし、結局ヒーラーものってそういう展開にするしかないよなー、とは思うのだが、「ヒールが転化して破壊呪文に」みたいな設定ではなく、どこまでも治癒は治癒として機能しているとのことなのでギリギリセーフか。一応、この技を開発したローズがあの通りの性格なので、ウサトに「相手を治しながら殴りゃいいのさ」というアドバイスをしたことも筋が通ってなくもないし、文字通りに「治しながら殴る」ことに強引に意味を見出したのがウサトの不殺の精神によるものなので、設定としてはありっちゃありではなかろうか。

 ……ただ、唯一の難点としてはそんなウサトに特権的な強さを与えるためだけに黒騎士のヘンテコ設定が出てきたって部分。これ、相手が黒騎士の鎧じゃなかったら「治癒パンチ」は基本的に単なるパンチの下位互換でしかないわけで、ほんとに偶然、「ウサトじゃなきゃどうしようもないけどウサトだったら勝てる」という変な制限付きのキャラが転がり込んできただけなのよな。そういう意味じゃ、やはりなろう的御都合主義の極みなのはどうしても引っかかってしまう。今後もこの話が続いていくとして、ウサトの治癒パンチは黒騎士対策以外の意味を見出すことができるんだろうか。ちゃんとこの先に治癒パンチの発展形が見出せるなら立派なプロットと言えるのだけどねぇ。

 まー、1クールで考えったらここがクライマックスだったのだろうから、これ以上先を考えても意味はない。きちんと主人公に活躍の場を与えつつ、今回は犬上先輩の可愛らしさも再確認できたし、何よりもローズとウサトの師弟関係が互いに求め合う最良のものであったことが示されたのが一番の朗報。アウルの「代わり」と言っては身も蓋もないが、ローズの過去の後悔を、しっかりと「癒す」ことができたんじゃなかろうか。

 さて、ぼちぼちアニメは終わりだと思うのだが、来週は何すんだろうね。

 
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 これが戦場、第10話。容赦ない展開だが、それでもどこか戦場にのんびり感があるのは致し方なし。

 とりあえずは想定通りの進行。それは視聴者側にとってもそうだし、魔族側にとっても、人類側にとってもそうだろう。魔族が大軍で攻めてくることはわかっていた。開戦の一撃こそスカされたものの、万全の迎撃体制をとっていた人類サイドもそりゃ元気。基本的に戦争ってのは防衛側が有利にできている。……まぁ、わざわざ平地に打って出たらそんな変わらんかもしれないが。想定通りの魔族の想定内の侵攻。それなら返せる程度には、正規軍は訓練を重ねていたはずだ。

 そしてそれはウサトたち異世界人も同じこと。いわばこの日のために望んでもいなかった(一部例外あり)異世界に呼び出され、必死に修行して迎えた本番当日である。先輩とカズキの勇者両名は優れた魔法能力で雑魚兵士を蹴散らす程度の働きはできているし、ウサトも通常の癒し手業務に加え、ローズの右腕として「戦場を駆ける」働きも一応は果たせている。地獄の特訓はきちんと活きているのである。しかし、ウサトがかかえる不安はあの未来視のこと。本当に訪れる未来なのか、そしてその未来は回避可能なのか。分からないならとりあえず走るしかない。こればっかりはローズに相談したところで解決はしないだろう。

 そして、そんな戦場のイレギュラーを引き起こすのが黒騎士の存在。前回突然現れたマジで謎のキャラで、よく分からんが幹部格だろうと思われるアーミラたちに対しても偉そうだったし、この世界では異世界人にも付与されなかったようなチート能力を持って余裕綽々の蹂躙体制。端的にずるい。まぁ、魔族の中でもかなり特異な存在には違いないだろうから、こんなんがワラワラ出てくる心配はなさそうだが……この1体がまぁ強い。

 犬上先輩は頑張っている。突如現れたイレギュラーに対してもできうる限りの対策を試み、浮わついたカズキを制御して何とか冷静に勝ちの目を拾おうと最善を尽くした。ただ、惜しむらくは圧倒的に実践経験が足りない。魔族という存在がどこまでのイレギュラーをはらんでいるのかを推定できない。まぁ、相手もあの手この手の欺瞞戦術を施していたので頭脳戦でも一歩及ばなかった状態ではあるのだが、この世界における「魔法」の詳細がわかっていない状態で、あの敵の能力を看破するのは流石に無理だっただろう。何とか2人で押さえ込もうと努力した結果、確実に仕留められる状態まで自らで確定させてしまい、勇者2人はあっけなく倒れ伏した。ここまでは見事にウサトの未来視の通りである。

 あとは、「地に倒れ伏した者」を復活させられる能力がこの「確定未来」をどこまでひっくり返せるか。現時点では仮に先輩達が復活できたとしても黒騎士の能力への対策がなければ打つ手がないわけだが……鍵になるのはローズが別れ際にささやいた「ウサトの切り札」か。なんかこう……ヒールの重ねがけでむしろ相手の体組織を壊す、的なものではないことを祈る。そんなことやってる変なヒーラーがちょこちょこいたので。ウサトにはずっとまっすぐな癒し手でいてほしいものである。

 
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 ローズ編後半戦、第9話。およそ想定通りの顛末だったが、的確に心をエグる描写が多いのでダイレクトに辛かった。

 ローズのかつての「過ち」の成れの果て。魔族の脅威は確実に人類の想定を超えつつあり、無敵を誇ったローズ部隊も共倒れの形で壊滅させられることになってしまった。成し遂げられなかったとはいえローズが「治しながら戦う」ことを想定して軍を動かしていたのに対し、敵方の将・ネロは「死してなお戦う」ことをよしとして挑んできたわけで、ここにも人間と魔族は対比的に描かれている。想定外の捨て身の特攻、そしてネロの操る魔剣と悪条件が重なり、ローズ隊は最悪の結末を迎えることになる。

 どこまで行っても戦争は戦争。常に想定を超える事態は起こるものだが、ローズが敵を見誤ったのもしょうがない部分があり、そもそもあの時点ではおそらく「魔族」という敵対存在の解像度がそこまで高くなかったはず。のこのこ顔を出して正面衝突してしまったのも、「国境近辺、しかも自国領内での狩猟行為を発見しただけなので、全面的な衝突にまで発展しない可能性が高い」という読みだろうし、魔族軍がそこまで組織的に完成しているという想定もなかっただろうから、まさか上位の目標を掲げた上で命までなげうって挑んでくるとは思っていなかったはず。全てのイレギュラーはネロが明かした「魔王」という存在のためである。ローズの判断を責めるのも酷というものだろう。

 魔族が組織としてまとまりつつある、このことは2つの意味でローズを揺さぶる。1つは当然脅威の増大。ネロのような統率力を持つ指揮官が多数現れることを想定すれば、これまでのように人類優位を前提とした警戒だけでは足りない。もともと「魔族は身体能力が人間を凌駕する」というビハインドがあり、そこに組織的な軍略を備えられたら太刀打ちできなくなる可能性すらある。魔王の存在は、それ単体で国を揺るがす一大事なのだ。そしてもう1点は、「組織」ができるということは、そこに人類と同様の「関係性」が生まれているということ。最悪のタイミングで、ローズはネロの部下、アーミラの存在を認識してしまった。ただ憎いだけの相手なら問題ない。血も涙もない畜生であれば討滅に迷いはない。しかし、自分が苦しめられたのと同じ感情を、相手も有している可能性があるのだ。そのことを認識してしまうと、ローズは結局は徳の人である。この後の戦争に、思うところもできてしまうだろう。

 現時点では、ローズの姿勢に迷いはない。1ヶ月の沈黙の間に、おそらく考えられることは考えつくしたのだろう。最終的には今のプランに落ち着き、幸運にもウサトといううってつけの人材まで確保できた。相手方をどう処理するかはまだ定まっていないかもしれないが、「仲間を殺さない軍隊」という構想に迷いはないだろう。それこそが、死者の魂を受け継ぐ最善手であるのだから。

 しかし気になるのはCパート。ネロは一応戦場で死ぬことなく自陣へ引いたと思われるのだが……現場復帰はしなかったのだろうか。代わりに当時はまだ新参だったアーミラが将の地位へと召し上げられており、おそらくこの戦争は「弟子VS弟子」の構図にもなるのだろう。そしてよく分からん黒騎士の登場。正直、キャストが???になってるけど中身の心当たりが1人もいないんだよな。流石にネロだとしたらアーミラの態度がおかしすぎるしキャラが変すぎる。単なる新キャラだと思うのだが、ずいぶん思わせぶりな登場である。「HIGH CARD」の方でも似たようなデザインの黒騎士が暴れてたけど、あっちは一応正体を隠す意味があったからなぁ。もしかしてこいつが魔王か?

 
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 まさかのローズ過去編2話跨ぎ、第8話。まぁ、今作はその根幹の大部分をローズというキャラクターに依っているので、この構成も宜なるかな。

 魔族との直接対決を前に、ウサトではなくてその師匠であるローズの胸中を描く物語。なにしろ今作のタイトルは「治癒魔法の間違った使い方」であり、その「間違った使い方」を開発し、鋭意促進させているのはローズただ1人なのだ。今後のウサトの立ち位置を見定めるためにも、如何にしてローズがこんな冥府魔道に堕ちこんだのかを知っておく必要がある。

 とはいえ、その内実はシンプルなもので、まだ最後まで描かれていないが、おそらくは過去の戦争で大切な仲間を失ってしまい、その際に自分と治癒魔法のあり方について大きな後悔があったということなのだろう。そこまではテンプレというか、話の構成として見えやすい。何しろこれまで一切語られてこなかった「かつての信頼厚い部下」が登場しており、「何故、このアウルというキャラは現代で一切登場しないんだろう?」と邪推すれば、きっとすでに失われた存在なのだということは予想がつくし、そんなキャラがここまで克明に描写されているのは、それが現在のローズのあり方に大きな影響を与えた人物だということは察しがつくのである。ローズの「前に出る治癒師」というスタイルは大きな変化は無いようだが、その際の信念の置き所というか、最も大切にする部分として「絶対に救ってみせる」という執念があるのは、おそらく過去に経験した大きな損失が影響を及ぼしていると見ることができるわけだ。

 そういう意味では今まで通り、わかりやすいドラマの構成ではあるのだが、今作オリジナルというか、ちょい捻り気味で興味を引く部分が2つほどあった。1つは、まだまだ謎に包まれた魔族と人類の関係性。なろう小説においては問答無用に悪役にさせられたり、逆に問答無用に理があったりする魔族という存在。今作においては「隣接する地域に住まう別種族」というステータスのみが明らかにされており、これまで侵略をしてるんだかしてないんだかもよくわからない存在だった。かつて王国が辛くも「撃退した」ことがあるという歴史だけが語られており、敵対しているのは間違いないのだが、その理由が何なのか、王国はどのように対処しようとしているのかはまだ読めない部分があった。今回も別に謎が解けたわけではないのだが、生物種としては「人間よりもフィジカルが強い、理解の及びにくい存在」という説明がなされ、さらに「侵攻するほどの戦力は整っていないのでは」という騎士サイドからの推察から分かることとして、すでに「侵略を企てるリスクを抱えたお隣さん」であるが、おそらく人口や地域性などの何らかの要因により、これまでは緊張状態を続けてきたのだということが推察できる。そして、そんな均衡を破るかのように少しずつ裏で動き出した魔族に、ローズ隊が牽制を入れようという展開で、おそらく悲劇が起こると思われる。これがウサトたちの臨む全面決戦の前哨戦。ローズの胸中も色々と推しはかれるというものだ。

 そしてもう1つ、今回のエピソードで面白かったのは、キーパーソンになったアウルという少女の存在。このキャラ、今まで見たことのない造形なんですよね。登場シーンのインパクトやCVの影響もあってぽやぽや感、ポンコツ感が先んじたイメージとして与えられるのだが、話を聞いていくと部隊の副隊長として、かなりの武闘派というか、気骨のある人物である雰囲気も漂ってくる。あのローズと心を通わせられる時点で心根のしっかりした人物であるのは間違いないだろうが、なろう的な「かわいいキャラ」の皮を被せているのに正統派の武人属性も持ち合わせているというキャラのギャップがなかなか面白い。考えてみりゃ、ウサトがあの通りちょっとお気楽な性格でローズとうまくやっているのも、もしかしたらローズがこうした「表面的にカルいけど性根の座った人間」と相性が良いのかもしれない。ここから先、おそらくアウルには苦難が待ち受けているのだろうと思うと来週に向けてちょい心が重い。

 ちなみに今回ローズさんと衝突した魔族の人も、現代パートには出てきていないので……まぁ、負けたのかな。魔族上層部の組織構造がどうなってるのかも気になるところだ。

 

 

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