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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 これが戦場、第10話。容赦ない展開だが、それでもどこか戦場にのんびり感があるのは致し方なし。

 とりあえずは想定通りの進行。それは視聴者側にとってもそうだし、魔族側にとっても、人類側にとってもそうだろう。魔族が大軍で攻めてくることはわかっていた。開戦の一撃こそスカされたものの、万全の迎撃体制をとっていた人類サイドもそりゃ元気。基本的に戦争ってのは防衛側が有利にできている。……まぁ、わざわざ平地に打って出たらそんな変わらんかもしれないが。想定通りの魔族の想定内の侵攻。それなら返せる程度には、正規軍は訓練を重ねていたはずだ。

 そしてそれはウサトたち異世界人も同じこと。いわばこの日のために望んでもいなかった(一部例外あり)異世界に呼び出され、必死に修行して迎えた本番当日である。先輩とカズキの勇者両名は優れた魔法能力で雑魚兵士を蹴散らす程度の働きはできているし、ウサトも通常の癒し手業務に加え、ローズの右腕として「戦場を駆ける」働きも一応は果たせている。地獄の特訓はきちんと活きているのである。しかし、ウサトがかかえる不安はあの未来視のこと。本当に訪れる未来なのか、そしてその未来は回避可能なのか。分からないならとりあえず走るしかない。こればっかりはローズに相談したところで解決はしないだろう。

 そして、そんな戦場のイレギュラーを引き起こすのが黒騎士の存在。前回突然現れたマジで謎のキャラで、よく分からんが幹部格だろうと思われるアーミラたちに対しても偉そうだったし、この世界では異世界人にも付与されなかったようなチート能力を持って余裕綽々の蹂躙体制。端的にずるい。まぁ、魔族の中でもかなり特異な存在には違いないだろうから、こんなんがワラワラ出てくる心配はなさそうだが……この1体がまぁ強い。

 犬上先輩は頑張っている。突如現れたイレギュラーに対してもできうる限りの対策を試み、浮わついたカズキを制御して何とか冷静に勝ちの目を拾おうと最善を尽くした。ただ、惜しむらくは圧倒的に実践経験が足りない。魔族という存在がどこまでのイレギュラーをはらんでいるのかを推定できない。まぁ、相手もあの手この手の欺瞞戦術を施していたので頭脳戦でも一歩及ばなかった状態ではあるのだが、この世界における「魔法」の詳細がわかっていない状態で、あの敵の能力を看破するのは流石に無理だっただろう。何とか2人で押さえ込もうと努力した結果、確実に仕留められる状態まで自らで確定させてしまい、勇者2人はあっけなく倒れ伏した。ここまでは見事にウサトの未来視の通りである。

 あとは、「地に倒れ伏した者」を復活させられる能力がこの「確定未来」をどこまでひっくり返せるか。現時点では仮に先輩達が復活できたとしても黒騎士の能力への対策がなければ打つ手がないわけだが……鍵になるのはローズが別れ際にささやいた「ウサトの切り札」か。なんかこう……ヒールの重ねがけでむしろ相手の体組織を壊す、的なものではないことを祈る。そんなことやってる変なヒーラーがちょこちょこいたので。ウサトにはずっとまっすぐな癒し手でいてほしいものである。

 
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 ローズ編後半戦、第9話。およそ想定通りの顛末だったが、的確に心をエグる描写が多いのでダイレクトに辛かった。

 ローズのかつての「過ち」の成れの果て。魔族の脅威は確実に人類の想定を超えつつあり、無敵を誇ったローズ部隊も共倒れの形で壊滅させられることになってしまった。成し遂げられなかったとはいえローズが「治しながら戦う」ことを想定して軍を動かしていたのに対し、敵方の将・ネロは「死してなお戦う」ことをよしとして挑んできたわけで、ここにも人間と魔族は対比的に描かれている。想定外の捨て身の特攻、そしてネロの操る魔剣と悪条件が重なり、ローズ隊は最悪の結末を迎えることになる。

 どこまで行っても戦争は戦争。常に想定を超える事態は起こるものだが、ローズが敵を見誤ったのもしょうがない部分があり、そもそもあの時点ではおそらく「魔族」という敵対存在の解像度がそこまで高くなかったはず。のこのこ顔を出して正面衝突してしまったのも、「国境近辺、しかも自国領内での狩猟行為を発見しただけなので、全面的な衝突にまで発展しない可能性が高い」という読みだろうし、魔族軍がそこまで組織的に完成しているという想定もなかっただろうから、まさか上位の目標を掲げた上で命までなげうって挑んでくるとは思っていなかったはず。全てのイレギュラーはネロが明かした「魔王」という存在のためである。ローズの判断を責めるのも酷というものだろう。

 魔族が組織としてまとまりつつある、このことは2つの意味でローズを揺さぶる。1つは当然脅威の増大。ネロのような統率力を持つ指揮官が多数現れることを想定すれば、これまでのように人類優位を前提とした警戒だけでは足りない。もともと「魔族は身体能力が人間を凌駕する」というビハインドがあり、そこに組織的な軍略を備えられたら太刀打ちできなくなる可能性すらある。魔王の存在は、それ単体で国を揺るがす一大事なのだ。そしてもう1点は、「組織」ができるということは、そこに人類と同様の「関係性」が生まれているということ。最悪のタイミングで、ローズはネロの部下、アーミラの存在を認識してしまった。ただ憎いだけの相手なら問題ない。血も涙もない畜生であれば討滅に迷いはない。しかし、自分が苦しめられたのと同じ感情を、相手も有している可能性があるのだ。そのことを認識してしまうと、ローズは結局は徳の人である。この後の戦争に、思うところもできてしまうだろう。

 現時点では、ローズの姿勢に迷いはない。1ヶ月の沈黙の間に、おそらく考えられることは考えつくしたのだろう。最終的には今のプランに落ち着き、幸運にもウサトといううってつけの人材まで確保できた。相手方をどう処理するかはまだ定まっていないかもしれないが、「仲間を殺さない軍隊」という構想に迷いはないだろう。それこそが、死者の魂を受け継ぐ最善手であるのだから。

 しかし気になるのはCパート。ネロは一応戦場で死ぬことなく自陣へ引いたと思われるのだが……現場復帰はしなかったのだろうか。代わりに当時はまだ新参だったアーミラが将の地位へと召し上げられており、おそらくこの戦争は「弟子VS弟子」の構図にもなるのだろう。そしてよく分からん黒騎士の登場。正直、キャストが???になってるけど中身の心当たりが1人もいないんだよな。流石にネロだとしたらアーミラの態度がおかしすぎるしキャラが変すぎる。単なる新キャラだと思うのだが、ずいぶん思わせぶりな登場である。「HIGH CARD」の方でも似たようなデザインの黒騎士が暴れてたけど、あっちは一応正体を隠す意味があったからなぁ。もしかしてこいつが魔王か?

 
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 まさかのローズ過去編2話跨ぎ、第8話。まぁ、今作はその根幹の大部分をローズというキャラクターに依っているので、この構成も宜なるかな。

 魔族との直接対決を前に、ウサトではなくてその師匠であるローズの胸中を描く物語。なにしろ今作のタイトルは「治癒魔法の間違った使い方」であり、その「間違った使い方」を開発し、鋭意促進させているのはローズただ1人なのだ。今後のウサトの立ち位置を見定めるためにも、如何にしてローズがこんな冥府魔道に堕ちこんだのかを知っておく必要がある。

 とはいえ、その内実はシンプルなもので、まだ最後まで描かれていないが、おそらくは過去の戦争で大切な仲間を失ってしまい、その際に自分と治癒魔法のあり方について大きな後悔があったということなのだろう。そこまではテンプレというか、話の構成として見えやすい。何しろこれまで一切語られてこなかった「かつての信頼厚い部下」が登場しており、「何故、このアウルというキャラは現代で一切登場しないんだろう?」と邪推すれば、きっとすでに失われた存在なのだということは予想がつくし、そんなキャラがここまで克明に描写されているのは、それが現在のローズのあり方に大きな影響を与えた人物だということは察しがつくのである。ローズの「前に出る治癒師」というスタイルは大きな変化は無いようだが、その際の信念の置き所というか、最も大切にする部分として「絶対に救ってみせる」という執念があるのは、おそらく過去に経験した大きな損失が影響を及ぼしていると見ることができるわけだ。

 そういう意味では今まで通り、わかりやすいドラマの構成ではあるのだが、今作オリジナルというか、ちょい捻り気味で興味を引く部分が2つほどあった。1つは、まだまだ謎に包まれた魔族と人類の関係性。なろう小説においては問答無用に悪役にさせられたり、逆に問答無用に理があったりする魔族という存在。今作においては「隣接する地域に住まう別種族」というステータスのみが明らかにされており、これまで侵略をしてるんだかしてないんだかもよくわからない存在だった。かつて王国が辛くも「撃退した」ことがあるという歴史だけが語られており、敵対しているのは間違いないのだが、その理由が何なのか、王国はどのように対処しようとしているのかはまだ読めない部分があった。今回も別に謎が解けたわけではないのだが、生物種としては「人間よりもフィジカルが強い、理解の及びにくい存在」という説明がなされ、さらに「侵攻するほどの戦力は整っていないのでは」という騎士サイドからの推察から分かることとして、すでに「侵略を企てるリスクを抱えたお隣さん」であるが、おそらく人口や地域性などの何らかの要因により、これまでは緊張状態を続けてきたのだということが推察できる。そして、そんな均衡を破るかのように少しずつ裏で動き出した魔族に、ローズ隊が牽制を入れようという展開で、おそらく悲劇が起こると思われる。これがウサトたちの臨む全面決戦の前哨戦。ローズの胸中も色々と推しはかれるというものだ。

 そしてもう1つ、今回のエピソードで面白かったのは、キーパーソンになったアウルという少女の存在。このキャラ、今まで見たことのない造形なんですよね。登場シーンのインパクトやCVの影響もあってぽやぽや感、ポンコツ感が先んじたイメージとして与えられるのだが、話を聞いていくと部隊の副隊長として、かなりの武闘派というか、気骨のある人物である雰囲気も漂ってくる。あのローズと心を通わせられる時点で心根のしっかりした人物であるのは間違いないだろうが、なろう的な「かわいいキャラ」の皮を被せているのに正統派の武人属性も持ち合わせているというキャラのギャップがなかなか面白い。考えてみりゃ、ウサトがあの通りちょっとお気楽な性格でローズとうまくやっているのも、もしかしたらローズがこうした「表面的にカルいけど性根の座った人間」と相性が良いのかもしれない。ここから先、おそらくアウルには苦難が待ち受けているのだろうと思うと来週に向けてちょい心が重い。

 ちなみに今回ローズさんと衝突した魔族の人も、現代パートには出てきていないので……まぁ、負けたのかな。魔族上層部の組織構造がどうなってるのかも気になるところだ。

 

 

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 それぞれの出陣式、第7話。なんか……すごく久しぶりに「まっとうな転生勇者」の反応を見た気がする……いや、「まとうな転生勇者」がどんなんかは知らんけども。

 魔王軍が迫る中、人間サイドにも緊張が走る。事前の偵察(?)のおかげで大軍が押し寄せていることは事前に察知済みであり、王国軍もそれに備えた堂々たる全面戦争を企てている。これで普通のなろうであれば勇者がチートでもって攻め寄せる大軍をバッサバッサと斬りふせる展開が待っているところだが、残念ながら今作における勇者にも主人公にも、そんな便利かつ興醒めな能力は与えられていない。あくまでもふつーの高校生が、ちょっとトレーニングを積んだ程度で生き死にがかかった戦場に駆り出されるのである。そりゃまぁ、そういう反応になる。

 前回時点ですでに表情が固かったカズキについて、うっかり「闇堕ちフラグでも立ててるんじゃあるまいな?」と心配してしまったが、闇堕ちではなくて単なる怯えだった(まぁ、姫様のCVのせいで余計なノイズが混ざってしまったのであろう)。あまりに当然の反応なので、かえってその意味を取りそこねてしまった。以前出かけた魔物討伐のトレーニングクエストですら緊張したんだから本番って言われてガチガチになるのは当たり前のこと。カズキの場合は先輩みたいなのーてんきな性格でもないので、本人曰く「逃げ出して」しまうのだってしょうがない。普通の高校生は、命懸けの戦場にはいかないものだ。

 そうして不安を抱えたカズキが自然と足を運んだのがウサトのところ。カズキから見たら、自分以上にヘンテコな境遇におかれたのにめげずに頑張っているウサトが一際眩しく見えていたのだろう。思わず不安を漏らす相手として現地の人間はふさわしくなかろうし、自分と全く同じ立場なのに弱音を吐くどころか楽しんでるそぶりの先輩のところにいくのもなんか違う。となると、同郷で同じ不安を抱えているであろうウサトのところに来る以外になかったのだ。ウサトもウサトで、自分なんかよりよっぽどしっかりしていると思っていた「イケメン」なカズキが腹を割って弱音を言いにきてくれたのだから悪い気はしない。ただでさえよく分からない未来視で不安がつのっていたところ。傷を舐め合うというわけでもなかろうが、同じような気持ちの親友がいてくれれば心強い。勇者は1人で成り立たないだろうが、治癒術師だって1人で何が出来るわけでもない。改めて、「チーム」としてのつながりが確認できたんじゃなかろうか。

 そうしてカズキに踏ん切りがつき、最後はウサト自身の出陣式。本番前のローズの最後のアドバイスは「トリアージをしっかりしなさい」ということになるが、それ以外にも、訓練には無かった実際の戦場ならではのトラブルや難しさも多いことだろう。教科書があるわけじゃなし、そのあたりの最適解を見つけるのはひたすら実践を重ねるしかない。戦争なんて起こらない方がいいに決まっているが、その戦争を治めるための方策は、戦争中じゃなきゃ見つからないというのは皮肉なものだ。

 ローズは未だ過去の後悔を抱えている。ウサトは未来への不安を抱えている。この2つのどちらにもケリをつける方法があるものか。まずは目の前の命からだねぇ。

 
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 じわじわシリアス、第6話。とにかくローズの顔の作画がやたら劇画調なので、これまではそこがギャグ要素にも見えていたのがちょっとずつ雰囲気を寄せてきてますね。

 次の展開への助走のようなお話だったが、ようやくローズの内面に迫る描写があり、この世界の過酷さも窺えるようになってきた。最近はどこぞの拷問魔族とかのせいで「魔族いうてもお気楽な連中じゃねぇの」みたいな歪んだ認識が介入するようになっているのが悩ましいが、今作における魔族は一切の妥協を許さぬゴリゴリの悪役。内情はまだ明らかにはされていないが、これまでの歴史を鑑みるにひたすら人類を滅ぼそうとしている奴らには違いない。ただ、お気楽魔族とまでは行かずとも「絶対的権能を持つ超絶種族」みたいな描写にもなっておらず、ウサトたちが所属している国もかつて「侮っていた」魔族軍を撃退することに成功しているとのことだし、人間でもそこそこ対抗できるレベルの戦力のようだ。ざっくりした印象だと「ちょっとした強兵」くらいのニュアンスだろうか。空を飛んだりドラゴンを駆ったりして襲ってくるでもなく、律儀に川に橋をかけて軍を展開してるあたりも妙に律儀で逆に生々しくもある。何が正義で何が悪かはまだ定かではないが、今後展開されるのはいたって普通の「戦争」になるんじゃなかろうか。

 そんな魔族軍との骨肉の争いの中、ローズはかつて仲間を失った過去があった。そりゃま、歴戦の戦士なら戦場での別れなんてなんぼでも経験してはいるだろうが、ローズの場合はかつて「大隊長」という地位についていたこと、そして何より自身が治癒術師として仲間を癒せる可能性があったことなどが理由で、彼らの死に特別に責任を感じているようだ。そんな自分の後悔から「人が死なない戦争」を考え、その起点として「絶対に死なない部下」を追求するという。まー、どこか歪んだ思想に見えなくもないが、彼女なりの必死の抵抗といったところだろう。たまたま目の前にウサトという格好の材料が転げ落ちてきたことも彼女の想いを強くしたのかもしれない。ウサトにローズからの負担が一身にかかっている状況は可哀想ではあるが、彼が受け止めることでローズの悲願が叶うなら、それが一番いい形になるんだろうか。

 そうしていろんな意味で未来を背負ってしまったウサトに、更なる試練が重なる。謎のウサミミ少女が見せたビジョンは、普通に考えたら未来視の映像。ローズたちの必死の準備も虚しく、魔族に蹂躙された先輩やカズキの姿。少女の様子からして、まだ改編不可能な未来というわけではなさそうだが……何をすれば状況が改善されるのかは謎また謎。さぁウサト、否応なく放り込まれたシリアス次元で、根性だけでなんとかなるか。

 
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 なんも進まなかったな、第5話。ほんとに今回の話はなんだったんだろうと思ったけど、まぁ、先輩の人となりをきっちり掘り下げるのが目的でしょうかね。どっちかというと先輩とウサトの関係性より、想定外のメンバーで取り残されちゃった「御付きの者2人&熊」の組み合わせの方がどうなったか気になるのよ。ウサトがいない状態でブルリンのコントロールは効いたんだろうか(効いてなかったけど)。

 ここまでもなんだかふわっとしていた犬上先輩という存在。元いた世界ではちょっと憧れの人で、こっちにきてからは先輩がはっちゃけちゃったのでどっちかというと「おもしれー女」枠になってた変な子。そしてどうやらその変な子路線は今後も揺るぎないようで、ウサトと2人きりになって無茶苦茶な行動は加速する一方。まぁ、そんな中でも貴重なシリアス話もちょっと聞けて、「多分元の世界はあんまり自由な生活してなかったんだろうなー」みたいなところは察することができたので、こちらにきて自由の身になったのがよほど嬉しかったということなのだろう。

 なろうフォーマットの典型といえば、トラックパターン、通り魔パターンに加えてブラック企業パターンなどがあり、ここ最近では「もう元の世界に戻らなくてもいいや」という連中が多い傾向にあるが、よくなろう批判の際にはそうした連中を指して「なんでこいつらこんなに現世に未練ないんだよwww」なんて言われることがある。今作の場合、ウサトたちは不慮の事故で死んだわけでもなければ引きこもりだったわけでも、社畜だったわけでもない。普通に考えたら「さっさと帰りたい」側のスタンスのはず。特にウサトはこっちにきてからのローズのしごきはおそらくこれまでの人生で体験したこともないような過酷なものだっただろうし、異世界召喚されて何一ついいことなんてなかったのだ。それでも先輩に尋ねられた時にウサトが「戻りたい」と言わなかった理由の何割かは、先輩がこっちにいるからだろうか。多分ウサト自身はこっちで思いっきり肉体労働をこなしながらも充実した人生を送るのも、元の世界に戻って平凡な学生生活を再開するのもそこまで大きな差があるわけではなかろうが、その際に「先輩をこっちにおいていく」という条件が加われば話は別。「先輩を助けながら、さらにたくさんの人も助けられるかもしれない」まで行けば、こちらでの生活のウェイトがやや大きくなるか。そしてそこに「先輩は戻りたくないらしい」が加わればさらに天秤は傾く。今回のお話は、そうしてウサトたち()召喚者が元の世界にきっぱりと見切りをつけて異世界生活に本腰を入れるための説明パートだったということなのだろう。……カズキはどう思ってるんやろなぁ。

 ただ1つ気になるのは、先輩は「勇者としてこの国を守るゾ!」と息巻いているわけだが、現状、ウサトはまだしも先輩はそこまで強そうには見えないということ。せっかく勇者として召喚されてるのに、まだまだレベル上げの途上でふつーに王宮で騎士から訓練を受けてる段階。そして今回のモンスターとの戦闘でもそこまで激烈チートな能力を持っているようにも見えない。現状では「なんでわざわざ異世界から呼んできたん?」というレベルだ。まぁ、いきなりチートを発揮するよりも、ウサト同様にゴリゴリに特訓して勇者パワーを発動する方が説得力はあるかもしれんが、やってることはほんとに地味なお話である。早く人間スタンガンから抜け出して魔物と対等に戦えるくらいにはなってほしいね。

 そしてもう1つ気になるのは、今回曇った顔しか見せなかったカズキの話。なんか、先輩に放っておかれて影は薄くなってるし、自分だけ疎外されてるみたいな気持ちになってなきゃいいけど……かつての仲間が闇落ちみたいな展開は見たくないぞ。まぁ、業の深そうな姫様にたいそう心配されてるし、カズキはそっち方面でお話を進展させていくのかしらね。

 
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 壮大なプロローグが終わった感、第4話。なんでだろう、ヒーラーが「ヒーラーの任務をまっとうします」って言ってくれるだけでやたら安心するのは。世の中にヒーラーを名乗ってヒーラーじゃない奴が多すぎるせいだろうなぁ。

 前回の死闘と打って変わって、今回はほのぼの多めのお話。特に新たに仲間になった(?)ブルリンの愛くるしさが大変よろしく、小熊(というにはややでかいが)のもふもふ加減が実に癒しになっている。唯一心配なのはブルリンの発声方法がだいぶ無茶な唸り声なので中の人は大丈夫なのかということくらいだ。ブルリンが寝てる状態で王都を走ってたらガヤからブルリンと同じ声(?)が聞こえてきてちょっと笑った。その声のモブが出てくるのはアクシズ教徒の町以来ですよ。飲・め・る・の。

 ローズの第一次試練を乗り越え、めでたく前衛適性を認められたウサト。改めてこの世界における救命団の任務を思い知らされ、さらに特訓は過酷になっていく。そんな中で新たに「先輩ヒーラー」に出会ったり、街の人から救命団の評判を聞いたりしてその仕事の大切さを学んでいく。いやまぁ、常識レベルでの「回復役って必要だよね」っていうだけの話ではあるんだけど、ローズが必要以上に伝説を作ってくれているおかげでその重要性はさらに大きく見える。魔王サイドの描写によればローズの武勇伝は敵味方問わずに鳴り響いているようで、最強の前線ヒーラーが1人いるだけでずいぶん戦局にも影響を及ぼすようである。なんだかんだ言って最終的に耐久力がものをいうのはどんなバトルでも当然ですからね。

 そして、ヒーラー職の大切さを学んだウサトの背中を最後に一押ししたのが天然風味マシマシのスズネ先輩の存在。異世界に飛んでからだいぶ様子がおかしかった先輩だが、どうやらこちらのテンションの方が完全に素のようで、活き活きしながら自分の任務に向けて鍛錬を続けているという。そんなまっすぐな先輩も間違いなく前線に送られてしまう「勇者」である。(少なくともかつては)憧れた人を守れるというなら、自分のできる最大限のことをやろうと思うのがウサトという男である。これが恋心なのか憧れなのか、はたまた友情なのかはまだ分からないが、純粋に戦場で背中を預けられる関係性になれればベストですね。ただ、その場合にカズキの存在ってどこに落ち着くんだろうというのは気になるが……ベースとしてはカズキと先輩がくっついとくのが無難なんだよなぁ。ウサトは多分現地民と新しく関係を築けそうだし……あの思わせぶりに出てきたウサ耳っ子はなんだったんでしょうね。

 
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 どうとも判断のつかぬ、第3話。今期はなんだろう、むしろ精神的に余裕があるせいなのか、いつもと違って「面白いわけではないのだが」という奇妙な動機の記事立てが発生している。

 こちらの作品については、新番チェックの際に「よく分かんなかったから保留」みたいな適当な結論にしていたのだが、一旦そこにちゃんと白黒つけようというのが今回の記事立ての理由である。結論から先に書くと、「どっちかってぇと無い寄り」である。

 いい点から先にあげよう。まず、映像制作がちゃんとしているというか、そこはかとない作家性を持ち出した責任ある作りになっている。決して作画状態が良いとは言えない部分も多く、どうにも違和感は混じるのだが、最近の中国アニメなんかでよく見られる不思議なエフェクトと陰影の付け方には目を引かれる部分も多く、決して捨て鉢なクオリティではない。なんなんだろね、機材の流行り廃りでもあるんだろうか、この「どっかソシャゲみたいな不思議なライティングの色彩」は最近そこかしこで見るようになった傾向な気がする。多分見栄えがしつつ作画のコストを(金銭的にも、時間的にも)ある程度抑えられるシステムなんじゃないかと睨んでる。知らんけど。

 そしてもう1点は新番チェックの際にも触れたが、既存のなろう文法の完全なコピーだけではない進行。そもそも「最弱」が最弱のままで進行していること自体がレアだし、現時点で主人公に優遇的な措置がほとんど取られていない。辛い物語ではあるが、これはこれで独自性を発揮する要素にもなっているだろう。

 その上で何故「無い寄り」という結論に至ったかというと、そうして描かれているドラマにやっぱり説得力が無いからだ。1話目2話目時点で「なんでそこかしこにビンに入ったままのポーションが落ちてるんだよ……」とかいう細かいところが気になってしょうがなかったのだが(どこぞの転生者なんて、ポーションを生成できることを悪用して空き瓶だけで一儲けしようとしてたぐらいやぞ)、まぁ、そこは「本当にスキルという言葉が全てを支配している世界」だと思えば無理やり納得できなくもない。たとえば1つの村に1人くらいの割合で「瓶入りのポーションを生成するスキル」持ちが生まれてくるという世界であれば、そこらじゅうに瓶入り賞味期限切れポーションが転がっていてもおかしくはないだろう(どうだろう)。ただ、そうして「すべての人間が星に規定されたスキルを持っている世界」だとするなら、あまりに描写が杜撰なのだ。世界観の説明のためとはいえ、家族の会話で「お母さんの星2スキルがあるから」みたいなことをいちいち言わんだろ。また、星無しがあそこまで忌み嫌われる世界ということは「星1」と「星2」にも厳然たる差があるはずで、それだけで身分の差があるような扱いを受けて然るべき。その世界で軽口として「お前は星1だからだろ」みたいなことを言い合うのはどうにもこの世界の倫理がイメージできない。

 そして主人公がレアな星無しという設定と、星無しが生まれたら親子の縁を切ってでもそいつを村から追放するという過激な文化。こちらに関して、脳内前世記憶から「魔女狩り」というフレーズが出ていたが、どっちかというとシンプルに「忌み子」文化だろう。これも現実世界では近世くらいまでどこのコミュニティにも存在した可能性がある文化であり、ひどいことはひどいが、まぁ、理解できる文化形態である。ただ、もし「忌み子」の文化的背景があそこまでの拒否反応を引き起こすほどに強固なものであるとするなら、まず忌み子に認定された時点で殺すなりなんなりという「規範」が存在して然るべきだろう。殺すことがいいというのではない。ただ突然父親がとち狂って娘を家からおん出すだけ、というのがどう考えても文化の理解度とその対応の未成熟さで釣り合わないのだ。

 また、当然作者目線ではこの忌み子の文化を「主人公が受ける理不尽な仕打ち」の描写として表示しているわけだが、残念ながら視聴者目線ではこれが本当に理不尽なのかどうかを判断する術がない。まず、「世界中のすべての人間がスキルを与えられる世界」であるということを飲み込む必要があり、さらに「星無しは家族であろうが幼子であろうが放逐されるくらいに忌み嫌われる」という文化も飲み込むとしよう。であるならば、この世界にはさらに「そこまでの仕打ちを受けるくらいに、過去に星無しが忌み嫌われるような理由を作り出してしまった」という歴史的事実があるはずなのだ。そうでなければあそこまで強固な忌避感は作り出せないだろう。であれば、ヒロインは本当に周囲に「呪い」を与えている可能性があり、彼女の身の上が単なる「不憫」で終わらない可能性が出てくる。もちろん「そんなことはなく、あくまで理不尽な仕打ちを受けているだけなのだ」ということは描写から伝わってはくるのだが、そのことをきちんと理屈として設定してくれないことには納得感が薄い。そこに筆を割く判断が下されないのであれば、やはり今作の脚本には懐疑的にならざるを得ない。

 ……というのが現時点での結論、長くなったのでもう一回まとめておくと「無し寄り」になった理由である。…………まぁ「そんなに気張ってみるもんでもないやろ」も結論なんだけども……せっかく他には無い設定で進めてくれている作品なので、もっとうまいことやって欲しいっていう気持ちがあるのだよなぁ。

 
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 このアニメの方が真っ当な意味でもふもふなでなでしてるよな、第3話。動物の種類はうさぎとクマだけだったけど……こっちの動物の方がもふった時に幸せそう。

 というわけで、汚いシートン動物記みたいなお話になったわけですが、相変わらずテンポが良くて勢いがあるので、今期なろうの中では一番忌憚なく観ることができる作品になっている。3話目時点でこれだけの作画クオリティが維持出来ているなら、今後もそこまで大きな崩れは無い……と期待したいところだね。

 今作が楽しく見られるのは、やはりなろうではあるがなろう的な要素が薄くて至極真っ直ぐな少年漫画っぽさがあるところで、いわば1話から3話までず〜っと修行パートみたいなもの。最近は本家ジャンプ漫画ですら人気が落ちるというので忌避されているらしい修行パートだが、こうしてちゃんと努力の過程と結果が見え、そこに因果関係が感じられてキャラクターの成長要素に寄り添えるならあって然るべきだと思うわけですよ。治癒魔法の「間違った使い方」は多分「間違ってる」のだろうが、「ダメージを受けてもその場で回復し続けながら殴る」は割と伝統的なキャラ造形の1つであり、ヒーラーというポジションじゃなくても、例えば不死性を持つキャラなんかが似たような振る舞いをすることもある。つまりは描き方次第でだいぶ陳腐に見えてしまうリスクを孕んだ主題のはずだが、今作はその部分をおよそヒーラー職とは思えないローズというバイオレンスクイーンに全て委ねることによって「地獄を見た上で、より高次の恐怖に打ち勝つためにヒール」という謎のモチベーションが付与され、充分にオリジナルな要素になっているのである。

 今回の大蛇戦もアクション的見せ場が多く、ファンタジー世界ではお約束というか、一番の盛り上がりになるべき「巨大ボス戦闘」がちゃんと見せ場になっている。最近だと「一撃死のリスクを負った状態での巨大ボス戦」というと「シャングリラ・フロンティア」あたりで割と力の入った映像が見られるが、やはりゲームと現実(?)では必死さも違うし、こちらは熊さん親子の命のバトンという余計なおまけもついている。必死で頑張る主人公・ウサトの下に集うのがエロ可愛い女の子とかじゃなく、もふもふ出来る動物軍団になるならそれはそれで嬉しいじゃないですか。いや、今後ハーレムになる可能性は多分にあるのだが。ちなみに今回仲間になった熊さんのCVが明乃さんらしいです。女帝、なんでか知らんけどこれで異世界は巨大ハムスターに続いてのケモノ実績解除である。そんなポジションか?

 中の人の話をついでにもう1つしておくと、今作を見ていて楽しい要素の1つに、実は主人公・ウサト役の坂田将吾がいい仕事をしているというのも挙げられる気がする。まぁ、普通の主人公ボイスではあるのだが、全盛期の石川プロみたいないい具合のノリを感じるのだよね。今まで何となくで名前を認識してたけど、もうちょい注目してみてもいいかもしれない。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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