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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 もういくつ寝ると、第11話。きっちり時節に合わせたエピソードになっているのは、たまたまなのか、まさか放送時期まで計算尽くなのか。

 前回のお話とのギャップが壮絶な1話。あれだけ心がクサクサしていたというのに、それを一発で吹き飛ばしてしまう川本家のパワーはやはり凄まじい。

 零にとっては重たい対局が続いていたことも原因だったのだろうか、仕事を終えて気が緩んだところで体調はそれを察知したかのように悪くなる。一人暮らしの風邪っぴきというのはなんとも心細いもので、出来ることといえばただ寝るのみ。その間に栄養・水分の補給、あわよくば病院へ行っての治療・投薬ということになるのだが、一人でいては病院へたどり着くこともままならぬ。現代はコンビニがあるから食料などの調達は比較的容易だが、一昔前の人は、一人暮らしで患ったときはさぞかし不安だっただろう。現代の世捨て人みたいな生活をしている零もそこは同じ。自宅にはろくに食べ物もなく、朦朧とした意識の中、まるで死期を待つかのように世の全てに対して悲観的になるもの。それがハレの日である大晦日だったりしたら、なおさらである。

 そして、そんな零の状況を察知したかのように飛んでくる川本シスターズ。元々犬猫を拾ってきて太らせるのが趣味というあかりさんのこと。弱っている零を放っておくはずもなく、そのまま驚くべき迅速さで彼の病魔撃退へと動く。世話焼きママン体質、ここに極まれり。残りの姉妹2人もこの長姉の指示をよく聞き、訓練された軍隊のごとく、零をおもてなしていくのである。くそう、なんと羨ましい。流石に下着を脱がせて云々までは進まなかったが、下手したらそのレベルまでいってエロ漫画展開になだれ込んでもおかしくないシチュエーションではないか。

 もちろん、川本家はそんな下衆な世俗とは無縁の楽園。愛にまみれ猫にまみれ、零はながされるままに至福を味わう。そこに待ち構えていたのは懐かしき良き日本の年末年始の姿である。零の病気もあってか蕎麦をすするシーンこそ無かったが、何となく流れる紅白。この日ばかりは夜更かしを認められ、居間に転がりながらも結局寝こけてしまう子供たち。除夜の鐘が聞こえる中で、そんなかけがえの無い「家族の日常」が零に染みこんでいく。かくいう私にも、こうしたノスタルジックな風景はチクチクと刺さってくる。家族の正月……あの頃は良かった……嗚呼。ただ、こうした家族の肖像の中で、川本家は「両親」だけが欠けている。中でも父親の存在というのは不可思議なものであるらしく、零もそれを感じ取っているために多くを尋ねることはしない。いや、零は何一つ尋ねない。そのことが、家族に混ぜてもらえる恩義への礼節であると考えているのかもしれない。

 年が明けてからの挨拶、おせち、年賀状。これらもまた、象徴的な家族の風景。まぁ、年賀状が少ない事なんて気にする意味はないのだよ。わしも来ないから気にするな、零。人間、年賀状を1枚も出さないように決めておくと、自然に届く枚数も減っていくものですよ。あんな面倒な習慣、消えてなくなればいいのに。でもまぁ、子供さんが年賀状の中身や枚数で一喜一憂する気持ちも良く分かる。お正月という特別な風景の中で、あの1枚1枚が自分の1年の蓄積のようにも感じられるしね。年賀状を出したりもらったり出来るあいだは、その関係性を大切にした方がいいのかもしれません。

 こうして紡がれる日常の風景に、川本家の色々な面が新たに見えてくる。叔母の紹介で夜のお店に出ているあかりさんも、その扱いが「生活に窮したが故の苦しい仕事」というわけではなく、むしろ叔母の気遣いによる社会活動の一環であることが分かったり、川本家の謎な間取りによるドキドキシチュエーションが分かったり。いいぞ零、そこから今度はお風呂ハプニングイベントだ。このアニメじゃ絶対そういう展開は起こらないのが残念無念。あかりさんのお風呂タイムとか、想像するだにNHK向きじゃないからね! あかりさんに「えらいえらい」っていわれたいだけの人生だった……。

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 真意定まらぬ腹の底、第10話。奇しくもクリスマスシーズンに合わせてのエピソードとなったが、如何せん、ハッピージングルベルとはならぬもの。

 前回の松永さんのエピソードは、どこか寂寥感のあるシリアスと救いようのないコメディのバランスが絶妙な、「こんな人もいるんだよ、将棋会館」というお話だったが、今回はコメディの要素が全部取っ払われ、単なる「他の会員」の紹介ではなく、将棋を続ける人生というものを零にフィードバックして、彼の人生観を掘り下げるお話になっている。もちろん「こんな人もいるんだよ、将棋会館」という意味合いもあるのだろうが、視聴者側からしても、あまり見たくなかった、心痛む話である。

 他者との対局に際して、相手サイドの情報を持ち込むのはやっぱり香子。前回の松永さんとの対戦の時は「彼女なりに零にはっぱをかけている部分もあるのかな?」と思ったが、今回の対安井戦においては、彼女の発言のほとんどは「零を苦しめる」意味しか持たず、流石にこれをエールと受け取るのは無理があるだろうか。ただ、彼女も100%悪意や妬みだけから零に絡んでいるわけではないのも間違いないはずで、今回の一件で悪意のみが浮き彫りになったのは、安井の人生を語る上で、どうしても「親子」という話題に触れざるを得なかったためだろう。離婚が決まり、望まずに離れ離れになるという安井家の父子。そして、距離的な隔たりは無かったはずなのに、気付けば心が隔たっていた幸田の家族。自分たちの問題に引き寄せて語ってしまえば、香子だってどうしても「毒のある」言い方になってしまうのだろう。どこかで零を責め立て続けながら、彼の行く末を生ぬるい熱を孕んだ視線で見守る香子。彼女は、零がどんな人生を送れば満足してくれるのだろうか。そして、零はそんな香子に対して、どのように接するのが正解なのか。疎ましいばかりの姉の存在でも、彼にとっては数少ない「繋がり」には違いない。毒ばかりの姉の言葉すら求めてしまうほど、彼の「家族」関係は限られ、切実なものである。

 前回の松永戦では「わざと負けたふりをしてあげる」という選択肢も一応は零の頭の中にあった(実際にはそれすらさせてもらえなかった)が、今回の対局では、彼は「負ける」ということを一切考えていない。姉の言葉に何を思ったかは分からないが、違う生き物を見るかのように恐れおののいた松永の生き方に対し、此度の安井の戦い方は、零にも理解出来るものであり、それだけに、絶対共感出来るものではなかったからだ。事前に先生との会話でちょっとおちゃらけた風に「生活がかかっているんですよ」と言っていた零。確かに経済的な問題もあるだろうが、彼が将棋を手放すことが出来ないのは、これまで歩んできた人生の歪みを正すことが出来ないため。それしか出来ない道を選び、それを選ぶために多くの人を傷つけてきたため。将棋が好きじゃないとは言っているが、彼の中には負けられない理由がたくさんある。

 それに対し、安井の将棋はひどくみっともない。そして、棋士の将棋がみっともないということは、彼の人生もあまりにみっともない。松永のような異次元の格好悪さでないだけに、安井の「醜さ」は一層際だち、零の感情を逆撫でする。零の目から見れば、安井だって零と同様に「大切なもの」を賭けた戦いだったはずなのに、安井は勝負に真剣になれない。勝てないことの理由を自分に求めず、勝負の厳しさを他者になすりつける。そうして生まれた結果から目を背け、ますますみっともない道を転がり落ちていく。残ったものは、零に向けられた理不尽な敵意のみだ。勝負となれば、当然そこに勝者と敗者がある。勝者は祝福され、敗者は痛みを知る。自明の摂理であるはずなのに、それを受け入れずにただ負けたという事実を理不尽に他者になすりつけるという行為を、零は認めることが出来ない。努力しなかったことを批難し、弱いことを唾棄する。

 彼が独り叫んだあの絶叫は、どこまでが彼の本心かは定かでない。彼は決して実力至上主義ではないだろうし、敗者を罵ったり、蔑む気も無いだろう。しかし、あの一戦に関しては、相手を呪わずにいられない。相手が自分を呪ったことに対し、それしか処理する方法が無いのだ。果たして、彼はこれまで「敗者の呪い」をどれくらい正面から受け止めたことがあるのだろうか。勝者と犠牲者という絶対的な構図と、それを受け入れられない敗者の傲慢を、どれほど身に感じてきただろうか。今回の一戦は、勝負の世界に常に付きまとうそんな理不尽を容赦無く叩きつけるお話。静謐な対局の構図は宮本さんによるコンテワーク。相変わらず、こういう突き放したような演出が印象的です。

 零は、今後も「他人の人生を呪い、他人に人生を呪われながら」戦い続ける道を選ぶのか。生きるというのは、やはり難しい。

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 なんでこっそり「グラップラー刃牙」って言ったの!? 第9話。まぁ、原作にそう書かれてるんだろうが……謎のコラボレーションやめろや。

 何とも不可思議な味わいのお話になった。一応零の人となりを表すエピソードとしては予想外の角度から掘り下げられもしたのでなかなか面白い絡みになったが、今回のお話は零や香子の内面を描く本筋とはちょっと逸れて、「将棋に関わる色んな人生」の1ページを切り取ったお話、と見た方がいいのかもしれない。これもまた将棋アニメの1側面ってことですわね。

 前回、香子が色々と含みを持たせた言い方でチクチク刺していった零の対戦相手、松永氏。先週までの情報だけなら「勝ち負けに関係無く、ただひたすら将棋にしがみつき、戦い続けた老兵」みたいなイメージが構築されており、実際、零もそのつもりで最初に彼の背中を追いかけたのだろうが……。まー随分濃いお人だったようで……。でもさ、凡人にとっての「戦い」って、こんなもんだよね。零のように天才肌の人間が、同じように選ばれた人間とだけ戦っていたのでは決して見られない景色が、そこには広がっている。いや、おそらく零だってこれまで数々の相手を打ち倒してきたのだから、松永と同じように「弱くて」「それでも諸事情で戦い続けている」人間とは対戦したこともあるのだろうが、おそらく零は、そうした対戦相手のバックグラウンドなど気にしている余裕が無かったはずだ。なにしろ自分が将棋を指す理由すら定かでない状況なのだから、相手の事情まで気にしていられないだろう。今回、そんな零がたまたま相手の人生の後ろ側を覗いてしまったのは、香子のちょっかいがあってこそである。

 「凡人」の中でも随分極端なキャラクターの松永氏。零から見たら異星人のごとき存在で、将棋の「弱さ」にも様々な見どころがあることを教えてくれる。「わざと負けようにも難しい」という零の泣き言が全てを物語っており、人間、長く続けたからって誰もが偉いわけでも、尊いわけでもないのだ。弱いなりに戦う理由があるってことは、弱いなりの戦い方も、どれだけみっともなくてもどこかにきっとあるのだ。ただ、残念ながらそれは零のいる世界とはちょっと違う世界の理の中にあるというだけなのである。

 結局、零は松永という人間を理解することは出来なかったのだと思う。理解を阻むのは年代の壁であるし、経験の壁であるし、実力の壁、そして将棋への執念の壁。文字通りに生き死にを将棋に賭けてしまった零は、松永のところまで「降りていく」ことは決して無い。それでも、(望まなかったとはいえ)彼と膝を突き合わせて色々と話を聞くことで、これまで見たこともなかったような将棋の世界が垣間見えた、それはもしかしたら、彼の人生にとっては幾らかのプラスになったのかもしれない。……かな? どうなんでしょうね。

 それにしても羽海野チカという人はこうした「才能が無い人間の嫉妬」みたいなテーマに何かこだわりがあるのだろうか。「ハチミツとクローバー」の時にも、こうして「天才」と「凡人」が交わり、その中で何かがぶつかったり、壊れたりする様子を、どこか残酷に描いていたように思う。彼女の書く「凡人の嘆き」は、何とも切実で、身につまされるものがある。松永さんのようになりたいとは思わないが、彼の気持ちもなんだか分かる気がするのは、同情なのか、共感なのか。歳の取り方、、考えて今後も生きていきたいですね。

 なお、今回何の脈絡もなく挿入されたことで「ニャー将棋音頭」は無事に完結。毎週エンディングで流してくれてもええねんで。

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 2週跨ぎでニャー将棋、第8話。これ、歌はまだ終わってないよね。どっかで3番を披露する機会があるんでしょうか。

 Aパート、引き続き川本家で将棋の普及に務める二階堂君。なんと自費出版の超豪華絵本だったらしく、彼の才能が優しく素敵な方向に余すことなく発揮されている。どんだけ良い奴なんだ、二階堂。まぁ、どれだけ優しく教えてもモモちゃんにはまだちょっと難しいかもしれませんが。ひなたちゃんが将棋を覚えたら、零を見る目もまた変わってくるんでしょうかね。2週間ぶりに見るあかりさんは相変わらず圧倒的な包容力。「ニャー将棋音頭」も歌ってくれているので、短い時間でかやのん成分をフル充填出来る素敵な作品なのです。ちなみに、「ニャー将棋音頭」は一応川本三姉妹の歌ってことになっているのだが、モモちゃん(というか久野ちゃん)は台詞以外のソロパートねぇのな。歌わせてあげたら……どうなるんだろ。そういや久野ちゃんのソロ歌唱って聞いたことないや。某所でアイドルやってるんだから出来るとは思うのだが、モモちゃんのキャラのままで歌うような曲じゃないってことなのかね。

 Aパートはほのぼので良かったのだが、一転、Bパートはなんだかクールな展開。一人、幸田家から逃げ出した零にはもう関わらないだろうと思っていた「姉」である香子が、突然彼の家に押しかけてきたのだ。今作の特徴でもある、光源を押さえた夜景中心の風景の中に、金色に染めた彼女の髪が流れる様子がなんだか印象的。当然、零からしたらあまり顔を合わせたくない相手なのだろうが、香子はお構いなしで彼の家へと上がり込む。

 「零→香子」という方向での感情はこれまでモノローグを重ねてきたおかげでイメージしやすいのだが、今回フィーチャーされるべきは、「香子→零」という方向での感情である。彼女は、自分の人生を滅茶苦茶にした(と少なくとも彼女目線では思える)「弟」に対し、現在はどんな感情を持っているのだろうか。香子自身はすでに将棋からは足を洗い、将棋が全てである幸田家の中では事実上のドロップアウト。つまり、今となっては直接零を恨み続ける因縁は無いとも言えるわけだが、なかなか簡単に割り切れるものではない。では、彼女はただ恨み骨髄で零をにらみつけるばかりかというと、どうやらそうでもないらしい。なんだかんだ言いながらも「姉弟」の関係であり、零は自分がドロップアウトしてしまった将棋の道でタフに生き続ける「巧者」でもある。父のお気に入りであることは疎ましいが、父が認める人間であると思えばこそ、彼女も零を無下に扱うわけにもいかないのかもしれない。

 そうした香子の複雑な感情が、今回の押しかけ劇に表れているようである。好き放題にわがままを言うのは姉の特権。家に転がり込んで突然の宿泊。やっていることは二階堂と同じだが、二階堂は本当に善意(というか友達感覚)でやっているのに対し、香子は確実に「零が嫌がる」ことが分かって泊まり込むことにしている。そのあたりは確実に性格の悪さが出ている部分だろう。しかし、ただ零を困らせることだけが目的かというとそういうわけでもないらしく、一人で味も素っ気も無い部屋に住まい続ける弟の行く末を気にしているようにも見受けられる。零が将棋に対してどんな感情を持っているのか、その全てを理解しているのは二階堂には無い香子だけのアドバンテージで、零だって、そうした自分の丸裸の本音を見透かされていればこそ、余計な気遣い無く香子に接することも出来るのかもしれない。長年一緒に暮らしたが故の不自然な近さと、どこまでも相容れない精神的な距離、何とも不可解な2人の繋がり。

 次の対戦について、相変わらず余計なことをチクリと刺してから出ていく香子。確かに「余計な一言」なのだが、捉えようによっては、「同情から負けたりするんじゃねぇぞ」という激励の言葉とも取れる。ひどく歪だが、どこか通じている気持ちを窺えるような、不思議な姉弟関係であった。彼女の現在の最大の難点は「暴力を振るうようなろくでもない男と暮らしている」という部分だが、それだって、将棋以外のものさしで自分を見てくれる他人を求めての結果だろうしなぁ。誰が悪いと一言で片付けられないだけに、この家族の問題もまだまだ根深そうである。

 零が次の対局で勝つのかどうか(勝てるのかどうか)、そのあたりで、また香子の存在意義というのも変わってくるのかもしれない。

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 ニャー将棋、ニャー将棋! 第7話。なんかもう、そこだけで残りの記憶が全部吹っ飛んでしまった。贅沢キャストから謎のキャラソン(?)へ繋いで将棋の普及に邁進してくれるアニメ。なんて素敵なこころざし。

 一応冒頭から見ておこう。前回風雲急を告げる登場だった高橋君。威圧感のある巨躯に圧倒された零だったが、高橋君すげぇ良い子。二階堂もそうだけど、零のまわりはなんだかんだで信じられないくらい良い人間が集まってきてくれるのは本当に贅沢である。そりゃひなたちゃんが子供ながらに惚れてしまうのも致し方ないな、と思える好青年だ。零に近づいたのは「若くしてプロの世界で戦う先輩」から1つでもいいから人生訓を得ようとする、貪欲で真摯な成長願望の現れ。もちろん、初対面の先輩に礼を失することもなく、いかにも体育会系の接触ながら、兼ね備えた知性も感じさせ、人間的な器の大きさも見せつける、最高のファーストコンタクトであった。零は零でこれまでずっと周りの人間の顔色をうかがいながら生きてきたこともあり、彼の混じりっけ無しの熱意をしっかりと受け止め、若輩ではあるが、出来る限り熱意に応えようと居住まいを正した。これはこれで素敵な人間関係。その脇では、どさくさに紛れてひなたちゃんが高橋君に接近できるなんてラッキーもあるのだ。あ、でも高橋君は四国の学校に行くって言ってたよな。ひなたちゃん、離れ離れになっちゃうことは知らないのだろうか……。

 そうして出会えた素敵な後輩との出会いは、もちろん零にも大きな影響を与える。彼にとっての高橋君の意義とは、「自己に内在する感情の顕在化」である。今回、高橋君が「何故改めて高校に行き始めたのか」と問い、零の返答に対し、さらに自分なりに言葉をかみ砕いて確認するという行程があった。零は「分かってくれる人がいる」と喜んでいたが、実際には、零は返答を口にした時点では自分でもその気持ちを消化しきれていなかった可能性がある。そして、高橋が改めて「他者の言葉」として明文化したことにより、これまで自分の中にあったコンプレックスのような、得も言われぬ感情を、他人の目線を通して理解することが可能になった。さらに、この理解の仲介者となった高橋君が目の前に存在することで、自分の感情が特別なものでなく、他者と共有出来る普遍的なものであることも確認出来て、零に特有の孤独感、疎外感も解消出来るという働きがある。二階堂のように零の内面を気にせずグイグイ来る人間も結果的には彼が殻を破るのに一役買っているが、高橋のように、冷静に零を見て察してくれる理解者というのも大事な存在なのかもしれない。

 そんな幸せな邂逅から転じて、Bパートでシーンは川本家へ。ここでも高橋君との関係性をより深めていくわけだが、個人的にちょっと楽しかったのは高橋のカレーへの反応である。そりゃもう、男子中学生ならカレーで喜ぶのは当たり前だが、「温泉卵までのってるとか最高じゃね?」みたいな素直な反応が、「こいつ、どれだけ大人ぶった振る舞いをしていても、やっぱり根っこは男子中学生なんやな」という安心感みたいなものを与えてくれる。言葉の選び方も非常に素直で、ここにも彼の人柄の真っ直ぐさみたいなものが窺える。ひなたちゃんが幼馴染みなので肩肘張らずに接することが出来る、ってのも良いところなのかも。まぁ、対するひなたちゃんの方は肩肘張るどころじゃないけども……やっぱりあかりさんが女神なんだよなぁ。カレー食いたし。

 で、零ちゃんの対局の様子がついにバレてしまう、なんてハプニングもありながら、ビデオ視聴ではさらに二階堂という唯一無二の存在も確認出来て、今回は本当に零君の幸せが噛みしめられる回となっております。いや、本人は迷惑そうにしてるけども……。零の立たされている状況を本人よりも理解し、さらにそこに厳しくも熱い言葉を投げかけてくれる真っ直ぐな二階堂。彼がこの後テレビの解説役に呼ばれるのかどうかは怪しいのだが……いや、かえってこういうキャラがお茶の間に人気になるかもしれないな。零ちゃん、そろそろ「親友」認定をOKしてあげてもよいのでは。零が声を荒げて怒れる唯一の相手が二階堂。つまり、壁も陰も全て取っ払って、腹を割って対話出来るのが二階堂。零本人はその大切さにまだ気付いていないようだが、きっとこの後、ありがたみが分かる時が来るのだろう。

 で、ここまでだったら本当に「イイハナシダッタナー」で終わるエピソードだったのだが……。ニャー将棋! これ、今週は歩・桂馬・金だったので、残る駒については次週以降に曲が流れるってことなんですかね。映像も楽しいし、川本家の皆さんで歌う楽曲も楽しすぎる。このキャストで歌が出せるっていうだけでも一大コンテンツですやん。いや、久野ちゃんがどのくらい歌うのか知らないけどさ。そしてこの「ニャー将棋」、なんと駒の1つ1つにオリジナルでCVが与えられているという謎……。今回出てきたのは野中藍と白石涼子でした。川本家が大沢キャスティングなのに対し、ニャー将棋は青二キャスティングですかね?(シャフトキャスティングやな)

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 「どれだけ寝ても眠い」、ワシもやで零クン! 第6話。もう、いちいち零の言ってることがハートの深奥に刺さって、抜けなくて、辛い。

 最大の問題は、零はまだまだお若い高校生で「辿り着ける安寧」に行き着いてしまい、そこから動く動機を失ったということ。なおワシ(略)。しょうがないやん、ぬるま湯の中で生きていけるようになってしまったら、人間は努力もせんし、変化なんて求めないんや。零君は学校と対局以外は寝る。私はアニメと食事以外は寝る。つまり、挟み撃ちの形になるな。来るな社会、見ないぞ現実。戦え世界のニートたち。

 冗談はさておき(?)、前回判明した零の過去から、現在に繋がるまでの彼の「生き方」を確認したお話。でも、上では冗談めかして書いたことだが、彼の生きる指針の問題ってけっこう重大なことなのである。私は知りたい、世の中の多くの人たちは、何故今を生きているのかと。死にたくないから生きているのか、守るべき家族のために生きているのか、明日食べるご飯が美味しそうだから生きているのか。私の場合は明日やるアニメが面白そうだったり、明日新たに現れる声優が楽しみで生きている節はあるわけですが、残念ながら幼少期からハードモードの人生を生きることになった零にはそうしたモチベーションがほとんど無い。家族の葬儀の際には、生きることに必死になって何とか幸田家にすがりつくことで、「桐山零の人生」を選択することが出来た。あの時の「生きる」は、ただひたすら、家族3人の「死」という現実から目を背けるため、やぶれかぶれで選んだ道だ。そして、あの時ついてしまった「生きるための嘘」は、結果的に幸田家の姉弟2人の人生を歪めることになってしまった。カッコウの托卵に喩えられた彼の「生き方」は、ただ自分が生きれば良しというものではない。「他人の人生を台無しにしてまで、自分が生きるべきなのか」という問いになってしまっていた。そんな問題にまだまだ若僧の中学生が答えを出せるはずもなく、彼は家を飛び出して「何故そうしているかも分からない」生活へと転がり込んでしまう。寝て、起きて、将棋を指して。それでも世界は動いている。彼のまわりだけで何かが止まっているかのように。

 しかし、そんな零の生活にも何とか変化を与えようとしてくれる人間はちゃんと存在していた。今回登場した林田先生もその一人。幸運にも将棋好きで、プロ棋士としての零の立場にも理解を示してくれる上に、歯に衣(オブラート)着せぬ物言いでずけずけと大胆に零と接してくれる(多分)いい人。なんとも歪な零の高校生活も、理解のある教員のおかげで何とかやっていけているようだ。それにしても、ちょっとでも手を抜いた将棋を指したら「なんです、これは?」とか言って叩きつけてきそうな声の先生である。櫻井は今期も大忙しだなー。滝センは結婚経験があったが、こちらの林先生はどうなんでしょうね。声優界でも名うての独身貴族・櫻井孝宏が立派な大人の役をやっているのを何とも微妙な距離感で見守ってしまうな。

 さておき、そうは言っても遠巻きに気にかけてくれる教師1人だけでは、零の世界は大きく変わることもない。やはり最大の要因となりうるのは、川本家の人々ということになる。「どこへ行きたい?」の問いに答えたあかり姉さんの南国リゾートのイメージがやたらと具体的だったんだけど、この貧乏家族が南国リゾートとか行ったことあるんですかね? それとも、単にあかりさんのおっぱいが出したかったからああいう映像になったんですかね?(だとしたらありがとうございます) 「黙っててもご飯が出てくるところに行きたい」は普段から家事をしている人間なら定番のお願いですなぁ。

 そして、その妹のひなたも絶賛青春中。百円のマックシェイクに頭と懐を悩ませるのはいかにも中学生であるが、あれだけ真剣にやりくりを考えてるところにあっさりおごっちゃうのもどうなんでしょうね。ご飯の前に甘いものいっぱいとるとお母さん(仮)に怒られたりしないかしら。まぁ、その辺はあまり頓着せずにサラッと思いつきでお金出しちゃうあたりが零なんだろうけど。このまま良い雰囲気になる展開なのかと思いきや、なんと2人の前に現れたのは以前ひなたがお弁当を渡しそこねたあの野球イケメンではありませんか。ナニコレ、一体ここからどういう展開になるっていうのさ。この作品、あんまり色恋の話題は出てこないと思ってたんだけど、これってひなたと零で何か関係性が作られたりするんかなぁ。

 ちなみに、今回の作劇は相変わらず零の精神性を構築する深いところのお話ということで、もったいぶった抽象表現も多く用いられた画面構成だったが、ちょっと間を持たせすぎていてあんまり好きじゃないタイプだったのが残念。いや、原作でそういう演出になってるなら別にいいんだけど、流石に零が泳ぐシーンは尺取りすぎだった気がするんだよね。太陽のカットもやたら長かったし。本作は「シャフトらしいがシャフトなだけじゃない」作品作りが楽しいので、くどさも出しつつ、見やすい画作りを今後も続けてほしいもんである。

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 ママ味あふれるかやのんにいだかれて頭を撫でられたい人生だった、第5話。もしくは久野ちゃんとお手々繋いで保育園から帰りたい人生だった。その場合、まず久野ちゃんを保育園に入れる必要があるけど、まぁ、何とかなるやろ。

 毎度の事ながら川本家の多幸感を導入にしてみたものの、今回はあんまりそっち方面は関係無く、ついに明かされた零の過去のお話。おおよそ予想していた通りの内容ではあるが、家族をいっぺんに失った原因など、かなりダイレクトでどうしようもないものだった。あの年齢の子供が、両親と妹をいっぺんに失ってしまったら、普通は一体どうなってしまうのだろうか。

 零の場合、様々な不幸が折り重なって、現状が構築されていったことが描かれている。一番の不幸は親族関係がグダグダだったことであり、病院の長男だった父親と、その座を狙っていた叔母の存在など、まぁ、ここまでは典型的な昼ドラ展開だ。そのまま施設送りになっていたら、おそらく桐山零の人生はその後も一切の起伏を持たず、ただただ陰鬱に、何の救いも、悲劇も無いままに収束していったのではなかろうか。しかし、彼には幸か不幸か、そうはならないルートが用意されていた。それが、父親のライバルだったいう幸田の存在。友人の友達を引き取り、実の息子同様に育てるという幸田の決断。それだけならばいっぱしの美談であるが、残念ながら、このルートにも3つの大きな不幸が折り重なっていたのである。

 1つは、幸田が「将棋を何よりも優先する」という行きすぎた人物だったこと。もちろん、人の心を持ち合わせぬ将棋マシーンなどではないのだが、問答無用で才能も好みも問わずに実子に将棋をやらせていたことはどこか歪んでいる。零を引き取った条件にも「将棋をやる」ことが暗に含まれていたようであるし、傍から見れば「実の子ではない零も分け隔てなく育てた人格者」になるのかもしれないが、幸田の存在は零をただ救い出したというだけではないのが難しいところだ。

 2つ目の不幸は、いざ引き取られる際に、零が「生きるための嘘」をついてしまったこと。つまり、彼は決して将棋が好きではなかったこと。そうなのだ、物事の上手下手は、好き嫌いと直結するわけではない。元々「忙しい父との接点」というやむにやまれぬ事情で将棋を始めた零は、才能こそあれ、別に将棋が好きなわけではなかった。しかし、葬儀の場では異様な親族間の雰囲気があり、そして何より、将棋盤を通じて心の対話が出来た幸田との繋がりを切ってはいけないという焦燥感もあったのだろう。子供ながらに、それを「契約である」と捉えた零は、ここで初めて嘘をついた。それが彼にとっての生存戦略であり、施設送りになったときの「ホッと出来ない」生活とを秤にかけた上での結論である。それが果たして正しかったのかどうか、答えはまだ出ていない。

 そして3つ目の不幸は、こうして嘘をついてまで「契約」した零に、将棋の才があったことである。もし、これで芽が出ない程度の才能、性格だったのなら、多少なりとも幸田との関係は変わっていたかもしれない。彼とて冷血なわけではないのだし、平々凡々とした「家族」として、かえって上手くやっていけた可能性すらある。しかし、幸田の性格を畏怖した零は、彼の恩に報いる意味もあったのだろう、将棋に真剣に取り組み、身につけてしまう。そしてそのことが幸田の家族をバラバラにし、彼自身の人生にも障害を生む結果となってしまった。将棋をやれば他人が不幸になる。しかし、その「他人」に迷惑をかけないようにするためには、もっと将棋をやるしかない。一度選んでしまった「契約」の中で、零は選択の余地を持たなかった。かくして、桐山零は今でも一人、寒々としたアパートの一室で将棋盤に向かっているのである。

 こうした零の生い立ちが語られることで、現在彼を取り巻く川本家や二階堂といった人々の重要性が改めて確認出来る。川本家とは、「家族を失った者どうし」という慰みがある。二階堂は、零の前に現れたまた別な「将棋を指す理由」を与えてくれる人物である。今はまだ澱のように淀んだ彼の将棋人生も、少しずつまわりに広がる「家族」の輪を経ることで、明るいものになっていくことを願うばかりである。

 今回は陰鬱な内容がほとんどだったために、久しぶりにいかにもシャフトらしい画面が多く見られた。そんな中でも川本家の猫軍団や、モモを襲った犬の謎のテンションなんかは相変わらずの抜け方で実に愛らしい。詰めるところは詰めて、抜くところは抜く。こういう作劇に助けられる部分は多いですね。しかし、「犬 小林ゆう」っていうキャスティングは何とも……あと、零の幼少期の声がゆーみんなんだけど、今回ゆーみんボイスも色んなところから漏れ聞こえて来てスーパーサブキャラ声優の面目躍如。

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 もう「かわもとけ!」っていうタイトルでいいんじゃないかな、第4話。将棋アニメだと思った? 残念! 三姉妹日常アニメでした!

 だって可愛いしなぁ、Aパート、「ひな」。三姉妹の次女、ひなたが色気づいて頑張っちゃうお話。羽海野チカのデザインとしてはお馴染みのテンパりグルグルお目々がこれでもかと堪能出来るお話。そして、一応貴重な姉妹喧嘩(?)のお話でもある。今確認したらあかりさんとひなたの年齢差は10歳近いのね。これだけ離れているとやっぱり「お姉ちゃん」というよりも「お母さん」に近くなってくるのか(作中では全員「おねえちゃん」ではなく「おねいちゃん」と発音しているのは原作のこだわりなんでしょうかね)。まぁ、持ってる属性の差もあるのかもしれないけど。同じ血を分けた姉妹なのにポジションが違えば随分キャラも違うもんだなー、と思っているところに、「やっぱり姉妹だから似るものなんだね」っていうエピソードが差し挟まれ、嫌でもほっこりしてしまう。あかりさんがあれだけ家庭的で、何でも出来てしまうのは、あくまで自分の肩に家族の生活がかかっているからなのかしらね。ひょっとしたら下手だった料理を猛特訓した時期なんかもあったのかもしれません。いやー、でも料理が苦手な人間は「材料が揃ってるから何でも作れるわよ」とは言わないか。「家庭的」という言葉を煮詰めて固めたような存在、あかりさん。そして今はまだ青春真っ盛りのひなた。はっきりした対比のおかげであかりさんがまるでゴールインしているかのように見えてしまうが、彼女もまだまだ青春出来るし、しなきゃいけない身の上なんですけどね。とりあえず、幼馴染みの高橋君に「川本さんちの娘さんはどう思います?」って聞いてみたいね。「しらねぇ、あんな奴」みたいなテンプレな返事してきたらぶん殴りたい。

 Bパート、「ブイエス」。多少なりとも将棋アニメらしさも出していかないと。相変わらず元気な二階堂君により、零の日常は脅かされる。でも、二階堂君はよかれと思ってやってるのだろうし、実際、放っておいたらまた内にこもりそうな零を強引に外の世界に引きずり出す役目は重要である。無茶苦茶わがままなこと言ってるんだけど、どこか憎めない二階堂のキャラはとても素敵です。お坊ちゃん育ちのおかげなのか、根っこの部分で人間性が出来てるんだよなぁ。デブのくせになんか格好良いような気さえするのである。そんな彼の魅力を、幼児ならば一発で感じ取れる。モモちゃんの導きにより、二階堂が川本家に襲来。そして、彼の“ふくふくしい存在があかりさんのストライクゾーンとか何とか。デブ専……ってわけではないんだろうな。デブはデブでも汚いデブでは駄目なんだ。堂々と、風格と気品の漂うデブでないと。まぁ、国や文化によっては肥満って文化的成熟や社会的充足を表すステータスになったりしますのでね。生活の苦しい川本家からすれば、憧れの対象になるのも分かる気もしますけど。いや、あかりさんの場合はそうした社会的な背景は関係無く、本能的なものなんでしょうけどね。でも、あかりさんも立派ですよね。ボディの一部が特に。

 ほんわか川本家、そして愉快な二階堂という二段構えのおかげで、今回は零もネガティブなこと、意味深なことを言う機会はほとんど与えられなかったが、一応、夢に見るような不思議な女性の存在だけが一応気掛かり。完全に寝込みを襲われるビジョンだったが、過去に誰と何があったんでしょうね。零君、あんな性格の割に女性3人の家族に溶け込んでそれなりに上手くやっていけてるのはずるいわ。さっさとあかりさんの料理でふくふくしくなってしまえばいいのに。

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 グッと来るなぁ、第3話。生き様で魅せられる格好良いデブって憧れますね。

 前回は将棋要素がほぼ無しという構成だったが、今回はAパートが将棋話、Bパートが家族のお話である。Aパート、前回颯爽と登場した愉快なデブ、二階堂晴信についてのお話。子供の頃の追憶から現在の関係性に繋がるが、基本的に零と晴信の関係性は子供の頃から変わっていないらしい。人生の逃げ道として無心に将棋を続ける零に対し、貪欲なまでに生の体現として将棋を追い求める晴信の熱量の差は体格以上にはっきりと表れており、子供の頃のエピソードを聞いてしまえば、もう彼をデブだなどと笑うことは出来ない。籠められた熱量がそのまま棋譜に表れ、だからこそ零に忘れがたい強烈なインパクトを残していくのである。基本的に人付き合いが苦手な零にとって、こうして良きライバルであり、良き友になれる人間がいるというのは非常に幸せなことなのではなかろうか。花岡さんに大事にされているのもよく分かる、好青年でございました。

 Bパート、激戦を制した零が「帰る」べき家、川本家。普段は三姉妹に猫を加えた圧倒的な萌えの巣窟みたいな場所になっていたが、今回はそんな中でもちょっとしっぽりしたお話。普段は零自身の生い立ちばかりに目がいってそちらの暗い要素を考えてしまうが、やっぱり死別の傷跡というのはどんな家庭にだって根深く残っているもので。お盆という1つの区切りをきっかけとして、それがポロリと感情の隙間から漏れ出てきたようなお話でした。どれだけ気丈に振る舞おうと、中学生にはまだまだ重たい現実だしね。こうして少しずつ心の内面を見せあうことで、零も川本家にまた少し近づけるのではなかろうか。

 今回はAパートとBパートで多少毛色の違うお話を組み合わせながら、そのどちらでも、色々と画的に面白い部分が多かった。やっぱり、今作における「シャフト演出の次の一歩」は長年シャフトを見てきた身としては非常に刺激的である。Aパートは盤を差し挟むライバル2人の様子を、2つの時代に分けて描く静かな動きを見せるお話。こちらは、赤青2つの風船がつかず離れず空をたゆたうイメージで2人の関係をゆっくりと表示している。そしてBパートは、普段ほわほわと明るい川本家のイメージを、送り盆の火でもってどこか寂しげに、作中の言葉を借りるなら「けだるげに」描くカットが印象的。おそらく原作の画面構成の巧さも大きいのだろうが、光源の見せ方や、陰影の取り方が何とも叙情的で、古き良き日本の伝統文化の有り様を魅せてくれる印象深いシーンになった。また、その後ひなたが1人で夜道を歩いていくシーンはいかにもシャフト的な構図が多いシーンだが、「物語」シリーズのように無機質な町並みでなく、前のパートからの家族的な温かみを残しつつも、うら寂しい夏の夜の空気を醸し出す絶妙な色の取り方が何とも印象的。「家族の温かみ」を離れ、一人号泣するまでに到るひなたの心情をそのまま切り出したような、絶妙な「無機」の取り入れ方だ。単にシャフト的な演出を万人向けに「丸く」するというのではなく、きちんとこれまで培ってきた独自性の妙味を活かしつつ、それを使ってキャラクターの心情ににじり寄る表現は大したものだ。こういう画で見せられるアニメがもっと出てくるといいなぁ。

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