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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 タイトル長ッ! 第7話。↑この上のタイトル部分、ブログ設定でいじり方が分からないからしばしばこういうことになるっていう。

 さて、毎週楽しく爆笑させてもらっているてさプルですが、なんと今回は珍しく10人中9人がスタジオ入りすることが可能だったらしく、せっかくの機会ということで「アニメなのにマジで人狼をやってしまおう」というとんでもない企画を実行している。「声優が人狼をやる企画」ってのはそれだけで金を払う人間がいるわけで、まさかのアニメ本編でやってしまおうなんて、ダテコー監督太っ腹! いや、単にこれで2話分のネタが埋まったんだからおいしいのだろうけども。個人的には延々毎週人狼をやるだけの帯番組が欲しいくらいには好きです。AT−Xとかで実現してくれませんかね。まー、今回のことを考えると、まず「それなりの人数の声優を単発企画で一カ所に集める」っていうのが大変そうだけども……。多分キープを長めにして、1日で数回分を収録すれば30分番組で6話分くらいは稼げる。ってことは1クールに2回キャストに集まってもらえばいい。何とかなりそうですよ、どうですか、AT−Xの企画編成の人。

 さておき、今回のてさプル人狼(正確には百合狼)は、参加者9人ということで人数は最小限である。出来ればすみぺがつかまる時に実施してもっとじっくり見せてもらえれば最高だったのだが、まぁ、これはこれでしょうがない(すみぺが一体どんな動きを見せるのかはとても興味がある)。ちなみに、何故か過去の声優人狼DVDのときとメンバーが微妙に被っており、9人中3人(西・るみるみ・みかこし)があのときの参加者である。その他にも、初心者かどうか聞かれて手を上げたのが3人だけ(へご・可鈴・うえしゃま)なので、残り3人(あけこ・みかしー・なつ姉)は経験者ということになる。可鈴ちゃんのうろたえっぷりからするに、人狼DVDの時のように何回かリハをやるっていう過程を経ていないみたいだし(収録時間の関係だろう)、初心者は割と大きなビハインドを抱えている模様。さて、一体どういう陣容になっていることだろう。来週には答えが分かるわけだが、せっかくなので予想してみたい。まぁ、あんまり議論の時間も無いし、(一応)アニメなので中の人の顔色が窺えないからヒントはほとんどないんだけどね。

 

○西

 3日目の吊り候補に挙げられた女。行動の全てが胡散臭いといえばそうかもしれない。人狼DVDの時にはただひたすらに自分の無実を訴えるだけの存在だったが、慣れたのか、それとも回りの面子に余裕を感じているのか、今回はあまり焦っている印象が無い。ただ、「占いしなくていいよ」発言に合わせて「占って欲しい」と言っている流れは割と自然で天然なものな気がする。白寄り。

 

○あけこ

 相変わらずの仕切りポジ。助言なども手慣れているので、コミュ障気味の割にはこの手のゲームの経験は多いのだろうか。まぁ、常日頃から疑心暗鬼で戦っている人間の方が強いという考え方もあるが。既に占い師がほぼ確定の可鈴ちゃんに白判定を出されているので、ほぼ白確定。これでひーな・葵ラインが人狼だったら神展開なのだが、CO追従もなかったし、流石にそれはなさそうである。

 

○荻野

 (一応自称)初心者。元々演技が出来るタイプではないので、占いCO時のきょどった感じは本物と見て間違いないだろう。占い先もごく自然。真占確定で白確定。

 

○へご

 2日目の吊り対象。「なんか怪しい」ってのはその場の空気によるところが大きいので何故へごが2日目だったのかは正直ピンと来ない。「イケメンが好きですもん」しか言ってないわけだが、初心者で、一発人狼引きの動きとしてはちょっと違和感があるので、白寄り。

 

○うえしゃま

 1日目噛み対象。白確定。「会話が出来る男の子が好き」だそうです。1日目の段階ではへごと雑談してるので「初心者のくせに回りの発言聞いとかなくていいのか?」と思っていたのだけど、白確定なのでどうやらナチュラルに好みのタイプの話がしたかっただけのようです。ただ、剣道部員の可能性は残されているのが気になるところではある。

 

○みかしー

 キャラも中の人も割と天然気味のキャラなので意外と要注意人物。目立たないように見えて実は陰でちょこちょこ動いており、なつ姉(白確定)の「私は占わなくていいよ」発言に即座に合わせたり、あけこ(白確定)の「私はこはるんを追放するわ」発言にも合わせたり、とにかく他者に乗るのが早い。この慌てぶりは素なのか、それとも慣れないポジションについている焦りなのか。やや黒寄り。

 

○みかこし

 やはり情報は少ないのだが、個人的にはあけこの「クソみたいな帰宅部員」発言に真っ先に「クソとかいうな!」と反論してるところは少し真実味があった気がする。つまり、剣道部員の可能性もない、単なる帰宅部員か? 白寄り。

 

○るみるみ

 1日目の吊り対象。とりあえずビール。まぁ、るみるみだからしょうがない。もう、疑われて反論するのも手慣れたものだが、それでも吊られる。ここも反論の様子から見て剣道部員は無さそうだが……個人的にはここが黒、っていうのが一番理想なんだよなぁ。黒寄り(願望)。

 

○なつ姉

 2日目噛み対象。白確定。2日目の「私は占わなくていいよ」は、多分人狼だったら逆に出来ない発言だったろうし、割と白濃厚だったんじゃなかろうか。1日目にも真っ先に役職無しをCOするなど、割と与えられたポジションは分かっていた風。だからこそ真っ先に噛まれるともいえるのだけども。

 

 他に考える要素としては、初日の噛み対象がうえしゃまだったという点が挙げられる。少なくとも占いっぽく見えたとは思えないので、こういう時に適当に選ぶ噛み対象って、親しい人間の方が多いんだよね。となると、実は怪しいのはシャルム側ではなくててさ部側。候補は西とへごか。あと、人狼にありがちな展開として、「隣の席が噛みやすい」っていうのもあるんだけど、スマホ使ってのゲームだからあんまり席順は関係無いのかな。もしその場合、うえしゃまはみかしー・るみるみに挟まれている(アフレコ現場でも同じ並びかどうかは分からないんだけど、スマホの受け渡しの会話なんかからほぼこの通りだと思われる)。

 

 以上の考察点から、現状の疑わしさリスト。

みかしー≧るみるみ>西≧みかこし>へご(残り4人は完全除外)。剣道部員は出来れば西あたりが望ましいが、うえしゃまって可能性も捨てきれないか。とりあえず次はみかしー吊ってほしいです。どうなるかしら。

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 ええ話やないか、第6話。毎週楽しく観ているんですよ、えぇ。

 もう、こってこての浪花節だ。これ以外にないっていう完璧なお約束。ここまでやってこそのベタ、ここまでやってこそのテンプレ。これでいいんだよ。お話ってのはさ。もちろん、生中な気持ちでやってもらっても単なる「お約束」でしかないわけだが、今回はきちんとそこにいたるまでの段取りが真に迫っていたし、落とすところ、持ち上げるところの落差を見せてくれているので、クライマックスでのヒーロー感がばっちり出ていたし、リリがついに籠絡されるまでのカタルシスも文句無し。散々理不尽に罵倒されていたベルであるが、「ベル様の女の敵! すけこまし!」ってのは紛う事なき事実である。そりゃヘスティアちゃんが心配するのも仕方ない。

 今作は例の紐の話題が本当に一時的に盛り上がり、それだけのアニメのように見られるという逆に不当な流れがあるが、決してそれだけの作品ではない。作画の質は良好であるし、毎回の丁寧な作劇はストレス無く見ることが出来る。制作側だって「ベタな話」であることは百も承知なわけで、そこをあれこれいじって無駄に視点を散らすよりも、その浪花節な展開をしっかりと地に足がついたお話にして、いくらかでも共感を生むことを最大目標としているはず。「結局ダンジョンってなんやねん」とか、「生死が関わってるのにこいつらのダンジョン攻略が気軽過ぎる」とかいう問題は抱えているものの、それらは辛うじてベルのパーソナリティに帰着できる範囲でまとめられているし、「この世界はそうあるものだ」という世界構築もつつがなく行われているのである。

 あとはまぁ、ヒロイン勢(とベル)の見せ方だよね。今回はリリ編のクライマックスということで、リリの、そして内田真礼の真骨頂を見せてもらった。やっぱり真礼は良い仕事するんだよ。泣きの芝居にも力が籠もっているし、「悪い奴」としてのリリをきっちり作りながら、それを憎たらしいだけに終わらせずに、救いがあることが肯定的に受け入れられる「少女」としての枠もちゃんと守り、ベルが救いの手を差し伸べることを正当化する役割を果たしている。良質な作画のサポートもあり、「ファイアボルト!」からの2人の対話はグッとくるものに仕上がっていたのではなかろうか。ヘスティアちゃんがいなくてもきちんと山場は作れるんやで。まぁ、いてくれた方が嬉しいのは事実なんだけども。エルフねーちゃんも女騎士さんもなんだかんだで可愛らしいしね。飲んだくれの神様も好きですよ。中の人も含めて。今期は大活躍だな! っつって!

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 ビシッと決めたよ、最終話。いい落としどころだったのではないでしょうか。やっぱり見終わってすっきり出来るのが良いアニメなのです。

 最終的には、「あんま変わってないよ」というエンディングではある。結局智幸は他の多くの死者と同様に次の生へと旅立っていったわけだし、ノーナさんとオクルスの絡みについても、オクルスが不穏なことを言った時にはどうなるものかと不安になったが、結局「オクルスが思ってたのとは違う方向」に進み、この部分だけを見ればノーナさんに一本。とはいえ、彼女が狙った「裁定者の革新」はまだまだ始まったばかりのところであり、裁定者世界に多大な影響を残したということもない。オクルスはこれまで通りに不気味なにやけ面でこの世界を統べていくのだろうし、ノーナさんは不平を漏らしながら今まで通りの管理職を続けていくだろう。世界は何も変わっちゃいない。ただ1点、デキムの笑顔を除いては。

 いわば「最後の審判」となった今回の「スーサイド・ツアー」。自死を経験した智幸が生前の世界へと旅をするのだから名前はそのまんまである。そしてそこでは、これまで以上にえげつない、趣味の悪い「死のゲーム」が行われる。これまでは「2人の死者が対決して、勝った方が生き残れますよ」という売り文句で裁定を行ってきたわけだが、今回はよりダイレクトに、「このボタンを押せば生き返れますよ」である。もちろん、普段の裁定のときと同様に「その分、誰かの命は犠牲になるが」という注釈付き。冷静に考えれば、この取引がいつも通りのクイーンデキムのゲームと同じものであることには気づけるのかもしれないが、「ツアー」に連れ出された智幸にも、我々視聴者にも、そんなことを考える余裕は無い。「押すか、押さないか」という究極の2択を迫られ、智幸は危うく転落しかけるところだった。オクルスの言う、「人間というもの」はそこに弱さがある。

 しかし、智幸はこれまでのクイーンデキムの生活で、様々な「生」と様々な「死」を見てきた。その経験を思い出すことで彼女はギリギリ転落せずにすみ、「最後の審判」によって感覚レベルで繋がっていたデキムを破壊することに成功する。ついにデキムは、智幸の記憶、体験、選択を通じて、「感情」の一端に触れる事に成功したのだ。これまでも、島田・辰巳の時などには激しい反応を見せていたデキムだったが、長い間裁定者に禁じられてきた「感情」に辿り付くには、最後に大きな一押しが必要だったのだろう。このたびの「最後の審判」の結果によって、彼はその重くて固い扉をついに開け放ったのである。これまで人形の象徴とされてきた瞳の中の十字はついに解放され、デキムが流す滂沱の涙は彼の感情の発露をこれ以上無い形で示している。ついに、人形は一歩人間に近づくことが出来たのだ。

 もちろん、だからといってすぐに裁定者の世界は変わらない。しかし、ノーナさんが求めていたのはあくまでもこの「第一歩」であろう。蟻の穴から堤も崩れる。彼女のいう「人間に寄り添った裁定」を目指すために、デキムがそのきっかけとなる日が、悠久の時を過ごすあの世界でいつか訪れるのかもしれない。人間に接することで、人形が変われることを示したのが、最大の功績なのである。

 今回は問答無用の演出でもってぐいぐいみせる今作の魅力がふんだんにつまった文句無しの最終回。静かで物寂しい智幸の実家パートから、熱の籠もった悲哀の嗚咽パート、「ひょっとして押してしまうのでは?!」と思わせる緊張感からの、世界が崩壊しデキムが「壊れる」シーン。世界が変わるカタルシスが味わえてこその最終回。これだけのサイズ感で見せてくれれば文句無しです。ラストシーンのデキムの笑顔も素敵だったし、これなら文句無しでハッピーエンドなのだから、そりゃぁかかる楽曲は「Flyers」に決まっている。今日もきっとクイーンデキムでは凄惨なゲームが繰り返されているに違いないが、きっとその中にも、「楽しかった人生」「次の人生」が見える人間の「生」の物語が息づいているに違いない。

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 クるなぁ……第11話。いよいよもって核心に迫るお話。当然それはとても残酷で、とても苦しいお話である。

 ようやく蘇る智幸の記憶。彼女が失った死の記憶は、大体予想された通りのものになっている。スケートに人生を捧げた彼女は、若い身空でその人生を捨てることとなり、現実を許容出来ずに自ら幕を下ろすことを選んだ。正直、私自身が死を選ぼうなどと考えたこともないし、彼女のように全てを失ったと感じたことなんて人生で一度たりとも無いので、彼女が何故そのような心理になってしまったのかは理解できない。「スケートを失ったことに絶望した」人生であるというならば単純ではあるが理解も出来ようが、どうも彼女のモノローグはそういう描かれ方になっていない。生き甲斐を奪われたそのことは当然ショックだっただろうが、その後に自分の人生を考え、そこに何も「得られる」実感が無かったことで、彼女は「死にたくなった」のではなく、「分からなくなった」のではなかろうか。家族とはなんだったのか、友人とはなんだったのか。彼女の人生において、それらは全てスケートを介して存在するものであり、全てにおける基点となったスケートを失うことは、彼女の回りの世界を全て「分からないもの」に変貌させてしまった。人生とは何か、生きるとは何か、そして死とは何か。分からくなったから、彼女は散歩に出かけるのと同じように、死出の旅路への道のりを選択した。そこには希望も絶望もなく、ただの「喪失」だけが残されている。

 彼女がそうした記憶を失った状態であるにも関わらず「死んだ」という事実のみを覚えていたのは、ひょっとしたらそうした「死のとらえ方」が一般的な人間とは違っていたからかもしれない。普通の人間は、どれだけ急な死に様であっても、「自分が死んだこと」を理解する。そして、「死にたくない」と思ったり受け入れたり、とにかく自分の中で「死」に対して向き合う。ギンティの言っていた「死に直面した時に初めて考えること」というのがそれであろう。しかし、智幸の場合にはそうした「死と向き合うこと」すら存在しなかったのではなかろうか。彼女は死のうと思って死んだだろうが、そこには元々「分からない世界」「分からない生」があり、そこに「分からない死」が平等に与えられただけ。彼女にとってその行動は何か2つの世界を分かつ選択ではなかったのであろう。おかげで、彼女は記憶を失うことにはなるが、「死を選んだ」という記憶だけは残されたままでクイーンデキムにやってきたのかもしれない。

 こうして失われた彼女の人生が、今回はスケートのプログラムと共にゆっくりと立ち現れる。これまでの10話ではずっと黒塗りだった彼女の人生。同じように薄暗くモノトーンのスケートリンクでしなやかに動き出した彼女の人生が、スケーティングの速度と一緒に加速し始める。黒衣、黒髪、ずっとモノトーンだった彼女の回りに、少しずつ色がつき始める。フラッシュバックする様々な記憶と共に、彼女の人生が一気に画面に花開いていく過程は圧巻で、ただ無言で、1人の女性の記憶がなだれ込んでくるのを受け入れるのみ。ひょっとしたらこれが裁定者の受ける「記憶の奔流」なのだろうか。明るく楽しかった彼女の人生。活き活きと躍動するスケーティング。それらが素晴らしければ素晴らしいほどに、観ているこちらは締め付けられるような思いになる。それらは全て、失われた過去のものであることを知っているからだ。

 全ての記憶を取り戻し、彼女の演技は終わる。デキムとの一時で、彼女は自分が「失った」ことを語り、代わりにそれをデキムに与えることになった。死んでから分かることもあるし、生きているからといって全てが分かるわけではない。「死んでいないし、まして生きてすらいない」と漏らすデキムに対し、智幸は何か「生きた印」を与えることが出来たのだろうか。今回は、スケートシーンを含む全てのシーンが非常に緊迫感のある高質な映像で構成されているが、キーとなるシーンがいくつか、オープニング映像から採られているのがまた印象的だ。具体的には、メメントモリと名付けられた酒を飲む智幸のカット、エレベーターに向かうノーナのカット、そしてCパートの智幸を抱きかかえるデキムのカット。ここまで全て構成済みの状態で作品が提供されているのだなぁ、ということが実感出来ると嬉しくなる。

 そして、今回は智幸の物語と並行して、ウィーギンティではマユを巡る物語も展開されており、こちらも恐ろしいほどに重たいものになっている。いなくなったと思っていた原田のボディがどこからともなく現れ、マユには「原田を虚無から救うか、全く知らない人間を救うか」という選択を迫られる。原田が虚無堕ちしていたというのも驚きであるが、ひょっとしたらそれをとっておいてここで切り出してきたのは、本当に底意地の悪いギンティの悪辣な手口の1つなのかもしれない。他人の行く末を決めるという手に余る難行を押しつけられたマユ。彼女は結局、そんな無理難題を受けて原田を救う道を選んだのだろう。ギンティはそれを観て、「やはり人間とはどこまでも勝手な存在だ」というので、2人をまとめて虚無送りにすることを決める。これこそが既存の裁定。デキムが疑問を持った、人の血を必要としない裁定の形だ。マユは望まぬ形で結論を叩きつけられ、そのまま絶望と共に虚無へ堕ちる。最後に原田に意識が戻り、2人の魂が溶け合いながら消えていったことは、最後の救いを意味するのか、救われない2人の末路を描いただけなのか。

 ギンティの行った非情な裁定は、どう考えたってやるせないものだ。たとえマユでなくとも、あの場面で正解など出せるわけがない。そもそも正解がない。だからこそ彼女は、最後の最後まで自分を貫くことでせめてもの抵抗とした。原田がいなければ自分の人生など意味が無い。だから原田を救うことにどんな代償でも払うことが出来た。既に出来上がった彼女の人生に「原田がいなければどうするのだ」と問うことは、まったく意味が無いのである。彼女は自分の生と向き合う中で、それが自分の世界であると定めたのである。そして、ギンティの「職務」もまた同様である。彼は自分で何も決めない。ただ仕事として与えられたからこそ、裁定者の職務をどこまでも忠実にまっとうする。マユが自分で決めた「何も無い」死だったとするならば、ギンティは自分で決めない「何も無い」生である。

 他方、そうした「決める」という選択が出来なかったのが、智幸とデキムの側である。智幸は自分の生きる目的を決めたつもりであったが、いざそれを剥奪されると、全ての人生が意味を失ってしまった。彼女は「決める」ことが出来ずに終わった人生だ。デキムの方も、裁定者の仕事を与えられながら、それが正しいのかどうかは未だに迷っている状態で、決められない状態にある。マユの人生が正しかったと思う人間は少ないかもしれないが、少なくとも彼女は「考えて答えを出す」過程を辿った。そこにはきちんと「メメント・モリ」のメッセージが息づいている。今度は智幸の、そしてデキムの番だ。最終回で、ノーナさんはどんな幕引きを求めているのか。オクルスはどこまで介入するのか。緊迫の最終回である。

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 前回との温度差、第10話。まぁ、今回もシナリオ的には大事な1話ではあるのだが。おばあちゃんのおかげで終始ゆったりまったりね。今回コンテが笹木信作氏なのね。

 物語もいよいよ締めに向かっている。今作最大の焦点となるのは瀬戸ちゃん改め智幸ちゃんの行く末である。彼女が「全ての記憶を失った死者」であったことは既に語られていたが、それがクイーンデキムに居座っているのは自然の摂理に反すること。「死者の魂が長居すると人形になってしまう」とのことで、智幸の身体もそろそろ限界が近いようである。あれ、それってつまり「モウタベラレナイヨ〜」なマユちゃんもそのうち壊れ始めるってことで……うん、まぁ彼女の場合はなんでギンティんとこに居座ってるかさっぱり分からないからな。意外とホームステイ感覚で滞在できるもんなんですかね。デキムとかギンティなんて超人的な能力を持ち合わせてるんだから、ギンティは邪魔だと思うならさっさとマユちゃんをエレベーター送りにできるとおもうのだが、それでも放っておいてるってことは、案外あの野郎もマユちゃんのこと気に入ってるのかもしれません。意外と気さくな裁定施設である。

 さておき、前回の辰巳・島田騒動は智幸の心を揺さぶり、その揺さぶりはノーナの狙い通りにデキムへと派生。あまりに凄惨な結末だったために、流石の鉄面皮デキムも自分の仕事に自信を無くしてしまった(まぁ、ああ見えてデキムって案外神経細いんだけども)。ノーナさんのところに相談、というか直談判に行き、「もう今の裁定システムやめません?」と提案する。もちろん管理職にあるノーナさんはしれっとそんな部下を追い払ってはいるものの、狙い通りにことが進んで内心ほくそ笑んでいる。続けて、クイーンのところに手土産持参で出張し、わざわざ智幸の記憶を全発掘・再構成する仕事を依頼した。どうやら、智幸はデキムの信条を揺さぶるお仕事をこなすのと同時に、彼女自身の人生においても、デキムを揺さぶることになる何らかの仕掛けが隠されているようだ。でもなぁ、おっかないおっちゃんに目ぇつけられちゃったからなぁ。オクルスさんの髪だか髭だか触手だかよく分かんない謎の器官により、エレベーター係の彼からノーナの企みはすっかりばれてしまった。「裁定者に人間の感情を植え付ける」というノーナ流イノベーションはここでオクルスに潰されてしまうのだろうか。大前提になる裁定者三箇条の「感情を持てない」にばっちり反してるからなぁ……。いや、でもノーナさんも含めて裁定者もみんな感情豊かなんだけどね……オクルスがどの程度「良くないこと」と認識しているのかが現時点ではよく分からないな。

 今回のゲームはババ抜き。おばあちゃんがやってきたのでそれにかこつけてなのかどうかはよく分からない。デキムの口ぶりからすると、ルーレットで決めると言っても今までの裁定は全部事前に競技種目は決まってたみたいだが、今回は誰か別な人間の意志(まぁ、ノーナ)が介在したのか、それとも本当にランダムだったのか。考えてみりゃ、死者の裁定なんてものは普通は老人を大量に扱わなきゃいけない部門なわけで、毎回ランダムでボーリングだのエアホッケーだのが出てたら、全国の死んでしまったおじいちゃんおばあちゃんが大変だよな。アーケードゲームなんて論外だし。そう考えると、ババ抜きはおばあちゃんに優しいナイスゲームだ。そして、そんなババ抜きの特殊ルールも、おばあちゃんに合わせて安心設計。これまでの流れから考えると「トランプの絵柄が各自の身体の部位になってます」になるかと思っていたのだが、なんと今回は思い出博物館である。漫画家をやっていたというおばあちゃんのレトロな絵柄がなかなかにハートフル。今回は初の3人プレイということで、どさくさに紛れて絵柄の中にデキムに関する品々も混ざっているのはどうかと思うけども。

 そして当然、そこには智幸に関する品物も混ざっていたのだろう。我々視聴者からは智幸関係とお婆ちゃん関係を見分ける方法が無いのでどれがどれだかは分からないが、ジョーカーに描かれたスケート靴だけは、間違いなく彼女ゆかりの品だろう。おばあちゃんは「ジョーカーは最後まで持っておくもの」との遺言を残していったわけだが、あのカードに描かれたスケート靴は、おそらく智幸の死の原因にも関わってくるのだろうし、今後デキムがノーナさんの企みに関わった事で突き上げをくらったときにも、ひょっとしたら何か重要な役割を果たすことになるのかもしれない。……スケートと「死の記憶」が繋がるっていうと……あかん、なんかひでぇ現場しかイメージ出来ないわ。その他に智幸の人生の手がかりとなるのは、チャボットという絵本のお話。優しそうなお母さん(CV伊藤美紀)に読み聞かせてもらっている幼い日の智幸ちゃん。そこにはとても幸せそうな家族の姿が映っており、こんな輪廻の狭間でくすぶるような女性には見えてこないのだが……あ、でも彼女の格好が無駄にエロ格好良いのは気になるな。あの姿は彼女の生前の何かに由来してるんでしょうか。それとも単にデキムの人形の趣味なんでしょうか。だとしたらデキムさんグッジョブであるが。

 真相に迫りながらも大事な部分には触れないエピソードだったので今回はそこまで盛り上がるという話でもないのだが、これまで散々酷かったりおかしかったりする「死」の姿を見せられてきたので、こうして普通の「往生」が見られると、「本来死ぬってのはこういうことなんだろうなぁ」ということを考えさせられる。もしデキムが今まで通りの裁定方法を維持し続けていたら、あのおばあちゃんにもなんか悪逆非道なゲームをやらせて、のたうち回る姿を見なきゃいけなかったんだよな。そりゃあかんわ。デキムは今回の一件ではっきりと決意を定めたみたいだ。ただ、そんなデキムと対極にいるギンティのいうことも真理だとは思うんだよなぁ。「人間は死ぬことを忘れていて、死んだ途端に生きる意味を探し始める。だが生きる意味なんか無い。いつか死ぬから生きるだけだ」。むー、そう言われればそうなんだけどなぁ。やっぱり、生きるために生きたいよなぁ(無駄に生きる日々を貪りながら)。

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 久しぶりに強烈な回がきました、第9話。元々「地獄少女」ファンからの流れで(?)この作品を気にしていた身としては、こういうヘヴィなお話が一番のストライクゾーン。いやはや参った。

 今回はいくつかの「うおぅ」が入り交じっているので、1つずつ見ていくことにしよう。まずは脚本、前回の引きの時点で「この2人が完全に無関係ってことはないよね」と言っていたわけだが、ここまで濃い絡みになっているというのは流石に予想の斜め上。どっちかがどっちかを殺した、っていうのも当たりではあったが……こんな展開になっているとは。辰巳(刑事の方)が殺された理由は、そこだけを切り取ればなかなか理不尽である。はっきり言って「誤認殺人」なわけで、本当にとばっちり、島田(青年の方)がちゃんと相手を確認しないうっかりっぷりにも困ったものだ。一応「彼は殺人現場を見られたと思って、目撃者を全員殺すつもりだったのか?」とも考えたが、彼の性根を見る限りではそういう意図ではなさそう。あくまで「ストーカー男の家に上がり込んできたってことは、きっとこいつが共犯に違いない」というすげぇ適当な予断で辰巳を殺してしまったことになる。ちょっと軽率過ぎる気はするが、まぁ、いざ人を殺めてしまった後となると、そのあたりの判断力は鈍っていたのかもしれないからしょうがないか。

 ただ、その1点がやや理不尽だったように見えた以外は、今回のシナリオはかなり「面白い」。「復讐心」という共通する動機を持って人を殺めた2人の男たちが出会い、互いに励まし合い、奮い立たせながら次の行動に移るように手を取り合っていたところを、少しずつ記憶が戻ることによってその構図が歪んでいく。本作の最大の特徴はこの「失われた記憶が少しずつ戻っていく」部分にあり、その超常現象による理不尽な展開がたっぷりと楽しめる。島田君の方は、「実際には手を下した後だった」ということを思い出してショックを受けた。「殺したい」と願うほどの復讐心だったはずなのだが、いざ「殺してしまったこと」を思い出すとやっぱり手が震えるし、そんな事実を目の前にいる刑事に話してしまったことも絶望的であった。彼の復讐心は、この時点では「人並み」の域を出ない。しかし、話した相手が悪かった。なんと、目の前にいる頼れる刑事は、実はネジの外れたサイコパス。復讐心が募りに募って、最終的にはぶっ壊れてしまったシリアルキラーなのである。結果的にはその殺人鬼を「殺して」しまった島田だったが、元々仲間だと思っていた「復讐者」というカテゴリのあまりの落差に感情が追いつかない。そして明かされる妹の真実。味方から仇へと180°振り切れてしまった相手を前に、青年の心は揺れに揺れまくるのである。

 このセッティングは、明らかにノーナさんが意図してデキムの元に送り届けたものであろう。「心無き裁定者」という、今回瀬戸ちゃんが必死に抗った忌むべき存在を問い直すためには、一番手っ取り早いのはデキムの前に別な「裁定者」を引きずり出すことである。今回のペアリングのおかげで明るみに出たのは、辰巳のあまりに悪辣で、偏った正義感である。独善的で暴力的なその信念は、殺された妻の声を免罪符にしながら暴れ回る単なる殺人者のものであり、裁定者でもなんでもない。しかし、辰巳の中でその信念は揺らぐことはなく、瀬戸ちゃんの言葉によって、「デキムたち裁定者も同じ穴の狢である」ことが晒される。彼女の涙ながらの訴えも色々と考えさせられるものがあり、これまでなんだかんだと仲良く過ごしてきたデキムに対し、今までに無いキツイ言葉を色々浴びせかけた。「生きたこともないくせに」っていうのはけだし名言である。最初はいつも通りの鉄面皮だったデキムも、瀬戸ちゃんの涙に明らかに狼狽する。彼が暴き出した「人間のどす黒い部分」というのは、そのまま自分たちの中にも横たわっていることを指摘されてしまったのである。相手の中に見るべきものを自己の内部に認識してしまった時点で、デキムはもはや「心無い裁定者」ではいられなくなってしまう。今後、彼がどのように形を変えていくことになるかは、本作最大のテーマといえる。

 そして、こうした怜悧なシナリオラインを盛り上げた今回の作画・演出面が手放しで面白い。前回はエアホッケーの部分がやや淡泊な描写になっており、「せっかくのデスゲームアニメ(仮)なのになんだか勿体ない」と思っていたものだが、今週はまるで何かに取り憑かれたかのような鬼気迫るコンテ・作劇になっている。ゲームシーンだけでもこれだけの温度差を設けているということは、前後編という2話またぎになった構成を最大限に活かし、後半の盛り上がりを印象づけるための方策だったのだろう。そして、いざゲームが終わったあとが今回の山場であり、仮面を脱いだ辰巳の大上段に構えた演説、それを聞きながらもがき苦しむ島田、必死に自己の正義を訴え続ける瀬戸ちゃんと、3者3様の心理描写はまさに迫真。1話の監督コンテ回に勝るとも劣らない、見事な「切実さ」でもって、この大舞台を演出してみせた。今回のコンテを担当した小林寛氏という名前は恥ずかしながらこれまで認識してこなかったが、今後は注意して観なければいけない名前になった気がする。ラスト、エンディングテーマをはさみながら島田が包丁を振り下ろすシーンなんかは本当に圧巻だ。辰巳の立ち居振る舞いも、瀬戸ちゃんの涙ながらの訴えも、全ては最後の島田の「笑顔」の為に用意された道具立て。こういう怖気の走るアニメがもっと見たいです。

 そしてもちろん、今回の立役者として、忘れちゃならない中の人たち。なるほど、ここに藤原啓治なわけだね……。ほんと、彼が実際に役作りのために2,3人殺してるって言われても驚かない自信がある。今回の辰巳役は、新たなけーじくんヒストリーの1ページに加えてしまって問題無いでしょう。そして、そんな辰巳の迫力に押されがちではあるものの、あれだけの圧力を受け止めきれるのが櫻井孝宏という男なわけで。最後の「笑み」をすとんと落としてくれるあたり、ぐうの音も出ないですわ。こんなおっさんたちに戦いを挑まなければならなかった瀬戸ちゃんもものすげぇプレッシャーだったろうが、負けじと押し返せてたのが流石だなぁ。

 いやぁ、本当に恵まれたアニメになってますよ。

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 「啓治さんと一緒で助かった」「啓治さんはやめてくれ」って、あんた啓治ですやん、第8話。デカチョーデカチョー、テーヘンデス!(CVアスミス)

 ここにきての2話またぎ(だよね?)。まぁ、今まで全部バシッと1話で終わっていた方が特別だった気もするので、これくらいの密度でも特に違和感は無い。1,2話だって2話またぎみたいなもんだったわけだし。普通に「人の生き死にのドラマ」を描いてたら、30分の尺では足りないことの方が多いよね。僅か30分であれだけ密度の濃い2人分の人生を描いてゲームまで面白かった6話はやっぱり神がかってると思う。今回は「人殺しの人生」ということで、なんだか色々と問題を抱えている2人の男性が登場。現時点ではその先のネタについては全く何も分かっていない状態なので、「待て次週」というしかない。っつうか関東圏は2週近く先行してるから既に結末が放送されているはず。うーむ、地域格差のもやもやが止まらないぞ。ネットでネタバレ見ないように気をつけないと。

 一応今回のお話のどんでん返しとしては、「人殺しが来るよ」→「どっちが人殺しか分からないよ」ってんで瀬戸ちゃんと一緒に我々視聴者も考えてみよう、っていう展開だったのに、「どっちもかーい!」っていう。ただ、ぶっちゃけあんまりその部分をサプライズに使おうと思ってる演出にはなってないので、むしろここから先でどのようにこの2人が接続していくのかの方が興味がある。普通に考えるなら「何の関係もない人殺し2人がたまたまクイーンデキムに同時に通された」ってことはないだろう。単純な予想では、どっちかがどっちかを殺してるっていう関係性だけども……でも、今回のエピソードだけを見ると、別に2人とも悪人ではないんだよなぁ。けーじさんの奥さんを殺したのが若者の方、っていうのもなさそうだし、若者の妹をストーキングしてたのが啓治さん、ってのも無理がある。だとするとこの2人にあまり深い因縁はなさそうなのだがね。そのあたりでどんでん返しがあるのか、それとも単に「俺の復讐心の方がでかいんだよ!」ってアピールして2人とも寂しく死んでいくのか。どうにも予想が付きません。この状態で一週間生殺しはちょっとキツイが……考えて分かるもんじゃないしなぁ。

 既にだいぶ前からそうではあるのだが、ここ最近はゲーム自体にはそこまで魅力はない。いや、元々のビリヤードだってそんなご大層なゲームじゃなかったのだが、今回のエアホッケーは命のやりとりのゲームとしてはなんだか緊迫感に欠けるし、実際のゲームシーンもそこまで手をかけて描いている印象もない。実際のゴールシーンはあまり描かれていないし、具体的な描写を避けて「なんだか怪しげなものを押しつけたり、ぶつけ合ったりしている大の男2人」というイメージだけを伝えようとしているようにも見える。まぁ、厳つい顔したおっさんが本気でエアホッケーやってる図はなかなかシュールで面白いといえば面白いのかもしれんが。もう少しこのゲームの内容と芯となるストーリーの関係性が深ければシナリオの味わいも増すと思うのだが……なかなか難しいかねぇ。結局「デス」要素もあんまりバリエーションがなくて、今回もダーツの時と同じ趣向になっちゃったしね。ダーツだったら一応狙って攻撃出来たけど、今回はどの部位のパックが出てくるかは完全にランダムだからプレイヤー側はどうしようもないやん。

 その他、今回はノーナさんが「他が埋まっているから」といってクイーンデキムに急遽予定外の客を回した様子が描かれているが、裁定者側ってどんだけ人手不足なんだろう。いや、多分今回の件はノーナさんが狙ってやってることなので、デキムに影響を与えるために上層部にばれないよう、無理して変な案件を持ち込んでいるだけだとは思うのだが、そんなあっさりと「埋まって」しまうような運営体制では、そのうちパンクしちゃうんじゃないかって心配になるな。そして、デキムたち「人形」サイドは普通にやっている「お客の記憶データの編集・ダウンロード」は、なんと瀬戸ちゃんの脳内にも送り込めるフォーマットになっているらしい。便利ではあるが、そんな簡単に部外者に漏らしていい情報なのだろうか。瀬戸ちゃんも瀬戸ちゃんですっかり現状になれてしまい、「データちょうだいよ」ってすげぇ気軽に言ってる。脳内に記憶のダウンロードなんてなかなか簡単にお願い出来ることじゃないだろうに。まぁ、一気に人間2人分の記憶が流れ込んできても壊れなかったんだから、割と瀬戸ちゃんは強い子なのだろう。

 さて、次週は「後半戦」ってことになるわけだが……どういうオチが待ってるかは割と楽しみ。櫻井・藤原というあり得ないくらい犯罪係数の高そうなコンビの事件なので、穏やかに終わるとはとても思えません。シビュラに判断を委ねると、かたや免罪体質、かたや犯罪係数史上最高値のコンビだ。うーむ、けーじくんに勝てる未来が見えない。

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 ひょっとしたらデキムさんって萌えキャラなのん? 第7話。2話のやらかしのせいですげぇ印象悪かったんだけど、こうしてみてるとちゃんと作品の中心人物(主人公といえるかどうかは微妙)として機能してるんだよね。もぐもぐしてるデキムさんの口元、ちょっと笑っているように見せるカットとか小憎らしくて大変よろしい。

 5話に引き続いて、裁定者サイドのメインストーリーが進む。結局まともにゲームに興じた回って1,3,4,6話で、そのうち胸くそ悪くなる回って2回だけだったし、案外ハートフルなアニメといえる。いや、裁定者側のドロドロはお世辞にもハートフルとは言えないのだけども。今回のやりとりで大体各キャラがどういうポジションにいるのかは分かりましたな。あと、明確に「作られた」存在ということを言明したのもとても大切な部分。おそらく目の描写にペケが付いてる人は「作られた」存在なのだろうね。

 まず、中心となっているのは間違いなくノーナさんである。「ビル」の90階を担当するノーナさんはいわば雇われ大家みたいな存在であり、偉いことは偉いんだけどもその上には神に最も近い玄田声のおっさん、オクルスが控えている。単に太陽系ビリヤードの相手をさせられるだけだったらいいのだけど、どうやらノーナさんとオクルスはイデオロギーに相違があるようだ。今回最も大切なファクターとして、オクルスの言っていた「裁定者三箇条」がある。「1つ、裁定者は裁定者をやめられない」「2つ、裁定者は死を経験できない」「3つ、裁定者は感情を知ることができない」。1つ目は問題無いだろう、以前から言われていたことだし、少なくともこのビルの中には「裁定者とか辞めたいわー」って言ってるようなヤツもいない。職業選択の自由は必要とされていないだろう。まー、情報局に移転を命じられたクイーンさんは激務に文句言ってましたけどね。「裁定者」サイドと一括りに言ってみても、実際はいくつかの部署があるらしく、立会人業務と情報局では全然仕事が違う。そして、そのどちらも(おそらくオクルスらによって)作られた「裁定者」という存在が務めるのだ。情報局に配属されるためにはおそらく一度「立会人」業務を経る必要があるんでしょうね。のんびりした立会人の仕事と違って、情報局は1秒間に2人の死者のデータをまとめて、エクセルで表にして、営業の人たちに提出しなきゃいけないらしい。うむ、ブラック企業だ。こんなスピードで仕事をこなさなきゃいけないとなると、デキムたちだってのんびりゲームなんか楽しんでる余裕は無いよな(1秒間に2人死ぬってことは、仮に死者全員を裁定しなきゃいけない場合、1秒間に1階、ビルのどこかの階でエレベーターのドアが開けられることになる。つまりわずか一分で60フロア埋まる。……とてもじゃないが90階が一番上のビル1つじゃ処理しきれないだろ。まぁ、他にもたくさん裁定者ビルがあるんだろうけども)。

 三箇条2つ目についても、まぁ、そりゃそうだろ、という感じのお話。「作られた」存在だと明言された時点で、裁定者たちは「現世」とはまったく違うルールで生きる存在ということになる。目の前をあまりに多くの死者が過ぎ去っていくが、それと「死ねない」ことはあまり関係無く、ただ黙々と、永遠に仕事を重ねるだけの道具になればいいということ。どうせ過去の仕事の記憶が消えるなら、マンネリに辟易するようなこともないだろう。普通のサラリーマンが40年続けることを、それ以上やるかどうかの違いだけだ。ただし、「死を知らない」つまり「死の恐怖が理解できない」というのは構造的な矛盾の1つであり、1話でデキムが間違えた事例のように、裁定者が人間と異なる感情体系を持っているからこそ起こってしまうミスジャッジも必ず存在している。そのあたりの不都合は、効率化の観点から目をつぶるしかないのだろうか。

 そして問題となる3つ目。裁定者は感情を持つことができない……うそぉ。どう考えたってみんな感情豊かすぎるやないか。デキムだけは確かにそんな感じかもしれないが、ノーナも、ギンティも、クイーンも、みんなかなり感情豊かだし、好き嫌いをすぐに顔に出す。ギンティに至っては「愚かな人間を弄ぶのが楽しい」とまで言っている。それでもみんな本当は感情がないのか? まー、ギンティみたいな存在は「神の側から与えられた、効率的に裁定を行うプログラム」とも考えられるが……。よく分かりませんね。

 しかし、どうやら本作の焦点はこの「感情」の側面に今後は絞られていきそうである。ノーナさんは既存の裁定者の存在に疑問を持っているようで、オクルスの目を盗んで、「感情のある裁定者」を試験運用しようとしている。それが最も平板なように見えるデキムってのが面白いところであるが、彼はイニシエーションとなる「ビリヤードのスイッチ押しちゃうよ任務」でいきなり異端の感性を発揮し、他の3人を唖然とさせた。別にそこまでおかしな反応でもなかった気がするのだが、ノーナやクイーンが驚いたということは、デキムがやったことは「裁定者としてはおかしい」ことだったのだろう(ギンティの方が普通であり、かなり対比的な描かれ方になっている)。そこでノーナさんはデキムの成長に期待し、色々と手をかけて彼に「感情」を呼び覚まそうとしている。その結果なのか、それとも元々の才能なのか、デキムは忘れてしまうはずの過去の客の人形に「執着」を見せるし、瀬戸ちゃんとの付き合い方にも多少の変化が生まれている。

 こうして「ノーナさんによるデキム育成日記」だと思って見ると、瀬戸ちゃんのポジションも大体予想が付く。元々イレギュラーとして転がり込んできたのは事実なのだろうが、そうしたイレギュラーに目を付けたノーナさんが、デキムを変化させるための良い呼び水になると考え、彼女を置いておくことにしたのだろう。人間をあの空間に置いておくことはおそらくルール違反である。「作られたもの」だけが存在出来る空間では、瀬戸ちゃんは異端であり、ひょっとしたら害悪であるかもしれない。オクルスは彼女の存在に気付いているのだろうか。どうやら瀬戸ちゃんの記憶も少しずつ戻ってきているようで、これからも人間関係は大きく動いていきそう。まぁ、もう1人もっと分かりやすいイレギュラーのマユちゃんも居候してるわけだけども……彼女は今後どうなるんだろうね。単なるにゃんこマスターとしてギンティのところに居座るつもりなのかな。

 それにしてもクイーンさん、どんだけバルメに似てるのやら。強そうだけど、完全にデスクワーク専門なんだよなぁ。ワイングラス抱えたまま寝オチするのって、すげぇ危ない気がするよ。気をつけて。

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