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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 P.A.声優第2陣、能登麻美子出撃の第8話。まぁ、そんなにたくさん出てるわけでもないのだが。北陸出身声優は積極的に囲っていく地産地消のアニメスタジオの鑑。

 前回が「真希回でしおり回」と言われても「あんまりしおり成分強くないなぁ」と不満だったのだが、どっちかっていうと今回のミッションがガッツリしおりさんの出番。というか四ノ宮家総出で色々と賑わせてくれています。やっぱり町興しアニメにおいて「地元でずっと生活している家族」っていう立ち位置は色々と有利よね。家族構成は祖父母に両親、それに姉。おねーさんも地元で働いているらしく、こんな姉妹だったらおそらくご近所でも評判の美人姉妹として野郎連中からも一目置かれているのではなかろうか(もしくは評判の巨乳姉妹である)。少なくとも町内会のババアからもしおりさんは嫌われてないし、ご家族ののんびりした様子を見ても、典型的な「町民」としてこれまで穏やかな生活を続けてきたであろうことが容易に想像出来る。よいご一家である。

 そして、そんなしおりさん一家を巻き込む形で展開する新たな町興しプランは「美味しい名物料理を作ろう」。まぁ、これまた定番といえば定番。地方にわざわざ観光しにいく理由なんて、特産品を食べるか、温泉に行くかが大体のモチベーション。間野山はあんまり良い保養地ではなさそうなので、有り余る自然の恵みを活かしたお料理作戦で呼び物を開発する狙いだ。まぁ、チュパカブラまんじゅうは成功してないけども……大丈夫、今度はうら若きオンナノコが5人も額を寄せ合ってアイディアを出しているのだ。きっと何か時流に合った素晴らしい新商品が…………

 生まれる気がしねぇな! 薄々気付いてはいたが、この5人、しおりさんを除くと女子力というものが全くと言っていいほどに宿っていない。いや、個人個人で部門別に分ければそれなりにスキルを持っている人間ばかりなのだが、たまたま今回のテーマである「料理」というカテゴリに触れる人間がいない。おそらく一番ひどいのは早苗。田舎にIターンとか言ってる割にまったく食い物に頓着しておらず、農作業ブログ書いてたくせに虫が大の苦手なので自然素材なんてもってのほか。新メニューを考えろと言われてカップ麺を持ってくるという、一番救いようのないポジション。真希は、バイトの経験も豊富なので色々と器用だし、多分料理をさせれば最低限のものは作れるはずなのだが、いかんせん発想が男前過ぎる。細やかな心遣いとか、おもてなしの精神とか、そういう概念には程遠いセンスの持ち主。まぁ、かき揚げサンドはひょっとしたら美味いかもしれないけどね。「学食メニューですね」って、そんな学食無いわ。そして、もっともアニメ的な爆発鍋の素質を持っているのが凛々子。本人は真剣そのものなのに、何故か立て続けに緑色の料理を繰り出してくるあたりがおかしいし、全てホラーな絵面にしてしまう毒物製造機。お婆ちゃん、お孫さんの花嫁修業くらい監督しておけば良かったのに……良くも悪くも箱入り娘だ。そして、それなりの大学生活で一人暮らしは長かったはずなのだが、その結果として「一人暮らし風の雑な仕事」しかできなくなっているのが我らが国王。いや、ファミレスのメニューとしてはそこそこ魅力があるはずなんだけどね。それ、田舎に来て食べるメニューじゃないからね。今回は元々由乃主体で動き出した企画ということでこれまでで一番張り切っていたようなのだが、残念ながら全てが空回りである。

 こうなると、頼りになるのはもっとも家庭的で、間野山の食事情にも詳しいしおりさんのはずだったのだが……。どうにも消極的。これまでは「前に出そう」という圧力も無かったので目立たなかったが、いざ責任ある仕事を任せようとすると及び腰になってしまう根っからの「裏方」体質。まぁ、今回の家族との対話を見て分かる通り、彼女もなんだかんだで箱入り娘なのである。特に良くできた姉がいる妹さんともなると、あとはもう甘え上手でのんびり育つことが多いですからね。「矢面に立て」と言われて嫌がるのは無責任なようにも見えるのだが、おそらくこれまでの人生でそうした経験がほとんど無かったのだろう。「目立つ」ことが出来ない性格なので、地味な料理で地味に下支えするポジションに落ち着きたいのもやむなしである。

 しかし、そんなレシピ会議は2つの側面から揺さぶられることになる。1つは、観光協会と商店街の対立の激化。これまでもジジイとババアの不仲は明らかだったわけだが、今回はついに明確に由乃のミスと言える事故からの対立構図。「余所者は余計なことしかしない」という指摘に加え、ババアが重ねる文句はどれをとっても全て正論。ジジイという不審物を抱えてしまっている時点で、王国に勝ち目はないのだ。結局はっきりしたレシピのアイディアもまとまらないし、普通に考えたらそのままお蔵入りになる企画だ。まぁ、どうせ宣伝を打ったところで大して客も来ないだろうし、取りやめても大した迷惑にはならないと思うが……。

 しかし、そんな敗戦ムードをもう1つの不測の時代が更に揺さぶってくる。それが「四ノ宮家の変化」という外部要因である。実際に起こっていることは単に「お姉ちゃんが仕事のために実家から出て一人暮らしを始めるよ」というだけのことなのだが、そこから当然のように姉妹には「そろそろ相手を見つけて……」という田舎特有の余計なお世話な空気になり、そうなると、「跡継ぎが……」という話題も自然に考えるようになり、しおりさんがお父さんと話した「10年後の未来」の話になるわけだ。いつも裏方に回っていたしおりさんはそんな先のことまで考えたことなんて無かったと言い、改めて、「自分から動き出さなきゃ世界は変えられない」という焦燥感を覚える。放っておけば実家は農家じゃなくなる。気がつけば隣にいた姉は一人暮らしを始める。いつまでも、間野山がこのままだとは限らないし、王国だってこのままじゃあっという間に空中分解してしまうかもしれない。こうして「難局」がはっきりと姿を現したことで、初めてしおりさんは自分の足で立ち上がり、戦う決意をするのである。それはもちろん、国王が、仲間が、王国が大事だからだが、何よりも、間野山が大事だから。つまらないことで言い争っている年寄り連中に守られてばかりじゃ、いつまで経っても若者の時代はやってこない。ここで何とか、地元の若者が頑張る時なのだ。

 しおりさんの決意は、果たしてどんなメニューに結実するんだろうか。ネタを綺麗にまわすなら、今回しおりさんが出してきた「地味メニュー」を何かリビルドして解決策を出したりすると上手くハマるんだけどね。流石に「フリーズ炒飯」とかが活かせる気はしないけどな。まぁ、相変わらず都合良く戦闘力の高そうな料理人の仲間が増えたことだし、彼の力を借りて何か若者向けでオサレなアイディアがおりてくるに違いない。今回登場したシェフの彼は木彫りのあんちゃんの時よりも分かりやすくラブなロマンスが展開しそうで、ホントに今作は個々の要素をベタベタにするのが好きね。多分、次週は熊さんが高校時代の誤解を解いておねーちゃんといい仲になり、そのまま実家の田んぼの手伝いもやってくれるようになるんだろう。まぁ、分かりやすくていいんだけどさ。ただ、立て続けに能登キャラを「行きおくれ」に認定するのはやめて頂きたかった。巴さんは天使。繰り返す、巴さんは天使。

 そういや、今回(本編には)サンダルさん出てこなかったな……。

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 英雄も悪党も最期は毛玉か、第7話。思えば兄弟揃って金曜倶楽部によって命脈を絶たれたのだな……。愛を持って食われることを選んだ兄、憎しみを持って食うことを選べなかった弟。どちらも毛玉のなれの果て。

 こうして見ると、やはり金曜倶楽部というのは謎多き組織である。どうやらメンバーの中で人ならざる力を持っているのは寿老人(と弁天)だけのようであるが、その寿老人が一体何を目論んでいるのかが闇の中であるため、何とも不気味な印象なのだ。まぁ、同じく森見作品には様々な「闇の組織」が存在しているので、そうした京の都の暗部を司るのが寿老人だという認識でおよそ間違いではないと思うのだが。今回登場した寿老人の三段重ね電車は、「夜は短し歩けよ乙女」の李白が鴨川の川床で乗り回していた二階建て電車に通じるものがあるが、李白がギリギリ人の範疇で描かれていたのに対し、こちらの寿老人は天狗や天満屋と真っ向から渡り会える実力の持ち主であることを考えると、ひょっとしたら上位存在なのかもしれない。

 そんな寿老人の手になる地獄絵から何とか帰還した矢三郎。弁天に連れられた手前、そのまま尻をまくって逃げるというわけにもいかないし、そもそも矢三郎はそんなことをするタマじゃぁない。素直に弁天に連れられて金曜倶楽部の会合へ殴り込み。これで矢三郎が会合に列席したのは2度目である。狸を食う連中の中に飛び込む狸というのも何とも命知らずだが、それは早雲とて同じことか。「木曜倶楽部」を自称する淀川先生とも合流し、露天風呂では弁天様のサービスシーンまで。こういうシチュエーションで何故か全員がそっぽを向いてしまうあたり、曲者の集まりと思われている金曜倶楽部も、案外紳士が多い組織なのかもしれませんな。まぁ、ここで平気で近寄ってくるような連中だと、弁天様がのらりくらり楽しめないしな。

 コーヒー牛乳の真価を確認したのち、いよいよ問題となる会合へ突入。矢三郎は堂々と早雲に面通ししており、弁天や寿老人の後ろ盾を得て一度は「地獄送り」を押しつけてきた叔父とも平気な顔でハジメマシテの握手。このあたりが矢三郎のしたたかなところで。面白いのは、早雲がどれだけ矢三郎のことを邪魔だと思っていても、「アイツは狸ですぞ」とは言えないというところ。何せ自分だって狸だしな。知った上でおちょくるような態度で眺めている弁天さんもひどい人だが、どうも立ち居振る舞いを見ていると寿老人の方もぼんやりと早雲の正体には気付いてたような気もする。早雲を招き入れる会合と言われていた割には、寿老人は何だか早雲に素っ気なかったし、元から狸の悪あがきを見て楽しむのが趣向だったのかもしれない。たまたま今回は、そこに淀川先生と矢三郎という「もっと珍妙なもの」が入り込んできたためにアドリブで脚本を書き換えたのではなかろうか。

 淀川先生は持ち前のピュアさでもって真っ向から金曜倶楽部にぶつかっていく。まぁ、真っ向と言っても何しろ「詭弁論部」であるからその振る舞いも何とも妙ちきりんであるが、詭弁踊りまで披露せずとも、彼の振りかざす愛の論理は何とも無茶。元々理屈で丸め込めるような相手ではないのだから後はひたすら厄介な外野を演じるしかないという算段だったのかもしれない。上手くすれば、「こんな面倒なヤツの相手をしてまで狸鍋など食わなくてもいいじゃないカ」という落としどころに向かうかもしれなかったのだ。しかし残念ながら寿老人はそんな簡単な攻略対象ではなかった。天満屋という手頃な配下を引き連れ、とりい出したるは何とも古めかしい折りたたみ式の銃。見事な腕前で会場の全員を震え上がらせると、「下手したら本当に殺してしまうんじゃないか?!」というところまで場を盛り上げる。

 ここでしびれを切らして出てきたのはやはり矢三郎。彼はグルグル巻きの淀川先生の前に立ちはだかり、ひとまずの盾となると、その後は畳みかけるように淀川先生の心を折りにかかる。彼が何を狙っていたのかは定かでないが、命あっての物種と思い、ひとまず先生に口を噤んでもらう方向に向かおうとしていたのではなかろうか。信頼厚い矢三郎に裏切られたとなれば、いかに先生とて意気消沈して詭弁も鈍るだろう。しかし、矢三郎の狙いとは関係無い次元から更なる一手を打つ者が現れる。全てを知る女、弁天である。彼女は茶釜エンジンをおもむろに起動させ、これを寿老人への手土産とする。早雲の石に明らかに退屈していた寿老人を見て、その上を超えられるというのは計算のうちだったのだろうか。とんとん拍子で矢三郎の入会までが決まってしまう。

 茶釜の茶番に業を煮やしたのはもちろん早雲。これまで必死に有馬の地で牙を研いできたというのに、ほんの一瞬のドタバタの末に自分の目論見は全て水の泡。これで矢三郎が自分の人生に立ちはだかったのは2度目。そして、矢三郎は彼が憎むべき下鴨の血をもっとも色濃く受け継ぐ阿呆の粋である。我を忘れた早雲はついに禁忌に触れ、人間の前で悪鬼へと変じる。これまで必死に「化けの皮」を被ってきた早雲。今後は狸を捨てて人の中で生きると決意した早雲。そんな彼が、最後の最後で「化けて」しまったというその事実に、彼の人生のはかなさが表れているようである。当然、物の怪は退治されるべきもの。人を撃つには物騒な鉛玉も、化け物相手なら立派な防衛手段。かくて、狸は猟銃で撃たれてしまった。狸の最後は「猟師の鉄砲」と童唄でも相場が決まっているのだ。

 「悪党」の死なのだから、そこには胸のすくような爽快感があるはずなのだが、何故だろう、憐れな毛玉の矮小な姿には、誰一人として快哉を叫ぶ者などない。父の仇と憎んでいたはずの矢三郎ですら、ちっぽけな狸の末期には憐憫を隠せない。先代偽右衛門、下鴨総一郎の死に様は実に見事であったと、淀川先生は聞かせてくれた。自ら死を選び、狸らしさを貫くために笑って食われた総一郎。そして、狸らしさを否定し、全てをなげうってでも野心をなさんとしながら、最後には惨めな毛玉として死を待つのみの早雲。二人の人生に何の違いがあったものか。悪逆の徒であっても、その信念に貴賤はないはずなのに。

 天に還る毛玉を看取る矢三郎。そして、物陰からは成りゆきを見守っていた海星の声。父の死を知らされた海星は、矢三郎を責めるようなことは1つも言わなかった。ただ、娘としての別れだけを願っていた。愛する娘を残し、大切な家族を残し、世紀の「悪党」は何故逝ってしまうのか。阿呆の血を残した兄・総一郎と、あちらで再会した折には何を語るだろうか。

 早雲の死に涙する者は出来れば多くあって欲しい、そんな風に思えるのです。

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 早苗さんは尻キャスだった?! 第7話。中の人の尻がでかいのは本人の自己申告なんだから本当……のはず。「胸に比べれば尻がでかい」という意味だった場合は正当性を保証するものではありません。

 映画エピソードの後編。以前もこの作品について「不安になる」という感想を書いたことがあるが、相変わらずこの「不安になる」は続いており、今回のエピソードにおける真希やしおりの立ち位置も、そうした「不安」の1つのファクターとしてカウントされることになった。正直言うと、今回のシナリオは非常に据わりが悪い。何が落ち着かないって、結局今回撮影された映画がどの程度のものだったのかがさっぱり分からないのだ。まぁ、どう考えても大ヒット超大作になるとは思えないし、あれだけスタッフがあくせくしていた低予算ムービーなのだからどうせ上映館数も大したことがなくてあっという間に忘れられるような作品になるのだとは思うが……それが、一体どの程度間野山に影響を与えるかが分からないのがモヤッとするところだ。

 現実的に考えれば、ロケ終了から実際の封切りまではかなりのスパンが空くはずなのでリアルと言えばリアルな展開。前回も書いた通りに間野山にとってみればロケ隊がやってきてある程度町の中で活動してくれればそれだけで一定の経済効果があったと見なせるわけで、別に映画が成功しようが失敗しようが大きな問題ではないのだが、如何せん、今回メインを務めた2人にとっては、この映画の成否というのは決して無視出来る問題ではない。特に影響が大きいのはしおりさんの方だろう。彼女は身を切る思いであの廃屋を犠牲にしたわけだが、そこまでして彼女が作り上げた映画が箸にも棒にもかからないような駄作だったとしたら、どれだけ彼女が「しょうがないことだった」と頭では理解出来たとしても、心の底まで納得できるものではないだろう。わざわざあの古民家を燃やし、その結果「良いものができた」と言えて初めて、今回のしおりさんの葛藤には区切りが付くのである。そこがわからず、ちゃらんぽらんの監督が単に思いつきで家を燃やして逃げていったという結果だけが残っている現状だと、しおりさんの気持ちの置き所をはっきり決められないのがもやっとする原因なのだ。

 ただまぁ、しおりさんのエピソードは今回のお話だけで片が付くような問題でも無いので、一端保留されるのは致し方ない部分もあるか。これまで一切ネガティブな要素を見せてこなかったしおりさんが見せた初めてのほころび。「単に自分勝手な思い出にすがっていただけ」といえばそうだし、前回懸念した通り、いくらかエゴイスティックな振る舞いになってしまったのは間違いないのだが、ここでしおりさんがあそこまで悩んでいたのは、大きく「郷土愛」や「思い出」が間野山に結びついているためだ。今回の小学校のシーンなんかで分かる通り、実は真希や凛々子もなんだかんだで「地元民」というステータスは重要。それに対し、由乃はしおりさんに「故郷を捨てた」と言われたし、早苗は「東京から逃げてきた」と言われた経験を持つので、王国5人組も、実は一枚岩ではなく「土着と外様」というはっきりした境界線があるのだ。その違いについては、おそらく今後もう少し掘り下げていくことになるだろうが、今回のしおりさんのわがままは、その一端を見せる程度のものである。地元民にしか分からない感情、それを理解出来なかった国王。この軋轢は、おそらく今後の由乃政権に大きな影を落とすことになるのではなかろうか。まぁ、それにしても今回の2人の言い合いはお互いに容赦無くて「お前ら、実は仲悪いんじゃ……」くらいのテンションだったけどな……。

 そしてもう1人、真希の方のエピソードだが、映画の成否が分かっていない現状で、果たして彼女がどのように身の振り方を考えているのかが宙ぶらりんのままである。あの映画が何らかの形で成功し、「特にラストシーンで炎の中に飛び込むシーンが印象的」とかいう評論が出てくるような展開になれば、彼女は再び芝居の道へ進むことにもなるのだろうが、現状はそんなこともない。彼女は「やっぱ芝居が好きなんだなぁ」と自分の気持ちを再確認し、久しぶりに「役者」としての活躍を見せたわけだが、今のところはそれっきり。再び東京に出て勝負を挑むとも言っていないし、もちろん諦めるとも言っていない。役者としての仕事なんてさっぱり無いだろうこの間野山の地で、彼女は今後何をやるというんだろう。まぁ、一応今回のエピソードで父親との軋轢だけは多少解決したので、その部分が前進といえば前進なのだろうが……。

 こうしてみると、真希についてもしおりについても、持ち上がった問題は洗い流されておらず、「彼女達は今後どうなっていくんだ?」という疑問は積み重なる一方。これらの要素がちゃんと今後の展開に活かされて解きほぐされていくことを期待したいが……どうだろう。今回の映画の展開、割と適当だったから、正直言うと別な次元での「不安」が芽生えていないといえば嘘になる。頼むで、スタッフの皆さん。

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 鬼がベッタベタの河内弁だったのは有馬温泉から地獄に行ったからなんだろうか、第6話。後で会った女鬼は標準語使ってたし、どういうロケーションなのかよく分からないな。まぁ、地獄だしな。

 今回はこの作品には珍しく私に地の利が全く無い残念なエピソードである。そういや、こんだけ近くに住んでて有馬温泉って行ったことねぇな。近すぎると逆に観光地としてわざわざ行こうと思わないんだよな……。でもまぁ、狸はせっかく行くなら温泉に入ろう、という思考になるわけですね。猿が温泉に入るのは有名だけど、実際に狸も入るんですかね? 残念ながら調べてみてもそんな習性はないようですが。まぁ、作中で言ってた通りに匂いが落ちちゃうのはあんまり良くないのかもね。温泉って臭いし。イヌ科の動物向きの施設では無さそう。

 しかし、糺の森の狸にそんな常識は通じない。尻が温まるってんで随分ご満悦の矢三郎。いっつも思うんだけど、こいつ本当に悠々自適で良い生活してるよなぁ。交通費とか施設利用費はどうやって稼いでるんだろう。バイトだけで食ってるのかな。昼間から温泉に入り、大満足で喫茶店で一服。そしてそこに現れるのは神出鬼没の海星である。常に身を隠すその技術はもうくのいちもびっくりの手際。「砂糖壺の中に入っている」って言ってたけど、「砂糖壺に化けている」ではないのね? ちっちゃくなってあの中でぱたぱたしてたのかな。想像するだけでかなり可愛い。わざわざあの喫茶店に現れたということは、おそらく偶然矢三郎を発見して追いかけてきたのだろう。言ってることはパーフェクトツンデレな彼女だが、その迷い無き姿勢が実に愛らしい。どうやら夷川の連中も今回有馬に出張っているという情報もあり、不穏な中に今度は弁天が登場。矢三郎がストーカー行為に耽っていると、それを一体どんな気持ちでか見守り続ける海星さん。矢三郎よりも素早く瞬間移動してるって……スタンド能力みたいな化け方だよな。一体どうなってるのかすごく気になるので、どこかで海星目線から描かれる物語とかやってくれないものかしら。

 淀川先生を追い出したという金曜倶楽部は矢三郎にとっても相変わらずの仇敵。その動向を探っているうちに、まさかまさかの人物に遭遇。最初はまた天満屋が暴れているのかと思ったが、あの下鴨総一郎に化けるというふてぶてしい登場を見せたのは、なんとあの夷川早雲であった。1期のラストでたたき出されて以来、一体どこで何をしていたかと危ぶまれてはいたのだが、まさかこの有馬の地で爪を研いでいようとは。彼は「狸であることを捨てる」と宣言し、その第一歩として、金曜倶楽部に入り込みヒトの力を手に入れるという。狸を食らう人間たちに混ざり込もうなど、とんでもない話。かつては偽右衛門という狸の総大将を狙っていた男の、何とも無残な末路ではないか。しかし、考えてみれば下鴨の家とて「狸をやめてしまった」兄弟がいる手前、どうにも他人事ではないかもしれない(実際親戚だし)。近しいからこその憎悪に燃える矢三郎だったが、早雲の方が一枚上手。なんと、あの寿老人が作った地獄絵の世界に、天満屋同様に突き落とされてしまった。

 それにしても……なんて地獄だ。このあたりの奇天烈な世界の作り方は相変わらずというか、流石というか。森見登美彦の世界に、更に久米田康治デザインの何ともふざけた鬼というコラボレーションで、おっかないんだか間抜けなんだかよく分からない「有馬地獄」が実現。どうやら人間がいたらあかんのは間違いないようだが……でも、鬼も随分のんきな生活してたよな。あと、何故か女鬼はグラマーでいい女が多い(顔は怖いけど)。ムチムチの鬼の謎のエロスはこの作品ならではのサービスかな(?)。しかし、そんな鬼の中でも一際輝く紅一点、地獄に仏ならぬ地獄に天女。相変わらずの気紛れで遊びに来ていたのは弁天様であった。あんた、さっきまで地上でおっさんどもにちやほやされてましたやん。何で突然鬼と相撲取りにきたのさ。でもまぁ、矢三郎からしたら千載一遇のチャンス。もしここで偶然弁天に出会えていなかったら、天満屋同様にこの地獄絵で何年も生活しておっさんに成り果てるところだった。常に予想外のことをやらかしてくれる矢三郎に弁天様もご機嫌。2人はそのまま地上に向かってランデブー。その途中、なにやら矢三郎は見てはならぬこの世の理を見てしまったが……まぁ、今作では真剣な生死論なんてあんまり扱わない方がいいからね。そっとしておこう。とりあえず地上に戻ることに成功したわけで、次の一手は早雲の抑止だろうか。

 狸をメンバーに加えてしまえば、金曜倶楽部はますます狸事情に精通するようになり、下手をしたら狸鍋の名目で早雲の気に入らない連中が根こそぎ虐殺される可能性すらある。さて、矢三郎が主人公らしい活躍を見せてくれるかどうか。

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 やっぱり出てきた西地修哉、第6話。安定のP.A.WORKSキャスティングである。どんなチョイ役だろうと出られるトコには出てくる謎の関係性。

 まぁそこはどうでもいいとして、今回から新エピソード。番組ニコ生でのキャスト陣の話によれば濃厚な真希回である(あとしおり回でもあるらしい)。前回まで2話で早苗回だったので、しばらくは全ての大臣について2話ずつくらいの尺を割いて展開していくことになるだろうか。

 「町興し」というテーマでは実に分かりやすいトピック、それが映画製作である。昨今の世の中の動きを見れば、「地域振興」という目標に「聖地」というフレーズがついて回るのは至極当たり前の発想。アニメにドラマに漫画に小説、とにかくなんでもいいので物語の舞台になれば、そこから観光客の増加が望めるって寸法だ。ただ、この手の聖地商法が本当にデリケートなものであることは、アニメファンならばこれまた周知。あまりに押しつけがましいとかえって逆効果だったりするが、さて間野山はどうだろうか。間野山が舞台になるのは、何だかよく分からない内容の実写映画。青春ドラマなのか、パニックホラーなのかすらよく分からないという、この手のネタにはお約束の「面倒な監督の思いつき映画」という感じで、ぶっちゃけ、無事に公開にこぎ着けたとしても、それがきっかけで間野山に観光客が押し寄せるなんて展開は無さそうである。でもまぁ、今回のお話はそんな未来の話が問題になるわけではなく、あくまで撮影クルーがどのように町を扱っていくか、撮影がどのように進行するかがテーマになっている。超低予算とは言っているが、映画一本をまるまる撮影する間はクルーが町に滞在するわけだし、それだけでも経済効果は最低限だ。その後のことまで期待するほど、間野山の人間だってお気楽でもないだろう(まぁ、じいさんはマジで逆転の一手だと思ってる可能性はあるが)。

 一応、撮影が実際に行われ、公開の目処が立っているだけでもまだマシだろう。「映画の舞台になるよ!」といえば、同じP.A.作品では「花咲くいろは」の喜翠荘でも経験した展開である。しかも、喜翠荘の場合は予算を吐き出すだけ吐き出した上で実際は映画詐欺だったというオチになっており、喜翠荘が閉館に追い込まれるとどめの一撃になった事件だったのである。それに比べれば、今回の間野山は一応の利益は見込めそうなだけでも見込みはあるのだ。まー、ひょっとしたらシナリオが二転三転した結果全てのフィルムがお蔵入り、なんて展開もあるかもしれないが……普通に考えると真希が出張ってきて映画を完成させるところまででワンエピソードになると思われるので、流石に未完成で終わるオチが続くとは考えにくいけどね。

 そして、そんな映画製作に「真希回」「しおり回」という2つが絡んでいるというのが重要なところ。真希のエピソードとしては非常に分かりやすい。これまで5人の中でも謎が多かった真希だったが、今回のお話で家族関係や現在の立ち位置なども大体が判明した。夢破れて故郷に逃げ帰ってきた、ということくらいは分かっていたが、その決定打となったセミのエピソードや、弟・父親との関係など、彼女が今何を思ってチュパカブラ王国で寝泊まりしているのかはほぼ明らかになっている。まぁ、分かりやすい「役者崩れ」ってヤツですわね。早苗の「Iターン」もそうだったけど、大体イメージしてた通りで間違ってない。

 ただ、早苗と差別化されているのは、早苗が「都会のシステムや人間関係から逃げてきた」のに対し、真希は「役者という夢から逃げてきた」というところ。早苗の場合、別に仕事を辞めたわけではないので人生に前向きになれば「間野山にいる意味」をポジティブに解釈し直し、このまま大臣職を続けながらでも「復帰」の物語を描くことが出来るのだが、早苗の場合は、もしここから再び夢を追いかける展開になった場合、どうしたって東京に戻る必要がある。彼女にとって「間野山にいる」という事実は「負けを認める」ことと同義であり、早苗のように克己しながらの田舎暮らしは成立しないのだ。すると、彼女の物語がハッピーエンドになる(つまり役者として一旗揚げる)場合、彼女はチームから外れることになってしまうのだが……流石に今作のプロットを考えるとその展開は無いよなぁ。彼女は自分の夢とどういう風に折り合いをつけることになるんだろう。

 一番分かりやすいのは「すっぱり役者の夢を捨てる」という選択だが、多分それは無いんだ。だって、今回の真希の台詞でも、「役者なんてさっさと諦めてよかったわー、賢かったわー」のところが明らかに「嘘」と分かる台詞回しになっており、どれだけ打ちのめされたと言っても役者業は好きなままだし、諦めたくないと思っていることは歴然。更に分かりやすい比較対象として「好きだからやっている」という助監督まで登場しているため、彼との対比で彼女の「好き」が描かれることはほぼ間違いない。早苗がぴしゃりと叩きつけた一言を真希がどのように受け止めたかは分からないが、次週の彼女の身の振り方がどうなるのかは気になるところだ。

 そして、もう1人のメインとしてしおりさんも関わっているらしいのだが、今回はその部分はあまり表に出てこなかった。彼女はボロボロの空き家を処分することに後ろ向きで、なんと由乃に嘘までついて回避しようとしていた。流石に「お化けが出るから」は嘘だろうし、何か「燃やしたくない」理由があるのだろうが、それが何なのかは明らかにされていない。ひょっとして、ものすごくざっくりした「間野山愛」とかなんですかね? 町中にある設備はどれも大切な思い出だから残しておきたい、的な? 流石にそれはエゴイスティックだなぁ。じいさんが言ってたように、映画制作側は欲しい画が取れて、空き家の持ち主も処分費用が浮いてWin-Winのはず。それをしおりのわがままで無かったことにするのはちょっと乱暴。おそらく、もっと思い入れの強い何かがあの空き家にあるということなのだろう(持ち主のことを知っていたわけだし)。でも、これまで特にしおりさんの過去エピソードなんて無かったし、どういう風に絡んでくるのかなぁ。あんまり効果的なエピソードが作れないような気もするのだが、まぁ、しおりさんの困り顔が見られるだけでも良しとしましょう。

 作品の中身とは全然関係無い話だけど、今回の真希みたいに「役者の演技をする役者」を観てると面白いですわね。真希の中の人であるちかぺが「もう役者は諦めた」とか「役者なんてブラックバイトと同じで儲からない」とか「二十代のうちに見切りつけて良かったわ」とか言ってるのは、果たしてどんな気持ちで演じているものやら。中の人は二十代のうちに目が出て本当に良かったよ。若手声優の皆さん、頑張ってください。

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 一足お先に大文字、第5話。俺、まだ大文字を空から見た経験ないなぁ。狸はいいなぁ。

 何故か今作は本当にいい女しか出てこないのだが、残念ながら人間は1人もいない。前回スポットが当たっていた玉瀾は、着実に矢一郎との距離を縮めている。前回飲み込まれた将棋盤の謎の穴は、なんとあの総一郎の「将棋部屋」への隠し通路だった。どういう仕組みなのかはよく分からないが、何らかのトリガーで中央に穴が出現すると、周りにいる人間(毛玉)を自動で吸い込んでしまうというダイナミックな仕様。それまでの様子から察するに、盤上で駒が特定の動きをしたときにロックが外れるようになってたのかな。ここしばらくは矢一郎が自分の「物置」に放り込んでいたために使うチャンスもなかったが、この度、矢三郎のお節介のおかげで数年ぶりに起動。何も知らぬ3人を寂れた将棋部屋へとご招待。そして、その将棋部屋ってのが赤玉先生の住居の一室だったという……。矢三郎はあれだけ足繁く先生の家に通ってたんだから、部屋の様子くらい知ってても良さそうなもんだけどな。

 結局、将棋盤を差し挟んでの男女の対話はうやむやになってしまったが、そこはお節介の矢三郎。間近に迫った五山の送り火を改めてデートの場所として取り付ける。ただ、毎年このイベントには悩まされるのよねぇ。一昨年夷川の連中に襲撃されて船は消失。去年も先生に頭を下げ、弁天の機嫌を取って「奥座敷」を借り受けられたものの、これも焼失。おかげで矢三郎はあわや鍋にされるところまで行ったのだ。納涼船は狸にとっては欠かせぬイベントのようで、矢一郎も何とか今年の船を手に入れようと奔走していたようだが、結局夷川にしてやられて船の都合がつかなかった。

 しかし、そこでめげない強さを持つのが矢三郎。先生のところで見つけた茶釜エンジンさえあれば空は飛べる。そこで「箱」になる乗り物を用意すればいい、ってんで、なんとお願いしたのは叡電にだけは変身出来るという矢二郎だった。まさかの銀河叡山電鉄。下鴨四兄弟の謎コラボレーションだ。血縁者の体内に乗って宴会するってのもどうかと思うのだが……あんまりみんな気にしてないわね。まぁ、矢二郎に乗るのはかつては定番行事だったみたいだしね。末弟を運転手に任命した謎のお見合いトレインは、人でごった返しているであろうシーズンど真ん中の京都の空を飛ぶ。

 ここで行われたお見合い、普通だったら余計な年寄りが出てきて引っかき回すのは邪魔以外のなにものでもないのだが、今回ばかりは先生が活躍したと言わねばならないだろうか。どうにも奥手で前に進めない2人に、これ以上ないくらいにストレートな意見をぶつける天狗。そして、その天狗の教えが有効であったことを保証する母。もう、外堀が埋まっちゃってるから当事者たちも諦めるしかないね。元々、くっつくことが決まってたみたいな2人だったしね。くそー、玉瀾はいい女だなぁ。CV井上喜久子・日笠陽子で開催される宴会って、本当に料理が美味そうで羨ましすぎるよなぁ。家庭的過ぎるよなぁ。

 そんなところに飛んできたのは、家庭的な雰囲気は欠片もない女、弁天である。なんと、あの問題の長椅子ごと飛んできちゃったってんだからたまらない。天狗ってやつはどうしてこうも負けず嫌いなんだ。そしてそこに夷川の阿呆兄弟も乱入。すったもんだの末に結局は炎上騒ぎになるのは毎年のことである。京都の町の上の巨大納涼船の上の叡山電車(の上の長椅子)。カオスですなぁ。玉瀾が馬鹿にされた時だけキレる矢一郎さん素敵。でも今年は何故か金閣銀閣も必死に抵抗して勝負が水入りになってしまったね。水入りというか、天狗入りというか……。

 お気に入りの長椅子を盗まれて黙っているはずがない2代目。その振る舞いはあくまで鷹揚。英国紳士なのかどうかは分からぬが、狸も、人間も、そして力を失った天狗も、全てが眼中に無いかのよう。自分の言いたいことだけを言いおき、やりたいことをキッチリやり遂げる泰然自若とした姿勢はまさに天狗である。これまで全能者として振る舞ってきた弁天だったが、ついに現れた「完璧な天狗」を前に、ついに手痛い敗北を喫してしまった。鴨川の水に濡れる弁天は、ただただ「悔しい」という感情ばかりが渦巻いていることだろう。ここから「強くなれ」とは言うものの、果たして、強くなって二代目に復讐するのは良いことなのかどうなのか……。狸VS狸は決着がつかなかったが、天狗VS天狗はその差は歴然。毛玉は阿呆だが、それを教育する立場の天狗まで阿呆ではないはず。弁天の今後の動向が気になります。

 そういえばさ、赤玉先生って可愛い女の子には目がないのかと思っていたのだが、玉瀾に対しては全くそういう反応を示さないのね。どれだけいい女でも、やっぱり元が毛玉では駄目なんですかね。

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 連行されるサンダルさんは流石に笑うわ、第5話。ちょっと目を離した隙に流れるようなモーションからのパトカー。もう、これを超えられるキャラなんてクマ吉君くらいしかしらない。

 間野山彫刻編、後編。現状何一つ解決はしていないわけだが、この「解決しない」感じはそれなりに誠実で、いかにもP.A.作品っぽいデザインではある。今回は大まかに分けると2つの問題を解決するお話で、1つは当然「彫刻文化をどのように町興しに活かすのか」という町を巡る課題。そしてもう1つは、すったもんだの末になんか凹んじゃった早苗さんをどうするかという課題。もちろんアニメのシナリオなのでこの2つは不可分の問題としてまとめられているが、それぞれに対する解答は微妙に異なっているので注意が必要だ。

 まず、シンプルな解決を見たのは早苗さんの方の問題。元々間野山に来たこと自体がそこまで強い動機に後押しされていなかった早苗さん。ようやく周りに交流出来る仲間が現れ、しかも「IT大臣」という「間野山ならではのお仕事」がようやく回ってきたことにより、おそらくここ数日は少しテンションも上がっていたのだろう。彼女の生き様を左右する問題には常に「求められる自分」という欲求があり、都会生活の中で十把一絡げの人材扱いされることに我慢出来ずに飛び出してきたという過去がある。間野山での「大臣職」は(少なくともこの町では)自分にしか出来ない仕事だと思ったし、他人に乞われて「自分ならではの仕事」が出来るチャンスだったのは間違いないのだ。しかし、彫刻の一件を巡ってプランは(またもや)立ち行かず、更に余所者に厳しい一志によって「間野山に逃げてきたんじゃないのか」と痛いところを突かれる始末。理想と現実のギャップはこの田舎町でも埋めることが出来ず、彼女は気疲れが多くなっていた。

 逃げた田舎でも逃げ出したい。現代人ならさもありなんという窮し方。しばらくはカウチポテトで自堕落な生活を続けてみたが、元来彼女は怠け者というわけではない。これではマズいとあれこれ悩んだところに、外界からも刺激は飛んでくる。1人は我らが国王・由乃の頑張り。まぁ、彼女の場合は相変わらずとんちんかんな方向に努力が空回っているのだが……30社お祈り人生も伊達ではない。でも、とにかくなりふり構わず頑張る人間というのは、周りにいれば刺激になり、焦りになるものである。そして、そんな刺激を更に具体化してくれたのが、関西弁彫師の辰男であった。彼も「自分にしか出来ないこと」を探しているという意味では早苗と同じ悩みを抱えており、自分の技術でもってその悩みをブレイクスルーしようとした辰男の行動は、素直に早苗の原動力となった。この先2人が男女の関係になるかどうかは……まだ分からないけど、まぁ、割とありそうな展開……。

 結局、早苗は周りの阿呆どもにも背中を押され、「少しずつでも自分らしく」を目指して活動を始めた。彼女の思いつきが今後プラスに働くかどうかはまだ分からないが、とりあえず、1人立って歩き始めるとっかかりくらいにはなったのではなかろうか。トータルでは小さな変化だが、彼女の人生にとっては大きな転換点になったはずだ。

 そして2つ目の問題、間野山彫刻の活用法について。こちらは、ぶっちゃけまだ何も解決していないのだが、こればかりは致し方ないだろう。前回もダラダラ書いたように、ここで劇的な進歩や改善があったら、それは明らかに「嘘」になってしまうのだから。今回、由乃たちは彫刻文化を活かすために何を行ったかというと、なんと「自学自習」である。もう、クソがつくくらい真っ当で当たり前の行動。でも、結局町興しのための活動計画なんて、ひたすら地場の産業に密着して魅力を見つけていくしかないのだから、由乃たちの判断はこれ以上ないくらいに正しい。大学も卒業した縁もゆかりもない女の子が4人集まってどれほど田舎の小さな文化について学べるものかと訝しんだが、この4人、仕事のことになると存外真面目である。現地での作品見学、資料館での学習、そして製作現場との接続などなど、自治体が行うべき研修は本当に教科書通りに手順を踏んでいる。人間、仕事を与えられれば何でも出来るもんでね。由乃も真面目な子なのは間違いないし、しおりさんは地元愛が強い。凛々子は自分が興味を持った変なことへの学習意欲が元から強いオタク気質が上手くはまっている。唯一、真希だけは何をモチベーションに仕事に取り組んでるのかはよく分からないのだが……まぁ、仲間意識かな。

 そして見出したサクライケファミリア計画。まぁ、ぶっちゃけると「駄目な町興し」の分かりやすい1例だったわけだが、3人よれば何とやら、4人も5人も集まれば、ある程度は欠点も補填出来るかもしれない。ネームバリューの方をサンダルさんという斜め上のボーナスステージでクリア(?)し、あとはどのようにプロジェクトを膨らませていくか。そこでタイミング良く早苗が合流し、駅ラウンジ計画へと辿り付いたわけだ。駅という地元に密着した施設が来訪者にも門戸を開放している部分は確かに意義があり、来訪時に最初に目につく駅に地元ピーアールを展開するのは町興しの基本のキ。間野山の場合はそれをやるにしてもこれまでの候補がカブラくらいしか無かったわけだが、実物の欄間をそのまんま駅に展示する、というのは一応意味のある行為か。もちろん、そこから少しずつ彫刻の数を増やしていくという企画も(ある程度形になれば)面白い部分もあるだろう。

 ただ……ぶっちゃけ現状ですぐに何か効果が出る企画ではないんだよね。元々民家用に作られた欄間は、公共の施設に展示するとおそらくサイズが小さくて目立ちにくくなってしまうだろうし(実際、駅の展示は多少周りに遊びの空間があった)、そもそも上に視線を送らなければいけない欄間という形態は、狭くて視線の限られる屋内では意味があるが、駅のように解放された施設では印象に残りにくい気がする。本当にズラリと数を並べたり、特大のものを作って目を引けるようになればいいのだが……1つ完成させるのにも年月がかかるであろう欄間を、そんなにホイホイ受注生産出来るもんではないよなぁ。ホント、何十年後、何百年後って話もあながち冗談ではないかもしれんぞ。

 今回の一件は、おそらく「町興し」という観点から見ればほとんど意味を成さない。ただ、それでもこうして取り扱われたということは、おそらく今回の欄間はあくまでも「はじめの一歩」として意味があったと考えるべきだろう。とにかく国王が自ら考え、動き、何らかの形を残した。そこにはチーム全員の協力があり、地元民の理解があり、双方とも地元への愛がある。その状況下で、「間野山の何かが変わった」というのは、実は小さくない一歩なのかもしれない。多分、今回飾った欄間はまた後半のストーリーで何かに関わってくるとは思いますよ。アニメのシナリオってそういうもんだから。

 あと、地味な成果ではあるが駅展示によって間野山彫刻の寿命が延びそう、っていうのは伝統芸能の文化維持の観点からは意味があることだろう。ここから顧客が拡大する可能性もゼロではないのだし、クツを作るなんてエキセントリックなところまでいかずとも、彫り師の人たちに多少の心境の変化でもあらわれれば、生産者側と消費者側が歩み寄れる余地も生まれるかもしれない。存外、こういう地味な仕事が積み重なって、町興しってのは成功していくのかもしれませんね。

 結論:早苗さんも思ったよりおっぱいがでか(略)

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 能登麻美子がいい女であるのと同様に、日笠陽子はいい女である(構文)、第4話。この世界の狸はみんなして本当にいい女。

 前回暗雲どころか雷雲も暴風雨も起こりそうだった二代目VS弁天の丁々発止のやりとり。結局、プライドの塊である2人の直接対決は未然に防がれ、最悪の事態だけは免れることになった。いや、でもむしろ後に遺恨を残した現状の方が「最悪の事態」といえるのかもしれないが……。こうしてみると弁天は本当にタチが悪いよな……二代目の見事なアイロン芸を披露していただいた後だけに、彼女がぶちまけたワイシャツの陰惨さが際だっている。あんな面倒なことする女はマジ勘弁願いたいが、「ただ昼寝がしたかった」だけの二代目は涼しい顔。こういう時には真面目に取り扱わずに相手にしないのが一番良いということなのだろうか。結局、天狗の争いには狸が介在する余地もなく、今後どうなるかを知る余地もないのであった。

 話変わって、今度は毛玉サイドのお話。なんとまぁ、京都動物園の狸はシフト制のアルバイトを雇っていたのか!! 「檻の中の狸は変身出来ず、その特殊性から専門職を担う岡崎の狸が交代で担当している」というのは、長年京都に住んでいたが初めて知った事実である(そりゃそうだ)。確かに、これだけ狸まみれの土地で、実際に人間の前に姿を現す狸はあの檻の中くらいのもの。そんな特殊な立ち位置の狸が、スペシャリストでないはずがない。でもまぁ、そんな彼らも時には息抜きも必要ですよね。こぞってバス旅行でどこに向かったんでしょうか……。留守番役の矢三郎は暇つぶし相手に矢二郎も連れてきており、井の中の蛙と檻の中の狸のダラダラ兄弟トーク。矢二郎さん、根が非常に真面目なので、弟のバイト中でも将棋の研鑽を怠らないのです。

 そこへやってきたのは南禅寺が狸の娘、玉瀾である。1話目でもちょっとだけで登場していた美人さんだが、今度開かれる南禅寺の将棋大会について、下鴨の一族に改めてお願いに上がった次第。プレイヤーとして参加してくれる矢二郎はもちろんだが、この4兄弟のキーを握っているのはおそらく矢三郎だと踏んでいるのだろう。彼にも参加するように念を押す。もちろん、弟を釣れば、そこで矢一郎との接続も増えるということなのだろう。矢三郎からしたら面倒ごとは嫌だろうし、矢一郎絡みの案件はあまり気乗りしないようだが、美人(美狸)にお願いされちゃしょうがない。狸の世の中もしがらみは多いですな。

 しかし、そうして開催された将棋大会も、鴨川と夷川という犬猿の仲の一族によって台無しにされてしまう。まぁ、トラブルが起こる時はだいたい金閣銀閣が悪いのだが、今回はいつにも増してひどいやらかしっぷりだった。何であの2人が将棋の駒の役を引き受けたのかが謎だ。改めて、本当に阿呆だし面倒臭い兄弟だと思うのだが……狸って大なり小なりこういうヘンテコなところはあるからね。売り言葉に買い言葉で矢三郎も暴れてしまったし、せっかくのイベントも、玉瀾のほのかな思いも全部おじゃんである。あれだけ散々な事態になったのだし、観客狸たちからブーイングの1つも来るかと思ったが、まぁ、その辺は適当に処理されるのが狸らしさだよな。今回は色んなシーンで毛玉フォームの狸がいっぱい見られて、本当に可愛くてよかったですね。

 大会を台無しにしたことを多少は申し訳なく思っている矢三郎。そこに17歳で優しいお母さんがやってきて、ようかん片手に夢を語る、というか願望を漏らす、というか息子を恫喝するというか……。やっぱり母は強いよね。あのおお母ちゃんにあんな言い方されたら、跳ねっ返りの矢三郎も断れるわけがないや。「一肌脱ぐ」じゃなくて「一皮脱ぐ」のが狸流ね。南禅寺まで足を伸ばした矢三郎は、改めて玉瀾の気持ちを確認し、さっさと2匹の間の半端な関係を解決してしまおうとお節介を企てる。まぁ、矢三郎の目から見ても玉瀾はいい女だろうし、昔から矢一郎とはウマもあっただろう。さっさとくっつけて所帯を固めさせれば、偽右衛門を巡るポジション争いだって安泰だ。堅物のアニキに多少の柔らかさを出すためにも、ここで玉瀾の背中を押すのは矢三郎にとっても悪いことではない。蛍舞う夕涼みの中、気付けば盤を挟んで差し向かい。一組の毛玉カップルはようやく一歩目を歩み始めるのである。

 イイハナシダナー。でも、ラストシーンで将棋盤が? ん〜? 誰の仕業だ?

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 サンダルさんの絶望的な存在感、第4話。結局あいつ何で居るのかさっぱり分からないんだよな。

 色々とざわざわするお話が続いています。今作を見ていると、どうしようもない不安感に襲われることがある。それはアニメとしての出来が悪いとかそういう意味ではなくて、「作品がどこに向かうかが分からない怖さ」みたいなのが常に付きまとっているのである。理由は大きく2つ。1つは、まずもって「町興し」というテーマそのものに正解が無いということ。例えば比較してみると、同じお仕事シリーズでも「SHIROBAKO」の場合、「スタッフが愛情を持って全力で作り上げた結果素晴らしいものになったアニメ」は現実でも過去に数多存在している。部活もののようなジャンルでも、「みんなの努力と愛情が実を結んだ成果が素晴らしくなる」ことは定番の流れであり、たとえどんなハプニングが起ころうとも、そこにはハッピーエンドが待ち構えていることが想像出来るからこそ、ある程度の保証を持って見ることが出来るのだ。「花咲くいろは」の喜翠荘再生記の場合、そこには四十万スイという絶対的存在があり、最終的には「喜翠荘の復活」ではなく、「スイの満たされた世界」がゴールに設定された。その結果、最終的に喜翠荘がその役割を終えても、四十万スイと松前緒花という2人の主人公(?)の成長と完成を持って物語はカタルシスを得ることができた。

 しかし、今作では今のところそうしたゴールが見えない。「SHIROBAKO」と違い、「どうしようもない田舎の町興しが成功した事例」が日本にはほとんど存在しない。もちろん探せばいくつかはあるのだろうが、それが我々視聴者の頭にテンプレとしてすり込まれておらず、例えば「何かがきっかけで間野山にめっちゃ観光客が!!」なんて展開になっても、「そんなうまい話あるわけないやんけ」という印象の方が先に来そうなのである。設定された問題は本質的に「SHIROBAKO」と変わらないはずなのだが、「上手くいった事例を全然知らない」という容認度の差は非常に大きいと思う。これですんなり国王が仕事を果たせてしまったら、日本むかし話と同じレベルのリアリティになってしまうだろう。では、「花咲くいろは」と同じように個人レベルの成長記として落とし込む流れはどうかというと、まぁ、現時点ではおそらくそちら側のゴールになるのだろうと思われるが、それでも、満たされる対象が今のところ由乃くらいしかいない。喜翠荘の場合と異なり、間野山は現状に不満を抱いている人間、「救われるべき人間」があまりに多く、ちょっとやそっとの展開ではハッピーエンドを感じるのは難しい気がするのだ。「結局間野山は寂しい田舎町だけど、みんな楽しくやってます」という終わり方は、けじめの付け方としては中途半端な印象になってしまうだろう。そんなわけで、現状この作品の「終わり」が見えていないというのが、漠然とした不安を抱く最大の要因になっていると思われる。

 おそらく、ここまでの流れから考えるに、「なんか色々上手いこといって間野山はそれなりに賑わいました」エンドを迎えないというのは間違いないと思う。町民はそれを望んでおらず、そんな上手い方法は素人考えで実行出来るほど甘くはない。今作は、その部分の最低限のリアリティは保持するはずだ。となると、やはり「由乃(たち)の成長と、由乃にとって望ましい間野山の姿」に辿り付くのがゴールになると思うのだが……一体どうなることやら。

 そして、予測がつかず不安になるもう1つの要因は、現時点では間野山の全容がさっぱり見えていないということである。例えば4話にして初めて登場した要素がいくつもある。間野山彫刻がそうだし、謎の変人発明家ドクもそうだ。まぁ、田舎といっても狭いわけではないので「出てきていない町民」がたくさんいるのは当たり前なのだが、視聴者に対して全ての要素が開示されていない状態が理論上ずっと続いてもおかしくないわけで(あとからいくらでも変な町民を追加出来る)、これも「あとが読めない」要因の1つになっている。極論すれば、「そういえば掘ったけど全然でなかった金山跡があったな」とかいう話になり、由乃たちが掘削したらザクザク金が出て突然人が押し寄せた、なんて展開だって不可能ではないのだ(まぁ、絶対やらないだろうけど)。「間野山とは一体何なのか」という情報開示がどこで「ゴール」になるのかが示されないあいだは、我々はポテンシャルの分からぬ間野山という土地に期待と不安を抱えながら見守るしかない。

 そして、そんな「知らなかった要素」が、今回登場した間野山彫刻だったわけだ。国の伝統工芸にも指定されているというそれなりの歴史を持つ無形文化。まぁ、言われてみればどこの田舎にも探せばそういうものはある気がするが、これがどの程度の可能性を持つ「パイ」なのかはまだ見えていない。単に由乃たちが素人判断で「すごくイイ」と言っているだけなので、その辺の温泉地にあるような割と陳腐なものなのか、それとも本当に人を魅了してやまないような独自の魅力を持つリソースなのか。おそらく早苗が兄弟子の人の様子に惹かれたところを見るに、そこには何らかの求心力はあるはずなのだが、まぁ、そんなもの1つで町興しにつながるならどこの自治体も苦労してないわけで。そして、この「伝統工芸」という武器をどのように使うかで水掛け論が起きるのもお約束。「伝統工芸を安売りするな」というプライド論、「使えるもんはなんでも使え」という商売論。ぶっちゃけ、どちらも別に間違ったことは言っていない。単に、お互いにプライオリティの置き方が異なっているだけなのだ。それ故に、普通はこの議論は解決を見ない。今後の展開としては「伝統に固執する頑固な職人すら唸らせるようなエポックメイキングな工芸品の用途」をワカモノでバカモノでヨソモノが見つけられるかどうかだが……普通に考えたら無理だよなぁ。ドクが開発したそれなりに手頃なパワードスーツを量産する方がよっぽど手っ取り早い収益源になるような気もするのだが……それじゃ間野山の復興にはつながらないのかね。

 やっぱり難しいよ町興し。手っ取り早く戦車走らせよう。あとはしおりさんのおっぱ(略)

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