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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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Unnamed Memory」 6→5

 なんとも不可解な作品だった。どう評価したものかと悩みながら視聴していた様子は中盤まで書き続けた毎回の感想にも表していたが、ずっと「是」と「非」の間で揺れ動いていた天秤の針は、最終的には真ん中あたりで落ち着けるしかなかった。是非もないんです。

 まず評価の定めやすい要素から見ていくと、映像部分については「やや良」としたい。いかにもENGIらしい線の細い繊細な映像は1枚絵でキメる時はとても綺麗。特にメインヒロイン・ティナーシャの表情は可愛かったり美しかったりするシーンも多く、キャラデザとの相性は良かったと思う。ただ、その上で「良かった」と素直に褒められないのは、崩れる時には情けなく崩れてしまったため。1枚絵の崩れは少ないけど、動画としてみた時にほんとにしょうもない画面になってしまうことがしばしばあり、本当に勿体無いものになっていた。普通の作画崩壊アニメってのは原画レベルでボロボロになるものなので、こういう省エネパターンは珍しい気がするな。

 そして、そんな映像で描かれるシナリオラインが、なんともまぁ、飲み込みづらい。ご存知の通り、私は基本的になろう作品が嫌いである。嫌いだった。それが何故かを考えると、なろう作品の傾向としてありがちな「作ることへの怠慢」「描くことの放棄」が許せないためである。なろう作品全体の傾向としてよく取り沙汰される「テンプレ感」というのは、ファンタジーストーリーを描く際に何一つ自分の頭で考えず、創らずにどこかから設定を全部持ってくることを意味する。そうしたコピー&ペーストの成果物を、私は作品とみなしたくないという話。

 そして今作の場合、決して「作ること」を怠けているとは思わない。おそらく描きたいものがきちんとあって、そのために筆を割こうとしている気配もある。おかげで端々に「綺麗な世界」が見えるし、今まで見たこともないものが出てきて意表を突かれもする。序盤からめげずに今作を追いかけられたのは、そうした「作家性の断片」みたいなものをそこかしこに感じていたからだ。

 しかし、それと同時にあまりに分からない部分も多く出てきて次第に受け止めきれなくもなった。まるで一週置きに見せられているかのような不可解な欠落、1回のエピソードの中でも突如訪れる「なんか飛んだ」という感覚。この欠落感がどこから出てくるのかが、判然としない。ここから先は単なる推測なのだが、1つは、結局本当に作家が「描ききれていなかった」という可能性がある。描きたい世界は間違いなく存在しており、それを創ろうとは苦心したが、それに見合う構成力を持たず、世界が捉えきれなかったというパターン。そんな作品がそもそもアニメ化するほど人気をえられるかという疑問はあるが、可能性としては大いにあるだろう。そしてもう1つのパターンは、作品自体はきちんと世界を構築していたが、アニメ化に際してそれが瓦解したというパターン。理由は分からないが、尺の問題とか、純粋に脚本家の腕不足とか、いくらでも考えられるだろう。まぁ、構成の赤尾でこに関しては個人的にそこそこ信頼は置いているので、今作に限って支離滅裂になってしまうとも思っていないのだが。

 どちらが正解かは分からないし、どちらの理由も半々で混ざっている可能性もある。とにかく、アニメのみを観ただけでは、今作のどこに歪みの原因があるのかは捉えきれなかった。そして、最終話までの放送を見て最後にもう1つ、薄い可能性が浮上した。それは「まだ描きたい物語の全容が明らかになっていないために未完成なだけ」というものだ。2期が決まりましたね。最終話の展開もまたまた謎ぶん投げになってしまったため、今作の評価は来年に持ち越されることが決定した。この足下のおぼつかない感覚をもう一度味わされるのかと思うとたまったもんじゃないが、このまま放置されても気持ち悪すぎるし、なんとか来年までは生きて結末を見届けさせてもらいたいとは思う。……それまで今作のディティールを覚えていられればの話だが……。

 
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