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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 やっぱり色々気にさせてくれる、第4話。ほんとになんてことない話しかしてないんだけど、どうにも見入ってしまう不思議な画面。

 改めて、今期の恋愛ラノベアニメはそれぞれに個性がゴリゴリで観ていて楽しい。義妹に双子に負けヒロイン、テーマとしてはもはや古式ゆかしい伝統文化とすら言えるジャンルもあるが、そこにきちんと「現代アニメ」らしさを付与して勝負に出ているために決して埋没しないだけの存在感を発揮している。

 今作の場合、その個性というのがとにかく熱を奪ってクールにクールに、もはや冷淡に見えるまでに客観を崩さないその描写方針に表れており、今回はいよいよ悠太と沙季の間に余計なわだかまりすら無くなった。いや、無くなっちゃいないんだろうけど、これまでの近づいたり離れたりで一旦穏当な距離感を見定めた2人は、ゆっくりとその距離を維持してコミュニケーションを続ける。おかげでそこに何か新しい事件も生まれないし、タイトルの通りに「生活」が窺えるというだけのお話。どう考えても面白くないだろうこのプロットで、何故かは分からないがただ息を潜めてじっと見てしまうような不思議な引力があるのだ。

 もちろん、これは引っかからない人もいるかもしれないので攻め口としてはニッチな部類なのかもしれない。ただ、個人的にはこうして割り切った演出方針は最近めっきり見かけなくなったもんで、50本を超える今期アニメの中でただ1本だけが持つ個性としては充分意義があると思っている。もちろん、ただダラダラと日常風景を流すだけでは本当に定点カメラの映像を見ているだけでさっぱり面白くないだろうから、「客観」をいかに豊かなものとして切り出して1本の映像作品として提供するかをきちんと考えているという前提の上でだ。

 今回分かりやすく興味を惹かれたのは、やはり本作最大のエッセンスであろう、リビングでただ語り合う兄妹の対話シーン。大きく分けて「追試指導の日」「翌朝」「作業用BGMを提供した夜」と3つの時点でおなじリビングが描かれるわけだが、それぞれに見せ方が全然違う。追試指導の日に興味を惹かれたのは背景のオブジェクトを中心としたカメラアングルの切り取り方。日が暮れた後、光源の位置は基本的に2人が向き合って互いに光源を置いているように見える(実際にはテーブル上の照明の灯り)のだが、その光源に照らされ、2人の間で殊更に存在感を発揮するのが、何故か背景のキッチンカウンターに置かれた花瓶である。なんの花なのかはよく分からないが黄色を基調にそこそこのボリュームを持った花瓶にいけられた花々。それが2人の間に割って入り、まるで2人の架け橋であるかのようにシーンを繋いでいく。この「繋ぎ」の役割は翌朝のシーンでより顕著になり、今度はテーブルに着く沙季、キッチンで冷蔵庫を開ける悠太と2人の立ち位置が分かれるにも関わらず、それぞれを切り出したカットにも必ず花瓶が収まるようなカメラアングルが取られ、2人の間にある花は常に2人の位置関係を示しながらつなぐことをやめない。別に複雑でもなんでもない間取りではあるが、この「花を中心に様々にアングルを切り替える」という演出でもって違和感なく画面に変化を与え、その上で統制した雰囲気を与えるのにも成功している。

 翌日のリビングのシーンは悠太が先輩からもらったBGMを聴いてバイト先の控え室からそのまんまMVみたいに外のシーンを繋いで持ってきた「音楽の終端」に位置するシーンになっており、昨日と変わらず花瓶に真上から光源をとって存在を際立たせることにより、花の確固たる存在感がある種空想的だった「BGMの世界」から昨日と変わらぬ「こっちの世界」に戻ってきたことを示してくれる。1つのツールでもって、野放図に広がってしまいそうな映像にまとまりを与える働きがシーンを跨いでも発揮されているのがさりげなくも巧みな設定である。ぶっちゃけ、ともすればウトウトしちゃいそうなくらいに刺激を抑えた作品ではあるが、多分こうしてきっちり観ることでそこかしこに施された工夫にも気づくことがあるのかもしれない。

 まぁ、本筋のドラマが面白いかどうかはいまだによく分からんけどな。お兄ちゃんが頑張ってくれてるからそれでいいんじゃないでしょうか。

 
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