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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「ダークギャザリング」 6

 「目の中に星」が印象的な主人公のアニメが終わり、今度は「目の中に髑髏」なヒロインがやってきたぞ。ジャンプ系列のヒロイン、いちいち目のデザインがうるさいのだろうか。

 さておき、タイトルから勝手にプレインズウォーカーが集まって闇の勢力と戦うファンタジーバトルアニメを想像していたが、1ミリも関係ない和風ホラー幼女アニメがスタートした。原作はジャンプSQということなのでフォーマットとしては古式ゆかしいジャンプ漫画の切り出しにはなっているが、テーマがホラーということで、どこか落ち着かない不安定な感じがいいアクセントになっている。

 私個人は、何回か書いたことがあるかもしれないがホラーは超超超超超苦手である。どれくらい苦手かというと、「闇芝居」ですら1人で見るのが怖いし、見ちゃうと夜寝られなくなっちゃう可能性があるくらいには苦手。今作はしょせんジャンプ漫画程度のホラーということは「地獄先生ぬ〜べ〜」くらいだと思えばいいのだろうが、残念ながら幼少期に「ぬ〜べ〜」でも寝られなくなった子なので、このアニメ1話目だけでもちょっと怖かった。まぁ、具体的になんか不気味なものが出てきたわけではないのでギリ耐えられたが……今後の展開次第で「無理〜〜〜」ってなったらごめんなさい。

 でもまぁ、この掴みどころのなさは嫌いじゃない。それこそ「ぬ〜べ〜」とか、さらに古ければ「不思議ハンター」とか(良い子のみんなは絶対知らないだろう!)、そういう漫画って怖いって分かってるのになんか惹かれちゃうものがあるのも事実。今作の場合、主人公は単に「霊を引き寄せる」というだけで特殊能力もないサンドバッグ。代わりに幼女が全力で凶器を振るうというミスマッチが愉快な構図になっており、1話目からして「ストッキングに入った地蔵を振り回して電話ボックスを破壊する小学生」という何から何まで理解できない構図がぶっ飛んでて楽しい。瞳の髑髏も相まってデザインもなかなか愛らしいし、この幼女を見ているだけでも退屈せずにすみそうだ。また、そんな幼女の後継人になってる花澤ねーちゃんの方もどうにも怪しい雰囲気があり、ここにも何らかのネタが紛れている期待がある。メインキャラがみんなして何の注釈もなく手袋常時着用のアニメ、不穏すぎて気になるわ。

 映像部分に関してはぶっちゃけ並程度で、制作がOLMってことは大崩れは無いにしても極端な上振れも期待できないだろう。その上で期待してしまったのは純粋に筋立てが気になったからなので、むしろ今後映像クオリティで下がる部分が少ないのは良いことなのかもしれない。「もののがたり」とこれが同時放送される夏クール、集英社はもののけ文化をきちんと若者世代に伝承してくれる良い出版社である(どうせなら「怪物事変」の2期もお願いできないでしょうか?)。

 最後に一応中の人の話にも触れておくと、髑髏幼女・夜宵ちゃん役は何と篠原侑だった。何度目になるか分からないが「全然気づかんかった!」事案である。ほんとにこの人は千変万化。こういう声の使い方ができる人を応援するのが声優オタク冥利に尽きますな。

 

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○「英雄教室」 4

 今期は「英雄教室」と「スパイ教室」が放送されるわけだ。どうせだったら漂流教室と暗殺教室も放送しとくか?

 「七つの魔剣」に引き続き、なんだか懐かしい匂いを漂わせるラノベ作品。「魔法学園に入学したよ!」からスタートする部分がご丁寧に全く同じであり、こちらの作品はそこに毎度お馴染み「元勇者だけど素性を隠してる」設定をトッピング。なろう小説にも負けない純正の「また何かやっちゃいました」が繰り広げられている。もう、その時点でなんか、「もういいかな……」ってなるよね。

 幸か不幸かアニメとしてはそこそこの出来。制作はテレビシリーズの元請けはずいぶん久しぶりな気がするアクタス。もうガルパンの映画をひたすら作ってる印象しかなく(あと「ピリンセス・プリンシパル」の劇場版もここやねん)、確認したら地上波作品は2017年の「ろんぐらいだぁす!」以来とのこと。またずいぶんのんびりした話である。そんな久しぶりの作品を指揮するのが百戦錬磨の川口敬一郎と来たもんだから、コミカルな演出も含めて作品自体のテンポはとても良い。サクサク進むしストレスフリーで見られる構造は決して悪くないのだが……でもやっぱ中身がなぁ……。

 気になるのは作品世界の設定そのもので、剣と魔法のファンタジーなんだけどロストテクノロジーみたいにしてコンピューターっぽいものもそこらじゅうに散らばっている。「剣と魔法だけど現代的なファンタジー」といえば最近でも「陰の実力者」があったが、あれよりもよりどぎつい「先進テクノロジー」の描写が多く、この世界の科学水準がどうなってるのかは全く分からない。おそらく魔法力をエネルギーとした「魔法科学」みたいな設定なのだと思うのだが……その世界で剣を駆使した肉弾戦がメインってのも変な話じゃない? おそらくこのレベルなら既に戦車みたいな現代兵器に移行してる方が自然だと思うのだが……まぁ、1話目だけじゃまだ分からないのでその辺につっこむのは野暮というものか。

 そんなわけでどうにも設定には飽き飽きしているし、ディティールの描き込みにも神経を使っているか怪しい部分があるので期待値は低め。エロ要素はあけすけで悪くないのだが。

 

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○「レベル1だけどユニークスキルで最強です」 3

 今期2作目の「レベル1」作品。もう、この世界でブラック企業から抜け出すには、ゾンビになるか、転生するかの2択しかないのだろうか……よかった、俺は働いてなくて……(働いてます)。

 今期8なろう目にして、久しぶりに痛いほどに感じる支離滅裂さがたまらない作品。テンプレやご都合主義でなあなあのまま進む作品は多々あれど、ここまで意味不明な展開が続出するなろうというのも久しぶり、こいつぁ香ばしい。

 最初に登場した「あらゆるものがダンジョンドロップする世界」という設定、実はこれだけなら割と面白いというか、何か世界が1つ作れそうな可能性すら感じるいいアイディアだと思う。ダンジョンドロップ云々を扱った作品は過去にも腐るほど存在していたが、今作は「ダンジョンドロップでのみ、この世の物質は生まれている」という哲学レベルの話になっており、「世界はどうやって生まれたんや……」という謎を考え始めると非常に興味深くはある。また、そうした根本的な問題を考えないようにしても、「特定階層・特定モンスターを倒せば必ず決まったものが出る」という世界で、ドロップ効率を計算しながらダンジョン探索を進める冒険っていうのは何か意外な切り口が作れそうで面白そうだ。最初に紹介されたアイテムがもやしという「どないやねん」っぷりも意外な導入になっており、これだけでも色々とやりようのある設定。

 ……だったのだが……結局、何も考えたくないから作った適当な設定だということが分かり、1話かからずに馬脚を表すのがなんとも……今作の主人公、タイトルでは「ユニークスキルがあるから最強」とのことだがそんなこたぁない。最大のラッキーは、転生した直後に「武器も道具も一式揃えているのに世界に身内もおらず、ダンジョン内で暮らしてひたすら1階を彷徨くという、これまでの生き様を全く想定できない不可解すぎる親切幼女に出会ったこと」である。もう、キャラのバックボーンを描く気がさらさらない。そして親切幼女から世界設定を教わると(ステータスオープンしたので減点1)、今度は会ってほとんど会話すらしてない幼女にいきなりアパートの鍵を渡すという奇行に走る。もう、親切とかそう言う次元を飛び越えて、怖い。なんやそのメンタリティ。幼女側もそれをなんの抵抗もなく受け入れる世界。怖い。 

 そして結局特に理由もつけずに現れるチート装置。もう、その設定が出てきた時点でレベル1とかいうタイトル部分に全く意味がない。なんでもできるようになるため、最初に面白いと思ったドロップ設定自体が灰燼に帰す。何を目的に設定を積み重ねているのだろう。いいなぁ、この自由さがなろうだなぁ。突然出てくるバニーガールが求愛してきてもなんの不思議もないなぁ。

 あと、「異世界言語気にしちゃうおじさん」なので一応突っ込んでおくが、話してる言葉が完全に日本語なのに主人公の名前(と新しいダンジョンの名前)だけ発音しづらいというのは音韻的にどう考えてもおかしい。「サトウ」が発音しづらいのに「ただいま」「おかえりなさい」がネイティブ発音なはずがないのである。なんでそういうところでこだわりのないこだわりを見せようとするんだ。頼むから、もう少し考えて物を書いてくれ。

 以上、いつも通りのなろうへの愚痴でした。こいつぁ今後が楽しみな作品だが、「進化の実」みたいにもっと地獄みたいななろうもあるので、爆発力にも欠ける気がするのが勿体無いな!(何を期待してるんだ)

 

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○「ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜」 6

 正直どう判断していいのか困惑してる作品。このMBSの日5枠って、なんかこぅ、有名作品というかそれなりの知名度の注目作品だけをやる枠だと思い込んでいたのだが、こういう飛び道具の放映もOKなのね。1話目だけ見たら間違いなく「日曜の夕方に見るもんじゃねぇな……」って思う気がするが。

 困惑してるのは、「これ、来週から何すんの?」というのが全く想像できないから。1話目を見終わったあとでの印象をわかりにくく表現すると(なんで?)、「2時間もののオリジナルアニメ映画の長めのPV」みたいだった。だってまず、設定からして出オチ感強いじゃない。「ブラック企業もの」ってのは昨今では案外いろんなメディアで見かけるジャンルになりつつあるが、そこにゾンビ・パニックものの要素を加えて「社畜よりもゾンビの方がまだマシ」みたいな風刺を効かせたネタに仕上げる。なるほどそれはそれで面白かろうが、だとしたらもうやりたいことは1話目で終わってしまっていることになる。主人公が社畜から解き放たれ、晴々とした顔になったらもうエンドロールが流れてもおかしくないのである。いや、流石にそれだけだとおかしいけど……。どう見ても生きてて楽しみなど見いだせなさそうなこの地獄と化した世界で、主人公は来週から何を目的に生きていくことになるのか、全く想像できない。

 また、そんな突拍子も無い筋立てを彩るアニメーションも色々とファンキーである。1話目では特に独特な色彩センスが際立っていたが、これはおそらく1話目の展開を劇的に飾る、突発的なデザインと考えた方がいいだろう。「灰色の世界」から「色づいた世界」への変化ってのはこれまたありとあらゆるメディアで使い古された表現だが、今作の場合はよりによって「色づいた世界」の方がゾンビ地獄という部分に皮肉が効いており、「色はついたけどスプラッタ。でも、主人公目線だとそれは最高に楽しい世界」という矛盾を成立させるため、極彩色のご陽気血みどろ演出という不謹慎極まりないカラーが実現したのである。まー、面白かったですけども。

 そうして1話目の作画・演出などはいちいち綺麗に決まっているし、やはり日5枠ということでそれなりに気合いは入っていたのだろう、作品クオリティは文句なく高い。ただ、このハイクオリティが次回からどのように活用されるのかが全く想像できないもんだからちょっと怖いのである。まぁ、想像できることばかりの業界じゃぁ楽しくないのでね。こうして予測できない弾が飛んでくるのは素直に喜ぶべきなのだろう。ちなみに、個人的に一番感じ入った部分は鳳さんのNTR展開のところです。「わぁ、親の顔より見慣れた鬱展開だぁ!」って元気になりました。まぁ、それこそ日曜の夕方に放送するようなもんじゃないが……エロOL雨宮天、有り寄りの有りで、おなしゃす。

 

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○「てんぷる」 5

 どこからとは言わないが、内田姉弟だけを差し引いた作品。こういう時に友情出演が叶う原作者との関係性は決して嫌いじゃない。世界一無駄なちかぺの使い方。

 というわけで「ぐらんぶる」の作者の2本目のアニメ化作品。「ぐらんぶる」もまだ連載は続いているようだが、よくもまぁ、似たようなテンションのエロバカコメディで2本同時連載とかできるもんだな。ギャグ漫画は制作にものすごく神経を使うという話を聞いたことがあるが、この作者さんはその辺タフなんでしょうかね。あ、でも「ぐらんぶる」は原作付きなのか……まぁ、その辺ももしかしたらアニメのクオリティの差に現れているかもしれない。

 中身の方は「女神のカフェ寺ス」とでも言ってしまえばいいのだろうか(上手いこと言うた)。ご丁寧に「女性5人の中に男が放り込まれた!」というシチュエーションは完全に一緒だし、とにかくエロいことをさせて話を回していくという骨子も同じ。何が違うかと言えば、「カフェテラス」は一応「ラブ」コメ作品だったのに対し、「寺ス」は「バカギャグ」作品でしかないというところ。いや、一応メインヒロインがはっきりしているのでラブ要素も前面に出てきてはいるのだが……そしてむしろ本命が1人に決まってるならラブの純度が高いまであるが、まぁ、そんなことを気にして観る作品でもなかろうよ。これから毎週尻だのおっぱいだのとやいやい騒げればそれでいいに違いない。

 そうした割り切った方向性は嫌いではないが、アニメとしてのクオリティはやや低調。制作会社が「ピーターグリル」とかのところということであんまり元請けもしたことがないらしく、1話目時点でそこまで映像に力が入っていない。また、「ぐらんぶる」は高松信司監督作品ということで勘どころを押さえたギャグの演出がカチッとハマっていたのに対し、こちらのギャグはなんか微妙にテンポが間延びしているように感じる。こればかりは本当に「なんとなく」なので具体的なポイントが提示できないのだが、ボケとツッコミのテンポが一呼吸ずつズレるような、なんとも言えないもどかしさを覚える時がある。こちらの監督は前クールで「久保さん」を担当し、今期は「夢見る男子」との同時展開とのこと。「ラブ」の方の作品展開はある程度慣れているのかもしれないが、ギャグ演出は今ひとつといったところか。あんまり上振れはしない気がします。

 あとはキャスト陣がどれだけ頑張ってくれるかにかかっている。ヒロイン勢は愛美を筆頭に鉄板メンツなのであまり心配していない。興味を惹かれるのはむしろ主人公役を担当する赤坂柾之という名前。履歴を見たら外画畑でメインに活動していた人のようで、アニメ作品ではこれまでモブが多く、メインキャストは今作が初となる様子。低音が印象的だが声の上げ下げにずいぶんクセがあり、ハマったら面白そうな気がするが、まだちょっと落ち着かない。男性声優はなかなか世代交代が難しいし、是非今作で爪痕を残してほしいね(といっても、Wiki見たら30歳だったが)。

 

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○「シュガーアップル・フェアリーテイル(第2期)」 ―

 おかえりジョナス! ……あれ、ジョナスいない? ジョナスのいないシュガーアップルフェアリーテイルなんて……(致命的に誤った認識)。

 というわけで1クール休んでの分割2クール目。分割であることになんの負い目もなさそうで、話数のクレジットも「13話」からのスタートだし、特に1期の復習に時間を割くこともなく、いきなりエグいシーンからスタートしている。そういやこんな変なトコで終わってたんだっけ。

 ジョナスがいないこの作品は至極普通の少女漫画。頑張る女の子に艱難辛苦が押し寄せるが、それを持ち前のパッションでクリアしていくという苦労&成功譚。改めて眺めてると、セクハラ・パワハラ・モラハラなどなど、あらゆるハラスメントをまとめて叩き込んでくる畜生みたいな世界はなかなか容赦ない。まぁ、考えてみりゃ世に溢れるドラマなんてだいたいこんなもんかもしれん。

 相変わらず線の細いデザインはデリケートな作画が求められるものになっているが、きちんと休んだおかげもあってか、満遍なくキャラが可愛く描けているのはありがたい。気長にジョナスを待つことにします(もう来ない可能性が高くないか?)。

 

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○「BLEACH 千年血戦篇 -訣別譚-」 ―

 オサレアニメ総本山、第2期目のスタート。純正の2期目だし、今更筋立てがどうこういう時代の作品でもないので特に書くこともないのだが……オサレだぁ……オープニングの演出とか、あまりに凄まじくて慄いてしまった。あれ、各カットに元ネタがあるんかな。なかったとしたらそっちの方がすげぇな。

 キャラがわちゃわちゃと溢れているが、いちいちキャスティングが濃いのでワンカットごとのカロリーがいちいち高い。BLEACHのすごいところって、ギトギトにジャンプ漫画のフォーマットのくせして、女性キャラのバトルも容赦無く展開されてたところかもしれない。こんだけまとめて女性キャラが出てくると「こんなにいたのかぁ」って感心してしまうわ。

 なお、当方熱心なフォロワーではないために専門用語が口頭で発音されてもさっぱり分からないという難題があるが、もう、それも含めて味わいだと思って気にしないことにしてます。

 

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○「七つの魔剣が支配する」 5

 なんかおっきな話がやりたそうだな……という雰囲気だけは感じるラノベ作品。なろう的ゴリゴリタイトルに慣れてしまうと、こういうふわっとしたタイトルはなんか不安になるな。

 なろうではなくて純然たるラノベということで、なんとなく古き良(くもな)きラノベアトモスフィアを感じさせる出だし。まずもって「魔法学園におもしろそうな連中が集まったッ!!」っていう幕開けからして、すでになんか懐かしいんだよな。一時期は「とりあえず学園に入学するところから始めるぞラノベ」で溢れかえっていたものだが……最近はその「入学」イベントの前に「転生」「チート披露」が挟まることが多かったので、その辺のゲボが出そうな展開なしにすっと入学式を迎えてくれるのはむしろ好感度が上がっちゃうという。多分10年前だと「親の顔より見飽きた展開」ってんでそれだけで評価を下げてた気もするのだが、時代とはこうして流れていくものだね。

 実際、単なる顔合わせと入学イベントではあるが、あまり駆け足になる気配もなく、「人物紹介だけでもちゃんとお話として見られるだけのものを書きますよ」という責任が感じられる描写が続く。キャラの配置自体はお約束のものばかりだが、たった1人中心にサムライガールをおくことでちゃんとアクセントになっているし、1話目を見た感じでは、そこまで無双なチート感があるわけでもなさそう。ここから初めて出会った6人が喧嘩したり助け合ったりして、新入生として少しずつ学園の謎の迫っていくことになるのだろう。少なくとも「マッシュル」よりは「魔法学園」というものをちゃんと描こうとはしているようだし、是非とも古き良きラノベ文化の景観を見せていただきたいものである。

 制作は天下のJ.C.STAFF。「壮大なサーガの序章」を意識して作られたであろう1話目はいろんなところが大仰で苦笑いも出るが、ファンタジー作品の出だしなんてものはこれくらい大きく出てもらった方が受け取る側の期待も高まるんじゃなかろうか。あとはこれで女の子が可愛ければいうことなしですね。可愛くなってください、お願いします。

 

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○「悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。」 4

 今時逆に珍しい、純然たるトラック転生からの模範的なろう作品。「もうご存知ですよね」みたいな感じで転生までの段階をサクサクショートカットしていく様はいっそ潔いとすら思える。

 設定としてはこれまたあっぱれなくらいに隠す気もない典型的な悪役令嬢もの。流石にアニメ化作品だけでももうお腹いっぱいと言っていいくらいに悪役令嬢ものも増え、私も経験値を積んできたと思うが、令嬢ものが始まるたびにいちいち「悪役令嬢のパラドックス」に触れるのも飽きてきた。でも、今作はまさにそこが最大のネックであり、いつものように視聴モチベをガリガリ削られる展開。

 一応これを最後だと思って解説しておくと、「ゲーム設定の中に飛ばされるのが悪役令嬢ものの基本設定だが、作品世界内でのゲーム設定の拘束力を主人公が主観視点で判断する術がない。ゲーム記憶を持つイレギュラーとして転生した主人公がいる時点でゲーム世界とは異なる状態であり、破滅フラグが立とうとも意識的に回避すればその運命に辿り着かないと仮定するなら、最初にゲームと異なる行動をとった時点で全ての破滅フラグは無に帰すため、設定がなんの意味もなさなくなる。逆になんらかの運命力が働いて強制的にゲームの設定に引き戻されるという世界であるなら、どれだけ主人公が抗ったとしても無意味であり、それを脱却できるかどうかは完全に作者のご都合主義に任せるだけの運ゲーに成り下がる」というのがこの設定のパラドクス。未だかつてこの問題に正面から向き合ってブレイクスルーした悪役令嬢ものには出会っていない。強いてあげるなら「実況の遠藤くん」くらいの無茶苦茶な外部要因を持ち出し、「ゲーム内のキャラがゲーム外を知覚できる」「自分たち以外にもゲームに干渉しようとする敵対存在がある」くらいまで設定を盛り込めば、一応は新しい展開が期待できるかもしれない。

 今作の場合は綺麗にテンプレをなぞっているおかげでそうした設定への問題意識は1ミリも感じ取れず、いつも通りの都合のいい(主人公にとっては都合の悪い)設定の解釈を飲み込めない。例えば、「予知」と称してゲーム知識を活用して父親の死を未然に防いだこと。これはいいスタートだ。これによって「ゲームと違う展開が生み出せるのでは?」という気づきがあり、主人公に動機が生まれる。しかし、この時点でもうほぼゲームは終わっている。何故なら「両親が健在の世界線」はすでにゲームに存在しないわけで、もうこの世界における主人公を「ラスボス」と称する意味はない。一応今回のシーンとなる9歳までの時点では悪逆の限りを尽くしていたという設定があるにはあるが、いうてもそんな子供のやってきたこと。これから先の人生でナンボでも禊は可能だろうし、破滅フラグに肥大化するまでの大問題を抱えているとは考えにくい。

 それにもかかわらず、主人公は弟との遭遇シーンでゲーム内記憶がフラッシュバックし、「やっぱりゲームの設定には抗えないのか?」と見当はずれな疑問を提示している。いや、単に弟が来ただけじゃん。むしろ父親存命の状態で弟と面会した時点で「ゲームと違う流れに乗っている」ことを自覚しろよ。もうお前の知ってるゲームとは違う運命に乗れてるんだよ。それならもう、何も心配する必要はなく、単に「いい統治者がいい政治をする」だけの話になるはずである。いっそ開き直って「民の為に尽くす」物語になるならそれはそれで成立するので文句はないが……これから先も「破滅フラグが〜」だの「私はラスボスだから」だのと言い始めたらそれは間違いなく設定破綻。一気に見る価値がなくなるだろう。

 映像部分に大きな問題はなく、これから先がふつーの「王宮ファンタジー」になるなら決して評価は下がらない。ただ、どうせそうもならんのやろな、という諦観もすでにある。だってなろうだから。さぁ、この「なろう作品として破滅するフラグ」を覆すことができるかな?

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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