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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 一山超えて、第10話。このタイトルは流石に「?」だったもんだから調べたら、ワンダーフォーゲルとは単なる山登りというだけの語ではないらしく、「Wandervogelは渡り鳥を指す古い言葉で、活動に冠された由来には諸説ある。一説によると1901年、初期メンバーの一人ヴォルフガング・マイエンの提案で、グループがよく歌った歌詞から採用したという。鳥、つまりさえずるという意であると同時に、社会の固定された規範から自由でありたいという願いが込められている」(出典:Wikipedia)だそうです。「歌う者」、そして「社会からの脱却」、なるほど、ワンダーフォーゲル。

 父と娘。おっちゃんくらいの歳になると弱いテーマである。この手の話になると「ほら、一応仁菜くらいの歳の娘がいてもおかしくない歳だから」と冗談めかして言っていたのだが、歳を重ねて近々「仁菜くらいの歳の娘がいないとおかしい歳じゃない?」とか言われそうで戦々恐々。そんな状態なもんで、やっぱり親父さんの方にすっかり感情移入しちゃうせいでこういう話は心臓がキュッとする。うちの娘は真っ当に大学に行ってほしいなぁ(まず、娘がほしいなぁ)。

 バンド活動に限らず、進路で自由に動きたい娘と頑固な父が衝突する構図はアニメ作品でもちょいちょい見られる。印象深いところで言えば黄前家の父と娘2人。あれは姉の方が一足先に反抗期を片付けてくれたおかげで妹の方は明確に対立構図まではいかなかったが、それでも互いに気遣いあって腫れ物に触るような家族の距離感がヒリヒリした。近しい「バンドが、その他の進路か」という父娘物語で言えば、今回の仁菜に一番近いのは美竹さんちの蘭ちゃんだろうか。あっちはより厳格な華道の家元という家庭の事情もあり、なんと美竹さんはリアルタイムでまだ進路云々に結論が出ていない状態で6年目である。さらに同じガールズバンド作品からは逆に娘さんの方が気を遣いすぎるパターンの山吹ベーカリーの例もある。娘が気遣いのできる子でもできない子でも、結局親と子の関係ってのは難しいもんです。

 井芹仁菜は、上に挙げた例と比較しても割と面倒臭い方というか、娘さんがほんとに思いつきで動く性格なもんだから問題が拗れちゃったパターン。高校でのトラブルでの中退までは仁菜のせいじゃないが、そこから「東京に行く」「予備校やめる」などなどについては親父さんが言っていた通りに完全に仁菜のわがままである。話しても分かってくれないという空気を作り出していた親父さん側にも責任はあるが、親目線では正直「もうちょい分かってほしい」と思うところだ。しかし、そんなすれ違いも加速して全てが表面化しちゃうと、あとはもうぶつけ合ってどちらかが折れるしかない。そして、こういう時に折れるべきは、親御さんの方なのである。だって、根源的に「親は子が大事」なのだから。

 多分、今回の話し合いで仁菜が諦めて折れていれば、親父さんはふつーに予備校にもっかい入れて、大学に入れていただろう。東京まで出てきた時点でどれくらいそんな未来を期待していたか分からないが、ハナから「もうあいつのいう通りにしてやろう」とは思ってなかったはずだ。しかし衝突の末にも、仁菜は折れなかった。そんな仁菜の決意に、親父さんは自分から引き下がることを決めたのだ。それが、娘のためだと思ったから。まー、お姉ちゃんの話を聞く限り、歳をとってちょっと弱気になった部分もあるのかもしれないけどね。

 あとはもう、こんなもんは家族内の問題だし、理屈じゃねぇから水よりも濃い血のつながりで殴り合うしかない。そして跳ねっ返りの仁菜がこうした交渉のテーブルに立てたのは全てバンドメンバーのおかげなのだ。トゲナシトゲアリというバンドが既存の(アニメの)ガールズバンドと一番違うのは、メンバー5人のうち2人が明確に「大人」であること。説得に回った桃香は仁菜の家庭事情も性格も全部知ってるから最適な後押しができたし、最後には仁菜のことを一番心配していたことをネタバラシされた。そして更なる超然的大人ポジションであるルパの殺し文句はあまりにクリティカルすぎて卑怯なくらい。親の死に目に会えないのは、そりゃまぁ不幸には違いないわけで。正論ではあるが、ルパからそれを言われちゃうと半ば脅迫である。

 そうして大人2人に適切に背中を押され(ついでに旅費もカンパされ)退路を断たれた仁菜を智とすばるが同い年目線で背中を蹴り出す。すばるさんがすっかりバンドのムードメーカーになってるのはいいやら悪いやら。「大人は意味わかんないでしょ、すばるのおばあちゃんみたいに」って言われた時に特に否定しなかったのちょっと気になるんですが、マジですばるさんは今後家族とどう折り合いをつけていくのか不安でしょうがない。

 まぁ、今はとにかく仁菜の最大の問題が解消されたことを喜ぼうじゃないか。問題はこれで跳ね返る対象が1つ減って、文字通りに仁菜の「トゲ」がなくなっちゃうこと。ありがたいことに(?)まだ高校時代のあの知り合いへの反骨心という強いモチベは残っているけども……丸くなっちゃうと歌詞にパワーがなくならないか不安ですが、多分この子は生粋のアナーキストだから大丈夫だろうよ。

 
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