○「千歳くんはラムネ瓶のなか」 4
1時間スペシャルと知って身構えていたが、まさかの後半実写パートという……まぁ、るみるみがたっぷり見られたのは嬉しかったですけどね。
なんだろ、久しぶりだな、この感じ。「露骨に受け付けないラノベ感」だ。かつて私は「ラノベ」というだけで全否定したくなるくらいに「ラノベ」媒体を唾棄していたことすらあるが、ラノベという文化自体の変化、そして私自身を取り巻く環境の変化などから「ラノベも良し悪し」と受け入れられる状態になったと思っている。だが、やはり「ラノベにしか出てこない独特な文法」への苦手意識はまだ残っているんだろうか。今作はほんとに久しぶりにそれが感じられる貴重な機会になった。
(形はどうあれ)1時間スペシャルってことはそれなりに制作側も気合を入れて世に出している作品なのだろう。制作はこないだまで「Summer Pockets」を担当していたfeel.で、映像クオリティを見る限りではそれなりに頑張っているとは思う。佃煮にできるほど押し寄せるハーレムヒロイン勢も、まぁ可愛かったり、そうでもなかったりするが悪いもんではない(中の人フェスタの影響は大きいが)。外見上のクオリティだけを見れば、決して評価は下がらない作品だろう。ただ……
絶望的に主人公が……………………これはキツい。もう、冒頭数分から聞いててビシバシ拒否反応が出て停止ボタンを押したくなった。これってもう、陽キャとか陰キャとかいう話じゃないよね。人として色々ダメだ。ちなみに教室での委員長シーンがそのピークだったのだが、そこでは「アンチ千歳派」の存在も明確に描かれ、「なるほど、ここまでの描写はこいつが調子に乗ってたら思い切り痛い目を見るフラグだったんだな。こんなキツいのが許されるはずないし、ここからこいつが不幸な目に遭わなきゃ読者が許さないもんな」と納得したのだが待てど暮らせどこいつを落とす展開がこない。よりによって担任が「スーパースター」とか言い始めるし、ほっといてもハーレムガールズは勝手にアゲにくる。もしかして、今作においてこの男は正義を成す側として描写されているのか?(タイトル見りゃ分かるだろ)
ちょっと……無理かもしんない。なろうとはまた違った懐かしい苦しさがあるので貴重な体験としてこの後も痛みを伴いながらもう少し追いかけてみたい意欲もあるが、多分メンタルに余裕がない時には観られない気がする。
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