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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 行ってきましたぜ。今作はだいぶ早く観にいくことができたんですが、11月にもそれなりに気になる劇場タイトルが出てくる関係上、早めに観られるやつは見ておきたかった。それにしても、ここ1ヶ月で劇場アニメ6本視聴してるのは史上ありえなかったハイペース。えいやっと思い切れば案外どうにかなるもんですな。

 というわけでこの作品。ゾンサガ自体、アニメ2期ですら4年前(!?)とだいぶ間が空いてしまった作品なのでやや不安もあったが……大丈夫だった! ふつーに面白い! これはねぇ、サイズ感といいプロットといい、割と理想の「劇場アニメ化」にはなってると思いますよ。特別何かヤベェものが出てくるとかじゃないですが、ゾンサガファンなら文句なく楽しめる出来。期待半分不安半分で観に行ってちゃんといいものが返ってくると一安心ですね。一応一言で感想をまとめるなら、「伝説の山田たえ」です。

 

<というわけで折り返し。一応ネタバレ注意>

 

 




 まぁ、ネタバレといってもある意味で王道展開なので何か大きなネタがあるわけではないのだが……ラストの展開は来ると分かっててもグッときちゃうものだったし、できれば頭空っぽにして「次はどやんす」と思いながら見守りたい作品ではあるよね。ベースにあるのはやっぱり「おバカギャグ」だしね。

 アニメ2期でもだいぶ振り切れた展開を見せてくれたゾンサガ。もはや世界設定に多少の無茶が出ようとも気にしない方針となり、今回の映画のタイトルは副題をつけるなら(ついとるがな)「ゾンビVSプレデター」である。煽り文に「勝手に戦え!」って書かれるアレ。ただ、我々視聴者はこの2つの人外のうち、すでにゾンビに大きく肩入れしてしまっているので実際には「勝手に戦え!」にはならず、手に汗握りながら「がんばえ〜! ふらんしゅしゅ〜!」になるだけである。

 そう、今作の基本設計は「劇場版プリキュア」である。もっと大枠にするなら戦隊やライダーなどの「東映が作る劇場版」のフォーマット。なんかよく分からんポッと出の敵が現れ、主人公チームは前半パートでこてんぱんにやられて大ピンチ。しかし友情やら根性やらが色々とあって、ゲストキャラと交流を深めながら劇場版オリジナルフォームをゲットして最後は気持ちよく大砲ぶっ放しておしまい。そういうシナリオライン。2時間という限られた枠の中で「ゾンサガ」ワールドを壊さずに展開できるお話としては、これが最善だろうよ。尺の座りもよくてほんとに「1本の映画を観たなぁ」という充足感が得られる作りである(なお佐賀は壊滅する)。

 とはいえ、全てのプロットがポッと出の要素ばかりでは流石にファンもがっかり。そこで今回中心に据えられたのが、いきずりのゲストキャラではなくて伝説の山田たえだったわけだ。テレビシリーズ2本を通し、幸太郎がびみょーな匂わせをする程度で結局謎のままだった山田たえ。今回の劇場版では最終兵器となる彼女の人となりにスポットが当たり、「格好いい山田たえ」を中心としてバトルが繰り広げられる。まぁ、宇宙人の石が結局なんだったのかとか、「佐賀を救うためのたえと幸太郎のつながり」がなんだったのかとか、冷静になるとよく分からんことも山ほど残っているのだが、この佐賀においてはもはや瑣末な問題である。とにかく佐賀は宇宙人から狙われて一度は壊滅したが、伝説の山田たえの力によって窮地を脱したのだ。そのたった1つの英雄譚さえあれば、それでいいではないか。

 今作のポイントの1つに「敵性宇宙人がなんでこんなことしにきたのかよく分からない」というのがある。戦隊だろうがプリキュアだろうが、劇場版の敵ってのは最低限の目的くらいは設定されているものだが、今作の宇宙人については「地球を滅ぼす」以外に目的が明示されておらず、なんで侵略が佐賀発信だったのかも謎。でもまぁ、この世界では佐賀こそが世界の中心であり、本来なら東京に集中する災難もすべて佐賀が肩代わりするような世界である。別に目的など分からずとも大きな問題ではない。じゃぁ、そうして設定を投げっぱなしにしたのに宇宙人の生態が妙に詳しかったり、デザイン部分でのディティールは作り込まれているのは何故かというと、ここが今作の一番良いところ。そう、「佐賀であること」に意味を生み出すためだ。

 宇宙人の設定も何もかも、「佐賀で事件が起こり、佐賀を使って、佐賀だからできる解決方法を見せる」というのがスタート地点にある。本作はそのことを隠すつもりもないくらいにあからさまで、最終決戦に辿り着くまでに佐賀のシンボルを徹底して使い倒してやろうという意気込みが感じられる。それは当然気球であるし、花火も、干潟の泥もそうである。「佐賀といえば」で思いつくものを全て宇宙人との対決に投入するために、宇宙人は熱に反応したり聴覚だけが発達していたりする。もはやそれ以上でもそれ以下でもない。

 この姿勢がやはりゾンサガのいいところ。ご当地アニメなんてものは今やはいて捨てるほど生み出されているが、ここまで徹底して「ご当地」にこだわり抜いているアニメは他に無いだろう。とにかく佐賀であることを視聴者に見せつける。佐賀について語りたいと思った時にゾンサガを避けて通れない位置に置く。もはや、このアニメは佐賀の特産品の1つとなったのである。

 そして当然、タイトルを見れば「サガ」も大事だが「ゾンビ」も大事。宇宙人は「VS佐賀」用にも作られたが「VSゾンビ」用にも作られている。最初のたえの潜入事件の時点でそのことはあからさまになっており、「温度を感知する敵だから最初から体温がないゾンビはステルス状態で戦える」というのはあまりにも露骨なゾンビあげ。でもしょうがない、そういう世界なんだから。もちろん「ゾンビだから唯一戦えるのは彼女たちだけ!」と祭り上げるだけでは単なるチート話になってしまうため、ここにきて改めて「ゾンビバレ」についてのくだりを一捻り。ついに一定数の部外者にバレてしまった彼女たちのゾンビぃ事情。続編を作るとしたらちょっと考えなきゃいけない設定になったが、やはり今回の劇場版をやるにあたって、その辺りのくだりも避けて通るわけにはいかないだろう。たえのポジションをうまいこと調整したおかげで、きちんと「ゾンビだからやっぱり人に恐れられて……」という葛藤をうまいこと盛り込んで消化できましたよね。やっぱプロットが綺麗なんだよなぁ。

 というわけで、外枠の設定は「劇場で2時間アニメをやります」の時点で固まってだろうから、あとは細かい部分について。といってもごちゃごちゃ拾うような要素を羅列してもしょうがないので各メンバーの絡みについて簡単にまとめておくと、7人ものメンバーが常にほぼ一緒に行動し続ける展開だったが、それなりに全員が個性を発揮できていたのは嬉しいところ。冷静に振り返ると愛ちゃんあたりはこれと言って目立った活躍もしてないのだが、それでも「7人いるなぁ」という部分に疑問もないし、不満もないのだ。

 サキは宇宙人だろうがなんだろうが怖気付くことない特攻魂と「単車乗り」という属性を活用した切込み隊長。ついでに馴染みの面々が「ゾンビバレ」の後に関係性を揺さぶられる部分では矢面に立って「ゾンビの辛さ」を表現する役を任された。いつだってサキちゃんは格好いいんだから。

 純子は「実はたえの憧れの人だった」という設定が改めて言及され、これまでのたえとの絡みを補足したほか、主に「高所が怖い要員」として活躍(?)。ラストバトルではなんと愛ちゃんとのタッグで「落雷時バージョン」がデフォとなって「あのライブのあの時のビーム」をまさか戦闘に転用。ある意味で一番無茶苦茶やってるネタではあった。純正アイドルたちの頑張りを見てたえも最終的に「アイドルという使命」を理解してくれたみたいなので、純愛コンビも縁の下の力持ちポジションである。

 次のコンビはゆうぎり&リリィ。相変わらずここも仲良しさんだが、ゆうぎりさんはほんとにもはや理由もなく「ライトセイバーを振り回して敵を両断していく」という無茶な仕事を担当。何をやっても「ゆうぎりならしょうがない……」と納得してもらえる美味しいポジション。彼女の代名詞ともいえる平手打ちは今回2度発動したが、うち1回はブロックされる衝撃展開に。リリィは最後に何故かモビルスーツの操縦者として戦場をかけたが、やはりロボに乗って操縦できたのは性別の差によるロボットものへの理解や憧れがあったのだろうか……そこは今後の課題。ちょこちょこ親父さんとの絡みも見られたのはなかなか良き。

 そして伝説の山田たえ。理性復活までの流れはほんとうに適当すぎて笑ってしまったが、キャトルがミューティレーションしたらおまけにゾンビもついてきた(この時点でゾンビが温度感知されずに宇宙人から見逃されたことがすでに示されている)。そして謎の石を飲み込んだせいで復活する彼女の意思。もう少し幸太郎との因縁を丁寧に見たかった気もするが、結末を考えれば、今ここで全部を語ってしまうのは勿体無いという判断かもしれない。テレビ3期があればそっち方向でもまだまだ掘れるしな。そして、そんなたえとの友情を育んだ。我らが源さくらさん。今回もなんだかんだで主人公らしい活躍を見せてくれてるのが偉い。7人の中ではもっとも特殊スキルに乏しい「一般人」枠のさくらだが、たえとの絆が一番強かったのが彼女だったということなのか、最後まで徹底してたえの人生に寄り添い、彼女の未来を信じてその思いを貫き通した(特に耳が)。もうそろそろ伝説のどやんすガールの名前を襲名させてあげてもいいじゃない。

 個々のシーンをいちいち拾うのは面倒なのでやめておくが、どうしても触れなければいけないのはやはりラストライブのシーンである。このライブがほんとに良かった。それはもちろん楽曲もだし、振り付けを含めた演出全部が良かったんだけど、それ以上に「最後までの流れ」での描写がいちいち胸に刺さって、こうなることは分かってたはずなのに最後泣いちゃったもん。いい演出になってるのよなぁ……。

 ライブ中、あからさまに変調をきたしたたえについて、はっきりとそれを認識したように見えたのはさくらだけだった。いや、もちろん他のメンバーも気づいていたのだろうけど、他の面々はさくらよりも「プロ意識」が高いのでそれを表情に出さなかっただけか。とにかく、たえの変調に気づいたさくらは、おそらくあのライブの時間だけで「今ここにいるたえはまたいなくなってしまう」ことをなんとなく察していたのだろう。それはあまりに残酷な別れだし、涙の1つも流してみたいところではあるのだが、それでもさくらたちは舞台上で笑顔を絶やさない。それはお客のためのパフォーマンスでもあるし、たえのラストステージで有終の美を飾るための気遣いでもあったかもしれない。最後に「いなくなってしまった」たえを前にしても、さくらはそっと手を差し伸べて笑ってみせる。それは彼女なりの精一杯の「さよなら」であり、「おかえり」でもあり。下手に彼女を泣かせたりしない分、その心中が色々と察せられるよいライブシーンでした。

 エンディングの後のラストカット、アイドルならば「マイクを置く」ことは終わりを意味する。しかし、たえがくわえて放り投げてしまったマイクは、また拾い上げられたのだ。まだまだ佐賀は終わらない。きっといつの日か、新たな伝説のその日まで。

 

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