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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
劇場アニメ月間はまだまだ終わらない。そう来るとは思わなかっただろう、この作品だって観に行ったのだ。こちらもあっという間に上映本数が減ってしまい、なんと日に1回のみ。そりゃ慌てるってもんでさ。 ただ、この作品を観るために慌てたってのは意外な事実かもしれない。私のこれまでの劇場アニメ嗜好傾向から言えば、正直候補に含まれる作品ではなかったからだ。ただ、なんか色々と理由がありまして、試しに観てみるか、ってんで一念発起した次第。この辺りのモチベとその成果については、正直どのようにまとめるべきかは筆を取った今この段階でもちょっと困っている。先にお断りしておくと、今回は作品そのものの評価もそこそこに、本質的にはあまり関係ない話に脱線することだろう。いろんなことを考えるきっかけになる作品ではありました。 「そんなんぐだぐだ言わんで面白かったかどうかだけ手短に書けや」と言われた時のために折り返し前の一言感想をまとめておくと、「試聴して無駄になることはない作品だし、試聴後に、この作品をアニメ映画でやろうという意義は伝わった」という言及に留めておく。これを最大限の賛辞と見ていただきたい。よく分からんという人は、頑張って自分で試聴して確かめて欲しい。
<というわけで折り返し。ネタバレ要素は一応含まれる>
さぁ、面倒な導入にはなりましたが、まずは試聴モチベの変遷から。当初、この作品はCMなんかを見ても食指は動かず、「まぁ、行かんやろな」と思っていた。スーパー雑食に見える私のアニメ試聴遍歴でも意外と食わず嫌いは多くて、劇場アニメで言うと最大の特徴としては「細田守作品をほとんど観ていない」なんて事実があったり(この秋のアニメも観る気はない)。そして、つい最近もスルーしたアニメ映画に「ChaO」があった。劇場で何度かCMは見たのだが、「絵柄が生理的に無理だし……話もつまんなそう」というのでスルー。そのことは別に後悔はしていない。そして今作である。CM試聴時の第一印象は全く同じ。「絵柄が生理的に無理だし……話もつまんなそう」。ねぇ、多分同じような感想を抱く人も少なくないとは思うよ。 ただね、ここで1つ引っかかった。「なんでこんな『生理的な無理』っぽい劇場アニメが続け様に展開されてるんだ?」と。ねぇ、おかしいじゃない。映画作ってる人たちだって道楽でやってるわけじゃないし、面白いと思ってるから、評価されることを願いながら作るわけじゃないですか。なのにゲートをくぐる前からお断りの作品が量産されるなんて、そんなおかしなことがあるもんかと。そこで、私の主義には反するんですが、今作に関しては事前にネットで評判を少し見てみたんですよ。するとまぁ、(評価をわざわざ書くような層は支持層であるという前提は加味しつつも)案外評価は良いんですよ。感想記事なんかにも「絵柄で抵抗を覚える人はいるかもしれないが」とちゃんと誘導するようなワーニングも書いてくれている。ふぅむ、それなら後学のために観に行くのも一興と。食わず嫌いを食って確かめようと。 そんなわけで、この作品を観に行ったのです。おかげで「作品の評価」という純然たる鑑賞を望みつつも、どうしても余計な邪念が混ざり込んで「ウケるのウケないの」という余計なことを考えながらの視聴にはなってしまったのですが……さらに厄介なことに、客観でみようとしている自分を、さらにサード自分が客観視して気づく。「こうして作品の品評をする視点って、別に今回だけじゃなくて他の作品でも大なり小なり働いてる思考だよなぁ……あれ、正しい鑑賞って、どうあるべきなんだ?」と。もはや禅問答ですよ。 そんなややこしいことを考えながらなのでどのレイヤーでの評価軸なのかが分からない感想が色々と駆け巡ってしまい、まとめることが難しくなってしまった。とりあえずすげぇ表層的な「ふつーの感想」から書いていくと、今作最大の評価点は「シナリオがちゃんとしている」ところである。元は短編小説だそうで、アニメ映画にありがちな尺が詰まってる感覚もなく、約100分でかなり自然に1本のお話がまとまっている。視聴前は「ありきたりなラブロマンスなんだろ。意外性も何もないだろうなぁ」と思っていたが、一応それなりに起承転結の見せ場もありつつ、物語の構造はちゃんと練られていることが伝わってくる。最初に「なんだそりゃ。単なるチートの言い換えじゃないか」と思っていた「トリツカレ」という大上段のテーマについても、最後にはちゃんとひねって「なるほどそうきたか!」と膝を打つ結末を迎えるのは実に気持ちがよく、本作が何度かメディア化(主に舞台化)されているという事実も納得である。劇場の紹介文には今作の英語タイトルが「The Obsessed」となっているが、ここにきて日本語の「取り憑かれる」が効いてくるってのは言葉遊びとしてもナイスである。 もちろん、ファンタジックな要素を含んだ物語なのでツッコミ要素とか、納得できない部分も少なからず存在はする。ペチカのこれまでの身の上がよくわかんないこととかも気になるが、個人的に一番納得いかなかったのはクライマックス前の「ジュゼッペがシエロの言葉を理解できなくなる」というくだり。あれはいらんかったと思うよ。ジュゼッペのトリツカレスキルって、どこかで情熱は終わるかもしれないが身につけたスキル自体がなくなるわけじゃないことは数多の才能から示されているわけで、突然ネズミ語が聞こえなくなるわけがない。あそこでの遮断は普通に考えたら「タタンに取り憑かれたおかげで一時的にジュゼッペが抜けた」ということの表示なのだろうが、それは別にシエロにあんな衝撃を与えてまで表示する必要もなく、視聴者には余計な誤解を与えるだけの描写に見える。そこはなんか変なひねりを入れちゃったな、とは思うが、でも表立って気になった箇所はそれくらい。 シナリオラインは筋が通っていて100分の物語に退屈する要素は特にない。また、ミュージカルアニメのデザインも落ち度がなく、主演の2人の歌が上手いのは当然として、曲の雰囲気も、そこに合わせる映像もちゃんと世界観を持った強固なデザインである。ミュージカルってぇと「突然歌うよ!」はあまり得意じゃないってのは何度も書いている話だが、本作の場合は事前に「ジュゼッペは今歌に取り憑かれているんだ」から始まって「突然歌う」ことの大義名分を作中世界で与えているためかなりハードルを下げている。夢みがちなジュゼッペの性格を考えればいちいち大仰に「謳う」ことも不自然ではないし、何といっても人類が一番歌い継ぐテーマは「愛」なのだ。そこに文句を言うのも野暮ってもんである。まぁ、個人的にお気に入りソングはツイスト親分だったりするのだが(親分、いいキャラだよね)。 さぁ、お話し良し、音響良しとなると残る問題は「画」ということになる。ここについては……「マイナスではなくなった」に留めておく。第一印象の「生理的に無理」は序盤は案外長いこと尾を引いたが、流石に物語に入り込めるようになると気にならなくなったし、それこそ親分のミュージカルシーンあたりはコミカルな演出が効果的に働く部分も出てきた。戯画的な装飾の中でも特に光や雪の表現が面白く、車のフロントに反射する光の描き方なんかはかなり独特で面白かったし雪も光も落ち葉も一緒くたの紙吹雪のような見せ方にするデザインもどこか「ミュージカル」っぽさを強めてくれて味わいがある。まぁ、こんだけ評価してもやっぱり「キャラデザは何だったんだろうな」とは思っているのだが。……マイナスが無くなったけど、「この画だから良かったよね!」とまではいかなかったので、やっぱりもっと別な最適解はあった気がするのである。 ------- 以上が今作の「アニメ映画としての評価」でいいと思っているのだが……さて、このキャラデザの是非なんかを考えると、やはりどうしても「私は最初苦手だと思ったのだが」という部分に戻ってくる。何で、今作を作った人たちはこのキャラデザを選んだのだろうか。独断と偏見で恐れずに書いてしまうと、おそらく宣伝・集客の時点でこのキャラデザは足枷にしかなっていない。私のように「このキャラデザは見る気が失せる」と思う層は絶対にいるし、逆に「個性的な絵柄! 面白そう!」ってな評価になる人は少ない。多分、そういう層は他のキャラデザでも観にいく可能性は高いだろう。まぁ、身も蓋も無い言い方をすれば制作側の意図としては「差別化」ということなのだろうが、「悪目立ち」はやはり「悪い」ものであり、わざわざ茨の道に足を突っ込む行為である。この映画は「作品」として立派に仕事を成し遂げているが、「商品」としてどうなのかはまだ分からない。そこがもったいないなぁ、と思うのである。 ------- と、ここまで書いて冒頭で触れたややこしい話になってくる。何故、私は自分の中で「マイナスが消えた」という評価を下し、作品全体ではプラス方向に評価できると判断しながら、その上でなおキャラデザに文句をつけて「別な方が売れるのに」とか考えているのだろう。別にそんなことはどうでもいいのに。私自身が楽しけりゃそれでいいのに。私は常日頃から、最近はアニメオタクらしいアニメオタクってすごく減った気がしていて、やれ売り上げがどうのとか、バズるだのバズらないだの、流行り廃りだけでさもアニメの面白さを語っている気になっているような連中を唾棄しているつもりなのだが、結局、一皮向けば私の中にも同じような根性は横たわっている。人の目を気にして、世間的にウケるウケないを気にしている「製作者気取り」みたいな根性が息づいている。今作を見るにつけ、そんな愚にもつかない内省がウジウジと燻ってしまった。アニメ視聴後に反省するなら「勝手にしろ」なのだが、視聴中にもそんな余計なことを考えているみたいで、なんだか作品と全然関係ないところでちょっと凹んでしまったのである。多分、今作を作ってくれたクリエイターの人たちはとても真面目で、とても熱意のある人たちなのだ。自分たちの感性を信じて、自分たちの作品を信じて送り出した人たちなのだ。私はそれを精一杯受け止めたつもりでいるが、一切の雑音が混じっていないと断言できないのが情けない。そんな話だ。 ほんと、こんなとこで書いてもしょうがない話なんですけどね。できれば今後のアニメ視聴であんまりこういう話は考えたくないなぁ、と思ったので、この機会に吐き出させてもらった。まぁ、純然たる「自己評価」だけを信じるのであればこの作品を観にいくこともなかったのだから、結局はバランスを考えて上手く付き合っていけよ、って話なんですけどね。改めて、私の中ではアニメを真っ直ぐに観ていたいという目標というか、願望はあり続けるのです。それこそ、「トリツカレ」ていたいのです。うまいことまとめたつもりになるには、最後にタイトルどん! が一番手っ取り早い方法だぜ。 PR
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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