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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「スパイ教室」 5

 教室だのファミリーだの、世はまさに大スパイ時代。……なのでしょうか? なんかさ、こうしてフィクションの中で「兵器による戦争はコスパが悪いので世は情報戦の時代に突入した」って言われてんのに、現実世界では容赦なくドンパチが起こってるという事実がほんとに世知辛いわね。

 さておき、ラノベ原作ってことである程度先まで見通しが効くようになっている部分は最低保証だとは思っているが、焦点となってくるのは「スパイ」というテーマそのもの。凄まじい偏見かもしれないが、スパイものって、面白く書くのがめっちゃむずいと思うんですよね。この辺りの事情は過去に「ジョーカーゲーム」に触れた時に書いた気がするのだが、基本的に「騙し騙され」を描く必要があり、特有の刺激を生み出すためには当然読者にも「騙されたッ!」というサプライズを提供しなきゃいけない。そして、「スパイものなんだよね」という前提を持って見はじめた視聴者にそうしたサプライズを与えるってのは至難の業。しかもスパイVSスパイという智謀の戦いとなってくると、お互いに「騙した! と思ったら騙された!」という二重三重のどんでん返しが必要になってくるわけで、そんなプロットなんてそんなにザクザク出てくるわけがない。無理矢理そうした雰囲気を演出しようとすると、どうしたってこじつけじみた強引な展開になってしまい、いってしまえば小学生どうしの「バ〜リア!」「はいダメー、このビームはバリア貫通しまーす」「貫通ビーム防ぎシールドもあります〜」みたいな適当な言い合いになりがちな印象がある。「ジョーカーゲーム」の場合は確か「洗脳の上書き洗脳」みたいな要素でそういうビーム合戦が繰り広げられた気がする。

 そうしたプロットの難しさは1話目でも若干漏れ出ており、「ちゃらんぽらんだと思っていたメインヒロインが実はすでに策謀を巡らせて動いていた」という導入サプライズはきちんと成功していたと思うし、「教官はそれをさらに読んで上をいっていた」も、だいぶ怪しいが一応成立したとみよう。しかし、冷静に考えて「死ぬ気で漕げ」で2人とも助かっているわけで、ヒロインが冷静であれば、あの状況は教官の負けだったはずなのだ(毒針で昏倒させてから死ぬ気で漕げばよかったのだから交渉が成立していない)。そこに触れないのはある種のお約束めいた部分であり、完全論破できるほどの戦略バトルってのは描くのが難しいよね、というお話。

 まぁ、そういうKYなツッコミを入れず、「女の子だらけの共同生活に朴念仁な野郎が1人茶々を入れるよ」というドタバタ共同生活コメディだと思って見てればいいとは思うんですけどね。長屋ものは大好きなフォーマットなので、個性が強すぎる面々がぶつかりながら成長していくっていう部分だけ見られればそれでいいんじゃなかろうか。まぁ、「なんで女の子しかおらんねん」というのはよく分からんところだが……共同生活で不自由しないよう気遣ったのかしら?

 なお、キャスト面はコテコテ過ぎてげっぷを通り越して嘔吐しそうなくらいの密度。「昨今のアニメ作品でメイン張った回数が多い方から無節操にキャスティングしました」みたいなとんでもない布陣になっており、「むしろ別々な作品で見せてくれよ……」と思うレベル。このメンバーで容赦なく殴り合ってくれるならそれはそれでOK。

 

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○「お兄ちゃんはおしまい!」 6

 どうにも我が国は人的リソースを消費する先を間違いまくっているような気が……この作品についてはマジでなんも知らない状態で勝手なこと言うけどさ、ここまでされる作品なのかぁ? ……いいぞもっとやれ、やっちまえ。

 というわけで、明らかにエロバカになるだろうということを全身全霊で示しているのに、アニメとしてはやたら高品質に仕上げられているという、贅沢な作品。作画リソースを割かれているというのもそうだが、1話目は監督コンテ回ということもあり、構図や演出にもこだわってとにかく目を引く導入にしてやろうという意気込みが感じられる仕上がりになっている。失礼ながら監督の名前も知らなかったし制作スタジオ名も記憶になかったのだが、どちらも「無職転生」の制作に関わっていると知り、「あ、あぁ〜」と納得せざるを得なかった。そういうトコかぁ。ちなみに監督の藤井慎吾氏は我が愛する「Go! プリンセスプリキュア」の制作にも深く携わっていたとのことで、こんなところでのお覚悟がよろしくなるとは思わなんだ。

 そうしてやたら魂のこもった作劇で描かれるのは、なぜか最近見ることが多くなった気がする「エロ漫画の導入でしか見たことないのにエロくならないやーつ」。直近だと「夫婦以上、恋人未満」がそれだったが、今回はまさかのTSもの。これでエロを禁止されてる状態ってなんの意味があるんや……と思いかけたが、これでエロかったとて意味も分からないのでそこは一旦置いとこう。残念ながら私はあまりTS趣味が無いのでエロ漫画でもそっち方面にタッチすることは少ないが、たまに刺さるシチュもあったりするので、決して理解できないというほどでもない。ここからエロいことを、すれば、いいじゃない。 からのせんのかい。するのか思ったけどせんのかい。いや、しないよね、そうだよね。大丈夫、そこは「ファ美肉」で一回通過した。

 エロいことをされないのは別に悔しくはないが、「エロ漫画でもないのにこの展開でどう引っ張るつもりやねん」というのが一応の懸念材料。ただ、単なる無計画なシチュエーションギャグというわけでもないらしく、「妹ちゃんは兄をいったいどうしたいのでしょう?」という縦軸のストーリーも一応は気になる存在になっているので、今後の展開にも多少は期待してもいいのかもしれない。1話目で主人公の「元の姿」がほとんど提示されないというのも潔く、単に幼女TSを愛でるのが中心的な目的であるなら、前世(?)の男の姿など邪魔なだけなので抹消してしまって問題ないのだ。ただ、だからと言って単なる幼女になってしまったらそれはもうロリ漫画でしかなくなるわけで、「ぎりぎりまで消臭しているが、かろうじてTS要素を残す」というのが料理人に求められる絶妙なバランスである。そして、今作のスタッフなら、それを成し遂げてしまうんじゃないかという前向きな期待が持てるのである。オープニング映像の時点でかなり刺さるものがあり、「なんか太田雅彦みがあるよな」と思っていたのだが(伝わる人には伝わるよね)、スタッフロールをみたらなんと渡辺明夫の仕業だったっていう。……さては、可愛いロリを作るために手を抜く気はないな? 是非とも頑張ってくれ。

 エンディングも凄まじかったが、あっちはなんかもう、さすがに度が過ぎてる気もする。伝説になった「ハイスクールD×Dのアレ」っぽい印象。まぁ、やれることを全部やり切る姿勢はとても素敵だと思います。

 最後に、全く必要ないとは思いますが、まりんかときゃりさんという座組の破壊力が尋常じゃないことも付記しておきます。きゃりさんの妹役の落ち着くこと落ち着くこと。そこをさらに下回る(年齢的にね)まりんかの異次元の芸風なー。

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○「氷属性男子とクールな同僚女子」 4

 猫のヒゲのよく分からない尊さ、とても分かる。見つけたときになんか知らんけどテンションあがるんだよな。ただの毛だったら全然ありがたみ無いのに。いつの間にか落ちてるってのが大事なのかもしれん。

 そんなわけでにゃんこが可愛いし、1枚絵としてみればヒロインも可愛い。おかげである種のイメージビデオと言えるオープニング映像とかは嫌いじゃないのだけども……これ、ここから1クール分の伸び代ある? 多分無い気がするから現時点でちょっと間引きして考えないとダメなんだよな……1話目時点で「まったり、ゆっくり」というのはかなり意識した作劇になっていると思われるが、もう、出オチどころか「出てきても落ちてない」雰囲気がぷんぷんしており、すでに尺が間伸びしてるように見えてしまう。こういうのをゆったり楽しめないのがせっかちな現代人の罪なのかもしれないが……いや、でも別におもろいもんでもないやろ。1話目時点で何もかも結論が出てる話をゆっくり見せられてもなぁ……。

 原作出典が「pixivコミック」ということで、いわゆるTwitter漫画の「属性一発ネタ」みたいなところから膨らませた作品なんじゃなかろうか。近いアニメだと「先輩がウザい〜」あたりがあって、「こういう変なカップルの恋愛見てるの楽しいでしょ」っていうお話。いや、そりゃラブコメってジャンルがあるんだから楽しいことは楽しいのだが、せめてもうちょい刺激が欲しいのよね。設定自体は結構無茶苦茶なことやってるはずなんだが、本当にネタになる部分が「なんか凍る」しかなく、それ以外はふつーに地味な男女の惚れた腫れたしか語られていない。1週目はまだこれでもいいかもしれないが、今後に望みがつながる気がしないのだ。

 監督のまんきゅうさんはほぼショートアニメとかでならしてる人で、決して悪い仕事をする人ではなく、劇場版「すみっコぐらし」あたりは今作に近い「のんびりムード」がぴったり作品にハマっていてとても良い作品だったとも思うのだが、この味の薄さで1クールはいくらなんでも無茶なお題を与えられてしまったんじゃなかろうか。そりゃまぁ、大ヒットせんでもいいタイトルだし、ハナからそんな大それた結果は求めてもいないのだろうが……この作品の熱烈なファンで、ヒーリングミュージックのように流しておくだけで構わない、っていう層はどれくらいいるもんかなぁ。

 

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○「ツルネ -つながりの一射-」 ―

 こちらは4年ぶりの続編。ついこないだ劇場版もやってたはずなんだけど、すまん、そっちは観に行かんかった。

 未だ京アニ作品となると心の奥がざわついてしまう難儀な性分なので色々と邪念が混ざってしまうが、まず今作に関しては幸いにしてメインスタッフの多くはご存命であるというところは素直に喜ぶべきところだろう。作品への愛着はどうあれ、とにかく「京アニのアニメ」が観られるというそれだけで嬉しいもんである。

 ただまぁ、1期がそこまでハマんなかったのは分かりやすいジャンルの違いもあったが、そこまでドラマ部分に惹かれるものがなかったから。となると、1期、劇場版と挟んで「あんまり知らない状態」が増えてしまった今期でそこまで楽しめるかどうかはやや懐疑的。まー、正直言えば「説得力のある絵で弓道やってくれる」っていうだけでも一定以上の満足感が得られてしまうんだけどね。1話目についても、やっぱり弓を引くシーンになるとグッと「真に迫った」感があって気持ちがいいのよねぇ。休みだっつってんのに弓引かないと落ち着かない感じとか、的づけで悩んでる様子とか、そういう部分が「あったなぁ」ってんでしみじみきてしまう。

 今になって考えると、俺みたいな豆腐を通り越した豆乳メンタルな人間がよくこんな競技やってたもんだ。いや、俺の場合はどっちかってぇと「他人のことが気になってしょうがない」タイプなので、対戦相手がいない競技の方がやりやすかったってのは作中で言われてた通りなのかもな。ヒトカラみたいに一人で気軽に弓引いて帰れるレジャー施設とかねぇかな。

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○「テクノロイド オーバーマインド」 4

 ぼーっと観てたらラストで一気に不穏な空気になってワロタ。「1話目ラスト出オチ」っぽいけども。

 視聴開始2秒で上松の名前が出てきて「このおっさん、どんだけ仕事してんねん……」とびっくり。ビジュアルプリズンとか、ちゃんと回せてるんでしょうかね(シンフォギアとバンドリは回ってるよ! ほんとだよ!)。そんでこちらも全然知らないタイトルだったが、合間に挟まったCMによればソシャゲと並行したプロジェクトであり、そのソシャゲがめでたく1周年を迎えたとのこと。……この1年で1回も名前聞いたことないんだが……どんだけユーザーがいるんだろう。

 有象無象のアイドルソシャゲの1つといった印象だが、その特徴はなんと言っても「メインキャラが全員アンドロイド」という全く意味の分からない設定。まぁビジュアルプリズンの「キャラが悪魔」もよく分からんかったが、それでもきちんと雰囲気を出すための背景設定は出来ていたので「そういう胡散臭い雰囲気を楽しむもの」となんとなく察することができた。しかし、今作のアンドロイド設定、全く意味がない。むしろ「なんでこんな世界になってんの?」という設定の根本ばかりが気になってしまって話が全然入ってこない。いや、入ってくるべき話があんまり無いだけかもしれないけど。「地球温暖化によって人口が激減」(分かる)→「人類は労働力確保のためにアンドロイド開発に力を入れた」(分かる)→「その結果、ポンコツアンドロイドだけで同居生活を始めた」(?)→「ところでこの世界はアンドロイドでも歌って踊ってタワーの上を目指せるらしいぞ」(????)。なんだこの世界。

 人間と見まごう技術レベルのアンドロイドが存在している世界であるなら、主人公チームのポンコツ具合は全くもってそぐわない設定。人間がいないところでアンドロイドどうしの互助組織みたいになってる意味がそもそも分からんが(人間のサポートのために生み出された機械が、人のいないところで生活を営む意味がない)、そのアンドロイドがお互いにコミュニケーション不全を起こしたり、常識のないとんちんかんな発言でお互いに足を引っ張りあったり、そんな不良品はさっさと廃棄してしまえ。一瞬「ここまで非効率な活動を続けるアンドロイド個体なんているはずがないし、もしかしたらアンドロイドだと思い込んでる人間だったという逆転オチでは?」と思ったらすぐに首が外れるし。この技術レベルのロボが「ぶつかって簡単に首がもげる」という要素で機械っぽさを発揮するの、いったい何十年前のセンスなんだろう。

 そして、そんなポンコツたちのアイドルライブが人間の娯楽の中心になっているという絶望に溢れた世界。そこは流石に人間がやれよ。機械が歌うってことはボカロ以上に虚無&虚無じゃねぇか。さっきまでまともに歌を合わせることもままならなかった4人が、ちょっとしたきっかけでふつーにプロレベルのライブができるようになったわけだが、そんな些細なことで要素が激変してしまうような「アイドルユニット」を推せるわけがないだろう。成長を見守ろうにも、パラメーター1つをちょいといじったら見る影も無くなるわけで、それってアイドルでもなんでもない、ただの機械の音当てゲームである。何が楽しいんだろう。

 まぁ、既存のアイドル作品と違うことをやろうとして設定を盛り込んだ結果がこの形なのだろうけど……あんまり意義は感じない。動画工房、最近は画面クオリティの最低限保証がなくなってきてて1話目時点ですでに画に力がないんだよなぁ。あのラストだったので流石に気になって来週は見るだろうが、それ以降がどうなるかはちょっと分からない。

 

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○「文豪ストレイドッグス(第4期)」 ―

 あけましておめでとうございます。過去にあんまり正月休みが無かった当ブログですが、今年は珍しくがっつり空きましたね。特に意図したわけではないんですが、例年、年明けまでもつれ込んでた最終感想がスパッと年末までに片付いただけの話。逆に言えば、毎年どんだけ持ち越してたんだよ、とは思うが。あと、普段から何くれとなく書き散らしてないと気が済まない質なんですが、今年は別件で色々とアウトプットできてたのでストレスがたまらなかったってのもあるかも。そんなこんなで、今年も頑張って新番を追いかけていきましょうね。

 とはいえ、新年一発目はこちらの続編なのでそこまで書くことも無かった。振り返ってみればこの「文豪ストレイドッグス」というのも不思議な作品で、アニメ開始は2016年なのでもう7年も経つが、その間に評価がじわじわと上がっている。続編が続く作品って途中で飽きたり慣れたりしてそこまで興味が続かないことが多いので、こうして少しずつ印象が良くなる作品ってのは珍しい。参考までに確認しておくと、1期2期の評点がどちらも「5→5」だったのに対し、3期だけは最終的に6点になっている。その理由は色々とあったんだろうが、読み返すと逆の意味で「慣れ」が大きかったようにも思える。元々、原作がスタートした時点でちょっと目を通して「作家のこと馬鹿にしてんのか」というよく分からない憤りから嫌悪感を持っていた作品だったはずなのだが、五十嵐卓哉・榎戸洋司というズルい座組のアニメのせいでふつーに面白くなってしまい、いつの間にか「作家の名前を借りたキャラ」もきちんとオリジナルキャラとして立脚できるようになったもんだから、マイナス要素が消えて純粋に「面白いアニメ」までのし上がってきた形。

 4期となる今回は通しナンバーで38話目からのスタートになるらしいが、ぶっちゃけ前期が4年も前という時点でそりゃぁなんも覚えてない。覚えてないのだが、そこは制作側もしっかり備えているようで、まさかの社長と乱歩の過去エピソードからスタート。これなら前クールでやってたことを覚えてなくても問題はない。改めて、乱歩が出てきた時の今作は「そこそこミステリ」になって最低限の説得力を備えており、そこに肝心要のがっつりアクション作劇も絡んでいい具合に刺激が増している。改めて、ズルい作品である。

 長いシリーズになってしまったので今更改めて深掘りしようとは思わないが、きっと今期もこのまま楽しませてもらえるんだろうと勝手に期待している。

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○「万聖街」 5

 一応、新番組があるってんで新番チェックの総括を控えて待ってたんだけど、最後のつもりだったこの作品がちょっとおもてたんと違った。なんか、ショートを連打するタイプの作品だったからこれを普通枠で扱っていいものかどうか……まぁ、放送枠は30分あるから別にええか。とにかくこれで今期新番チェックの本数は44本。これに前期からの引き継ぎ作品やいちいち書いてないショート枠を含めた52本が今期のチェック本数ということになる。ここ1年ほどは50本を超えるシーズンがなかったので一気に増えたようにも見えるが、今期はたまたま雑多なショート枠が多いのでそう見えるだけ……だと思いたい。ほら、何せ「ある朝、ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生」なんて訳のわからんアニメもカウントに入れてるし……(ちなみに「ハーレムきゃんぷっ!」っていうのもあったけど、そっちは切りました)。

 というわけで52本の中でめでたくトリを飾ったのがこの作品なわけだが、知らない人のために書いておくと、中国産アニメの吹き替え版である。なんで放送時期がこんなにずれ込んだのかというと、実はこの枠、先週までは「羅小黒戦記」のテレビ編集版を放送していたのだ。おそらくこの「万聖街」がショート詰め合わせ形式で放送されるので、6話×6回の枠。「羅小黒」の放送と合わせて1クール分だ。ちなみにこの2つがパッケージングされたのは当然制作会社・配給会社が同じだからである。

 「羅小黒」が気合の入ったファンタジーバトルアニメだったのに対し、こちらはとにかくユルい、モンスターたちの共同生活ギャグアニメ。「羅小黒」の時にもミニアニメとかで似たようなテイストのサイドストーリーを展開していたが、「カワイイ」に振り切ったゆるふわ日常もの。ただしどっちかというと女性向けなので、登場キャラは全員野郎という分かりやすいデザインになっている。正直ショート枠扱いならあんまり評価する必要もないかと思っていたのだが、やっぱり中国産アニメを改めて見るのはいちいち気付きがあったり、新鮮な感覚が楽しめるのは良い部分。こちらのアニメにしても、ベースとなっているのはどちらかというとアメリカの「カートゥン」的なものな気がして、サウスパークとか、シンプソンズとか、もしかしたら「トムとジェリー」とか、そういう系統の制作理念が根底にある気がする。ただ、だからと言ってデザイン的な部分もアメリカンかというとそうではなく、丸っこくていかにも「マスコット」的なキャラ造形は日本の「Kawaii」文化からの派生と見ることができそう。ユルBL的な設定も、絶対に日本以外の国で生まれたのではないと断言できる構図だし、国境を飛び越えたフュージョンを実現した中国アニメのうまみが端々から感じられる作品だ。

 もちろんこれをパクりだなんだというつもりは全く無くて、そうしてさまざまな進化を遂げたアニメを参考にしつつ、きちんと自国の文化に作り替えている(チャイナイズとでもいうんでしょうかね)のは評価できるポイントだろう。特にショートギャグということでテンポの良さを重視していることがよくわかり、ちょっと理不尽さを感じさせるくらいの切り方でバシバシ展開しながらも、そこにモーションによる見せ方も加えているあたりは純粋にアニメとして楽しい。「羅小黒」の時に垣間見えたスタジオの技術力の高さが、また違った形で確認できるんじゃなかろうか。

 まぁ、あんまり肩肘張ってみるような作品でもないし、最強に面白いなんて結果にも絶対にならないだろうが、中国アニメにありがちな「なんか変な抵抗感」が無くてぬるっと入ってくるというだけでも文句はない。短い間だが、お付き合いさせてもらおうじゃないか。

 

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○「『艦これ』いつかあの海で」 ―

 「なんで今更?!」プロジェクトはまだまだある。まぁ、流石に「うる星やつら」とかと並べるのは変な話だが、アニメ前作が2015年ということで、7年ぶりに発掘されたお久しぶりアニメである。続編扱いするのもどうかとは思うが、評点する意味もあんまりなかろうしこれでいいや。

 前作は(少なくとも私の観測範囲内では)ファンからもあんまり良く思われてなかったアニメ化だったと思うのだが、ファンでもなんでもない身からはそれに輪をかけてどうでもいい作品になっていた。元々一見さんお断りな構造ではあったが、アニメ的にも見るべき点は特になく、「ま、ソシャゲアニメってこんなもんだよね」という典型みたいな扱いだった。その反省を受けてかどうかは分からないが、今回はスタッフも一新されて完全な新作アニメ扱いで再登場。前作は草川ディオメディアというなおざりアニメの代表格みたいな座組みだったのに対し、今回製作を務めるのはENGI。監督の三浦和也は最近ではENGI作品で多くの監督を務めており、現在も「宇崎ちゃん」が並行して放送中だったりする。

 ENGI作品は割と作画デザインが尖ってる印象があり、「フルダイブRPG」や「乙女ゲーモブ」のように「頑張ってるのはわかるけど……」みたいなデザインもあるし、「たんもし」のように素直に綺麗な場合もある。今作は幸いにして映像部分はかなり完成度が高く、そこについては捲土重来の意気込みが感じられる。前作でネタ扱いされていた水上ホバー少女たちは今作でもちょい違和感はありつつも、ギャグではなくてシリアスに落とし込めるくらいには馴染んでいる。細やかな表情の見せ方なども現代アニメとして全体的にブラッシュアップされた印象。これでお話が面白ければ、なるほど良作になるポテンシャルは秘めているだろう。

 ただ……よりによって更なる一見さんお断りの方向に舵を切ってきた。まー、シリアスが大前提になってるもんだから余計な設定をキャラに説明させるのはどうしたってバランスが崩れてしまうし、ドラマを進めるためには「世界はもうそこにあるもの」として扱い、知らん奴は振い落とすリスクもやむなしという判断なのだろう。おそらく、本当に今作を望んでいるファンがいるならば、そこに狙いを絞っての構成にするのは正しい判断だと思われる。いちいち紹介などされずともキャラがわかっているなら、サイレントで進めようが、あえて首から上を描かずに匂わせるアングルにしようが、問題は何もなくて、「やりたい話」を進められるのだ。実際、会話があったとて、首から上が見えたとて、どうせ私にはどのキャラが誰かなんて分からんのだから一緒である。相変わらず「声で識別できない地獄」が大きく足を引っ張っているのだが……もう、私の興味関心はこれ以上下がらないところまで降りているので、どれだけ引っ張られても影響はない。もう、遠巻きに見守りながら「まぁ、頑張れ」と応援するくらいしかやることはないのだ。

 今度こそ、ファンが喜んでくれる作品になるといいですね。……まぁ、どれだけファンが残ってるのかは知らんが……。俺の周りの連中、まだプレイしてる奴いるのかな。

 

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○「アークナイツ 【黎明前奏】」 5

 まだこの時期にも新番チェックは残っているのだよ……。実はあともう1本あるはずです。最近はアニメのカレンダーもだいぶ自由になってきたなぁ。

 変則日程でスタートしたので「準備にすげぇ時間がかかったのかしら?」とか色々と妄想してみるが、蓋を開けてみれば何の変哲もないアニメ。どっからどう見てもソシャゲ原作であり、何ともソシャソシャした雰囲気に満ちている(※そしゃそしゃした [形] いかにもソシャゲであるさま)。なんでソシャゲってこういう若干サイバーな荒廃都市が大好きなんだろうね? 最近でも「ドールズフロントライン」あたりが完全にイメージ被るな。

 おかげであんまり引き込まれる1話目にはなっていない。中華ソシャゲ原作ってことでおそらくそれなりに制作サイドの金回りがよく、アニメとしてのクオリティは決して低くないと思うのだが、しっかりした作画で描かれた世界でも、何も引っかかりがないので1話目としてふさわしいのかどうかはよく分からん。これまたソシャゲアニメでありがちな「1話目の説明で世界設定は何となく分かったけど、それが見たいかどうかは別問題」という状態である。まぁ「説明しすぎて台詞がクソ長い」とか、逆に「何も説明せんから世界がさっぱり見えない」とか、これ以下の導入をやったソシャゲアニメもたくさんあるとは思うんだけども。主人公が記憶喪失だから、説明してもらわなきゃ困るってのは一応世界設定に則って進行してるわけだが、流石にチュートリアルすぎて鼻につくよなぁ。

 まー、本当に1話目は「マニュアルの1ページ目」でしかないので、今後この世界設定をどう料理するかでプラスにもマイナスにもなんぼでも揺れることだろう。正直あんまり期待はしていないのだが、「何故メインヒロインはこんなシリアスな世界観の中でうさみみだったのか」とかがクライマックスで衝撃の事実として明かされれば、多少は注目もできるかもしれない。いや、多分来週あたりでわかるんだろうけどさ(分からなかったらそれはそれで怖いぞ)。メイドカフェの店員だったから、っていうオチだったらどうしよう。

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