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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「薫る花は凛と咲く」 6→6

 王道の持つ強み。人類の歴史の中で何度も何度も繰り返し描かれる「王道」展開は、それだけ人が求めるものであるということだ。

 典型的な「美女と野獣」。身分違いの恋を描いた作品なんて世界中にごまんとあり、今更見せられたところで大きな感動は無い。無いはずなのだが、これがどこか満足感につながっているという事実があり、マンネリズムというのは王道の持つ強みに加え、そこに独自性を混ぜ込むちょっとのセンスの勝負なのだろうな、と思い知らされる。今作においては「身分違いの恋」を描くための「名門女子校となりの底辺高」という設定だけは「どないやん」ポイントではあったが、その1点さえ受け入れて「そういう社会規範の世界で描かれる物語なのだ」と受け入れられれば、あとはオペラでも見るかのように、歴史と伝統に裏打ちされたフォーマットを堪能するだけである。

 ここに「ちょっとしたセンス」が混ざり込むことで独自性を発揮できるというのが創作の醍醐味であり、今作においては和栗さんが単なる「美女」で終わらずにその裏にはむしろ凛太郎を守ってあげるくらいの強さを持った女性として描かれている部分が更なる刺激を産む。最終話の顛末はそれがはっきり分かる部分で、なんなら2人の関係に対する積極性で見れば和栗さんの方がずっと強く、見方次第では彼女の方が「肉食系」、獣に見えてもおかしくないくらい。古くから守られてばかりだった「美女」が、現代ではビーストテイマーとしての活躍を期待されている。他にもワンポイントの刺激としてほの百合テイストを混ぜ込んだ昴さんが大活躍してくれたり、1クールの尺でも中だるみを感じさせずに充実した時間を提供してくれた。

 そしてやはり、本作の一番の売りはそのビジュアルである。今期CloverWorks作品の中でも突出して手の込んだ映像美は、同監督が作り上げた名作「明日ちゃんのセーラー服」を彷彿とさせる。青春とはかくも美しいものだと、ダイレクトに映像で伝えてくれるんだから全くもって話がはやい。「美女のお話だから綺麗な画で表現できれば魅力倍増だよね!」なんて、話としては単純だが実践しようと思えばこれまたとんでもない労力。それが出来てしまうスタジオの本気が、今作を一歩上の存在にしてみせた。

 こないだ「きせこい」の感想で「推し活と恋愛」の話が出てきたが、結局は互いの良きところをリスペクトし合う関係を我々はただ見守りたいのである。これはもう、マンネリとか王道とかでもなく、ただの「営み」なのかもしれません。

 
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