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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 約1年間の長きに渡った当企画も、本日をもって最終日を迎える。なんの因果か、本日は2人の誕生日が重なる2人デーになってしまっているが、記念すべきナンバーナインティナインを飾るのはこちらの島袋美由利である。

 今回の企画の中ではどちらかというとブログでの言及の量が少ない方の人材であり、これまでも「なんとなく」で「好きですけどね」くらいのことを匂わせていた役者。最終日に、こういう人にちゃんとスポットが当てられるこの企画の大切さを改めて噛み締めていこう。ちなみにこの人もあまり中の人本人に馴染みがないため、無骨な「島袋」という苗字呼びになってしまうのはご容赦願いたい。うちなんちゅの苗字はいちいちゴツい。

 




 

・馴れ初め

 私の認識からすればまだまだ「若手」にカテゴライズされる島袋、そのデビューも出会いも当然まだ記憶の範疇にある。というか、がっつりブログ内で「初めて見る名前やね」と書いているのだが、最初に目を引いたのは「はねバド!」の新垣なぎさ役の時である。「はねバド」はメインヒロインが大和田仁美でどこか現実感が危うくなるようなキャスティングも魅力だったのだが、その「相手役」を務める強健なる部長役が島袋の最初のレギュラー仕事。一応デビューはこの前年(2017)らしいが、翌2018年にゴリゴリッと仕事が増えているので、世間的にはこの年がスタートの年と言ってしまっていいだろう。

 最初の印象は「新人とは思えない安定した仕事ぶり」という、若手を褒めるテンプレみたいな文言で終わっているが、ぽっと出の新人に注目できて、わざわざ新番チェックの時点で名前をあげているということは結構気になる存在だったということ。この時は多分なぎさ役ってことで割と「落ち着いてて低音域の子なんだろうな」くらいの印象だったと思う。

 彼女の事務所は大沢だ。つまり、研ぎ澄まされた才能をピンポイントで業界に叩き込むのを得意としている。おそらくこの「はねバド!」のあたりのタイミングですでに事務所も「この子はいける」と確信を持っていたのだろう、そこからは一気に仕事を増やし、有名なところでは「ゆらぎ荘の幽奈さん」でメインヒロインを務めているし、きらら系スポコンアニメ「はるかなレシーブ」でもレギュラー出演。こうして見ると、なんかやたらと肌の露出が多いアニメに出演していることが多いな(そもそも日本のアニメは肌の露出が多いだけかもしれない)。

 そしてこのラッシュの中で、彼女は「キャロル&チューズデイ」のキャロル、そして「グランベルム」の満月という、昨今あまり見ないタイプの2人の主人公を同時期に務め上げることになる。ここまで来ればどれだけニブい私みたいな人間でも理解できますよ。「この子はものが違うな」ってことに。

 

 

・良きところ

 企画の最終段階に至ってもまだ「役者を評する言葉」には悩んでしまうが、島袋美由利の良さを大きくまとめるなら「強さ」からスタートしてみようか。まぁ、いつも通りに曖昧な物言いになってしまうのだが……前提条件として、島袋ボイスはやや低めの音域、ショタであったり、ちょい強面の女性あたりが似合ったりするパートである。デビュー直後のなぎさ主将が分かりやすい例だが、その後も比較的サバサバしたり、スカッと突き抜けたりする役柄を多く担当している。普通、低音域を得意とする女性声優は相応の「こもり」というか、ちょい抑えめのテイストになる「キンキンしてないが故の地味さ」みたいなものを併せ持ってしまうものだが、島袋ボイスの場合、そこまで実際の音域を下げていないにも関わらず、不思議と安定を感じさせてどっしりと構えることができる。なるほど、これは内山夕実あたりに代表されるような、名バイプレイヤータイプの役者なのかと、そういう認識もできる。

 しかし、島袋ボイスはその1枚で終わらない。上で「幽奈さん」の名を挙げたことからも分かる通り、どこかでひょいと音域の低さを外してド王道なヒロインボイスに転じることができる。この転身(転調?)が、まーー、自然すぎる。声優ファンにとって最大の喜びである「同じ声とは思えない!」がしばしば発生するのが島袋キャラだ。故に、カテゴリとしては最強存在種﨑敦美、最近であれば篠原侑あたりに近い、「カメレオン性も持ち合わせながら、圧倒的な強度で最高の自分流も振り回せる」という360°のオールラウンダーなのだ。さっさはベースが高音にあるのに対し、島袋の場合はベースがやや低音寄りからキャラに入れた時にグッとあげて「萌え」に寄せられる技巧が一番の魅力と言えそうだ。本人の声を聞いてもなかなか「メインフィールド」の声をつかませてくれない声優、悔しくてずっと追いかけたくなっちゃうものね。

 そしてその「強さ」、強度が高音域に上げてもそのまま残るのが本当に不思議なもんで。彼女が担当した名キャラクターといえば、そのほとんどは無条件で「強い」のである。萌えだの癒しだのといった優しさを求められることが多い昨今、知らぬ存ぜぬでまかり通る島袋ボイスのなんと貴重なことか。いや、別に本人が怖いとかじゃないですけどね。是非、この強度で世代の近そうな篠原侑と本気でぶつかってみてほしいですね。ビッグバンが起こりそう。

 

 

 

・お勧めキャラ3選(改めて並べると、やっぱり同じ人のキャラとは思えないんだよな)

 

・「はねバド!」より「新垣なぎさ」

 というわけで、やっぱり最初はこちらの役から味わってほしい。「はねバド!」はアニメ自体の完成度も高い良いスポコンなのだが、女性キャラが大挙する関係上、声優クライシスでいろんな化学反応が堪能できるところも良い。だいぶメンタル削られる話が多いけどね。

 

・「キャロル&チューズデイ」より「キャロル」

 強さの島袋。音楽をテーマにした作品だがアイドル性などはほとんど無くかなり硬派な作品。渡辺信一郎にやってほしかった中身がきちんと入っている良きアニメだが、当然完成を見るにはメインヒロインの2人にしっかりした「芯」が必要になる。そして物語の大半においてチューズデイを引っ張るのはキャロルの側である。ほんと、丸投げできる信頼感。

 

・「グランベルム」より「小日向満月」

 そしてたどり着いた1つ目の到達点。こちらは高くて可愛い「萌え」寄りの島袋ボイスで、それまで落ち着いた役ばかりを見て(聞いて)いた私なんかは「こんなんもできるんかい」と舌を巻いた。もちろん、単に可愛いだけじゃなくて「強い」のは言わずもがな。ちなみに相方の新月が種﨑敦美であり、この時点でアニメとしての強度は最高値をマーク。この2人で戦って負ける姿なんて想像できるわけもない(なお、ラスボスは悠木碧)。

 

・「ギャルと恐竜」より「楓」

 「島袋ボイスのギャル」という、思念と理念が完全に合一される存在。どこか脱力系ながらも信念の宿るその姿勢はもはや「ギャル道」と言ってしまっていいのかもしれない。

 

・「炎炎ノ消防隊」シリーズより「因果春日谷」

 世界観の危うさと、作者の底意地の悪さ、そしてストーリーメイクの妙を体現した地雷原のようなキャラ。登場時からちょっとずつ「壊れ」を見せる彼女の精神性の機微が島袋ボイスで余すことなく表現され、ただでさえ「火元」の多い作品世界の中でもとびっきりの火力を実現させた。マジで覚醒エピソードは鳥肌もの。

 

・「ダークギャザリング」より「ドロシー・フラムスティード」

 早く2期放送されないかしら記念。まぁ、ドロシーは2期の範囲があったとしてもどの程度活躍できるかは定かじゃないが……なんでこんなに危うくて、強いのだろう。そうか、この作品こそが島袋美由利VS篠原侑の代理戦争なのか。

 

・「夜のクラゲは泳げない」より「高梨・キム・アヌーク・めい」

 こちらは「高くて可愛い」タイプの音域なのだが、その魂のレベルでの猛者である。メインの2人がイチャイチャしながら悩んだり苦しんだりしている間、1人してただブレずに自分を貫き通していた肝っ玉が太すぎる強火オタク。

 

・「花は咲く、修羅の如く」より「薄頼瑞希」

 この声の持ち主に「朗読がテーマのアニメ」とかやらせないでくれよ。強度が、強度が……まぁ、そこの信頼がなければキャスティングされないわけですけどね。部長はシリーズ終盤でちょいと弱さというか、悩ましい部分も見せてしまったが、最終的にはやっぱり最強存在だと思って問題ないですよ。

 

・「チ。-地球の運動について-」より「ドゥラカ」

 強さもここまで来るともう、当たり前のように信念がごんぶと。今作は最初に口火を切った坂本真綾が平然と世界をぶっ壊すレベルの信念を貫き通したもんで、その後の歴史での「跡を継ぐものたち」も同様の仕事ぶりを求められたので怖かったです。まぁ、できるんですけど。

 

・「ロックは淑女の嗜みでして」より「黒鉄音羽」

 というわけで、珍しくほぼ時系列順に最後の1人まで。まぁ、こいつの場合は強さだとかどうとかいう問題でもない気がするが……一声出すだけで世界の全部を持っていく圧倒的「勝者」にして世界の「破壊者」。生き様がロックなんだよ、中の人もよ。

 

 

 やはり役者に求められるのは一声発するだけで世界を作る力である。時代を作っていくのは、今後も引き続きこの辺りの世代になるはず。目を離すんじゃないぞ。

 

 

・関連リンク集

新番チェック・はねバド!

新番チェック・はるかなレシーブ

新番チェック・グランベルム

番組感想・ハクション大魔王2020

花は咲く、修羅の如く 第2話 「好きと才能」

番組感想・ロックは淑女の嗜みでして

 

 

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