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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 毎月1日はファーストデイで映画が安いんだぜ! ……ということをすっかり忘れて券売機で無料クーポンを消費してしまったのが私です……おかしい、昨日の晩には「ファーストデイだから映画行くかぁ」って思ってたはずなのに……返して私の節約精神(数百円でごちゃごちゃ言うなや)。

 という不純な動機で観に行った劇場アニメです。少し前から劇場に行くと何度も番宣が流れており、メインキャストがとにかくゴリゴリだってことがわかっていたので、一見すると不安要素となるCGルックではあるが「まぁ、観てもええやろ」ってんで視聴。折り返し前に結果を一言で書いておくなら……「加点要素は無い作品」ってとこだろうか。想像してみてください、「スポ根アニメを劇場で100分やるわよー」って言われて作ったアニメ映画を。開始10分で何が起こる? 半分の50分くらいで何が起こる? ラスト10分の展開はどんな感じ? ……今想像した7割くらいをそのまま再現したのが今作だと思ってください。「おっ」って思えるタイミングがほとんどなく、「えぇ……」って思えるタイミングがちょこちょこ。そんな感じの結果でしたとさ。

 

<というわけで以下ネタバレ注意。まぁ、原作はそれなりに有名作品らしいのでネタバレも何も無いが>

 

 




 確かにこのタイトルのフレーズはどっかで聞いたことはあった気がする。確認すると原作小説が1996年から展開され、実写の映画が98年、ドラマの放送が2005年だそうな。多分この実写ドラマのタイミングで名前だけ聞いたことがあったのかな? そしてドラマの方は1時間ドラマ10話分だってさ。そんな作品を、どこの誰が100分弱の単発劇場アニメにしようと思ったんだろう。無謀無茶を通り越して「夢想」なのでは? 

 というわけで、普通に流してるのに「ファスト映画かな?」と思ってしまうような驚きのスピード展開。そりゃま、シンプルなスポ根の筋立てなので持って回った説明など必要としないというのも一部では正しい意見かもしれないが、王道であり、定番であるからこそ、そこで描くべきドラマには細心の注意を払って個性を発揮していかなきゃダメなわけで……ファストもどきでダイジェスト展開だけされてもなんも刺さりゃしませんて。

 一応、あえて「おっ」と思ったタイミングをあげるとするなら、序盤の初めて5人で海上練習に出た時の一幕で、悦子がちょっと頑張ってオールを漕いだらグッとボートが進んでみんなが微かな爽快感を抱いたカット。あのカットだけは、それまでの「なかなか進まないボート」が初めて手応えのある動きを見せて風を切ってスッと動き出した爽快感みたいなものが感じ取れた。全てのシーンにそうした「ならではの快感」みたいなものがついてまわれば、ベタの極みであるスポ根アニメにも良さを見出せたとは思うのだが、残念ながら「おっ」はそこで打ち止め。その後は競技シーンにしろそれ以外のシーンにしろ、判で押したような予定調和が続いて正直退屈。点を加える部分が見当たらない。

 一応、フルCGの作画については「可もなく不可もなく」という評価に留めておく。流石にCGだからって拒否反応を示すようなこともなくはなったが、別段「CGだから良い」という印象もなく、やはり額に汗して若さを爆発させたい作品性との齟齬の方が気になる。「わざわざCGでやる意義」が感じられるような作品ではないため、「まぁ、そっちの方が多分楽だったんやろ」くらいの印象。こないだ見た「ふれる。」と同様、海の描写(というか水の描写)はCG処理の腕の見せどころなので、その辺りの風景描写に力を入れたかったのだろうが……もはやそれだけで「素晴らしい技術だ!」と唸るような時代はとうに終わっている。女の子の顔の描き込みは悪くはないが、やっぱどこかに不気味さは出る。

 あとは「えぇ……」思った要素しか残っておらず、一番の不満要素はやはりほとんどのキャラが単なる舞台装置としての役割しか果たさず、とても人間ドラマ、青春ドラマを描きたかったようには見えないという部分。メインとなる悦子はまぁ、(行動原理に到底納得はできないが)まだ登場シーンが多いだけにかろうじて「主人公」と言えるだけの動きは見せた。サポートしていた姫についても、まぁ色々とその感情を推し量ることはできるだろう。しかしそれ以外の3人、特に金持ちコンビについては突如出てきて適当にオール動かして騒いでるだけの立ち回りで、およそメインキャラとすら言えないような扱いの酷さ。いくらなんでも彼女たちのバックグラウンドがほとんど語られない状態で「5人チームもの」をやるってのは無謀すぎる。また、5人全員が「なんでボートを漕ぎたいのかよくわからない」というのもとんでもない問題で、言い出しっぺ梨衣奈がボートをやりたいのは「なんかかっこいいから」からスタートしてその後の追加が無い。メイン2人は巻き込まれスタートから「ライバルにマウント取られて癪だったから」を途中追加したが、これが1年も持続するモチベーションになるほどの設計にはなっていない。金持ちコンビに至っては終わりの方でちょろっと「お互いに勝ちたかっただけなのに」という阿呆の極みみたいな理由をちょっと挟まれるだけで、とてもじゃないが熱心に部活に打ち込む理由には見えない。そんなふわっとした理由で始めた連中がどんだけスポ根風の動きを見せたとて、「お前らなんでそんなことしてんの?」というだけだし、途中で悦子が抜けようとしたムーブだって「そうなれば、そうなるやろ」で納得しかなく、ライバルからの一言で復帰するところも無理やりにしか見えない。ほんとに「そういうスポ根だからそう動く」というだけで、ドラマが全然ついてこない。

 そして個人的に一番「ないわー」と思ったのはクライマックスとなる試合のラストを訳のわからんイメージカットとムーディーなBGMで処理してうやむやにするというとんでもない構成。そりゃま、「頑張ったけど2位でした」の結果を真正面から見せるのは嫌かもしれないし、その上で「2位でも次のステージ行けるんですけどね」のオチにつなげるにはそこらへんをあまり劇的に描写しない方がいいのかもしれない。はっきりとゴールテープを切るところを見せない余韻の表現だと考えたのかもしれない。しれないけど……だとしても一番見せるべき「必死の競技シーン」の途中で全然関係ないイメージを挟んでせっかくの手に汗握るレースシーンをぶち壊すのはスポ根でありえない描写法じゃない? あれだけは俺は認められないわ。あそこだけは誰がなんと言おうとアニメスタッフが悪いと思うよ。

 まー、多分これだけメディア化されてるってことは原作小説自体はそれなりに説得力のある、良質の青春ドラマになってるのだろうと勝手に思っているが、それをアニメにして上っ面だけなぞったところで、なんの旨みも出せやしないというのが結論。久しぶりに「存在そのものにあまり意義を感じない」という残念な作品になってしまった。ほんと、どこの誰が得するためにこういうプロジェクトが動くんだろうなぁ……。まぁ、CGアニメを作ったスタジオの技術自体は決して悪いものではないので、めげずにもっといいプロジェクトで新しい形を見せて欲しいとは思う。

 

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